
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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佐藤秀哉氏(以下、佐藤):最後の質問になるんですけど、企業と社会の変化、ご自身の会社の働き方についてどう変わってきたかということを聞かせていただいたんですけれども、こういう変化を踏まえて(今後)社会がどう変化していくだろうか?
予測じゃなくて希望でもいいですけど、こういう社会になるのがいいんじゃないかといったご意見を聞いてみたいと思います。先ほど、今流行のAIやIoTのお話がありました。
こういったもののすべてがクラウドのテクノロジーでできているんですね。つまり、クラウドがベースになってできていると思うんですけれども。そういう観点で、将来的に未来はどういうかたちで企業なり社会なりが変わっていくのかというところをお聞きしたいと思います。
佐々木大輔氏(以下、佐々木):僕たちは、人工知能を使って会計情報をつけられるようにすることをやっているわけですが、最終的には、人工知能技術でデータを作るようになるという実感なんですね。今まであった業務アプリケーションのなかで、データを入力するという部分を自動化する。
これを自動化することによって、どんどんデータが出てきます。ですから、これからは帳簿なり会計ソフトあるいは業務アプリケーションに入っているデータからどんな提案ができるようになるんだろうか、というような時代になっていくんじゃないかと思います。
僕たちが最終的にビジネスとして取り組んでいきたいのは、あらゆるビジネスに対してクラウドや人工知能でCFOを提供しようということやっていきたいなと思っています。
たまたま今日、新しい財務の責任者が入社したんですけど、その人を紹介したある社外の人に「freeeさんでは人工知能CFOフォームを目指しているから、この新しい人の仕事は5年後にはなくなりますね」と言われて……ちょっと苦笑い的な感じでしたけども、確かにそうですね。
(会場笑)
そんなことを目指しています。じゃあ、その結果どうなっていくんだということで、おそらく財務の話はビジネスを始める上でお金の話はどうしたらいいんだという難しい話がいっぱいあるんですけど。
こういうことは、人工知能でかなりの部分が誰でもできるようになりますし、意識すらしないでお金の融通ができるような時代が来るんじゃないかと思います。
そうするとなにが起こるかというと、どんな人であっても本業部分さえ尖がっていればそれだけで大企業よりも足腰の強い社内オペレーションはすぐに作れてしまうので、ちょっと芽が出るとるとバーっと成長できてしまうような社会ができていくんじゃないかと。
なので、全体としてはリノベーションがどんどん加速される。そんな忙しい時代になっていくんじゃないかと思っています。
佐藤:そのCFOの人はじゃあ5年間の命、なんですね。
佐々木:5年間の命なんです。
佐藤:たぶん松本さんがインタビューに来る頃にはもう人工知能と会話するんですね。
(会場笑)
佐藤:秋好さんのところは社会の形を変えようとしているんですけども、その先にある未来というのはどうなんですかね。
秋好陽介氏(以下、秋好):そうですね。冒頭にIoTみたいな話もあったと思うんですけど、僕はその先にはIoH(インターネットオブヒューマン)と呼ばれたりしますけども、人がインターネットにつながる世界になるんじゃないかと思ってます。
というのも、今日生まれた赤ちゃんの60パーセントが、今は存在しない仕事に就くと言われているんですよね。そのぐらい産業寿命というのが人類の寿命よりもすでに短くなっている。
僕らのインターネットのセクターで言えば、1つのビジネスが5年10年続くことはないぐらいビジネスが変わって、人材スキル要求もそれぐらい早く変わっていって、スキルも多様化していかないとならないという時代が到来していると思います。
日本では労働人口が減ってきているのもありますけど、一人ひとりの生産性も高めていかなきゃいけない。とくにIoHは未来の話じゃなくて、今この瞬間にも企業に導入されています。
