2024.10.01
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Launch Pad 5位「SkyDrive」(全1記事)
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藤田功博氏(以下、藤田):SkyDriveで第5位に入賞されましたCARTIVATORの中村翼さんにお越しいただきました。おめでとうございました。
中村翼氏(以下、中村):ありがとうございます。
藤田:今の気持ちをお聞かせください。
中村:始まる前は入賞できるかも全然わからなかったんですけども、本当に入賞できてうれしく思っています。
藤田:では簡単に、プレゼンされた内容を教えてください。
中村:はい。こちらSkyDriveといいますが、世界最小の空飛ぶ車です。具体的には、最近よく出てきますが、マルチコプターという複数のプロペラをもつ小型ヘリの原理を使って、それにタイヤを組み合わせて、垂直離陸できる空飛ぶ車にしました。
藤田:このLaunch Padに出場を決められたきっかけであるとか、思いというのはどういうものだったんでしょうか?
中村:はい。実は今年の頭にInfinity Ventures Partnersの小野(裕史)さんにお話をさせていただく機会があって、その際に「ぜひ出てみたら?」という後押しをいただきまして、その場に出させていただけるならと決めました。
藤田:Launch Padについては、それまでに知っておられたんですか?
中村:正直なところ薄く知っていたという程度だったんですけども、だんだんとすごいことなんだなというのを認識してきました。
藤田:審査会、予選が何度もあったと思うんですけども、どういうコメントとか指摘が入ったんでしょうか?
中村:一番言われたのは、われわれ企業に属している身なんですけども、「大企業的プレゼンだ」と。文字が多いだとかメッセージが伝わりにくい説明ばかりだとか、そういう(指摘を)いただいて、見せ方というところは過去の登壇者の方のプレゼンを見て勉強させていただいたり、(予選時に)いただいたアドバイスをもとに修正をかけていきました。
藤田:かなり厳しい予選だったと思うんですが、その予選を突破したときは、どういうお気持ちだったんでしょうか?
中村:「本当にいいんでしょうか……?」という気持ちもあって。地理的に愛知県に住んでいた関係でSkypeとかでやらしていただいたので、なかなか伝わりにくいところもあるなというなかで通していただけたので、ちょっと信じられないという感想でしたね。
藤田:プレゼンを前にして宮崎に入られて、昨日はどういう時間の使い方だったり、気分だったんでしょうか?
中村:少し登壇者の方のお話を聞きながらも、プレゼンのことで頭がいっぱいで。実際、昨日も株式会社スペースマーケットの重松(大輔)さんとかに見ていただいて、いろいろご指摘いただいて、「直さなきゃ直さなきゃ」みたいに、かなり必死でした。
藤田:いざ当日。朝起きられて、会場入られたときは、やっぱり緊張して。
中村:そうですね、緊張と、あとはデモがうまくいくかというところが、不安というか、ドキドキしてました。
藤田:朝も直前までね、実機で練習しておられましたね。
中村:もう調整に調整を重ねて。
藤田:プレゼンの最中というのはどのような。
中村:あとは「なるようになれ」というので。ずっと練習してきたので、あとはそれをぶつけるというのを、100パーセント出し切れたかなと思っています。
藤田:発表を終わって、順位の発表を終わっている間というのは?
中村:やっぱり緊張しましたね。
藤田:終わった後にそれなりの手ごたえはあったんですか?
中村:いやもう、未知数でした。皆さん、すごいプレゼンとサービス内容だったので、これ、ジャンルがだいぶ違うのもあって、比較もできないなというので、未知数でしたね。
藤田:なるほど。順位が発表された瞬間っていうのはどういう気持ちだったんですか?
中村:これまた「信じられない」という感じで。入賞というのが本当にできるのかなというぐらい、ある意味ぶっ飛んでいますし、そういう中でだったので、うれしさがこみ上げてきました。
藤田:開発のための資金も集めたいということで今回参加されて、上位入賞されて、今ここまでの短い時間で何か動きってありましたか?
中村:何名かの方に名刺をバタバタ交換させていただいて、そこからまたつながっていければいいなと思っています。
藤田:今は大企業にお勤めなんですよね。この先どういうビジョンを描いておられますか?
中村:なかなかリスクのある話なので、まず自分たちで進めていって、東京オリンピック(で聖火台に火をつけるということ)を実現させたいと思っています。ただ、そのあと本当に量産となってくると、自分たちで全部というのはなかなか難しいと思っているので、大企業と連携するという道を何とか見つけてきたいと思っています。
藤田:今直近で直面している課題としては、資金面が大きいんですか?
