2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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伊藤ようすけ氏(以下、伊藤):田中さんがやってらっしゃる仕事の中で、ふくださんを初めとした永田町の方々が、「もっとこうしてくれたらいいのに」ということはあったりしますか?
田中美和氏(以下、田中):インフラという意味でいうと、やはり国とか自治体によるところが大きいと思いますので、保育の環境ですとか。そこがなかなか整わないと働けるものも働けなかったりするので、そこは非常に期待するところですね。
あともう1つは、テレワークの推進ですね。フレキシブルなワークスタイルをお届けしたいということで活動しておりますと、やはり壁になるのがテレワークとかリモートワークをできるかできないかということなんですけれども。
やっぱりまだまだそこに壁を感じて、「テレワーク興味あるけど、うちの会社ではできないよ」となっていらっしゃる事業さまが少なくないので。
伊藤:やっぱり事業者側がそうですか。
田中:はい。やっぱり根強いですね。働く人が目の前にいないとやはり不安だとか。マネジメントの意識もあると思うんですけれども。ぜひそこは音頭を取っていただきたいと思います。
ふくだ峰之氏(以下、ふくだ):それは結構やっているんだけど……企業サイドの意識だね。この話はセキュリティの話とリンクしているんだけど、今は業務をクラウド化して、クラウドのセキュリティが高いし。そこから仕事を分散して出して、クラウドに戻すというやり方が、技術的にはぜんぜんできる。
田中:そうですよね。
ふくだ:だからそうすると、場所を選ばず時間を選ばずという話になるでしょ? そうなれば、女性の方々が働ける環境というのは整うし。
田中さんに聞きたいんだけど、昔は工場を誘致をするのが雇用の確保だったのよ。地方自治体が畑のところに造成して、「ここは工場来てください」と。「来てくれたら1年間の税金まけまっせ」みたいな。企業誘致=雇用の持続的な確保という。いまだにその発想なわけ?
本当は今さら工場なんて来ないし。都市部にあるデータ処理とか会計とか経理とか人事とかをクラウドに乗っけて、田舎のほうでも、例えば親の介護しながら家で仕事ができるという仕事の出し方にしないと、雇用なんか生み出せないんじゃないかなと思うんですよ。
企業誘致とかそういう時代じゃないんじゃないかなと思うんだけど、田舎に仕事をつくるという意味においては、ワークシェアリングに近い話だけど、こっちだと思いません?
田中:おっしゃるとおりですね。私たちも今年から地方展開に力を入れて。
伊藤:そうなんですか。
田中:はい。具体的に名古屋エリアとか、福岡を中心とする九州エリアに進出しようと思っています。それによって、地方の人材と地方の企業さまのマッチング、首都圏の仕事と地方の人材とのマッチングというところに取り組んでいきたいなと思っています。
ふくだ:首都圏の仕事を地方に持っていくというのは、雇用を膨らませる最大のポイントなんだよね。地方ってもともとそんなに企業ないから。やっぱり、東京は腐るほどあるわけでしょ?
だから、その仕事をどうやって外出しできるかが(ポイント)。IT技術が進化したことによって、今はできるわけよ。ぜひ田中さんの会社でも考えてもらえるとありがたいんだよね。
田中:ぜひやっていきたいですね。やはり地方の企業さまですとか地方のご登録者さまからのご相談というのが相次いでまして。これは進出すべきだろうということで、今年はやっていきたいなと思っています。
ふくだ:もう本当に雇用っていうと、いまだに工場誘致とか企業誘致になっちゃって……。もう時代が違うんだよ。
伊藤:そんな宝くじ当たるようなこと考えちゃダメだと思うんですよね。そんなしょっちゅう行かないですからね。
ふくだ:企業だって東京にいる意味があるから東京にいるわけで。仕事を出すことはできても会社自体を無理やり地方に持っていくというのは現実的じゃないよね。
だから、次の時代は田中さんみたいな会社がITを使った、地方に仕事を出していくみたいなことに(力を入れなきゃいけない)。逆に、企業にそういう仕事のつくり方をしなさいってアドバイスしてもらいたいわけよ。
もう会計なんか会社の中のサーバーでやらないで、クラウドにあげて分散させればいいじゃないですか、その仕事の仕方ですよということをアドバイスしてもらいたいね。
田中:ぜひやっていきたいですね。やはりそこでその間に立つ人とクラウドの両方の良さを生かすということが重要かなと思っているんですよね。クラウド上に仕事をぽんとあげるだけですと、なかなかマッチングが起きにくいところも正直あると思うんですよね。
ですので、そこに私どものような会社ですとか他社さんでもけっこうなんですけれども、間に入ってその両者のニーズを丁寧にマッチングしていくというところ、テクノロジーと人のマッチングスキルの融合というのが重要なのかなと思っています。
伊藤:そうですよね。
ふくだ:人口を分散するというのは、雇用がないかぎりは分散できないので。全ては雇用だから、やっぱり雇用をつくり出す仕組みを新しい形でつくり上げていけば何か見えてくるような気がしますね。
田中:そうですね。
伊藤:すごい下世話な話、例えば田中さんのところで週5日働くのはいろいろな事情があって難しいと。なので週3日ぐらいマーケティングの仕事に携わりたいとすると、能力のある方でいくらぐらいもらえるんですか?
