2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会:そろそろ、まとめのテーマ。
三木谷浩史氏(以下、三木谷):もうまとめに入っちゃいます?
夏野剛氏(以下、夏野):もうまとめ?
司会:いや、あれですよね。今日一応あれですよね?
夏野:ミッキーが帰るって言うまでやるんだ!
司会:大丈夫ですか? お時間って今日。
三木谷:ちょっとそろそろお腹がすいてきたんですけど。
司会:(笑)。そういう事情ですか。大丈夫ですか。
夏野:ピザーラのピザ頼んで。
司会:大丈夫ですか?
夏野:大丈夫なんだよね。
司会:まとめがすごく重くなりそうなんですけども。すごくざっくりと大きな枠でこの日本の未来について話をしていきたいと思うんですね。日本の未来。
夏野:またいい加減な原稿だな。
司会:(笑)。日銀の総裁も変わりましたよね。デフレの脱却ですとか景気回復なんていわれていますけれども、この辺りって三木谷さんから見てどういうふうにご覧になっているのかなと思って。
三木谷:今、長期金融緩和と財政出動。あとはTPPに参加するであろうということで、景気が良くなりつつあるんですけれど、実態はあんまり何も変わっていないんですよね。だから本当に実態を変えるためには、要するに規制改革をどれだけ進められるかということだと思います。
今一部の産業とか研究開発というところにお金を入れても、そんなにすぐには効果が出ないので、一番即効性があるのは規制改革。これをどれぐらい速いスピードで進められるかということだと思います。
みんなお金をどんどん与えている分には誰も何も文句を言わないけど、それは結局借金になって返ってくるので、本当にこの競争戦力が成功するかどうかというところが一番大切だと思いますね。
夏野:本当にそう思うな。
司会:今、「ニートの俺にも恩恵はあるのかい?」ってコメントがあったんですが。
夏野:経済全体を活性化することが大事なんですよ。このニートやっているのは好きでニートをやっている人もいるからさ。個別の問題には答えられないけど、全体的に成長があるときというのは若者に対しての雇用も増えるし、それから新しいビジネスのチャンスも増えていく。
しかも日本というのは国内の市場が結構大きいので、規制によって顕在化しない需要というのもあるから、それを解き放っていきましょうというのは別にコストのかかる話ではないからね。
三木谷:そうですね。
司会:このニコニコのユーザーの方でも結構自宅警備の方が多いと思うんですけれども。
夏野:自宅警備というのは、引きこもって家から出ない自宅警備隊のことね。
司会:自宅をしっかり守っていらっしゃる。
三木谷:なるほど。
司会:自宅警備の方々がいると思うんですけれども。今、ちょうど入社式のシーズンで楽天さんにも結構新入社員が入られたと思うんですが、この頃非正規雇用の若者が増えていますよね。この辺りというのは三木谷さんはどういうふうにお考えになっていらっしゃるんですか。
三木谷:僕は労働法とかの専門家ではないので、でも正社員のほうがいいに決まっていますよね。ただ一方で、ある程度人材の流動化みたいなところもやっていったほうがいいかなと。企業も人を囲いこみすぎている時代もあるので、ジャンルなり職種によって色々変わってくるのかなと思います。
夏野:ただ、長くいるとやっぱり甘えも出てくるからね。僕は若者に関してあんまり言うことはないですよ。50代だね。なんか「他で何にも出来ないから今の会社にいたい!」みたいな感じでしょ。そりゃないだろうと。
だったら安い給料で我慢しなさいっていう話で。そういう貢献と報酬のバランスを各自が意識したほうがいいと思うんですよ。そうしたら他のことをやったほうがいいかもしれない。
三木谷:よくよく考えてみると、やっぱり日本っていわゆる行政ポスト、政府のポストとか、GNPが23パーセントなんですよ。ほとんどの先進国はだいたい20パーセントぐらいなんですね。GDPで3パーセント分というのはすごい金額なんですけど、これを本当に下げられるかどうかって、その分を民間に回してもっと雇用を生み出せばいいんですよ。
夏野:あともう1つは公務員って400万人なんですけど、これを10年ターム制にしたらいいんじゃないかなと。そうすると、400万の雇用が10年間だよね。年間40万件ずつ雇用が生まれるでしょ。
公務員を10年もやった人は信用力があるじゃないですか。民間でもいくらでも雇う人出てくると思います。そこへまた20代で公務員をやりたい人とか40代で公務員をやりたい人とか、50代で公務員をやりたい人が入っていけばいいと思うのね。
橋下さんが大阪市の戦略経済局長を公募しているけど、そういうふうにしてみると公務員の人件費なんて安くていいじゃないですか。国のために働くんだ! ご奉公! と言ってね。
それで別に年金も何もいらない。年金はいるかもしれないけど。退職金はいらない! 10年間はそういうキャリアビルド。総務省の審議官やりました。それでそのあと違うことをやりますというふうに、公務員を流動化するというのはいいんじゃないかと思うんですよね。
三木谷:本当、そうでしょうね。
夏野:特に専門職じゃない人ね。それをやるとすごく女性の雇用も、つまり子育てした後にもう1回働きたい人が多いと思います。みんな10年でいなくなるからというのがわかりやすくていいと思う。
司会:楽天さんには女性は何割ぐらい。
三木谷:半分ぐらい女性ですね。
司会:半々なんですか?
