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花田賢人(全1記事)

「ディープラーニングで春が来た」若手起業家を目覚めさせた、人工知能界の事件とは

天才と呼ばれる人は、何がきっかけで天才になるのか。Skyland Venturesのコワーキングスペース#HiveShibuyaで、木下慶彦氏がホストとなり「BEATS」というショートミーティングが開催されました。今回のゲストは人工知能を活用したサービス・アプリケーションを開発しているLiaroの花田賢人氏。花田氏が人工知能に興味を持つようになったきっかけや、最終的に目指すポイントなどについて語られました。

天才はいつから天才になるのか

木下慶彦氏(以下、木下):Skyland Venturesでは、コワーキングスペース#HiveShibuyaを通じて天才を探すっていうチャレンジをやっています。毎週「BEATS」というショートミーティングをスタートアップしている人・スタートアップする予定の人たちと一緒ににしていて、どんな人が来てるかを、インタビュー形式で、これから1人5分ずつくらいで聞いていこうかなと思います。

どんな人にSkyland Venturesが会いたいかと言えば、すでに会社をやっているスタートアップしている人だけじゃなくて、スタートアップしたら上手くいく才能がある人に会いたい。そういう人が、結果起業したら上手くいくのではないかと思っています。そういう人たちが天才であろうと。

最近は偉人の漫画を読んで天才の研究をやったりするんですけど、世界的な起業家みたいな人もいるし、既に亡くなっている偉人の方もいると思うんです。

例えばミスタースタートアップと思っているイーロン・マスクとか、Facebookのザッカーバーグとか、こういう世界的な起業家であるとか、発明王エジソンなどでもいいと思っています。僕が今、日本人で一番興味があるのは、最初に詳細な日本地図を作った伊能忠敬ですけど、こういう人たちがいつから何かを考えて天才になった・呼ばれるようになったかというのを考えています。

なので、何がきっかけになって天才になったのかっていうのを聞いて、みんな天才っていう自覚があるかは別にして、何かをスタートしている人たちに聞いてみようということで、本日、インタビューをやりたいと思っています。

花田氏が人工知能に興味を持ったきっかけ

木下:まずLiaro花田さん、うちの投資先ですけど、自己紹介を簡単にしてもらっていいですか?

花田賢人氏(以下、花田):今は株式会社Liaroを運営しています。僕は高専出身で、その後神奈川大学の編入して、いわゆる人工知能系の研究をしていて、大学4年生のときにドリコムの内藤さんの運営しているインキュベーションプログラムきっかけで起業して、Skyland Venturesに投資をしてもらっています。今は23歳です。

木下:ありがとうございます。僕はいろんな会社に投資させて頂いていますが、花田さんはエンジニア社長だと思うんですけど、だいたいいつくらいからプログラミングをやってるんですか? 毎日やってるかとか、今どのくらいやってるかとか教えて頂けますか

花田:始めたのは高専(高等専門学校)に入ってからなので15歳のときで。最初は自分でプログラムを勉強してたんですけど、人工知能に興味があったので高専に入り、自分でその分野の勉強をしたんですけど、その頃、人工知能研究的には冬の時代だったのであまり進まなかったんです。

木下:それは何年ですか?

花田:2007年か2008年くらいです。なんで冬の時代だったかというと、脳科学とか、そういうところでわかってないことが多いみたいな感じで。それで僕も高専1年生の後半くらいからプログラミングは授業だけで、後は自分で全然関係ないことばっかり勉強してる時期でした。

僕が高専4年生くらいの時期に、また人工知能分野は春の時代が来て、そこからまた僕も本格的にプログラミングして人工知能の研究を始めました。

木下:高専4年のときは何歳?

花田:18歳ですね。

木下:じゃあ、ここ4年くらいは。

花田:そうですね。ここ4〜5年は毎日プログラムをやっています

木下:これはずっと続くと思いますか?

花田:続くと思いますね。今も会社の仕事をやって、その後関係ないプログラミングをするっていう。プログラミングの息抜きにプログラミングをするっていうことをやっているので、多分続くと思います。

ディープラーニングの登場

木下:さっき、人工知能に興味を持って高専に入ったって言ってましたけど、人工知能って何がきっかけで気になったんですか?

