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中村健⼀郎氏 講演(全1記事)

メールよりも面と向かって話を聞くほうが34倍効果的 デジタルとアナログが融合した次世代マーケティングの方法

さまざまなテクノロジーが生まれ、日々進化を続けるマーケティング。そのなかで、テクノロジーとサイエンスでマーケティングを成長させるために必要なことをマーケターに紹介する機会として、「成長するマーケティング」をテーマにしたカンファレンス「SHANON Marketing Conference 2017」が開催されました。キーノートでは、株式会社シャノン代表取締役社長の中村健⼀郎氏、かつてソフトバンク社長室で室長を務めたトライオン株式会社代表取締役三⽊雄信⽒が登壇しました。

マーケティングを支援するシャノン

中村健一郎氏(以下、中村):みなさん、こんにちは。それでは「SHANON Marketing Conference 2017」を開始したいと思います。本日ご来場していただきましたみなさま、お越しいただきまして誠にありがとうございます。

本日のテーマは、成長するマーケティング。シャノンは、みなさまへのマーケティングの支援がよりよい社会の実現に貢献するものと信じて、本日この「成長するマーケティング」と題して、カンファレンスを開催したいと思います。

また、このイベントにご協力いただきましたスポンサーのみなさま。壇上からではございますが、深く厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

最初に少し、シャノンのご紹介をしてまいりたいと思います。株式会社シャノンは、2000年に創業した会社でございまして、この2017年をもちまして17年を迎える会社でございます。また、今年2017年の1月には、みなさまのご支援もございまして、東証マザーズ(東京証券取引所マザーズ市場)に上場することができました。

シャノンは現在、三田のほうに本社オフィスがございます。そのほか営業拠点として、大阪の関西オフィス。また、宮崎のほうにも拠点がありまして、開発の一部を担う仲間として、子会社として上海にオフィスを構える会社でございます。

事業内容はマーケティングのクラウドの提供、およびコンサルティングとアウトソーシングを提供する会社です。こういったテクノロジーの会社ですと、みなさまのイメージは、男性が多くてエンジニアが多くて、みたいなイメージで思われてるかもしれませんが。実はシャノンは、マーケティングを支援する会社ですので、女性の社員も多く在籍しております。

マーケティングというと女性の方もけっこういらっしゃると思います。シャノンとしても、ダイバーシティというと、もっと国際性みたいな話があるかもしれませんが、最近でいう女性活用というテーマでも、シャノンは積極的に女性を活用しております。

シャノンの事業概要ですが、昔からシャノンを知っていただいている方のイメージとしては、「イベントの会社だろう」と。もしくは最近知っていただいた方だと「マーケティングオートメーションの会社だろう」と思われていらっしゃるかもしれません。

シャノンは、マーケティングプラットフォームという、1つのクラウドサービスを2つの使い方でご提供しています。1つの仕組みを2つの使い方。1つがマーケティングオートメーション。もう1つがイベントマーケティングというかたちでご提供しております。

人力サービスとしては、導入サービス。BPO、アウトソーシング。そして、マーケティングのコンサルティング。幅広くサービスのほうも付け加えてご提供しておりますので、システムだけで解決ができないということがあった場合には、シャノンにいろいろご相談いただければ、いろいろなかたちでのサービスもご準備してまいります。

また、シャノンは、おかげさまで多くのユーザーのみなさまにご利用いただいております。大企業から中小企業、ベンチャーまで、さまざまな規模のみなさまにご利用いただいています。シャノン創業時より、もともとはやはり大きな会社様、大企業様にマーケティングのシステムを使っていただくことが多かったので、比率としては50パーセントを超えるお客様が、いわゆる大企業というセグメントに入ってまいりますが。本日いろいろご紹介してまいりますが、さまざまなレベル感でご利用いただいております。

業種・業態に関しましては、BtoB、BtoC問わず、多種多様な業態でご利用いただいております。もしかすると、一時期シャノンがBtoBというのを一生懸命訴えかけていましたので、「BtoCなんかしてるんだ」というイメージを持たれている方も多いかもしれません。

(スライドの)下のインダストリーのほうを少し見てまいりますと、BtoCですと、金融、不動産、通信。最近ですと自動車関係も増えております。そういったかたちでBtoCの企業のみなさまのご支援。またBtoBですとヘルスケア、製造、メディア、IT、人材、旅行運輸、教育、NPOなど。さまざまな業種・業態、あらゆるBtoBの業態ではご利用いただいているかな、と思います。

本日お越しいただいているみなさまご自身の業種・業態で、こういった事例がないのか、とか。うちだとどういうふうに使われているのか、ということはぜひお気軽に言っていただければ、ご紹介させていただけると思います。

社会の一員として社会に対して役に立ちたい

シャノンの製品、シャノンマーケティングプラットフォームは、10年間、毎月製品のアップデートを継続しています。年間、大きなリリースになることもありますし、小さなものですと、毎月バージョンアップを重ねてきております。