三木谷:半分超えているかもしれないな。
司会:えー!
夏野:そんなにいるの?
三木谷:はい。
司会:へー! 素晴らしいですね。
夏野:すごいね。グループの外国人率は?
三木谷:日本の国の中においては15パーセントぐらいですかね。
夏野:15パーセントも大きいね。
三木谷:うん。もうちょっとある。
司会:一方、ドワンゴは……?
夏野:ドワンゴは女子社員比率は低くもないな。今2割、3割ぐらい? 2割ぐらい。1割か。
司会:あれ?(笑)。
三木谷:新規に採用している日本でのエンジニアは外国人が半分です。
夏野:日本で採用しているエンジニアの半分が外国人。こっちに留学しに来ている?
三木谷:いえ、向こうから直接アプリケーションして。スカイプやインタビューして。
夏野:すごいね! 日本語は喋らなくていいの?
三木谷:喋んない人が多いですね。
夏野:別に構わないよね。
三木谷:全然構わないです。
夏野:実は、日本に来たいんだよね。アジアの人とか優秀な人は。しかも日本の女子は世界競争力があるから。日本男子は全然ないけどね。
司会:(笑)。そんなことないですよ。
三木谷:技術者が少ないじゃないですか。
夏野:日本国内にね。
三木谷:だいたいいわゆる情報工学であったり数学であったり、いわゆるコンピュータサイエンス周りの卒業生って日本に2万3千人しかいないんです、大学から出ても。中国で多分、百万人超えているんですよね。
夏野:そうか。
三木谷:これがかなり厳しいですね。
夏野:実は理数系に女子の割合が増えているらしいんですけど、工学系は全く増えていないんです。いわゆる、基礎科学系とか理学・化学の世界は増えている。あるいは、医者の世界ですね。工学系とかプログラム系はあんまり実は増えていないらしいですね。やっぱり女性活用だよね。
三木谷:英語化は楽天の英語化であったり、今のTOEFL化とかで、結構うまく世の流れを少しは変えられたかなと思っているので、次はちょっとプログラミング、日本国民のプログラミング力を上げるというプロジェクトを。
夏野:賛成だな。僕はやっぱり中学くらいからやらせるべきだと思う。別に日本史なんか教えなくていいから。
司会:(笑)。
夏野:だって間違っていたんだもん。この間びっくりした。源頼朝の絵あるじゃん。あれ違う人だったらしい。
司会:よくありますよね。
三木谷:聖徳太子、いなかったかもしれないんだよね。
夏野:足利尊氏の絵も間違っていたらしいんだよね。武田信玄のダルマみたいな絵もなんか顔が違うらしいよ。俺が習った日本史はどこに行ったんだ! みたいな。そんなのいらねーよと。
司会:一生懸命憶えたんですけどね。
夏野:意味ないよ。
司会:意味ないのかもしれないですね。
三木谷:僕、憶えなかったですよ。
司会:憶えなかったんですか? 全く?