花田:人工知能っていう言葉を知ったのはたぶん高専1年生の15歳のときだったんですけど、その前は中学生の時にSFの小説とか映画にすごいはまって、それこそスター・ウォーズとかも好きで、人工知能のことを扱っている小説も多いので、それで面白な、作りたいなと思って。

木下:スター・ウォーズも、ロボットが自発的に動いたりしてると思うんですけど、いわゆる人工知能がテーマになってたりするんですか?

花田:スター・ウォーズはあんまりそっち系じゃないですね。SFで描かれるのは、どちらかというと、人工知能ができたら人類はどうなるか、みたいなところです

木下:その分野の名作などはありますか?

花田:なんですかね。SFの小説で言うと、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』というのがあって。GoogleのAndroidもそこから名前をとっていて、Nexus 6っていうのがそれの主人公みたいなかたちで出てくるんです。

木下:なるほど。じゃあ、それはケータイのAndroid端末が浸透する前から言葉としては意識してたんですね。

花田:そうですね。だからあれが出たときは「Google、パクったな」と。でも、SF小説好きはみんな「それを意識したんだな」と思ったと思いますよ。逆にNexus 6が出る前は、みんなざわざわしてたんですよ。Nexus 6は人造人間として主役として出てくるから、Googleはあえてそこは外すんじゃないかと言われていたので。でも普通に出ちゃったので、みんあちょっとがっかり、みたいな。

木下:人工知能の春の時代と言うのは、Androidはアンディ・ルービンが作って、Googleが買収したわけじゃないですか。その辺の流れを見て、世界が人工知能になるみたいなことを思ったということですか?

花田:僕が「春が来た」って言ったのは、いわゆるディープラーニングが来た時ですね。それまでは研究的にそこまで進んでなかったんですけど、トロント大学のヒントン先生っていうのが、ディープラーニングっていうのをたまたま作って、ある医療系の画像認識の大会に出たら、医学チームを全部ブチ抜いて1人で勝っちゃったみたいな、ある意味事件的なことが起こって。そこでみんなディープラーニングをやり始めて、Googleも猫認識みたいなのをやり始めた頃に、僕も「やりたいな」って。

最終的には自分が人工知能になりたい

木下:人工知能に興味を持ってからは、すぐに仲間は出来たんですか?

花田:いや、高専4年生くらいまでは1人で関心を持ってましたね。春がきたくらいのときに、今一緒に会社をやってるメンバーとかも興味を持って一緒にやり始めた感じですね。

木下:ベンチマークしてる人みたいなのはいるんですか? リスペクトしてる人など。

花田:誰ですかね。僕が高専4年生のときは、Gunosyみたいなのを、今創業した人と一緒に作っていて、でもGunosyが出てきたのでやめちゃったんですよね。だからやっぱり福島さん(Gunosy社長)は意識するというか。

木下:あれは「人工知能の真髄だ」っていう感じなんですか?

花田:最初はそんな感じがしましたけど、今はわからないですね(笑)。

木下:わかりました。Liaro花田さんとしては、人工知能っていうテーマが大きいと思うんですけど、最終的にどんなことをしたいっていうのはありますか。

花田:最終的には、よく言ってることなんですけど、僕が人工知能になりたいんですよね。

木下:それはどうやったらなれるのでしょうか?

花田:これは仮説なんですけど、今のいわゆる人工知能っていうより、人間みたいな人工知能がコンピューター上にできれば、あとは僕の記憶をコンピューター上に移せば、僕は人工知能になれるじゃないですか。僕の意識を持ったまま、僕はコンピューターに入れるので。

木下:それができると、例えば地球の反対側に物理的な体があって、みたいな?

花田:もう体がいらないんです。僕というこの精神的存在は、この肉体に閉じ込められてると思っているので、そこから開放されたいということですね。

木下:それはいつまでにやりたいとかあります?

花田:時間はかかると思いますけどね。でも、100年とかかかってもやりたいですね。

木下:すばらしい。ありがとうございます。

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