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コミュニケーション能力の高い人が“無自覚”にやっている話し方 5選(全1記事)

コミュ力の高い人が無自覚にやっている話し方5選 心を開かない相手の本音を引き出す相づちと質問のテクニック

株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は、部下のやる気を引き出すチームビルディングのポイントを解説します。

コミュ力の高い人が密かにやっている話し方5選

伊庭正康氏:どうもこんにちは。研修トレーナーの伊庭正康です。今日はコミュ力の高い人が密かにやっているうまい話し方5選を紹介していきます。こんな人に今日見てほしいです。

短時間で心の壁を取っ払って、本音の会話をさせてもらいたい。これ、営業の方多いんじゃないでしょうか。さらにはあらゆるタイプの人と短時間で信頼関係を作る。そんな対話術、知りたい方も多いんじゃないですか。

職場で「あの人とちょっと合わないんだよな」っていう人いませんか? そういう人に今日の技術を使っていただくと、一気に関係が良くなります。今日は10分から15分の動画で、研修トレーナーの伊庭だからこそお伝えできる、ちょっと心がけるだけでずいぶんと成果が上がるTIPSを紹介していきます。

まず質問者の方から質問をちょうだいしてますので、回答するようにして5つのメソッドを紹介していきます。

大事な前提は「相手の性格」の問題にしないこと

では、質問を読み上げます。「僕は営業職ではなく、倉庫で働くフリーターです。人間関係構築が非常に苦手だったので、伊庭さんのYouTubeとUdemyのほとんどすべての講座を視聴、受講したところ、人生が大きく変わりました。そこで1つ質問させてください。

心のシャッターが完全に閉まってる人のシャッターを上げるにはどうすれば良いでしょう。北風のようにではなく、太陽のようになるべきなのはわかったのですが、具体的な方法が知りたいです」。まさに今日5つのメソッドとして紹介します。楽しみにしてください。

5位から1位まで、あらゆる人と短時間で良い関係を結ぶテクニックを紹介します。

では最初にお伝えしたいこと。相手の方が心を閉ざしてるということにはあまり気にしないでいただきたいんですね。というのは、相手の性格ではなくコミュニケーションの問題だとすれば、実は解消できるからなんです。

(相手の)性格の問題にすると、けっこうしんどいんですよね。でもコミュニケーションの問題でおくと、こうすればいいというのがわかりやすいので、ぜひお持ち帰りください。では5位から1位までランキング形式でまいりましょう。

「自分のことをわかってくれてる」と思われる相づち

第5位。「感情に同意をする」、相づちをしてみてください。これだけでもずいぶんと「あ、この人自分のことをわかってくれてる」と感じてもらえます。

相手が思っていることをつぶやくだけなんです。やってみましょう。例えば、みなさんの後輩の方から「すいません、カブトムシが死んだので今日は休みます」という電話がかかってきたら、どう切り返しますか? 

コミュ力の高い人でも困ると思いますが、対応方法は心得ています。相手がどう思っているのか確認してからつぶやきます。やってみましょう。「すいません、今日カブトムシが死んだので、会社は休みます」。「あぁ、そうなんだ。カブトムシが……。うーん、そうか。ちょっと教えてもらっていい? それってどういうこと?」

「いや、実は僕と弟で飼っていたカブトムシなんですけども、大事にしてたんですよ」「あぁ、そうなんだ。大事にしてたんだ」「だから悲しくて、ちょっと弟に寄り添ってやろうかなと思ってるんですよね」「弟さんにね。そっかぁ。それは辛いよね」。

はい、ここで止めますね。なんで「辛いよね」って言えたかというと、今の会話で確認をしたからですね。「カブトムシぐらいで何言ってんの」と思ってしまったら、会話が成立しないということがわかりましたね。ですから相手がどう思ってるかを確認してから、その感情をつぶやく。

他にもあります。感情の言葉を今から言いますので、もしよかったら頭の中に書きつけておいてください。「楽しみですね」。これから何かあるんでしょうね。「いよいよですね」。お休みでもあるんでしょうか。「おもしろくなってきましたね」。これもありそうですね。

あと今回は「それは辛いですよね」って確実に辛い話だったんで言えましたけども、あんまり寂しい話とか辛い話はしないので、ポジティブな話だけでもけっこうかと思います。でもネガティブなほうは「お察しします」。これでもけっこうです。これは研修でいつもご紹介しているメソッドになります。

なかなか本音を言わない人に使えるテクニック

では、いきましょう。第4位。心の固い人にはぜひ使ってみてください。なかなか本音を言わない人はこれで決まりです。

「もしあるとしたら」プラス拡大質問。「もしあるとしたら」というのは、クッション言葉の1つです。クッション言葉というのは、質問をする前に「差し支えなければ教えてもらっていいですか」とか「勉強の意味で聞いてもいいですか」というように質問の前に挟む言葉をクッション言葉といいます。

相手の方に対して質問攻めにしないというテクニックなんですね。ここで一番強力なテクニックの1つ、「もしあるとしたら」プラス拡大質問なんです。やってみましょうかね。

その前に拡大質問に触れておきましょう。「どうして」「どんな」「どのように」。これは3つの「ど」といって、研修で紹介しているものです。この「どうして」「どんな」「どのように」というのを使いながら、「もしあるとしたら」をセットにしてやってみましょう。

「もしあるとしたら」で会話する例

まず心が南極の氷のように固い伊庭くんというとがった後輩がいるとしましょう。会話しますね。

「伊庭くん、聞いていい? 最近忙しい?」「あぁ、別に。大丈夫です」。ちょっと怖いですね。この氷を溶かしていきましょう。もう1回いきますよ。

「ああ、別に大丈夫です」と言われたら、僕ならこう答えるでしょうね。「あ、大丈夫なんだ。安心したよ」。「よかったよかった。では伊庭くん、もしあるとしたらでいいんだけども、もっとこうなったほうがいいなとか、ちょっと不安を感じてるなってことがあれば、ぜひ教えてほしいんだけども。どんなことがある? あるとすればでいいんだけど」。