中村:そうですね。あとは時間ですね。われわれ、平日は普通に働いていて、平日の夜と週末を使ってやっているので、なかなかそれだけだと間に合わないというので、時間を何とか確保したいというのが正直なところです。
藤田:何に対する時間が今一番必要ですか?
中村:先ほどのデモでも最後落ちてしまったんですけど、安定的に浮上させるというのが意外と難しくてですね。マルチコプターというのはよく出てるんですけども、自分たちでつくっているのもあり、車輪とかいろんな付随物がある関係で、まだまだそこらへん技術開発をしなければいけないところで、そこに一番時間がかかります。
藤田:こういうパーツもご自身でつくっておられるんですか?
中村:そうですね、ほとんど手づくりに近いですね。
藤田:手づくりなんですか。
中村:はい、カーボンファイバーの板とか買ってきて切って、ボディは3Dプリンターでつくっています。
藤田:こういう部品ってあまり市販されていないものなんですか?
中村:パーツ自体は、市販されているものと、3Dプリンターでつくったものを組み合わせてつくっています。
藤田:特に難しい部品はどういうものになるんですか?
中村:電気的なところの安定性ということで、配線の不具合があったりとか、制御の中身、コンピュータの中身をつくり込むというところが、一番難しいところです。
藤田:メンバーも求められていると思うんですが、こういう人にこのプロジェクトに来てほしいとか、どういうニーズがありますか?
中村:われわれモノづくりという観点ではいろんな仲間がいるんですけども、このIVSに関わっていらっしゃるようなインターネット関係の方とはぜひお話したいなと思っていて。
最終的には自動運転とか、制御の、コンピュータの中に入ってくると、ソフトウェアとかにもつながっていかないといけないと思っていますので、興味を持ってくれている方がいらっしゃれば、加わってくださればと思っています。
藤田:これからどんどん発展させて、東京オリンピックという目標があるそうですが、今このプレゼンを上位入賞されて、直近の次のステップはどういうところになるんでしょうか?
中村:今勤めている会社との連携とかも含めて、お金と時間という観点でドライブできる方法を何とか見つけるということを今年中にやりたいと思っています。自分たちのペースだと絶対間に合わないので、そこを見つける方法を考えています。
藤田:もともとこういう空を飛ぶ車、非常におもしろいし、誰しもが思い浮かぶ未来のイメージだと思うんですけども、そこにあえてつくってチャレンジしようと思われた、原点というのは何なのでしょうか?
中村:原点は、もともと車が好きなメンバーが多いんですけども、若者の車離れとか言われている中で、ちょっと工夫するだけではなかなかおもしろさが出てこないかなと思って。
もうぶっ飛んで、皆が夢を持てるようなコンセプトを考えていこうというので、100個くらいアイデア出した中で、皆が「これだね」という、ほぼ直感に近いんですけど、それで決めましたね。
藤田:世の中のほぼすべての車が空を飛べるようになると、どういう未来というか、まずどういうことが変わっていくんでしょうか?
中村:交通インフラとして使っていくと、本当にいろんなところに影響が来ると思うんですけど、まず直近でいうと、緊急車両として救急車が渋滞でスタックしてしまうところを飛んで行って1秒でも早く人の命を助けたりというところにも使えると思いますし。
あと道がないところだったり、川とかで走れない一帯があっても飛んでいけるので、今まで移動できなかった人が移動できて、新たな交流、そういったことが生まれるかと思っています。
藤田:プレゼンでもおっしゃってましたけど、今までの空飛ぶ車は滑走路がないと飛べないようなそういう不自由さがあったところ、これだったらどこからでも飛べると。それが一番大きいですね。
中村:はい、一番のメリットですね。
藤田:わかりました、ありがとうございます。それでは最後にですね、この映像を見ておられる方、またはこれまで応援してくださった方に向けて、メッセージをお願いします。
中村:はい。この映像を見てくださっている皆さん、本当にありがとうございます。われわれ、クラウドファンディングでも200名近い方に応援をいただいたり、昨日までもたくさんの方から応援メッセージをいただきました。
最終的には(東京)オリンピックで実現し、量産に持っていくというところがゴールなので、そこまで絶対あきらめずに頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました。
藤田:はい。今回は、IVS 2015 Spring Miyazakiの会場より、Launch Pad、SkyDriveで第5位に入賞されましたCARTIVATORの中村翼さんにお越しいただきました。ありがとうございました。
中村:ありがとうございました。
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