2024.10.10
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2016年2月15日 甘利元大臣の秘書とされる音声データについて(全1記事)
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玉木雄一郎氏(以下、玉木):民主党の玉木雄一郎です。今日は経済財政を中心に質問させていただきたいと思います。その前に先週、政治とカネの集中審議で我々の同僚議員が甘利前大臣について質問しましたけれど、そのなかで、さまざまな疑問が新たに出てきました。
まず、総理におうかがいします。甘利大臣が辞められてから、もう2週間以上が経ちました。1月28日だったと思いますが、甘利大臣は辞任会見でこのようにおっしゃっています。「秘書が金額交渉等に介入したことはない」と。
この説明は、安倍総理も信じてらっしゃるという理解でよろしいでしょうか?
委員長:安倍内閣総理大臣。
安倍晋三氏(以下、安倍):先般、甘利大臣は辞職するに際して、その段階で把握している事実について説明されたんだと、こう思っております。その段階での甘利大臣の認識をお話しされたんだろうと、このように承知をしております。
玉木:総理としての今のご認識だと理解しました。実は我々は昨日、甘利事務所の秘書さんがUR、都市再生機構と一色氏との間の補償交渉、もっと言うと金額交渉に深く介入していたことを裏付ける証拠。具体的に申し上げると、音声データと議事録を独自に入手いたしました。
これは当事者である一色氏の了解も得たものであります。日付は平成27年11月2日です。甘利事務所の秘書から一色氏に対して、URに20億円という具体的な補償金額を提示するように持ちかけている内容であります。
一部読み上げます。「でも一応推定20億かかりますとか、かかると聞いておりますとか。そういう、言葉にして欲しいんですよね。もしかしたら実際の金額については、細かいとこまで絡めないですよ。こいうところは今だったらギリギリ絡めるんで」と言っております。
これはまさに甘利事務所の秘書が補償交渉、金額交渉に、深く介入している生々しいやりとりであります。これが事実であれば、あっせん利得処罰法違反は免れないと思います。
ここでURの理事長にうかがいます。このやりとりの4日前です。平成27年10月28日付けのURの議事録。これが黒塗りで出されましたけれども、しかしその黒塗りされている以外のところから読み取れる内容から以下のことがわかります。
こういうふうに甘利事務所の秘書さんとURがやりとりをしています。秘書さんが「いったい先方はいくらほしいのか?」ということに対して、機構は「具体額はおっしゃられない」と。これに対して秘書さんが「私から先方に聞いてもよいが」と、機構側に言います。これに対して機構側は、「いや、逆にこれ以上関与されない方がよろしいように思う」と。
ある意味ここで、金額交渉に介入しようとする甘利事務所の秘書さんを、URみなさんとしてはいさめたかたちになっていますが、このやりとりは事実ですか?
委員長:独立財政法人、都市再生機構、上西郁夫理事長。
上西郁夫氏(以下、上西):お答えいたします。事実でございます。
委員長:玉木君。
玉木:もう一度、申し上げます。今、冒頭私が紹介した録音テープのやりとりの4日前。URに対して、甘利事務所の秘書さんが「金額こちらから聞いてみようか」ということに対して、やはりそれはマズイということでURとしては「もう関与されない方がいいですよ」と。そして、こうもおっしゃっています。「提示額は基準上の限度いっぱいであり、工夫の余地がまったくなく、先方に聞いてしまうとそちらも当方も厳しくなる」と。こういう認識でありました。
これで終わっていればよかったんですが、にもかかわらず、4日後の11月2日に先ほど言ったように「一応推定20億かかりますとか、そういう言葉にしてほしいんですよね」と。こういうふうに具体的な金額出して交渉した方がいいですよと、まさにURと当事者である一色さんの間に甘利事務所の秘書さんが入って、具体的な金額を述べてやった方がいいですよと、深くこの補償交渉に介入しているんです。
甘利元大臣は辞任会見で「秘書が金額交渉に介入したことはない」と、そうおっしゃいましたけれど、今のやりとりを聞くと、まったく関与していないどころか、主導的にどっぷり関わっている様子がうかがえます。
一方の言い分だけを言うのは私も公平ではないと思いますので、音声データあります、議事録もありますので、これを理事会に提出したいと思います。そしてこれを検証していただいて、一方的に私がこうして言うのは不公平だと思いますから、甘利元大臣本人、そしてここで取り上げられている、清島秘書、鈴木秘書、この3名については証人喚問を求めたいと思いますので、委員長お取り計らいをお願いいたします。
委員長:理事会で協議をいたします。
玉木:あわせて、当予算委員会17時に終わりますけれども、このあと終了後に記者会見を開いて、この音声データと議事録についてはすべてのマスコミに公開したいと思います。私もこれを聞きましたけれども、清島秘書の声を聞いたこともないので最終的に確信を持てません。
ですから、多くのマスコミのみなさんに取り上げていただいて、全国のみなさんにもチェックをしていただいて、果たしてこれが真実なのかどうなのかも含めて、しっかりと検証すべきだと思いますので、このあと公開をしたいと思います。
安倍総理にうかがいます。7割の国民が「甘利大臣の説明は不十分だ」と、これは井坂議員からも先般指摘があったところでありますけれども。今回、潔く辞めたと、評価が高いとも言われている先日の甘利大臣の会見内容がすべて嘘だったのではないかという疑惑さえ出てきています。
改めてうかがいます。今のやりとりを聞いて、それでもなお「秘書が金額交渉等に介入したことはない」という甘利大臣の言葉を、任命された安倍総理としては今も信じていると断言いただけますか?
