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刑事訴訟法改正案・国会審議(全3記事)

堀江貴文氏「これからも冤罪事件が起きる」 国会で刑事司法制度の改革を提言

取調べの可視化の義務化や司法取引制度などを柱とする刑事司法改革関連法案を審議する衆院法務委員会に7月10日、元ライブドア社長でSNS株式会社ファウンダーの堀江貴文氏が参考人として意見陳述を行いました。証券取引法違反事件で実刑判決を受けた経験を持つ堀江氏が、自身の経験をもとに刑事司法制度の問題点を語りました。

刑事司法制度改革は前進どころか後退している

堀江貴文氏(以下、堀江):よろしくお願いします。堀江と申します。

今日は何で私がここに来たかと言いますと、今回の刑事司法制度改革っていうのは、10年間ほど刑事司法の世界でやってきた私としましては、非常に重要な制度改革だと思って注目していたんですけれども。

色々審議をして法案提出されるところまでは来ましたが、私が期待していたような改革というのはほとんど盛り込まれず、むしろ、以前の今回の制度改革の趣旨というのは、郵便不正事件で冤罪であるにもかかわらず、逮捕、勾留されて、半年以上も大阪拘置所に入っていた村木さんであったりとか、他にも何名か、何件かそういった事件が相次いだこともあっての今回の司法制度改革になったと思ったんですけれども。

全くそっち方向の改革というのは前進したというより、ほとんど後退しているんじゃないかというような事態になっていることもありまして、今回ここでしゃべってくれということだったので、是非にということでやってまいりました。

最近のマスコミ等の報道を見ても、今回すごく重要な改革であるにもかかわらず、全く注目をされていなくて、むしろ安全保障うんぬんかんぬんのほうが、すごく注目をされていて、正直言って国民生活に一番関係してくるのは、実はここなんですね。

そういういうことに実は私も10年以上前は全然気づいていなかったんですけれども。はい、すいません。ここにいらっしゃる法務委員会の方々、もっと注目されて然るべきだと思いますし。

というのは、身近なところで、皆さん事件や事故、そういったものに巻き込まれて、司法の場に出て来ざるをえない人達がたくさんいらっしゃいます。私は1年9ヶ月間、刑務所にいましたのでよく分かったんですけれども、そちらにいらっしゃった方々、半分以上はその辺で生活しておられる方々でございます。

そういった人達が逮捕、起訴されて、裁判を経て、有罪で実刑判決を経て、そういうところにいるという現実。これをまず皆さん、自分のことのように考えて然るべきだというふうに思います。

それこそ今回、司法制度改革でデモをやってもいいぐらい。国会前で安全保障のデモをやってますけど、僕はどっちかというと、こっちのほうが大事だと思っております。

勾留の精神的負担は大きい

具体的に言いますと、まず保釈の問題ですね。保釈の問題に関して言うと、先進諸国に比べると、日本はかなり保釈に対しては厳しい状況。特に、被疑者、被告人にとって、非常に厳しい状況になっております。

まず、警察官なり、検察官が逮捕して、勾留している期間が最大20日程度なんですけれども。起訴された後も、起訴後勾留というのが続きます。

起訴後勾留というのは、理論的には延々続けられるような状況になっていて、私の場合も、逮捕、起訴されて94日間。捜査期間も合わせてですけれど、94日間勾留されました。

村木さんに至ってはその後、裁判で無罪判決が出たにもかかわらず、半年以上の勾留をされておりました。要は、結果として無罪になってしまう人が、それだけ勾留されてしまうと。その精神的負担というのは非常に大きいものがあります。

単なる勾留ではなくて、私の場合は、経済事犯でしたので、接見禁止命令というのが付きまして、担当の弁護士さん以外は誰にも会えないと。そして雑誌、新聞の閲覧もまかりならんということが94日間続きまして、非常に孤独で隔絶された世界におりました。

これは、被告人、被疑者にとっては、非常に精神的な不安になっておりまして。かなりの精神的プレッシャーで、脳の記憶が書き換えられてしまうぐらいの記憶になります。これは村木さんもおっしゃってましたけれども、自分がやっていないことを、さもやっているかのように思ってしまうと。