例えば、とあるスーパーの店員さんの腕にベルト(端末)がついていて、それがインターネットにつながっていて、スーパーのなかでどういう動きをするのかをトラッキングされているんですね。その結果、どうもT字路のところに立っていると一番売上が高いということがわかると。
あとはメガネのJINSさんでいうと、瞬きをメガネから計測していて、瞬きを計測するとその人が本当に集中しているかというのがわかるらしいんですね。集中していないと瞬きの数が減るので、この人が仕事に集中しているかがわかると。
ランサーズで言っても、単純に職歴・履歴書だけではなくて、インターネット上の働くログがわかるので、例えば、仕事ができる人はメールの24時間内の返信率が高いとわかれば、つまりこの人は仕事ができるねと。(そのように)人がインターネットにつながることでより生産性が上がったり。
働き方で言うと、ある種息苦しいと思われるかもしれないけですけど、今まで企業のなかに閉じていた個人の履歴書などの人事データがオープンになることによって、今後ミニマムなマッチングができるようになっていくと思うんです。
それって、ある種働きやすい社会ですし、今までは企業には求められていなかったかもしれないけれども、小さなプロジェクトでは求められるスキルになるかもしれないですし。
佐々木さんの話と近い部分もありますけど、今後、生産性をより上げなくてはいけない社会において、まあ厳しい部分もありますけど、自分らしく多様に働いていける世界がインターネットによって起こるといいなと思います。
佐藤:秋好さんに1つだけ質問よろしいですか?
秋好:はい、ぜひ。
佐藤:ちょっと意地悪な質問になるかもしれないですけど、いわゆる専門職の人たちをインターネット上で公開入札みたいなかたちで企業とマッチングされていらっしゃいます。
そうするとデザイン事務所に勤めているフルタイムで働いているような人たちと外のフリーランスの人たちとが争うことってないですか?
秋好:そうですね。
佐藤:じゃあデザイン事務所の人たちは、今後どうやったら生き残っていけるんですかね。どうしても価格って下がるほうへ向かうじゃないですか。そこらへんちょっとお話を。
秋好:確かに企業と個人を直接つなげてしまうので、間の代理店的な仕事をしている方にとっては、一部においてはライバルが増えるみたいなところがあるとは思います。
ただ、これは我々がやらなくても、アウトソーシングの流れは確実に起きていると思います。またその一方で、ランサーズを経営してすごく思うのは、仕事をする上で1対1で仕事をするのであれば、コミュニケーションは楽なんですけれども、ある程度大きな仕事をしようとすると「1対n」になるんです。
そういったときに大事になるのがディレクションという仕事で、その代理店さんデザイン会社さんのなかにいるのは、まさにディレクションのプロフェッショナルだと思うので、オンラインでディレクションをするという部分は今後ますます需要があるというか。
例えば、よくあるWeb会社さんの1人の生産性って、だいたい150万から200万円と言われていて、これをクラウドで1人で例えば100人くらいディレクションできれば、生産性は800万とか1,000万円くらいになったりするんですよね。
だから時代に合わせた自分のスキル×クラウドみたいなところをやっている人はすでにやっていますし、時代の変化にフィットさせていくことなんじゃないかなと思いますね。
佐藤:変化に対応しないと生き残れない。という厳しい現実があるわけですね。
秋好:どの業界でもそうだと思います。
佐藤:私たちもがんばって(笑)。
秋好:我々も(笑)。
(会場笑)
佐藤:ここで励ましあうのもなんですけど(笑)。ということでぜひ松本さん、未来について(お聞かせください)。
松本大氏(以下、松本):僕はデジタルデバイド(情報格差)ってすごい気になるんです。もともと私は、市場原理主義者みたいな、「勝つやつが勝つんだからしょうがないじゃないか」という、どっちかというと極論主義な考えの人間だったんです。
でも最近思うのは、こういうクラウドとかが進んでいくと、それを利用できる人とできない人と、やっぱり出てくると思うんですよ。そういうのを昔はしょうがないと思っていたんですよ。