当初2006年、ほぼ、もう11年前ですかね。一番最初にマーケティングプラットフォームが産声をあげてから11年。クラウドシステムでこれだけ長く、着実に製品を開発しながら延ばしてきた会社は、なかなか珍しいのではないかな、と思っております。

かなり機能を積み重ねてきておりまして、当時300台の機能から、現在879。シャノンのなかでも、たった1人ですべてのことを詳細までわかる人間はいないんじゃないか、と言われるぐらい大きなシステムになってまいりました。

今後も、シャノンとしてはみなさまのお役に立てるように継続して機能のアップデートをどんどん重ねていって、新しいサービスをみなさまにご提供してまいりたいと思っております。

つい先日、大きな機能としてシナリオ機能についてプレスリリースで発表させていただきましたが、本日はそちらのデモンストレーションをいろいろなシーンでお見せしていければ、と思っておりますので楽しみに見ていてください。

またシャノンは、どういった思想、考え方でビジネス、製品開発を行っているのか、というところですが。シャノンは、Marketing is Science。テクノロジーとサイエンスで企業のマーケティングの課題を解決する、ということをミッションにしている会社です。

ソフトウェアの部分は、まさにテクノロジーとしてご提供していますし、いかにサイエンス性を高める機能としてみなさまにご提供できるか、もしくはコンサルティングやサービスとしてご提供できるか、ということで、みなさまのマーケティングの課題をしっかり解決できるのかというところにこだわって、10年に渡って開発を続けてやってきております。

本日は、少し新しい取り組みをみなさまにご紹介したいと思います。シャノンは、これまでベンチャー企業として上場するまで、いろいろな方にご支援をいただいてやってきていました。上場するまでは、こういったことに取り組んでいく前に、まずしっかり自分たちが成長すること。

もちろん、今現在も私たち自身がしっかりと成長していくということはもちろん重要なんですけれども、それだけではなくて、私たち自身がシャノンが社会の一員として、社会に対して少しお役に立ちたいというところで、シャノンソーシャルサポートプログラムというものを発表させていただきます。

医療、貧困問題、教育、環境などですね。さまざまな分野でNPOの活動をされていらっしゃる方が数多くいらっしゃいます。そういったみなさまに、我々のようなマーケティングオートメーション製品が特別なプログラムでご提供される、ということは非常に珍しいと考えていますが、そちらをご提供していきたいと思っております。

本日は、NPOサポートセンターという方と、Living in Peaceという2つのNPO団体の方に来ていただいております。実際にお二方から、どのようにご活用しているか、シャノンについてどう思うか、どんなことを期待しているか、といったところを少しお話しいただければと思っておりますので、お呼びしたいと思います。

それではまず1人目としてお招きしたいと思います。NPOサポートセンター事務局長の小堀悠様、ご登壇お願いいたします。

(会場拍手)

拡大する「BtoN」のマーケット

小堀悠氏(以下、小堀):みなさま、おはようございます。ただいまご紹介いただきました、NPOサポートセンターの小堀と申します。本日ですね、私からは……。1つ、キーワードをですね、ぜひ覚えていただきたいと思っております。

BtoNマーケットというようなテーマで、1つお伝えをしたいと思っております。先ほどの中村社長のお話のなかでも、BtoB、BtoCというキーワードがあったと思うんですけれども、そのなかで新しくBtoN、というようなマーケットが今広がりを見せております。

なんの略かと申しますと、Business to Non Profitということで、社会課題解決ですね。いろいろな社会の問題、地域の課題。そういったものを解決するためのサービスの市場が今どんどん広がってきております。私どものNPOサポートセンターでは、そういった社会課題の解決に取り組むNPOやソーシャルビジネスなどの事業に対して、さまざまな支援を行っております。

なかでも、マーケティングというキーワードが非常に欠かせない問題になっております。いろいろな問題を、世の中のいろんな方に知っていただく。あとは寄付やボランティアですといった問題の解決に関わっていただく。あとは企業様に、事業として連携していただく。いろいろなかたちで、マーケティングというものが必要不可欠な状態になってきております。

NPO自体の市場もここ数年で成長を続けています。NPOだけでも、ここ5年で約2.5倍ぐらいに、市場の規模が広がっております。これはNPOだけですね。実際にはソーシャルビジネスなどほかのものを加えると、さらに何倍かの事業の領域になっているかと思います。

こういった社会課題解決のために、通常お持ちのBtoBのソリューションをNPOなどに提供しようという企業様の広がりが、今どんどん広がっておりまして、とくにここ数年で、その会社の数がどんどん膨らんできております。現在、私どもがお取り引きがある企業様だけでも、100社以上参加いただいています。