例えばあの時、事件になった主犯格といいますか、書類を書き換えた元係長は、村木さんと1回も面識がないにもかかわらず、さも共謀したかのように検察官が供述調書とか、そういったところで取り調べをやっておりましたけれども。

そういったことは実際に起こりうると。その後の村木さんの話ですけれども、実際にその係長と、判決が出た後に会って、「お互いに会ってないよね、私達」ということを確認し合ったというふうに言われています。

権利保釈を広い範囲で認めるべき

私は勾留中、偽メール事件というのがありまして。僕が送ってもいないような、自民党の元代議士の方にウン千万円送ったなんてメールを。ごめんなさいね、民主党の方々。民主党の某議員が送ったというメールが出てきたと言って大騒ぎになってましたけれども。

僕はその時、東京拘置所に勾留されておりまして、その時こんなの絶対、俺やらないよなって。もちろん、そんなメールは送ってないんですけれども、それでも不安になってしまう。

もしかして、万が一、酔っ払って送ったかもしれないとか。本当に思っちゃうんですよね。絶対自分はそんなことはしないって思っているのに、思ってしまうぐらい、極限的精神状態におかれます。

これは司法の世界においては、被疑者、被告人と検察官というのは立場的にこんな感じなんです。検察官のほうがものすごく立場が高い状況にありますので、これで本当にフェアな取り調べが行われるのかどうかっていうのは、非常に疑問です。

ですので、刑事訴訟法第89条の「権利保釈」について、もっと本当は改善しなきゃいけないんですけど、委員会のほうで結論が出なくて、玉虫色の文章みたいになっていて。現状でも、保釈については適切に運用されているということが前提となって、ろくに条文が書き換えられずに、今の現状とほとんど変わらないような状況になっていると。

罪証隠滅及び逃亡の恐れがある時っていうのは、保釈しなくていいとなっておりまして、私の場合も結局、裁判官の裁量保釈で保釈されました。

これは公判前整理手続における、そこで証拠が全部提出されていることを前提にして、初公判と同じような状況だということで、割と早期に否認をしているにもかかわらず、それでも94日間かかって保釈されました。

私のような人間、当然逃亡なんか出来ないわけですし、これだけ囚人環視にあって、パソコンとか全部押収されているのにと申し上げたんですけれども。そういった否認の被告人に対しては、そういう運用が通例となっております。

そういった状況に関して、保釈については、権利保釈をかなり広い範囲で認めるべきであろうと思っております。少なくとも、今の提出されている条文では到底納得いかないというふうに私は考えております。

司法取引制度は検察官の権限拡大につながりかねない

それともう1つ言っておきたいのは、司法制度改革の中の司法取引制度なんですけど、今回初めて日本で導入されました。司法取引制度に関して、皆さんご存知だと思いますけれども、日本でも司法取引的なことは、実際行われてます。

例えば、日本では、検察官しか起訴ができないことになって、最近検察審査会でも起訴はできることになりました、起訴の取り消しはできないですけども。

基本的に検察官が起訴できることになってます。検察官が不起訴であったりとか、起訴猶予っていうのを判断することができると。検察官起訴便宜主義ですね。

あと独自捜査権限があります。検察官が独自に捜査をして、独自に起訴することができると。自分が捜査した案件というのは、間違いがないと思って、大体みんな起訴しちゃうんですけれども。

そういった、今でもすごく検察官が強い立場を持っていて、特に不起訴であったり、起訴猶予にするっていう権限っていうのは、実は主犯格の人達を追い詰める時には非常に有効な手立てで、要はそういうのを匂わして不起訴になるかもしれないよとか、起訴しても大して求刑しないような感じの雰囲気を、実際に明言している人もいるみたいですけれども。

そういった状況にあると。それに対して、私は司法取引を導入すること自体には反対ではありません。ただし、今回の司法取引に関していうと、主犯格以外の人達が対象、実質的に対象になっていて、ターゲットとされる主犯格の人達の罪を重くする方向で証言すると、あなたの罪一等を減ずると。

そういった趣旨の改革になっておって、諸外国、特にアメリカとかの、司法取引制度っていうのは、主犯格の人達も自分の罪を認めることによって、罪一等を減じますよと。

例えば、執行猶予にしますよとか不起訴にしますよとか。そういったことを交渉する余地があるんですけれども、今回、一方通行的な改革になっておりまして。これではむしろ検察官の権限拡大になるのではないかというふうに、私は懸念しております。

