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キックオフイベント「本当の好きってなんだろう。」(全4記事)

恋人を束縛してしまうのは「自分の人生に満足していないから」 恋愛相談師が教える、パートナーとの上手な付き合い方

2017年5月13日、すぎなみレッドリボンプロジェクトが主催するイベント「本当の好きってなんだろう。」が開催されました。すぎなみレッドリボンプロジェクトは、杉並区協働提案事業としてはじまった、若者に向けた性感染症予防の普及啓発を目的とする活動です。そのキックオフイベントである今回は、「恋」をテーマに、現代社会における恋愛の在り方や付き合うとはどういうことなのかについて、参加者も巻き込んで語り合いました。ゲストは恋愛相談師として活躍する永峰あや氏と、評論家・社会起業家の勝部元気氏。それぞれ経験や見解を交えて熱いトークを繰り広げます。

恋愛に満足していない人が多い?

染矢:では続いては、ヨッシーのトークに移りたいと思います。お願いします。

ヨッシー:では私は、「恋愛に満足してない人多くないですか」っていうテーマを持ってきました(笑)。

染矢:これを選んだ理由としては?

ヨッシー:これを選んだ理由としては、友達とかと話しててもすごい惚気話をしてくる人もいますけど、だいたい彼氏のここが嫌だあそこが嫌だっていう話が多かったり。そんなに嫌じゃなくても、直してほしいところだったり、満足していないな印象を受けるんですけど。それって何でなんだろうなっていう疑問から、このテーマを持ってきました。

染矢:ありがとうございます。また会場の参加者の方に聞いてみたいと思うんですけど、パートナーの方との恋愛とか、ご夫婦の方もいらっしゃるかもしれないですけど。関係性に満足しているよっていう方、手を挙げてもらっても良いですか?

(会場挙手)

あ、少ない! 満足していない、またはいないよっていう方。そのほうが多いですかね。ありがとうございます。

染矢:うまくいかせようっていうことで、こちらのイベントに来ていただいた方も多いのかなと思うんですけれども。ちなみにおふたりの周りでは、どうですか? 恋愛していて、いい恋愛をしているお友達が多いか、それとも、恋愛していてもけっこう悩んだりしている人って多かったりします?

タカフミ:僕は悩んでる人が8割くらいですね。

染矢:そうですか。

タカフミ:やっぱり始める前はウキウキしてる子たちの話を聞くんですけれども、付き合ってみると不満っていうか、不満って言ったら言い過ぎかもしれないですけど。

うまくいかないところがどんどん出てきていて。そういう相談を受けたときに、どうしたらいいのかっていうのもあるんですけど。満足できていない人が多いんじゃないかなっていう印象ですね。

束縛やコミュニケーションの不満

染矢:例えば不満としては、どういったことがあります? コミュニケーションのことが多いですかね?

ヨッシー:コミュニケーションのことがけっこう多いですね。

染矢:例えば?

ヨッシー:会いたい会いたいってけっこう言われるけど、そんなに会いたくないだとか。そんなに連絡とりたくないとか(笑)。そういうことが多いですかね。

染矢:タカフミはどうですか?

タカフミ:けっこう束縛されちゃうっていう子の話を聞きますね。例えば他の女の子とどっか行っちゃダメだとか、逆に他の男の子とどっか行っちゃダメだとか。それで困ってるっていう話が、よく出ますね。

染矢:キリトさんの周りではどうですか?

キリト:僕の周りはけっこううまくいってるっていうか、長続きしている子とかもけっこう多いですし。僕もまだ20代なんですけど、同級生とかで24、5歳の子がいつの間にか結婚してたりとか、けっこういるんで。うまくいっている人が多いなっていう印象はありますね。

染矢:本当ですか。うまくいってるところは、どうしてうまくいってるんだと思います? どういうところで関係を、先ほども言ったとおり、会いたいとか束縛とか。どっちかの気持ちが重くてバランスがとれないことが多いのかなって思ったんですけど。

キリト:たぶん、コミュニケーションがうまくいってるっていったら大雑把なあれなんですけど。何かがあったときにお互いが何かを支え合えたりとか。そういうのができてるんじゃないかなっていう、予想はしてますけど。

束縛するのは自分の人生に満足していないから

染矢:ありがとうございます。あやさん、今のお話を聞いてどうですか? 男性側の相談だと、始まりと復縁が多いっていうお話だったんですけど。女性だと、恋愛でうまくいかせるためにはっていう、恋愛中の話が多いということをうかがったんですけれども。

