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2025.02.18
AIが「嘘のデータ」を返してしまう アルペンが生成AI導入で味わった失敗と、その教訓
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マルゴ・キャリントン氏(以下、キャリントン):みなさん、こんにちは。今日はアメリカンセンターのイベントにお越しいただきありがとうございます。ACJ(アメリカンセンターJapan)はさまざまなプログラムを提供しております。
特にみなさま方に興味があるとすれば、12月7日、シリコンバレーのアントレプレナー、マイナー氏にお越しいただきます。どうぞいろいろなプログラムにお越しください。「americancenterjapan.com」のWebサイトにアクセスしていただくと、プログラムが出てきます。
また、アメリカ留学に興味がある方には学生向けのアドバイザーがおります。その他にもさまざまなプログラムがあります。Wi-Fiの通訳がありますので、どうぞご利用ください。リサーチにもご利用いただけます。アメリカの専門家がみなさま方のご支援を週に何回かすることができます。
今、このアメリカンセンターに関するコマーシャルをちょっとさせていただきました。今日はニコニコ動画のライブストリーミングをしておりますので、バーチャル聴衆の方たちもいらっしゃいます。
動画をご覧のみなさまは、途中で質問も送ってください。今はグローバル・アントレプレナーシップ・ウィークを祝っております。イノベーションがいかに重要か、ということをこの一年間を通じて話しております。特にこの一週間は特別にイノベーションに注目していきたいと思います。
グローバル・アントレプレナーシップ・ウィークをあまり知らない方もいるかもしれませんが、カウフマン財団と協力して作りました。さまざまなアイデアを解き放っていこうというイベントです。
私、司会を務めますけども、2010年に日本に来てもう10年になります。そしてまた日本に戻ってまいりました。日本に戻ってきて、どれだけ日本が変わったかということよく痛感しました。
3月11日、東日本の大震災が日本を襲いましたけれども、その時に、特に若者たちがこの震災復興に取り組んでいるのを見て、非常に感銘を受けました。
あえて居心地の良い場所を離れて、課題に取り組もうとしておられる、そういう人たちを今回はパネリストにお招きしました。
織田友理子さんは、バリアフリーを世界で実現しようとしております。今年のナイロビで行われたグローバル・アントレプレナーシップ・サミットにも参加なさいました。ステンゲル国務次官もこのサミットには参加しておられますし、オバマ大統領も基調演説をしました。
藤井宏一郎さんは、アントレプレナーシップや公共政策のコミュニケーションの専門家です。それから今村久美さんは、日本の中高生のための教育の学習の場を東北の各地で主催しておられます。パネリストの経歴についてはもうすでに書かれていますので、話はこれくらいにしたいと思います。
今回は、アメリカからステンゲル氏をスペシャルゲストにお迎えしておりますので、これから話し合っていきたいと思います。ジャーナリストの経験もあるステンゲル国務次官は、社会の変革に対して非常に関心を持っておられます。
現在は広報・文化交流担当の国務次官を務めておられます。国務省の広報・文化活動すべてにおいて、グローバルに戦略的なリーダーシップを発揮なさっております。国際交流プログラムや文化交流プログラムにかかわっておられます。
今回の来日の期間は非常に短いので、新しい日本の顔をぜひステンゲルさんにお見せしたいと思います。日本がまさに変わっているということをこのディスカッションを通じて、ステンゲルさんにお伝えしたいと思います。
また、日本のみなさんが、この日米のパートナーシップを緊密にするためにいかに働いておられるかをお伝えしたいと思います。それではパネリストの方に移りたいと思います。
リチャード・ステンゲル氏(以下、ステンゲル):今日、ここに来ることができてとても光栄です。素晴らしいパネリストのみなさまと並んで座ることができ、うれしく思っています。
公共外交というのは、素晴らしい人々を集めていろいろなお話を聞くこと、それが私たちの仕事だと思っています。いくつかアントレプレナーシップについてお話をしたいと思います。
アメリカの外交政策、それから公共外交の柱の1つがアントレプレナーです。なぜそうなのかとお考えかもしれません。どうしてそこまで頑張るのかと。なぜかというと、あまりこれは語らないことではありますが、アントレプレナーシップというのは、ビジネスを作ることにとどまりません。
特に2000年代に関して言うならば、コミュニティに向けてのアントレプレナーシップだったりしますが、新しい考え方、寛容性、いろんな資本、コンテンツの保護、そういったことすべて、新しい近代の社会を作る上で、21世紀以降の社会を担保していく上で非常に必要なものであり、それこそが私たちが推進したいと思っていることです。
長期的な素晴らしい環境を日本と築いてきました。過去、私たちはアントレプレナーシップの模範としての役割を果たしてきたと思います。特に若い人々の間においてはそうです。それからまた、ぜひアメリカにも留学して欲しいなと思ってます。
10年前、15年前はかなりの日本人留学生が来ていましたが、(現在は)ピーク時の半分くらいに減ってしまっています。一方で、来年日本にやってくるアメリカ人学生の数は劇的に多くなるものと思われています。