冤罪事件が発生する要因とは

特に、郵便不正事件を例に取りますと、係長の証言っていうのは、より強固になってしまっていたのではないかと。つまり、村木さんが悪いと。俺は何も悪く無いというような方向の証言を、今の改革がそのまま通れば、恐らくしてしまうだろうなと。今の改革がそのまま通れば。

ということで、これについても私は非常に懸念をしております。それ以外にも色々言いたいことはあります。例えば、さっき言った検察審査会制度についても、不起訴になった案件を起訴相当にするというようなことはできます。

が、起訴になったものを起訴相当にするとか、不起訴にするというようなことは出来ない。起訴方向の一方通行的な検察審査会制度になっておりまして。

例えば、政治家の方でいえば、小沢一郎さんとか、そういった方々は2回ぐらい起訴相当が出て、裁判になって、結局無罪というか。なったわけですけれども、そういったことが今現状で非常に検察官の権限というのが大きな状況にありますので、これだと、またこれからも冤罪事件というのが、恐らく起きてくるのではないかと。

それに対して、非常に私は憂慮しておりますし、ある日突然あなたが冤罪事件に巻き込まれて、投獄、長期勾留されてしまうというようなことにもなりかねないというふうに私は憂慮しております。

その点に関して、是非ここで今一度、議論を尽くしていただいて、せめて司法取引制度と保釈に関しては、特に、保釈に関してなんですけれども、見直していただければなというふうに思っております。以上でございます。

委員長:ありがとうございました。以上でご意見の回答は終わりました。

公判前整理手続制度も被告人側には負担が大きい

委員長:これより参考人に対する質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若狭勝君。

若狭勝氏(以下、若狭):自由民主党の若狭でございます。今日は、堀江参考人におかれまして、お忙しいところ本当にありがとうございます。私のほうから、まずですね。先ほど、94日間勾留されていたけれど、他の事案に比べると、比較的早期に保釈をされたのではないかというお話をいただきました。

それはですね、公判前整理手続というのが、その頃、本格的に実施されたということが大きい理由だと思うんですけれど。それはそのような認識でよろしいでしょうか?

委員長:堀江参考人。

堀江:恐らくそうだと思います。ただし、この公判前整理手続制度っていうのは、こちらにつきましても、弁護側、要は被告人、被疑者側にとっては、非常に負担が大きい制度です。

というのは、本当に比較的1ヶ月とか2ヶ月とか、ものすごく短い期間で、私たちほとんど当時、今もそうですけど、証拠開示請求がろくに出来ないような状況で、検察官等に押収されている証拠を必死に調べたりとか、そういったことをやらなきゃいけないと。

そこで論点整理をやって、要は後出しジャンケンはダメよと。検察側も、弁護側も証拠を出し合って、これ以外については本当にやらないよと。争いませんよと。そういうことを明確にしてやるからこそ、早期保釈がおそらく認められていて。それは僕、弁護士さんに言われました。

ここで証言された高井康行さんなんですけれども、彼に言われました。「どっちを選ぶ?」と。「恐らく、公判前整理手続をやると、早期に保釈されるけれども、やらないとちょっと初公判まで難しいかもしれない」と。

そういう状況で、僕は早期保釈されることを望みました。なぜかというと、非常に苦痛だったからです。精神的に苦痛だったから、早期保釈。多少こっちが不利になることも受け入れたうえで、早期保釈を選びました。

これに関しては、証拠開示請求。今回の改革にもまた出てきてますけれども、こちらは割といい方向に進みました。こっちに関しては。

私の頃は、検察官がどんな証拠を押収したのか分からない状況で、私たちの中からこういう証拠があるんじゃないかってことを辿っていって、やっと見つけたみたいなことがありまして。

これは私の事件でいうと、私にあまりにもおかしな不利な証言をしていた元部下がおかし過ぎるだろうということで、何かあるんじゃないかということで。

私の元弁護士が、検察官だったものですから、そういった捜査っぽいことをやって、ここに通帳があるんじゃないか、この取引がおかしい、このお金の流れが怪しいってことで、どんどん辿っていったら、横領していたと。それも数億円単位の横領をしていたという事実を、証拠開示請求を通じて見つけたんですね。