すると、この氷のような伊庭くんはこう言うんでしょうね。「うーん、まぁ言うほどではないんですけども、僕は大丈夫なんですが、見ている限りでは最近ちょっと忙しくはなってきている部分もあるかなぁとは思いますけどね」「あ、そうなんだ。教えてくれてありがとう。聞いていい? どんなふうになってるの?」。

「あぁ、言うほどじゃないんですけどね」。はい。こんな感じです。もしあるとしたらってめちゃくちゃ使えます。僕は企業研修講師をやってるんですけども、よく人事の方から褒めていただく1つが「伊庭さんの研修、めちゃくちゃ質問出ますね」という評価です。

これは何をやってるかっていうと「質問ありますか」って聞いたら「ない」ってなるんですよ。

だから、こうやります。「ありがとうございます。もしあるとすればけっこうですが、何か気になることがあったらぜひぜひ聞きたいんですけども、いかがですか」っていうと、ほぼ全員出てきます。「もしあるとしたら」と拡大質問、ぜひぜひ使ってみてください。

「訊く」と「聴く」をセットにする

では、第3位。訊くと聴くをセットにしてください。まず、この1つ目の「訊ねる」という言偏の訊くは、こちらが聞きたいことです。言ってみれば確認ですよね。次に聴くのが相手の心、傾聴の“聴”ですね。相手の思いであるとか考えを聴く。これをワンセットにしてみてください。

先ほどの氷のような伊庭くんにもう1度聞きましょうか。「伊庭くん、最近忙しい?」「あ、そうですね。強いて言えば今月入ってからちょっと忙しくなってきましたね」「あぁ、そうなんだ。どんなことで忙しいの?」「まぁ、あれでこれで……」「あぁ、そうなんだ」って、まぁそういう会話はありますよね。

ここから伊庭くんはどういうことを思っているのかを、傾聴の聴くのほうで聴くんですね。「伊庭くん、聞いていい? 伊庭くんはそれについてどう思ってる?」「まぁどうも思ってはいないんですけれども、ただ、強いて言えば、僕だけじゃなくて周りの人も忙しそうなので、なんとかしてあげたいなと思うんですよね」。

出ましたね。そこでまた訊ねるんです。「あぁそういうことなんだ。何か考えてることあるの?」「うん、ちょっとあるんです」「どんなこと?」。

「どうして」「どんな」「どのように」の「どんな」を使いましたね。ちなみに「どうすればいいのかなぁ」と言えば、「あぁ、そうですね」とさらに考えてもらうことすらもできますよね。ぜひぜひ使ってみてください。

上司が知っておきたいスマートな褒め方

では、第2位。スマートに褒める。これはけっこう大事ですよ。あんまりいやらしく褒めたらだめですよ。いやらしく褒めるというのは具体的じゃないやつです。「伊庭くんってすごいよね。伊庭くんってなんだかいいよね」。ちょっと気持ち悪いですよね。「なんかあるんですか」って感じがしますよね。

褒めるのは具体的な事実にしてください。その時に評価をせず、感謝、感想を伝えてください。あるアパレルチェーンの店長の事例です。スタッフの方がめちゃくちゃ喜んでらっしゃって、こういうお話をおうかがいすることができました。

「実は店長に褒めてもらって、めちゃくちゃ自信になったんですよ」と。「どんなことですか」「落ちているハンガーを拾って、それをハンカチで拭いて、ハンガー掛けにまた戻したんです。すると、店長からこう言われました」。

「○○さん、ハンガーを拾って、ハンカチで拭いていただいたところ、私、感銘を受けました。本当にありがとうございます」という会話だけなんですね。

でも、ハンカチで拭いたというところまで見てもらっていることが、めちゃくちゃうれしかったそうです。しかも店長はそれをやってもらって「うれしかったです」って言っていて、感謝と感想ですよね。

「うれしかったです」とか「とても助かりました」とか「感銘を受けました」とか、これはOKですが、「立派ですね。やるね」。こんなふうに評価してはだめです。「ハンカチ拭いてくれたんだね。やるねぇ」。これはセンスがあまりないです。

具体的な事実で、感謝、感想でとどめるのはセンスがいいですね。ぜひやってみてください。

相手が「心を開かない」のは自分の問題ではない

では、第1位。これをすれば人に対する悩みがすっと消える、とても重要な話かなと思っています。第1位は「無理に理解しない」です。相手のことを理解できなかったとしても、それは問題としないということですね。例えば心を開かない、話が合わないとしても、問題にしない。というのは、全世界80億人いて全員とわかりあえるはずないんですよ。わかりあえたらおかしいです。

まず、心を開かない、話が合わないのは自分の課題ではないと割り切ってください。コミュニケーションをとればそれは解消に向かうものだと置き換えます。ですから別に無理に理解するんじゃなくて、コミュニケーションをとればいいのかと割り切ってみてください。

これは自然現象です。心を開かない人もいるし、話が合わない人もいます。それはむしろポジティブに見ていただいたほうがいいかなぁと思っています。僕は「ああ、多様性」と考えています。

そういう人もいていい。僕みたいな人もいていい。あなたみたいな人もいていい。誰もがOK。だから、そういう人も別にいたとしても問題じゃない。ただ、コミュニケーションすることによって解消することができる。それだけでいいかと思います。今日の内容がみなさんのお役に立てればうれしいです。

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