2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
飲食領域(全1記事)
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稲垣昌宏氏:ホットペッパーグルメリサーチセンターの稲垣と申します。本日はよろしくお願いします。
ホットペッパーはみなさんご存知かもしれませんが、グルメとクーポンの情報を提供させていただいています。
フリーペーパーで月間350万部を発行しております。これは週刊少年ジャンプを超えるおそらく日本で最も発行部数の多い紙媒体だと思います。
またWebサイトでは75万件ほどの店舗情報を紹介しております。そして、モバイルやアプリでもサービスを提供しております。
そんな飲食領域のキーワードですが、「部ランチ」を提言させていただきます。「部」が漢字になっておりまして、部活動の部ではなくてですね、会社の部や課といった意味での「部」となります。
子育て世代の女性の就労率が上昇するのに伴いまして、夜に開催される会社の宴会へ参加できないという方が非常に増えております。
そこで、企業の歓送迎会や懇親会が昼間に行われる傾向が来年くるんではないかと。背景としましては、こちらは総務省のデータになりますが、女性の就労率の上昇が見て取れます。
他にも、2020年の東京オリンピックに向けて、女性の労働力への注目がますます高まっているという状況が挙げられます。
女性の他にも、社会から企業に向けてはワークライフバランスの改善についての要望、あるいは個人から企業に向けては会社での拘束時間に対する不満、こういった声が昼の開催につながる背景として挙げられます。
アンケートを採りましたところ、86%のフルタイムワーカーの方が飲み会に何らかの不満を持っていると。そして、50%を超えるトップ3の不満として「翌日に疲れが残る」という声が1番多く挙げられました。
こちら部ランチの兆しを弊社の方でつかみましたのは、ホットペッパーグルメのWebサイトのログでございます。
左側ですが、昼の忘年会・新年会といった検索が1年前に比べておよそ1.5倍の検索量に増えております。また、ネット予約としてWebサイトから直接予約できるサービスを提供しておりまして、こちらも1年前に比べますと230%くらいの伸び率で昼の時間帯開始の飲み会の予約が増えてきていると。
企業の懇親会の実情ですけれど、過去1年以内に86%の企業では夜の懇親会が多かったと。それに対して、昼の懇親会はまだ3分の1程度の34%くらいにとどまり、まだまだ低いのが現状です。
そして、末子が12歳未満のワーキングマザーに限ってみると、夜の懇親会を過去1年間で欠場した経験のある方が6割を超えているということで非常に参加しづらい状況にあることがわかります。
アンケートで昼の宴会について賛成か反対かを質問しますと、けっこう賛否両論でございます。
賛成の理由としましては、子育て以外の方でも短時間で終わるならありがたいとか、プライベートが確保できて良いだとか、こういった声が挙げられます。
一方、反対の理由としましては、子育てだけを特別視するのかといった声や昼の方がかえって誘いづらいなどといった声が挙げられます。また、お酒が入った方がコミュニケーションがとりやすいといった意見もあります。
ただ全体を通して見ると、6割弱の方が昼に開催すると何らかのメリットがあるとおっしゃっています。そして、ワーキングマザーに限ると8割以上の方が昼の開催にメリットがあると答えています。
実際の子育て世代の方々の昼に部ランチを開催した場合、参加できる回数が増えると回答される方が4割近くいらっしゃることから、これから部ランチがきそうだなぁと。
こちらが実際の部ランチの状況の写真ですが平均単価がおよそ2600円くらい。また、夜の開催だと開催場所は居酒屋が多いと思うのですが、昼に開催する場合はレストランが6割以上ということでちょっとオシャレな感じでみんなでランチを食べるという形が増えています。
次に、企業の実例ですが、調査会社のマクロミルさんですね。女性比率が4割以上いらっしゃってどんどんママ社員が増えているということで昼の宴会を推奨されています。
また、こちらの会社は、通常の懇親会は福利厚生費で出ないため、個人負担となるなら安くて良いものが食べられる昼に開催するという部ランチが好評とのことです。
もう1社、こちらはサントリーさん。こちらはですね、課のメンバーの半分がママということで、よく昼に開催すると伺っています。
また、サントリーさんは飲みニケーション費という福利厚生の支給制度がありまして、こちらは名前が飲みニケーション費なんですが、昼に使っても構わないこととなっており、他の部署との交流を深める際に部ランチを活用しているそうです。昼はノンアルコールビールを飲みながら、よく宴会をしてるとのことです。
そして、お店の実例です。こちらは大丸さんの中に入っているサバティーニ・ディ・フィレンツェさんなんですが、週に1度は部ランチの予約が入っていて、1800円コースと2700円コースがあるらしいのですが、売れ筋は2700円コースとのことでした。
最後に、鉄板焼きの栃木屋さんの銀座店なんですが、こちらは5000円のランチのコースを作ったところ、会社の送別会などに使われているとのことです。
ということで、2015年の飲食領域におけるキーワードは、女性の社会進出を背景とした企業の歓送迎会を昼に開催するという「部ランチ」、こちらを発表させていただきました。
ご清聴ありがとうございました。
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