で、ここでも司法取引まがいのことが行われていたんじゃないかと、私たちは憂慮していたんですけれども。まあ、そういったことが、今回の証拠開示請求の改革では、一覧が出てきますので、そういったことは無くなるのではないかと思っています。

いまだに有罪判決への疑問は残っている

委員長:若狭君。

若狭:ただいま、証拠開示制度は前進ではないかというお話をいただきましたけれど。今日は、保釈の点について、まずお聴きしたいんですが、堀江参考人が保釈が認められなかったのは、逃亡の恐れということも1つあったと思うんですが、もう1つ証拠隠滅という恐れがあると。

そういうことで保釈がなかなか認められなかったこともあったと思うんですけど、それはその通りでよろしいですか? 結論だけお願いします。

委員長:堀江参考人。

堀江:それは定かではありませんが、分かりません。

委員長:若狭君。

若狭:それはおそらく弁護人の方から、当時お聞きになっていると思うんですが、こうした共犯者がいる事件の場合は、証拠隠滅の恐れというのも、保釈を認めない、権利保釈の除外事由にはなっているのが普通だと思うんです。

それで遡って、堀江さんの事件というのは、最終的には有罪になったと思うんですけれど、有罪になったことについては、今現在はやっぱり間違っているというふうに思われるのか、有罪は受け入れるというような思いでいるのかということについて結論だけお願いいたします。

委員長:堀江参考人。

堀江:私の事件につきましては、私の中では、これが本当に有罪なのか? というふうな思いは、いまだにありますね。はい。

委員長:若狭君。

若狭:色々とニュアンス的には難しいところの表現だと思うんですけれど。いずれにしても、完全に無罪だというような、明確な返答があったわけではないというふうに承知したわけですが、その場合、共犯者などが多いので、当時少なくとも、証拠隠滅の恐れがあるということで、保釈が認められないと。

そういうこと自体は、通常考えるとよくあり得る話だなと、私は自分の経験に照らして思うんですね。その点については、いかがですか?

委員長:堀江参考人。

堀江:その点につきましては、電子メール等、そういった客観的証拠というのは、隠滅しようがない。すでに私のパソコンなり、すべて押収されておりますので、そういったところは隠滅のしようがありませんので、ないと思いますね。

委員長:若狭君。

若狭:メールなどの客観的証拠はともかくとして、やはり共犯者の供述というのが、少なくとも1つの大きな証拠になっているっていうことは、当時あったのでしょうか?

委員長:堀江参考人。あの、若狭さんは元々検事ですから、なんか取り調べのような感じがするんだけど、もっとフランクにやってください(笑)。

堀江:そういう雰囲気を非常に感じるんですけど(笑)。前のほうに元検察官の方が結構いらっしゃるので(笑)。はい。そうですね、私の場合は、有罪部分というのは、確かに共犯者とされる方々の証拠というか、証言によって認定されている部分というのは非常に大きいと思います。

ただ、その人達に会うことっていうのは、基本的に出来ないという条件で保釈されると思うんですよね。実際、私は逮捕されてから一度も共犯者とされる方々に会っておりません。未だに。

今は、別に会ってもいいんですけど。保釈の時の条件というのは、基本的にそういう人達に会ってはならぬというのが通常ついて保釈されます。ですので、そういったことはできないと思うんですけれども。

証拠開示制度に対する評価

委員長:若狭君。

若狭:今回、堀江参考人におかれましては、捜査、取り調べをして、裁判、受刑と。本当に我々にとっては耳を貸さなければいけない数々の体験をされていると。いうことで、堀江参考人のお話されていることは、十分に私共も傾聴に値すると思っておりまして。

ただ少なくとも、事実関係として、当時の自分の保釈の問題を、今回の法制度のところに絡めて言う場合というのは、どうしても法制度は一般的な話をするものですから。

その際に、堀江さんの個別的な事情っていうのを、十分加味しないで、堀江さんの話をそのまま受け入れてしまうと、全体としての法制度をどうするかっていうのと、ちょっと違ってくるような感じがするので、若干根掘り葉掘り聞いたしだいなんです。その辺は非常に、恐縮の至りなんですが。

それからですね、最後に、先ほど証拠開示ということは、前進だという話がありましたけど、今回、証拠開示の前提として、検察官が手持ち証拠の一覧表を弁護人のほうに公布するという制度も合わせて改正案に盛り込まれているんですよね。

そうした一覧表の公布によって、証拠開示の手がかりがもっとつかみやすくなるという制度なわけですが、それについては積極的に評価できるという点だけ、お答えいただけますでしょうか?