永峰:でも、あれですよね。さっきおっしゃったのって、女性からですか? 会いたいとか言われるけど連絡はとりたくないとか。

ヨッシー:どっちもあります。わりと男性のほうが、会いたいって言ってくる人も多いです。

永峰:そっか……。やっぱり、嫉妬や束縛をしてしまうことがすごく多いときって、恋愛に満足してないっていうより、自分の人生に満足してないんじゃないのっていう方がけっこう多かったりするんですよね。

相談とか聞いてると、恋愛の相談なんだけど、実は自分に自信がないとか、自分が何をしたらいいかわからないとか。

そういった自分の満たされなさを相手で埋めるっていうんですか、相手から評価されることによって、「やっぱ俺って大丈夫」だとか、「私って大丈夫だ」みたいになってきてしまうので。だからもっと自分を充実させると、恋愛も充実してくるんじゃないかなって思うんですけどね。

染矢:満たされない自分を恋愛で補おうとすると、相手がいないと不安とか、逆にデートDVっていうことになってしまったりすることがあるんですかね?

永峰:そうですね。たぶんみんな、相手からもらえることを期待してるんですけど、与えることをもっとみんながやればいいのになって、単純に思います。

カウンセリングは恥ずかしいことではない

染矢:ありがとうございます。元気さんは、聞いてどうですか?

勝部:さっきの話でもあったと思うんですけど、好きのかたちっていろいろじゃないですか。お付き合いのかたちも、人それぞれじゃないですか。こうしたいああしたいとか。

やっぱり、それをすり合わせできてない人が多いのかなって思いますね。さっきの気持ちの意思表示もそうですけど、自分たちの価値観だとか、どういう恋人になりたいかというビジョンの意思表示を常日頃からしてると、合わせようと思えば合わせられるし、それで合わないのであれば別の人のところに行っちゃうだろうしっていうのがあると思うので。

なので、そういう価値観をコミュニケーションすることが大事かなと思いますね。あと、それこそカウンセラーが日本にはほとんどいないっていうのがあるじゃないですか。でも、アメリカとかだったらけっこうカウンセラー文化があったりして。

染矢:映画とかでも、けっこう夫婦でカウンセリングを受けたりとか。『Mr.&Mrs. スミス 』でもそういうシーンがありましたね。

勝部:わりと身近にカウンセラーの方がいて、しかも夫婦とかカップル2人で行って、問題を解決する。そして問題が大きくなる前に、何かちょっと関係ギクシャクしちゃったなっていう段階で行くことがとても素晴らしい。

不満が膨らむ前に行くっていうのがあるから、大きくなったり、もうグチ言わなきゃしょうがないっていうレベルの前に修復することができることがあるっていうのが、ちょっと日本の文化にはないから。そうやって事前に解決できないから、グチで発散みたいなことになっちゃうのかなと思いますね。

永峰:カウンセリングというと、もう精神疾患の人が行く所っていうイメージがあって。でも普通に悩んでる人っていうと、なかなか相談先がないのかなとは思いますね。

染矢:そうですよね、たしかにそういう文化がないかもしれない。

互いに違う存在であるという前提を理解する

染矢:でも恋愛の中だと、相手に嫌われたくないっていう思いで、なかなか本音で話しづらかったりとか。嫉妬とか束縛で縛り付けてしまったりっていうことがあると思うんですけど。本音でコミュニケーション、話し合っていくっていうためには、どうしたら良いと思いますか?

永峰:私が思うのは、恋愛の問題じゃなくて。日本人って、一緒を好みますよね。普通とか、みんな一緒とかっていうことで。例えば価値観が一緒っていうときでも、一緒の人間なんていないだろっていうか(笑)。

単純に、相田みつをじゃないですけど、人間は違うという前提がないんですよね。みんな違うという前提がないから、一緒じゃなかったときにすごくモメるというか。

だからそもそも違うっていうところからスタートして、どこが違うんだろう、ここは一緒だなっていうことを単純に分かち合うっていうことをしておくと、いいんじゃないかなとは思いましたね。

染矢:たしかに恋愛における常識とか、恋愛ってこういうものっていう、すごく凝り固まってる感じがするんですけれども。元気君、そのあたりどうでしょうか?

