【3行要約】 ・決済サービス「Jamm」は電子決済サービスの台頭という銀行の課題に着目し、すでに309行との提携を実現しています。
・元起業家でVCの藤本氏は、ボブ・マーリーの曲名にちなんだ社名に込められたメッセージ性に共感したと語ります。
・橋爪氏は「Jamm」の成長には、 銀行・加盟店・ユーザーという三段階の難関を乗り越えることが不可欠だと分析しています。
前回の記事はこちら 担当キャピタリストに聞く「Jamm」の魅力
稲荷田和也氏(以下、稲荷田):資金調達を実施されたばかりの起業家の人生や事業の裏側に迫る『Startup Now』。株式会社Jamm代表取締役CEO、橋爪捷さんへのインタビューの続きをお送りいたします。
個人的には幼少期、お父さまがニューヨークで経営されていた日本居酒屋が、事業立ち上げの際のアポにつながることにはびっくりでした(笑)。
コンサルからの不動産テックときて、じゃあ何をやるか、まっさらな状況だったはずなんですけど、バックグラウンドとの重なりとかをちゃんと見つけ出して、課題感に徹底的に向き合って今の事業を見つけられたのかなと思いました。すごく納得感があって、なぜそれをやっているのかは後編ですごく聞きたいなと思っていた次第です。
後編では担当キャピタリストで、今回のリードの投資家でもいらっしゃいますXTech Venturesさんからアソシエイトパートナーの藤本崇さんを交えて、Jammさんの魅力に迫っていきたいと思います。それでは藤本さん、まずは1分程度、自己紹介をお願いできますか。
VCとして初の案件
藤本崇氏(以下、藤本):はい、よろしくお願いします。藤本崇と申しまして、現在49歳なんですけど、ベンチャーキャピタリストになったのは実は2ヶ月前でして。
稲荷田:2ヶ月ですか。
藤本:収録がリリースされる頃には3ヶ月前かもしれないんですけども、直近では起業家を12年ほどやっていまして、紆余曲折あったんですけど、最後はエグジットまでやりました。
そのあと「どうするかな」とプラプラしていた1年ぐらい、いわゆるロックアップ期間(M&A実行後に被買収企業の代表が退任することを禁止する期間)みたいなものがあったんですけど。
それを経て、もう1回別の起業をするよりも、テクノロジー業界も随分と進化していることもあり、自分の経験を紡いで夢を実現してくれる次世代の起業家を応援する立ち位置に回りたいなと思って(2025年)3月からベンチャーキャピタストになったばっかりなのです。
稲荷田:あ、そうなんですね。
藤本:なので実は、今回が初案件なんですね。
キーパーソンに刺さった「Jamm」のスペル
稲荷田:本当ですか。でもそうですよね。3ヶ月って、逆にそのスピードはすごいですね。
藤本:入社した最初の週に(橋爪氏と)会ったんですよ(笑)。
稲荷田:それはどういう出会いだったんですか?
橋爪捷氏(以下、橋爪):X(Twitter)か何かで連絡をいただきましたよね。
藤本:橋爪さんがFIN/SUMという、日経が主催しているフィンテック業界のサミットみたいなイベントに登壇されていて。
終わりに新規事業のショーケースピッチみたいなものがあって、そこで彼のプレゼンを見たんです。会社名の「Jamm」のスペリングに「m」が2つあったところに、けっこう取っ掛かりを覚えたというか、共感して(笑)。
稲荷田:そこにですか(笑)。
藤本:僕もアメリカが長かったので、たぶん日本の方にはピンと来ないかもしれないですけど、普通、ジャムは“Jam”って書くじゃないですか。
稲荷田:あ、そうなんですね。
社名に込められたメッセージ性に共感
藤本:(mが)2つということは、もうボブ・マーリーの曲の『Jamming』しかないなってわかったんですよ。しかもピッチで使った絵に1つ、そういうムーブメントの写真を使っていたでしょう。
橋爪:そうです、最後のページにボブ・マーリーの写真が。
藤本:僕もボブ・マーリーが大好きなんですよ。
稲荷田:そこだったんですか(笑)。
藤本:いや、でもこれは笑い話じゃなくて。直感的に、要はフィンテックで「自由にしたい」っていう事業の内容に対してネーミングで「Jamm」ってつけるのがうまいなと。ただ日本人にはわからない。
稲荷田:わからないです。
藤本:ある意味、日本のオーディエンスには伝わりにくいからそこはダメだな、とも思っていたんですよ(笑)。
(一同笑)
稲荷田:まさかのダメ出し(笑)。
藤本:僕だけはわかったけど。
橋爪:わかる人にはわかる。
稲荷田:大事なキーパーソンに刺さったという意味では。
藤本:これは会わなきゃと思って、Facebookメッセンジャーか何かで「会いたいです」って言いました。