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SmartNews新サービス発表(全1記事)

SmartNewsが新サービス発表--媒体社の広告掲載など歩み寄りも

8月29日スマートフォン向けニュース閲覧アプリ「SmartNews」に新たなコンテンツサービスが加わった。地域別天気情報、プロ野球試合速報、「今日は何の日」といった情報を自動更新しながら、アプリ内に「スマートパネル」に設けて提供する。これまでは1日3回ニュースコンテンツを配信していたが、今後はこれにリアルタイムな利用価値が加わることになる。同アプリを提供する株式会社ゴクロの経営陣がその狙いを語った。

SmartNewsのこれまで

藤村厚夫:今日ご案内させていただきますのは、ゴクロおよびSmartNewsのこれまで。執行役員の藤村からご説明させていただきます。私の方は10分くらいの持ち時間です。なるべくスピーディーに進めます。会社のビジョンは、良質な情報を見つけてお届けすること。それをベースに活発な情報が生まれる仕組みまで手が届くようなビジネスを将来は作っていきたい。プロダクトそのものの話に入る。

スマホ市場は拡大しており、2015年には8割が使うようになる。加入者ベースでは携帯電話回線は人口とほぼ同じで、ほとんどがスマホに置き換わる。すべての人々がスマホを使うようになった時に、SmartNewsはすべての人に使ってもらえるような規模になりたいと考えている。

SmartNewsの特徴は4つ。ストレスのない高速な表示。気持ちよくコンテンツを見つけて、なめらかに読んで、次のコンテンツを見るのが楽しくなるようなUIにしている。コンテンツは一日数万件をツイートからURLを収集、解析して提供している。リアルタイムに話題となっているコンテンツを見つけ出せる仕組みがある。かつ、ニュースを題材に会話が弾むような仕組みも実装している。

コンテンツを見るための「チャンネル」、内蔵ブラウザ「Webモード」、回線が悪くても読める「Smartモード」の3つの構造が特徴。ユーザーからは高い評価、DLをいただいており、AppStore、Google Playいずれも高い評価をいただいている。サクサク読める、気持よく読めると、感覚に訴える評価をいただいている。ユーザーにとっては直感的に楽しめる環境を提供するのが目指すところ。そこが高く評価されていると思う。プラットフォーマーのApple、Googleでもフィーチャーしていただいている。

媒体を自分で選ぶ「チャンネルプラス」は月間130万人が利用

いまのがSmartNewsの現状。今日に至る展開を説明すると、2012年12月にiPhone版を、今年の3月にAndroid版、5月にiPad版。サーバ側は5月に情報の取得の仕方、キャッシュの仕方、ユーザーへの届け方の仕組みを改修したのがトピック。コンテンツ面は媒体とのお付き合いに依存している。4月くらいから準備していたが、媒体社との協業の仕組みをご提案できるようになった。

私がゴクロに参画して、媒体社との協業に取り組んできた。詳しく申し上げるとSmartNewsでコンテンツがどう読まれているかというログ解析、媒体社のロゴを掲出する、関連リンクをちゃんと表示するなどを、媒体社ごとにお話しながらチューニングしてきた。媒体社ご指定の広告をSmartモードでも貼れるような改修も予定している。

また「チャンネルプラス」というサービスを5月に開始した。これまでユーザー様は各媒体社のブランドを意識して読みたいという声があった。媒体を軸としたコンテンツの集積を始めた。最初は3媒体で始めて、いまは16まで媒体を追加できる仕組みを用意した。追加ボタンを押すと、ユーザーがSmartNews内のタブに表示できるようになった。8月時点で100万人がチャンネルプラスを利用している。どんどん増えて、もうすぐ130万人くらいになる。

媒体ブランドを意識したコンテンツ利用はすごく需要があることがわかった。コンテンツを単純にシステム的に発見して、注目コンテンツとして提供しているが、一方で媒体との関係も深めていくことも重視している。これがわたし藤村が協業を進めているところ。そのほかに新しいコンテンツサービスを本日発表する。