最近の世の中を見ると、ISISだとか中東がみんな弱くなっちゃう。バーニー・サンダースとドナルド・トランプの極左と極右みたいな感じで、ヨーロッパもそうですけど、極右政権がどんどん生まれるかもしれないとか。インクルージョンされていないことのコストがだんだん高くなってきている気がするんですよね。
そうすると、クラウドAIの先を明るくするためには、テクノロジー弱者もうまく巻き込んでいかないとしっぺ返しを食らっちゃうんじゃないのかなというのを、最近の世の中の動きを見て思うんです。
それでポケモンGOのように、技術を巻き込んでいくことが案外重要なのかなというのを感じます。
佐藤:社会から疎外されていると感じている人たちが集まってしまうとよくないことが起こると。
松本:だから、いいテクノロジーがあるときは、そのテクノロジーに対する疎外感を持つ人を多くしないような、税金みたいなものかもしれないけど、そういう工夫をしていくことが実はすごい大切なんじゃないかなと。
佐藤:もしかしたら次の衆院選に出られるとか(笑)。
(会場笑)
松本:いやいや(笑)。でも先ほどの金融でも、某国のレギュレーターと違う国では違ったり、あるいは金融と非金融でも違うとか。そういうデバイドを減らしていくのが大切かなという気がしますけど。
佐藤:そうですね。そこに国ももう少し投資してもらったほうがいいと思います。セールスフォースは「1:1:1モデル」という社会貢献プログラムで、学校にPCを配ったり教室を開いたり、いろいろボランティアでやってますが、企業がそういうお手伝いをして、そういうことが起こらないように盛り立てていくことが重要かもしれないですね。ありがとうございます。
それでは、本当に締まるかどうかわかりませんが……締めてもらいましょうか。
ジェイソン・ダニエルソン氏(以下、ジェイソン):ジェイソンの将来のイメージはいらないですか?
佐藤:だから締めてもらいましょうか。
ジェイソン:そういう意味ですか。
佐藤:いやいや、「以上!」っていうのはなしですよ。
ジェイソン:(最後に)とっときましょう。
(会場笑)
ジェイソン:大胆なお話をしますと、みなさんの自宅が広くなります。レジャー施設は増えます。自然なものが増えると思います。というのは、会社がいらなくなる。会社のビルはなくなる。学校はなくなる。そういう基幹系のものはすべてなくなる。
個人から個人へのやり取りになる。みんなはなにか習いたいことや貰いたいものがあれば、自分で探して、自分で調べて、自分で勉強する。それで自分から価値のあるものを発信して、それを必要としている人が直接その人とやり取りする。
日本は所属型の社会だから合わないかもしれないけど、たぶんそれをやるようなところが増えると思います。
極限な話なので、そこまではならないだろうけど、最近ある程度はそうなっていくんじゃないかと思います。
さっき言っていたランサーズ的なことで、代理店はぶっちゃけいらない。そういうものはいらない。いらなくなる。
価格競争になるという心配は、いいものを作ればより価格が上がる。そういう競争になっていけば間の手数料とかは全部なくなって、その人たちは自分の得意なところに集中していれば、より価値のあるものができる。
その手数料を取っているのは、本当にお客様に価値を提供しているかというと、そのお客様の安心感ぐらいでしょうね。この会社だから信頼できます。でも実際できあがったものを考えると、そんなに変わらないかもしれない。
これからさらに変わらくなっていくともう間の時間は要らないよね。だから、人と人との直接のやり取りが増えて。レジャー施設が増える。という極端な……大丈夫ですか?
(会場笑)
佐藤:勝手に締めないでよ。
ジェイソン:はい、もちろんお渡しします。
佐藤:相変わらずやりづらいですけども。
(会場笑)
佐藤:ということで、1時間にわたりましてクラウドを使うことによって社会がどう変わるかというのを、テーマを絞ってお話をしてみました。
訪れる社会がジェイソンの言うような社会になるかはわかりません。けれども、このテクノロジーの変化が必ずや社会をよい方向へ導いてくれることに私は非常に期待をしております。それでは一本締めならぬ……。
ジェイソン:ヨォ~、以上!!
佐藤:どうもありがとうございました。
(会場拍手)
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