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生成AIでミドル世代の働き方はどう変わるか|基礎から今後のキャリアへの影響まで徹底解説(全3記事)

ミドル世代がChatGPTを使うことで拓けるチャンス 生成AIの活用でキャリアの付加価値が高まる理由

ChatGPTなどの生成AIが個人のキャリアに大きな影響を与えると言われる今。本イベントは、そうした技術革新が進む中でどのように生き抜くべきか悩んでいるミドルキャリア世代に向けて開催されました。本記事では、『生成AI導入の教科書』の著者で、AI専門メディア AINOW編集長の小澤健祐氏が、今までと今のAIの違いや、これまでビジネスの場でAIが実用化されてこなかった理由について語ります。

AIの専門メディアの編集長・小澤氏が登壇

小澤健祐氏:ではさっそくスライドに入っていければと思います。まず最初に自己紹介をさせていただきます。おざけんという名前で活動させていただいているんですが、人間とAIが共存する社会を作ることをビジョンに、2017年からAIの専門メディアの編集長をしております。それがこの「AINOW」というメディアですね。

今は、その他もいろいろと取り組みをさせていただいております。例えば9月28日に『生成AI導入の教科書』という書籍を出版させていただきました。初めての書籍なんですがAmazonでベストセラーにもなったり、継続してランクインして、かなりご好評をいただいております。

生成AIについてもっと知りたいと思ったり、みなさんの会社で導入したいと思ったら、ご購入いただければと思います。その他、生成AI活用普及協会の協議員も務めておりまして。ふだんから、生成AIの活用を普及させるための活動も協会を通して行ったりしています。

あとは「SHIFT AI」という、日本最大のAI活用コミュニティのモデレーターをさせていただいたり、最近はこのAI×リスキリング系のサービスの顧問をさせていただくなどしております。

今日はこんな立場から、生成AIの基礎から働き方がどう変わっていくのかというところを通して、みなさんに少しでも、何か持ち帰れるような情報をお伝えできればなと思っております。よろしくお願いいたします。

働く人すべてに影響を与える生成AIのインパクト

ではさっそく始めていきます。まず、この「生成AIとは?」みたいなところを復習がてらお話しさせていただきます。

生成AIと言いますと、この(スライドの)一番右に当たる部分なんですけれども、ここ1年でかなり注目されるようになった技術です。今までも、みなさんもうさまざまなニュースでこのAIの発展は見てこられたかと思います。

そもそも今まで発展してきたAIは識別系AIとか予測系AIと呼ばれるもので、例えば(識別系AIは)画像認識だったり音声認識。予測系AIだったら需要予測だったり売上予測。こんなところで使われていたのが今までのAIでした。

ただ2022年の11月末にChatGPTが出ました。ChatGPTは、実は世界最速で1億人のユーザー数を突破したサービスなんですが、入力を元に何かのコンテンツを生成できるAIです。テキスト生成とか画像生成ができるというところで大変注目が集まっている技術です。

さて、この生成AIと言いますと、もしかしたら画像生成は、話題になってからちょっと時間も経っているので、見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。最近では動画を生成したり音声を生成できるようなAIも生まれています。

そんな中、やはり一番注目されているのがテキスト生成です。これこそ、ミドルキャリアのみなさんだけではなくて、もはや働くすべての人のキャリアに影響を与えていくようなインパクトを持っている技術です。

その証拠と言ってはなんですけれども、こちらは帝国データバンクさんの調査データです。注目されているAIは何かというところで、文章とコード生成AIが入っております。このように、かなり注目をされているのがテキスト生成AIです。これによってみなさんの働き方が大きく変わっていくのかなと思います。

今までのAIと今のAIはどう違うのか?

あとみなさんにはぜひ、今回を機に1つ覚えていただきたいのですが。ChatGPTなどのサービスを使っていると、どうしても「対話ができるAIなんだ」と捉えてしまう方も多いのかなと思います。

言い換えると、かなり検索ツールの延長線上的な使い方にとどまってしまう。何かわからないことを答えてくれるようなサービスと勘違いしてしまう方も多いんですけれども。実はこの生成AIは、答えがない問題。例えば企画書を作るとか、何かの答えがない問題を一緒に解いていくことにかなり長けているツールなんです。

この生成AIの本質もぜひご理解をいただけるとうれしいなと思っております。生成AIの仕組みも簡単にご説明をさせていただきますと、ちょっと技術的なお話なんですけれども。今までのAIは何かの用途があった時に、それぞれにモデルAIを1個1個構築する必要があったんですね。

2010年代、もしくは2020年ぐらいまでのAIは、本当にこういった形式が一般的でした。なので、みなさんもデータサイエンティストとか、AIエンジニアという仕事をニュースで見かけることも多かったのではないでしょうか。

ただ、この大規模言語モデルは、いわゆる基盤モデルと専門的には言われるんですけれども。膨大なテキストデータを学習することによって、今まで1個1個作っていたモデルをまとめて1個の大きいモデルで代替できるんじゃないかということで開発されました。

なので、かなり高い汎用性を有しているのが特徴です。例えばプロンプトエンジニアリングって聞いたことがある方も、多いと思うんですけれども。

何かしらちょっと細かな指示をするだけで、さまざまな用途に活用できるというところで、この基盤モデルやChatGPTの注目も高まっています。ぜひ、このあたりはご理解をいただきたいなと思っています。