委員長:堀江参考人。できるだけ簡潔にお願いします。

堀江:そうですね、前進だと思います。現状に比べると、かなり前進だと思います。もっと柔軟になって欲しいんですけれども、少なくともここに関しては評価したいと思います。

委員長:若狭君。

若狭:私の質問は終わります。ありがとうございました。

取調べに弁護士の同席を認めるべき

委員長:次に國重徹君。

國重徹氏(以下、國重):おはようございます。公明党の國重徹でございます。今日は堀江参考人、お忙しい中、当委員会にお越しいただきまして、実体験に基づく貴重なお話賜りましたことを感謝申し上げます。ありがとうございます。

私、若狭議員と違いまして、検察官ではなく、弁護士ですので(笑)。逆にお答えいただければと思います。あまりどこかに特化して聞くということではなく、広くお伺いしていきたいと思います。

刑事司法と言いましても、被疑者段階、被告人段階、また実刑判決を受けて受刑者の段階というのがありますけれども。先ほどお話の中で、被疑者段階、被告人段階の拘置所生活が、精神的な極限状態にあったというお話をいただきました。

私も弁護士として活動しておりまして、そういった様々な被疑者、被告人の声も聞いて参りました。そこで、被疑者、被告人段階の拘置所生活における様々な支障があったかと思います。

もちろん、今回の改正では、取調べの録音、録画とかですね。堀江参考人がおっしゃられた保釈の問題等もありますけれども、拘置所生活一般で、心身ともに追い込まれるような様々な課題があったと思います。そういった課題、支障、そしてそれをどのように改善していくべきとお考えか。この辺りのことをお伺いしたいと思います。

委員長:堀江参考人。

堀江:拘置所に関して言うと、取調べをしている時というのは、非常に面会時間が短いです。1日あたり15分~30分ぐらい。これでは十分な打ち合わせができないですね。もちろん、土曜日はできることがあったんですけど、日曜、祝日というのは面会できません。

これは拘置所職員の数の問題であると言われていました。特に東京拘置所は、過密スケジュールですので。私は、かなり便宜を図っていただいていたように思えますが、本当に一般の勾留されている方々は、非常に短い時間でしか、面会が出来ないようになっています。

国民の目からすれば、拘置所なんかに予算をこれ以上割いてられるかってことなのかもしれないですが、職員の数が圧倒的に足りないのではないかなというふうに思いますね。そういったこともあって、面会時間も短くて、ろくに打ち合わせできないんですよ。

だから、特に金曜とか土曜とかの面会っていうのは、本当結構極限に追い込まれると。取調べは日曜もありますから、土日で結構、攻めて来られます。検察官の方がぐ~っと攻めて来られますから、月曜日まで持ち堪えられるかみたいな感じなんですけれども。そういった部分で、もうちょっと面会の時間を取れるようにしていただけないかなというふうに思います。

起訴後勾留の時は、フルフルに面会をしてもいいということになっておりますけれども、捜査期間の面会の時間が短いというのは、非常に問題かなと。

究極的に言うと、取調べに弁護士さんを同席できるようにして欲しいなと。それが証拠隠滅や逃亡につながるとかいったことは、一切ないと思いますので。

じゃあ別に、弁護士さんを雇える人が、あるいは別に国選弁護人でもいいんですけれども、弁護士を横に同席させて取調べをして何が悪いんだと。こういったことは、今回の司法制度改革には全く盛り込まれておりませんけれども、弁護士同席を僕は認めるべきだなと思っております。以上です。

委員長:國重君。

國重:ありがとうございました。今言われた、土日等に固めて取調べをされて、そこで追い込まれるという趣旨の話がありましたけれど。私も刑事弁護の経験から、無罪を主張していた被疑者がいましたけれども。

私が1日だけ九州のほうに出張で、どうしても接見できない日がありまして、その時に無理に自白調書を取られたという経験もございました。これは公判でひっくり返しましたけれども。貴重なご意見だったと思います。

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