ふくだ:下世話だね、伊藤さん。
伊藤:いや下世話だなと思いながらも。
田中:お仕事の内容がクライアントの規模感にもよるんですけれども、弊社の場合だと、平均すると週3稼働で30万円前後ぐらいですね。
ふくだ:それはやっぱり相当キャリアを実務としてやってる人だよ。逆に言うと、その人たちは働く場所が近くなきゃダメだよね?
田中:はい。
ふくだ:働き方っていろいろあるかもしれないけれども、家の近くにあるからその人たちがコンビニでアルバイトするかといったらたぶんしないでしょう?
田中:そうですね。
ふくだ:別にコンビニの仕事がいけないって言ってるんじゃないんですよ。だけどその人に向いてる仕事が何なんだって言われたら、やっぱりそこにはニーズはないかもね。
田中:やっぱりみなさん、これまでの経験を生かして働きたいと思ってらっしゃるので。その意味でこれまでの総合職の経験、人事とかマーケティングとかそういった経験を生かしつつフレキシブルにやりたいという思いで来てくださいますね。
伊藤:なるほど。
ふくだ:私、今から20年前、横浜市会議員に出るときにマニフェストを作ったんですね。そこは僕が住んでいる横浜市青葉区で、日本で一番4年制の大学を卒業している女性が多い町で。
伊藤:そうなんですか。
ふくだ:それなりの一流会社に働いていて、住んでる人たちというのはだいたい上場会社の管理職とか役員が多いわけ。その奥さんだったりするわけね。その人たちがずっと住んでるわけ。だけどその人たちは別にお金に不自由してるわけじゃないけど何かやりたいと。働きたいと言ったときに、その仕事は何なんだって考えたのよ。
こういう人たちは能力もあるし、ベンチャーのインキュベーションをつくってって、ベンチャーをやりたい人そこに集めて(やればいいんじゃないかと)。インキュベーションって都市部にあったり……横浜もそうなのよね。
「実務をやる人材はいっぱいいますよ」と言ってマッチングさせていくと、近所で働けるし、上場したいとか新しいビジネスの立ち上げをサポートするという仕事がそこで発生すると。それができる女性がいるから、青葉区にインキュベーションを(つくろうと)。
そういう政策を今から約20年前に考えたんですけど、これはどうですか? 評価していただけますか?