私、いろんな仕事をやってきたんですけども、一つひとつ失敗した(ことがあって)、成功していないアントレプレナーの1人であります。ただ、それも大切なことだと思います。
リスクを取ることがアントレプレナーの仕事であり、それがまた、エキサイティングでもあり、それからまたちょっと恐ろしい、勇気のいる部分でもあると思います。今日はありがとうございます。
キャリントン:「リスクを取る」ということで、織田さんに移りたいと思います。まず、何をなさってきたかということをお話しいただきたいと思います。
織田友理子氏(以下、織田):みなさまこんにちは。織田友理子と申します。今日は私のプロジェクトについてお話をしてみたいと思います。一緒にバリアフリーマップを作ろうというプロジェクトです。私自身は車いすに座っています。
さて……4.5センチ。この意味をみなさんご存じでしょうか? これは、実は私が自力では、車いすで乗り越えられない高さの段差であります。10年ほど前までは、私はとても元気でした。
ですので、いつの日かこんな日が来るなんて、車いすの不便を味わうことになるとは夢にも思いませんでした。日本だけでも200万人の人々が車いすを使っています。そしてその人たちは、なかなか家から出られずにいます。
というのも、車いすのアクセシビリティが低いからです。知らない場所に出かけていくときにはいろいろなことを調べ、注意深く計画し、そして勇気を振り絞らなければ出かけられません。
なので、一緒にマップを作って、どこにアクセシビリティがあるのかというのを見せることができないか、それを考えました。スマホを使って路面のデコボコの情報などを拾えないか、もちろんそれらを写真やメタデータで記録し、トイレの情報なども入れられないか、そういうことを考えました。
PADM(遠位型ミオパチー患者会)はGoogleインパクトチャレンジに応募しました。伊藤(史人)先生という方が島根大学にいらっしゃいます。そしてまた、吉藤(健太朗)先生という方がオリィ・ラボラトリーにいらっしゃいます。一緒に応募して、グランプリをいただきました。
これは、NPOを支援して、社会の問題を解決すべくさまざまな技術を使ってより良い世界をより早く作ろうというプロジェクトであります。これはバリアフリーに関する情報を共有しようとするプロジェクトです。
世界中の車いすに乗った人々がお出かけした先で、モバイルデバイスを使ってその情報を集めていこうとするものであります。また、言葉を使わずに情報が共有できますので、よりわかりやすい情報共有をすることができます。
今年の夏の、ケニア旅行についてのお話をしたいと思います。PADMをアメリカ大使館が第6回グローバル・アントレプレナーシップ・サミットにお招きくださいました。私は日本人として初めて参加をさせていただきました。
これはオバマ大統領が始められた、グローバル・アントレプレナーシップ・サミットというイベントであります。素晴らしいインスピレーションあふれるオバマ大統領のお話を聞かせていただき、感動いたしました。
それぞれのプロジェクトについてアイデアを共有したり、それからまた意見を交換いたしました。右から2人目がステンゲル先生でいらっしゃいます。ということで今日、私は再会を果たすことができ非常にうれしく思っています。
私はアフリカに行くのが初めてでした。ちょっと心配はしていました。というのもケニアにおける情報が非常に少なかったからです。けれども、とても安心しました。警備の方々やホテルの方々がスロープを毎回持ってきて下さったのです。
それからまた運転手さんも、私が車いすで心地よく使えるレストランを探して下さいました。私はケニアの食べ物を試してみました。とてもおいしかったです。それから、ナクル湖国定公園では車いす用のトイレもありました。
そんなことは想像もしてませんでしたので、感動いたしました。それから、ナイロビのストリートでも素晴らしいことがありました。車いすの方が私ににっこりとほほ笑んでくださいました。そして私と夫にコーヒーをごちそうして下さったんです。
障害のある人々についていろいろな話をしました。ケニアには社会福祉の制度が発達しておらず、それに比べれば日本の人々はさまざまな問題を克服できていると思いました。
また、情報があるということで、車いすユーザーが幸せになります。これは私の家族の写真であります。車いすの人々は障害があるために毎日自由に出歩くということがなかなかできませんし、1人で出歩くことができません。
誰か、付き添いの人も必要です。したがって、現実的、かつ、詳細な情報は車いすに乗る人々だけでなく、お母さんやお年寄りにも非常に有益な情報だと思いますし、世界で非常に需要が高いと思います。
なので、このプロジェクトは世界で非常に大きなインパクトが期待できると思います。多くの人々が、より多様な社会を作れるようになるということです。この単純な簡素化されたバージョンのアプリが、まもなくリリースされることになっています。
バリアフリーマップを作るプロジェクト、4.5センチというのはみなさんにとっては大きな数字ではないかもしれません。しかし、私にとっては非常に難しい数字であります。Googleのみなさま、それからまた駐日大使館のみなさまに御礼を申し上げたいと思います。
感謝の気持ちでいっぱいです。こういったチャンスをいただき、私の意見を話す場をいただきましてありがとうございました。
(会場拍手)
キャリントン:織田さんありがとうございます。4と4.5センチの差というのは、これからはまた違って見えると思います。
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