委員長:安倍内閣総理大臣。
安倍:先ほどお答えしたように、甘利大臣は辞任の記者会見にあたってご本人、あるいは協力していただいた弁護士の方とともに調査を行い、そして、その調査について甘利大臣は発表されたわけであります。その段階における、甘利大臣の認識を示されたものと承知をしております。
委員長:玉木雄一郎君。
玉木:先週も安倍総理は「任命責任を果たす」とおっしゃいました。これも井坂議員から指摘がありましたけれども、任命責任を果たすと言っても、そこからなにもしないんですよね。甘利大臣にしっかり説明させる責任、これをやはり総理大臣として果たされるべきだと考えますけれども。この説明させきる責任をどう果たされるおつもりですか?
委員長:安倍内閣総理大臣。
安倍:甘利大臣は先の会見において「さらにしっかりと調査をし、そして国民のみなさまに説明をしていきたい」と、こうおっしゃっておりましたので、今後とも説明をしていかれるものと考えております。
委員長:玉木君。
玉木:2週間以上があの辞任会見から経ちました。そして、先般行われた重要法案を扱う本会議、そして石原大臣が新たに任命されてその後行った経済演説を読んだ本会議、すべて甘利元大臣は欠席をされています。辞任されても、一衆議院議員であります。なぜ本会議に欠席しているのか。そして今週も来週もまた本会議が開かれて、果たして出席されるのか。とても説明責任を果たす積極的な態度を取っているとは思えないんですね。ぜひ安倍総理、辞めたとはいえ、任命されたのは内閣総理大臣、安倍晋三総理であります。ぜひ甘利大臣に国会に出てきていただくように説得をしていただけませんか? お願いします。
安倍:国会への出席、あるいは説明責任等については、政府の一員であろうと、与党であろうと、野党であろうと、一議員がそれぞれ議員としての責任のなかにおいて、その責任を果たしていく、そう考えております。甘利大臣においても、先般、「説明責任を果たしていく」とこう言っておられるわけでありますから、説明責任を果たしていくものと考えております。
玉木:いつも総理そういったお答えで。なんとか今を過ごせばいいという感じなのかもしれませんが、しかし我々もまったく証拠がないなかで申し上げているわけではなくて。それなりに、大臣を経験されているような方に対して何かご指摘申し上げるのは我々も緊張します。責任をきちんと果たさなければいけないということで一定の調査をきちんとした上で申し上げています。ですから、安倍総理としても、甘利大臣にしっかりと説明責任をこの場に来て果たすように強く働きかけていただけることをお願い申し上げます。
改めて委員長、今申し上げた甘利元大臣、そして2人の秘書、必ずこの場に来て証人喚問に応じていただけるよう、理事会で協議いただけますよう強くお願いいたします。
委員長:理事会で協議をいたします。
※公開された音声データ内容は以下の通り
だいたい、そしたらかっこ書きでもいいです。でも、一応、推定20億かかりますとか、かかると聞いておりますとか。そういうなんか言葉にしてほしいんですね。あっちの言い分も明確なあれがないって話だったんで、明確にしなきゃですよね。もしかしたら実際の金額について細かいとこまで絡めないですよ。こういうところは今だったらぎりぎり絡めるんで。
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