そんなところで、今までのAIと今のAIの違いも、一緒におさらいをしていきましょう。

私は、2017年からAIの専門メディアの編集長をしていますので、このAIブームが盛り上がったところ、それから2020年ぐらいにちょっと落ち着いたところ、そしてChatGPTでもう1回AIブームが盛り上がったところを見てきました。その中で感じたこともみなさんにお伝えさせていただきたいなと思っています。

これまでAIが一般化しなかった理由

ちょっと専門的なんですけれども、そもそも今までのAIの分野はとてもおもしろくて。みなさん事業会社の人もいればコンサルの方もいて、受託開発系の会社の方もいらっしゃるのかなと思うんですが。

今までのAI業界って、こんなかたちでAIを作りたい会社があったらコンサルの会社や受託開発の会社がいて、ここが一緒にAIを作っていくのが1つの構造だったんですね。

まあみなさんもいろんなメディアでAIの可能性について感じていたり、政府がAI戦略を出したり。そして、さまざまな研究機関がアルゴリズムを開発しました。

ただ、どうしてもこの事業会社には先ほどお伝えしたようなAIを構築できるプロフェッショナルがいなかったので、内製化はできず外注頼りになってしまっていました。

あとはこの受託開発、AIのモデルを受託で開発する会社は「AIでなんでもできますよ」みたいなマーケティングをかなり積極的にやっていました。なので、それがすべてではないのですが、やっぱりエンドユーザーのためになるようなAIは意外と作りづらかった。

どちらかというと受託開発企業は事業会社の予算を取るためにがんばっていたりする。今までのAIって1個1個の用途に合わせて開発する必要があったので、やっぱりみなさんの手に届くような、いわゆる民主化だったり、一般化するのがとても難しいところがありました。

みなさんもそれぞれいろんなお仕事をされていらっしゃるかと思うんですけれども。実は今までのAIって実用化に至るプロジェクトがあまり多くなかったんですね。

一方、後ほども触れるんですけれども、今のAIは、この1つの大きなモデルを作っているからこそ、さまざまなところで活用できます。だからこそみなさんも、今までと同じようなことを繰り返すのではなくて。何にでも使える汎用性があるからこそ、その癖を理解してちゃんと活用する側に回っていただきたいというのが、今日1つお伝えしたいところです。

ChatGPTを業務で活用している会社は、いまだ9.1パーセント

やっぱりAIとなると、現場が使ってくれるか、日常使いできるかが一番大事になってくるかなと思います。

それを裏付けるデータとして、AIに関する調査の結果があるんですけれども。これは今の生成AIではなくて、1個1個モデルを構築する必要があった時代のものです。実用化しても、何が課題かわからない人がとても多いのが今までのAIの現状だったんです。

実は現場が使ってくれるかが一番大事なのにもかかわらず、現場で何に困っているのかがわからない。その空洞、空白状態でこういった会社が協力してAIのプロジェクトが生み出される状況が、今まではとても多かったんです。

みなさんもふだんからAIを使っている方もいらっしゃるでしょうし、いや、まだぜんぜん使えていないという方もいらっしゃると思うんですけれども。

意外と技術先行で考えられてしまうところがあるかなと思っています。なので、ぜひみなさんも、今までのAIがそもそも課題がわからないとか、課題が空洞化していたところはご理解いただきたいなと思います。

それを立証するのがこちらです。ChatGPT、生成AI、かなり注目を集めているんですが、これは2023年6月のデータです。ChatGPTを業務で活用している会社は9.1パーセントにとどまっています。

なので、これは逆に言うとみなさんにとってもチャンスです。まだ活用できている会社が少ないからこそ、いかに現場が使ってくれるかを意識しながら、このChatGPTを使っていくことができれば、めちゃくちゃ可能性があるんじゃないかなと思っています。

いかに生成AIを使って付加価値を高めていくか

生成AIを使うとなると、「誤った情報を出してくるんでしょ」とおっしゃる方もいるんですけれども。答えを求めるような使い方、検索ツールの延長線上の使い方をしていたら、やっぱり現場で使われることはないかなと思っています。

なのでみなさんは、一緒に答えを追求してくれるツールとして使えるように、ここからさらに細分化してお伝えさせていただきます。

今までのAIと、今のAIをどのように捉えるかなんですが、作るAIから使うAIへと概念がとても変化していると思っています。先ほどお伝えしたように、今までのAIは、個別の課題に合わせてモデルを構築する必要がありました。

ただこの生成AIは、事前に膨大な量の学習をしているので、わざわざモデルの構築をする必要はありません。だからこそいかに活用して、いかに価値を生み出せるのか。作るよりも使うAIという本質をぜひ捉えていただきたいなと思っています。

あえて、作るAIと使うAIをこのように分けました。今までのAIはやっぱり、モデルとなるAIを作ることにかなり注力されていたんですね。ただ、これからはいかに生成AIを活用して付加価値を高めていくかがとても重要になっています。

この生成AIは汎用性があるので、今までみたいに一部でしか使えないようなAIではなくて、適用範囲がかなり広くなっています。だからこそいろんな部署が関わってくるような技術になっています。

特に今回、ミドルキャリアのみなさんがけっこう集まって下さっていると思うんですけれども、そういう方は、かなりいろんな部署の経験をされていますよね。社内でいろんな部署に対してコネクションを持っていらっしゃる方も多いと思います。

これからの生成AIって、20代・30代のプレイヤーが何かやろうとするよりも、実は社内のいろんなことを知っているみなさんが、生成AIの本質を理解して社内で活用を進めていくことによって、みなさんのキャリアにも大きくプラスの効果が出てくるのかなと思っています。

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