田中:すごくいいですね。
伊藤:20年前ってすごいですね。
ふくだ:だけど、実現しないまま市会議員辞めちゃったんで、ちょっと言うのも恥ずかしいんですけど。それを何か田中さんと一緒に、僕の町だけじゃなくて国でつくれそうだね。
田中:すごくいいと思います。やっぱりお母さん方ってお迎えの問題がありますので、もう絶対的にその場所に行かなくてはいけないので、働く場所が近いというのはそれだけですごく負担感が減るんですよね。ストレスなく働けますので。
伊藤:万が一何かあったとき、すぐ行けるかすぐ行けないかって大きいんですよね。
田中:やっぱり先の東日本大震災以降、もしものときにお子さんにすぐ会える、すぐ迎えに行けるというところを重視して、働き方を変えたという方もいらっしゃいますね。
伊藤:なるほど。
ふくだ:本当に眠ってる女子力ってあると思うんですよ。僕は、子育てをやってる世代の女子力ってすごく強いと思ってて。
あともう1個、会社を定年された方の男性、いわゆる65歳で定年されて地元に帰る。今は延長で65歳ぐらいまで働けるから、65歳で会社を辞められた方の人たちがいて。こういう人たちも例えばビジネスアドバイザーみたいな。
例えば横浜であれば、横浜の会社が海外にものを誘致したいと。だけど、そういう知識がないというと、元商社の人のビジネスアドバイザー制度みたいなものを地方自治体でつくっているんですが、もうぜんぜん時代とマッチングしていないアドバイスされると。全員とは言いませんが。
伊藤:ああ、逆に……。
ふくだ:それはやっぱり、65歳で一線を退いた人たちの今思考というか、それはぜんぜん時代が。
伊藤:合ってない。
ふくだ:中にはすごい人もいるのよ。だけど一般的に言うと少ないというわけよ。
例えば今、マーケット調査だって電話じゃなくてネット調査だったりとか、いろいろ時代が変わってきて。ITの手法だったりとか。そういうものが(なくて)、昔ながらのモノの売り方を説明されるというわけよ。
伊藤:なるほど。
ふくだ:だったら30代ぐらいのお母さん層のほうが……。テレビ観たりとか、お母さん同士でいろんな情報を持ってたりとか。そっちの人たちのほうが今っぽいアドバイスができるんじゃないかと思うんだよね。これ、ニーズ的にはどうですか?
伊藤:そうでしょうね。今のふくださんのおっしゃっていた方々というのは、ちょっと言葉選ばずに言うと、いかんせん成功体験があるので、ついそれを押し付けるんだと思うんですよね。
でもそれはやっぱり、海外国内問わず、モノを売る売り方とかって成功されてたときの時代とは明らかに違うんで、ちょっとトンチンカンなアドバイスをしちゃうという現実はわかるような気がしますね。そういう意味では、それこそ女性のほうが。
ふくだ:僕はそっちのほうがビジネスニーズが高いんじゃないかと思うけどね。だからそのニーズをもっと掘り起こして、女性の方々がもっと自分のためじゃなくて、日本の経済のために出てきてくれていろいろやってくれたら、すごくいい国になれそうな気がするんですけど。
田中:そうですね。私たちも実際にお会いしていて、すごくもったいない人材の方がたくさんいらっしゃるんですよね。週5日フルタイムという形にあまりこだわり過ぎてしまうと、そういう優秀な人材をなかなか活用できなかったりしますので。
伊藤:企業側からすると。
田中:そうですね。そこの枠をちょっとフレキシブルにしていただくだけで、活躍の場が広がりますので。
伊藤:優秀な人材がたくさんいますよと。
田中:そうですね。本当にもったいない方がたくさんいらっしゃるので。
伊藤:でも我々から言われるまでもなく、わずか3年ですか、2年ですか。
田中:ちょうど丸2年ですね。この4月で3年目に入りました。
伊藤:それでもう1,400人いらっしゃるんですからね。登録されてる方が。
田中:はい。
ふくだ:やっぱり子供がいるとか介護をしてるとかっていう……それは社会外部環境だから。それと本人の持っているキャリアとか実力というのは、別な話だからね。それが今までひっついちゃってたから制限があった。だけどこれをひっつかない働き方の仕組みを提唱してあげればいいと思うな。
田中:そうですね。しかもこれから大介護時代が待ってますので、現在だけでも介護委嘱って年間10万人いるって言われてますけど、ますます増えると言われているので。来るべき介護社会に向けて、女性だけではなくて男性に対してもフレキシブルな働き方を用意するっていうのはすごく(大事だと思います)。
伊藤:介護の問題はそうですよね。
田中:求められてるなと思います。
ふくだ:ただそうすると、組織に甘えるんじゃなくて自分のキャリアをきっちりつくり上げていくという。自分を高めないとダメな社会になるね。
田中:そうですね。
ふくだ:楽しちゃダメだね。
田中:そうですね。やはり時代の変化が非常に速いので、その時代に合わせて自分のキャリアを変化させていくためには、「自分で主導権を握るんだ!」という強い思いを持つことが重要なのかなと思います。
ふくだ:まさに田中さんそうだね。自分で道を切り開いているわけだからね。
田中:とんでもないです。頑張ります。
ふくだ:ということで。今日も本当にありがとうございました。
伊藤:ありがとうございました。
田中:ありがとうございました。
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