勝部:そもそも日本語って言語的に、主語をほとんど使わないですよね。

染矢:たしかに。私も夫と会話してるときに、「主語を言って」って怒られるんですけど(笑)。

(会場笑)

勝部:そうそう。外国語にもいろいろあるんでしょうけど、日本だとほとんど省略することが多くて。そうすると主体性っていうのがコミュニケーションの中でなかなか伝わらなかったりして。そうなると、どこにいけばいいのか、さっき言ったみたいにみんなと一緒のことをするのがいいんだと思っちゃったりとか。そういう方向に行きがちなのはあるのかなって感じますね。

染矢:そう、子育てとかでも「いい子でいなさい」っていうのが、私はけっこう呪いのワードだなと思うんですけれども。やっぱり上の人の言うことを聞く、何も文句も言わずに従うのがいいことっていう感じで。

自分の意見を持ったり自分の意見を話したりっていうのが、なかなか認められづらい社会なのかなっていうのは、思ったりしますね。

勝部:恐らく儒教的な側面も残ってるっていうのもあるんでしょうけど。そうすると形式的なことが重視されちゃったりとか、実質とか本質の部分が語りづらくて。

何が良いのかが自分でもわからないってなると、どうしても世の中の価値観、自分軸がなくて、他人軸になりがちっていうのはありますよね。

満足していないのは力関係が原因?

染矢:そういったコミュニケーションが煩わしいってなると、恋愛から離れてしまう若者が増えてきているっていうようなところも繋がるんですかね?

勝部:あとポイントとしては、相手に対して不満があってそれを伝えるときに、嫌われちゃうかもしれないと考える人は少なくないですが、「私はこういう意見があるのであって、あなたの人格を否定しているのではない」っていうのを明示すると、相手が自分のことを嫌ってるわけじゃないんだって感じることができるのかなと思いますね。

染矢:あなたを否定してるわけじゃなくて、あなたの行動が嫌なんですよっていう。

勝部:そうですね、行動が嫌なときも嫌だとか。情報を1個入れると良いかなと。

染矢:なるほど、そうすると受け取る側としてもダメージが少ないというか、受け取りやすく入ってくるということですかね。

勝部:ディスカッションするときにも、相手に対してディスアグリーを言うときにも、それを言う前にディスアグリーだけどあなたの人格には関係ないよっていうことを伝えておくと、なんとなく気分はやっぱり良いじゃないですか。それと同じですね。

ヨッシー:私がこのテーマを考えたときに、満足してない人って、どっちかが強いっていうか、力関係が働いてるんじゃないかなと思って。すごい対等じゃないから満足できないんじゃないかなと思ったんですけど、そういうわけじゃないんですかね?

勝部:対等っていうのは、発言権みたいなところですか?

ヨッシー:そうですね。もっとこうしてほしいとか、言いたいけど言えないから、どんどん不満が溜まっていくっていう感じかなと思ったんですけど。

永峰:そうですよね、でも、対等じゃない関係って多いと思います。相談だと。知らないうちに支配する側になってたり、される側になってたりっていうのはあるので。

そこをすごく大事にしたほうが、本当に支配されてるほうしかわからないんですよね、その関係性のときに。

お互いの関係から距離を置いてみる

勝部:熟年離婚とか最近増えてるじゃないですか。やっぱりそれも、女性の側がずっと言えなくて、退職したからもう用済み、いいですって別れちゃったりとかなんですよね。

染矢:子どもがもう自立して(笑)。じゃあもう「私の人生を行くわ」みたいな。

勝部:そうですね。やっぱり支配関係が原因で、そういうふうに言えなくて、ということもすごい多いと思います。

染矢:恋愛離れとか離婚率が増えてるとかっていうけれども、満足しない夫婦関係を続けるのであれば、別に未婚のほうがいいんじゃないかなって。個人的には思ったりするんですけどね。ちょっと結婚の話までいきましたけど。どうですか、話を聞いてみて。

ヨッシー:それでそういう場合に、支配下の? その人が頑張って対等にしていくには、話し合うっていうのが大事なんですかね?

永峰:でも支配されてると言いづらいっていうのはある……でも、距離をとるっていうのは大事かもしれないですね。結局支配してる側は、それで安住してるわけじゃないですか。その立ち位置に。

だからいるのが当たり前っていうときに、ちょっと関係性をズラすっていうか、少し連絡をとるのを止めてみましょうとか。そうすると、自分たちの関係を客観視できるっていうんですかね。だから、お互いの関係からちょっと距離を置くっていうのがいいかもしれないですね。直接言うのが難しかったら。

ヨッシー:わかりました。

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