ゴクロの社員総数は私を含めて6名。中心は浜本と鈴木。もうすぐあと1名増えます。続いて、新コンテンツサービスの説明と簡単なデモを浜本からさせていただきます。

新コンテンツサービスについて

浜本階生:私はもともとエンジニアで、スマートニュースの前身である「クロウズネスト」というサービスを作っていて、SmartNewsというアプリにピボットした。これまでのSmartNewsはニュースがさくさく読めるアプリとして使われてきた。もっと踏み込んで朝、昼、晩の3回配信するモデルを提供し、コンテンツはソーシャルメディアを解析しているというところにユニークさがある。配信頻度とアルゴリズムによる配信に、レイアウトエンジンなどとも相まって高い評価を得てきた。それに対して今回のアップデートはこれまでの2つの特徴とは異なるところから、さらなる有益な情報を提供するものになる。

今回は3つの種類のコンテンツを追加。1つ目は天気予報。2つ目はプロ野球速報。スポールチャンネルで提供。3つ目は「今日は何の日」。キャラを用いた息抜きコンテンツ。アプリをバージョン1.5.0にアップデート。これまでは1.0.だったのでメジャーアップデート手前の重要な位置づけ。Android版はもう利用可能になっている。iPhone版はAppStoreの審査待ち。数日中に公開される。

これらのコンテンツは上部のスマートパネルに表示。SmartNewsはコンテンツの選定とユーザビリティの高さを評価されており、そこは裏切れない。第一にユーザビリティを保った。新しいコンテンツをユーザーが快適に楽しめる工夫をした。プロ野球の例では、スポーツチャンネルの最上部にリアルタイムに試合速報を表示。何もなくてもスコアが更新される。そこをタップすると試合の詳細を表示。司会開始前には当日の試合予定もわかるし、順位表もわかる。その部分も放っておけばどんどん情報が更新される。アプリが適切なタイミングで更新される。ユーザーは見ているだけでいい。これがプロ野球速報の機能。必要ない人はもちろん設定でオフにできる。

iPhone版では横幅が狭い。ですのでチーム名などが簡潔な表示になっているが、iPadだとチーム名がフル表記になる、試合数が少ない日は表示欄が小さくなるなど最適な表示をする。

天気も上部に表示。その日の天気や最低気温、最高気温を表示。タップすると詳細情報に。1時間単位の天気予報、週間予報を気軽に確認できる。地域設定は全国から選べる。GPSを使って現在地を指定することもできるし、地域を入力して設定することもできる。こちらもユーザーが更新操作をすることなく、アプリを見ているだけで最新情報が表示される。

最後に今日は何の日。天気の隣の日付の部分を押すと、オリジナルコンテンツとして出てきます。オリジナルキャラクターの「地球くん」が情報を教えてくれる。ワールドワイドの情報を発信するという意味でイメージキャラクターにした。加藤貴文さんという若手のアーティストの協力で毎日、異なる絵を提供してもらう。今日8月29日はマイケル・ジャクソンの誕生日。簡単な説明付きでコンテンツを表示。これをツイートなどでシェアすることもできる。

これまでのアルゴリズムによるストック型の情報配信とは異なるコンテンツ。新機軸によってこれまで以上にユーザーに溶け込んで、より便利に使ってもらえればと思います。

質疑応答

--天気情報はどこから得ているのか

浜本:Weather Underground社です。Yahoo.comなども利用しているところです。

--スマートパネルでは今後どんなコンテンツを提供するのか

浜本:わかりやすいのはプロ野球に加えてサッカーの速報。ユーザーの興味ある部分をどう簡潔に出すかは考える必要がある。あとは経済情報など。スポーツに関してはデータスタジアム社から有償のAPIを買っています。

藤村:仮説では、交通情報などいろんなアイデアがある。あとはここが全面に出過ぎるとこれまでのユーザーの価値観に抵触する。なんでも追加すればいいとも思っていない。ユーザビリティ、エクスペリエンスを損ねない形でリアルタイムな情報を配信したい。

--媒体の広告をSmartモードに貼るに至った背景は

藤村:Smartモードがどうしてもシンプルな表示を提供する過程で、媒体社の広告ビジネスのマイナス要素だと懸念されていた。我々も媒体のビジネスをスポイルするつもりはない。ビジネスの場としてSmartモードを見てもらえるように、ログ解析や媒体社の広告、関連リンクなどの情報を追加できるよう、ご要望に応えられるようなモデルを用意したい。

オフラインで利用できるメディアなので、リアルタイムに広告を読み込むのは難しいがいくつかのモデルを話している。一部広告を貼っている媒体社もある。まずは直貼りに近いところからスタートして、オフラインでもリアルタイムに広告を貼る仕組み、アドネットワークなども検討している。デリケートな要素もあるので、媒体社に迷惑をかけないよう検証しながらやっていく。このビジネスは仲介して、マージンをとるつもりはない。媒体社のビジネスを埋め込める基盤にしていきたい。