三木谷:歴史は苦手ですね。
司会:(笑)。そうなんだ。
夏野:大河ドラマ見てればいいんですよ。
三木谷:そう。
夏野:大河ドラマを見てればいいんですよ。
三木谷:本当に苦手だったな。
司会:あと『戦国鍋TV』とか見ていれば何となくわかる。
三木谷:(笑)。
司会:すみません。すぐ個人的な話をしてしまって申し訳ありません。キョトンとされていますよね。おもしろい歴史関係の番組がありまして。
夏野:じゃあ、どうなりますかね? 5年で変えるとしたら、今のスピードでいいですか?
三木谷:今のスピード?
夏野:うん。新経連の今の動き、政府の動き。次の選挙は3年後なので、多分ここで改革を進められるだけ進めないと反動が来る可能性があるよ。1番最悪なのは小泉、竹中路線みたいにすごく改革進んだんだけど、反動でその後停滞しちゃったでしょ。
こういう状況を作らないためにも、やれるときにとことんやらないとだめなんだよね。そうするとこの4年間、あと3年? でどこまでやんないとだめなの?
三木谷:どこまでやんないといけないか?
夏野:規制改革は思いっきりどこまでやんないといけないか。そうとう時間がかかると思うんですよ。普通にやっちゃうと。
三木谷:そうですよね。どこまで変えなくちゃいけないかって難しい話ですけれども、でもやっぱり、そのキーとなるやつがいくつかあるじゃないですか。細かいやつはちょっと置いといて。その大きな方向性として、やっぱり原則自由だという。
夏野:原則自由?
三木谷:原則自由。規制は何のためにあるのかという話ですよ。だからすべての取引が原則自由なはずなんですよ。だけどその中であえて規制をすると、何のために規制をするのかっていう。
夏野:例えばポイントで言うと、今、医者の数が足りないとか言っているじゃないですか。でも足りているじゃないですか。何でかというといわゆる開業医が多すぎて、要はベッド数が足りないんだけど、1軒1軒やっていてみんな9時から5時で、土日は5、6時で学会へ遊びに行ってという生活をしているおやじ。
個人タクシーみたいな個人開業医がたくさんいる。ああいうのに対するインセンティブをガーッて減らして、大病院に勤めている医師のほうがイノセンティブを大きくすると、ガッと再編できるけど。
こういうやつが例えば薬剤師もそうだし、あらゆる国家試験とか免許の絡む世界とか団体がいる世界って、こういうのが全部既得権益になってくる。こういうのも例えば3年で全部直します! みたいなことが出来るかどうかだと思うんですね。どうかな?
三木谷:それはやるべきなんでしょうね。でも経済成長ということでいうと医療改革も当然重要なんだけど、やっぱり産業が強くなっていくし、新しい産業がどんどん生まれてくる。企業の体質がやたら強くなる。産業構造変化が起こる。
家電メーカーがあんなに多いとかいう問題も原因があるわけなんです。日本のその経団連に代表されるような、護送船団方式みたいなやつがあって、その枠から離れたくない。
そこは実はいろんな制度のトリックがあってそれで守られているので。そういう制度が本当に変えられて、産業構造がどんどん変わっていくんだというふうになっていけばいいですね。
夏野:それどうやってやります? 具体的に。
三木谷:例えば、株式の持ち合い。
夏野:おお。
三木谷:株式の持ち合いって普通欧米とかでは考えられないんだけど、日本の結構な大企業は株式を持ち合いすることによって、経営者を保護しているわけですよね。例えばその株式の持ち合いについては、これを議決権としてカウントしないと。
夏野:例えば、全ての上場企業の条件に過半数社外役員ってどうですか。
三木谷:いいんじゃないですか?
夏野:そうすると社長を解任出来るからね。
三木谷:今過半数ということ以前に、1人からまず始めなければいけないんだけど。
夏野:1人の社外役員入れるのに、反対しているのが経団連だからね。よっぽどこれ経営に自信ないんだろうと思って。
三木谷:だからその不思議ですよね。どこからそういう判断になるのか。
夏野:ポストが上がりポストだから逆に。とはいえ、上場企業の取締役の過半数を社外にしなきゃいけないというのは、東証のルール変更で出来るので、実は法的な変更はいらないんですよ。
そういうのはものすごくダイレクトに効くと思うんですよ。そうしたら某パナソニックの引責会長引責人事とかいって、相談役とかでまだ給料を貰っているんだけど、スパーン! ですよね。
三木谷:そうですね。
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