--いまの収益モデルは

現時点では媒体社の広告を貼るのはまったく収益ではない。我々としては広告型の展開と一部課金という仮説がある。まだまだどれを中心にやっていくかは確定していない。課金モデルはチャンネルプラスを媒体社と一対一で相談している。チャンネルプラスを有料課金という形でユーザーからお金をもらえるようなオプションとして持ってほしいと言われる。収益をドライブするかはわからないが検討する。または媒体社と競合しない範囲でSmartNews内での広告も考えている。我々自身のマネタイズの方向性はまだ先になりそう。

--いまのユーザー数、DL数は

藤村:実は発表しておりません。もう少しかっこよく発表できるタイミングを待ちたい。唯一言えるところは、チャンネルプラスの利用人数。ほかはすみません。

浜本さんがニュースアプリを作ったわけ

--なぜニュースアプリを作ったのか

浜本:ネットサービスを2007年ころから趣味で作り始めた。初めて作ったのは食べログAPIでレストラン情報を俯瞰するサービスだった。情報を活用したくてなかなかできていない一般ユーザーの現状を感じた。それ以降、いろいろなAPIを使ったり、自前でクロールしたりして、Webに散在する情報から知見、気付きを見つけ出したいと思っていた。食べログAPIを使ったマッシュアップサイト以外にもヤフトピAPIを使ったサービスをマッシュアップアワードに出した。あとは「TopHatenar」というはてブAPIとlivedoor Readerを組み合わせたランキングサイトを作った。情報の可視化がテーマだった。

そうこうしているうちにTwitterの影響力が強くなって、2008〜2009年頃、Twiterのちからを使えば、レストラン情報やブログとか限られた範囲しか得られなかった情報が、裾野広く集められる気がした。Twitterは高い確率でURLを含んでいる。応用させて、Twitterを起点としたURLのクローラーを作るところに興味が移った。

1年くらい作り続けて、面白いものになったので会社を作って事業化しようと、2011年に友人と共同創業した。スタートアップを立ち上げた。そのせいかがクロウズネストというウェブサービス。TwitterのIDと連動したソーシャルニュース。フォローしたユーザーが閲覧したニュースを収集できる。ユーザーもコアなファンがついた。でも半年間で数万人のユーザー獲得にとどまった。半年続けて、キャッシュが少なくなった。この先どうするか。この延長線上でうまくいくか、悩んでいた。

鈴木健というゴクロの共同創業者と仲が良かった。彼はクロウズネストの会社の取締役でもあった。相談して去年の3月にクロウズネストを凍結して、新しいものを作ろうと。ただしその収集エンジン、技術の部分は捨てがたい。必ず価値を持つからそこは活かして、スマホにシフト、一般ユーザーにシフトしようと話した。パーソナライズ要素を一旦廃して、だれでも使えるアプリとして方針転換した次第です。

藤村:すべてのヒストリーが語られたという感じでございます(笑)

--現状、SmartモードとWebモードの閲覧比率はどれくらいか

藤村:いわゆるチャンネルトップからコンテンツを探してタップしたときは媒体社のWebサイトに内蔵ブラウザでアクセスします。回線が遅い、オフライン状態、PCサイトだった場合はSmartモードを開けるようになっている。構造上はそういう作り。回線がつながっている限りは媒体社のWebをコンテンツを見られます。数割はSmartモードになるが、最近はオフラインになる環境も減ってきた。SmartNewsユーザーがどんどん一般層になっているので、Smartモードの利用頻度は減ってきているのが実情です。

浜本:それから一点追加で説明したいのが、Smartモードの中のリンクをタップした場合は内蔵ブラウザで見ることになるが、このタップされる頻度がすごく高い。Smartモードの閲覧数に匹敵するくらいのタップが起きていて、そこはピュアなアクセスとして相当量のトラフィックが流れている。

藤村:媒体社との個別の協業では、「関連記事へのリンク」など細かい所もご要望に応じてやっている。コミュニケーションを深めてちゃんと表示できるように、こういう書き方にしてくださいという声にも対応している。媒体社へのバリューを感じてもらえるように小さなところからやっている。

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