そして今回、シャノン様も新しくプログラムを立ち上げていただいたということで、ここに新たに加わっていただきました。

具体的にどんなプログラムを提供いただいているかというと、主にこういった4つの種類になっております。

主にNPO向けの料金的な優遇ですとか。以前からあるものでは、例えば大学など教育機関向けのアカデミープログラムとか。そういったものをされていらっしゃる企業さんは、以前からいらっしゃったかと思うんですけれども、そういったものを、さらにNPOなどに広げていただく取り組みをしていただいております。

大きいところではGoogleさんやセールスフォースさんなどもそうですし。本日ご登壇されるサイボウズさんなどにもご参加いただいております。

企業側がこういったBtoNのマーケットに参入をされている背景としては、いくつか理由があげられるかと思うんですけれども、ここにあげさせていただいているようなものですね。

NPOが実際にお客さんとなって、実際にある程度の売上や利益を確保しながら、持続的にサービスを提供されるという企業さんもいらっしゃいますし、NPOにはいろいろな方が参加して、活動や事業展開をしておりますので、そこを1つフックにして、いろいろな方に自社のサービスの認知を広げるという役割を期待していらっしゃる企業さんもいらっしゃいます。

あとはさまざまな企業のビジョンの達成であったり。企業のブランド戦略などに取り組んでいらっしゃる企業さんも、どんどん増えてきております。

こういった背景がありまして、今回はシャノンさん側にもご協力をいただき、マーケティングのプロダクトをご提供いただくことになりました。私もたいへん感謝をしております。

私どももちょうど、先日このプログラムを利用させていただいて、ちょうど先週ぐらいから実際にシャノンさんのサービスを新しく社内でも使いはじめています。私どももシャノンさんのサービスを活用させていただきながら、いろいろな会社様とまた連携をさせていただきたいと思っております。

ということで、BtoNのマーケットが今、どんどん広がっているというご紹介をさせていただきました。ぜひ今日ご来場になられてるみなさまも、このマーケティングに関心を持っていただいて、ぜひご参入いただければと思っております。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

児童養護施設にいる子どもを支援するNPO

中村:小堀様、ありがとうございました。

それではもう一方、お呼びしてまいりたいと思います。次はLiving in PeaceというNPO団体なんですけれども、こちらの理事を行っているのが当社の小田切という者です。当社の社員としては「小田切」なんですけれども、NPOの理事としては「小田切さん」とお呼びしたいと思います(笑)。

実は、当社の社員がやっているということはまったく知らずに、名前を知っていたNPO団体さんだったので、実際に当社のサービスを使ってほしいと昔から思っていたんですけれども、使っていただけるということなので、少しお話を聞いてみたいと思います。では小田切さん、よろしくお願いします。

(会場拍手)

小田切貴大氏(以下、小田切):みなさま、はじめまして。はじめましての方も、普段私の取引先、お客様の方もいらっしゃるんですけれども。ご紹介に預かりました、NPO法人Living in Peaceの小田切と申します。

ふだん本業で働く傍ら、こういったNPOでの活動を続けております。我々はどういう団体かと申し上げますと、設立10年目の団体です。今100名ぐらいのメンバーが活動しておりまして、特徴的なのは100名いるメンバー全員が本業を持っているということにあります。ですので、人件費が一切かからないかたちで特徴的な団体として運営されております。

今、「すべての子どもに、チャンスを」というテーマで活動しているんですけれども、主に児童養護施設にいる子どもたちの支援をしております。今、日本全国に約600の施設があり、そこで約3万人の子どもたちが暮らしています。多くの施設は10名から100名ぐらいいるんですけれども、こういう場所で集団生活をして暮らしている状況です。

イメージがつきますかね。4人部屋が並んでいて、大きい食堂があって、大きいお風呂が1つある、という感じですね。こういった環境で暮らしていると、子どもたちが家庭的な雰囲気を感じにくいという問題点があります。

とくに幼いころから親と離れて暮らしている子どもたちにとって、施設にいるうちに施設の職員さんと、きちんと1対1の愛着関係を結んでおくことが非常に重要なわけなんですけれども。そのための環境としては、こういう集団生活をする場所ではなくて、きちんと家庭に近い環境で暮らしていく必要がある、と考えております。

そのために我々が何をしているかというと、施設の小規模化。家庭に近い環境に建て替えるための資金調達支援をしております。大勢の方々から寄付を集めて、施設を建て替えるためのお金を提供しているというかたちになります。実際に、これが建て替えたあとの施設になります。

施設にいる子どもたちは、基本的には18歳で独り立ちをしていくわけなんですけれども、こういう家庭にちかい施設で、施設の職員さんと1対1の愛着関係を結んでおくことが、その後の生活の基盤、心の基盤になっていくということで、非常に重要ではないかと考えております。

今、我々は3つの施設を支援しているんですけれども、1億3,000万円ほどの寄付を集めるというところにコミットしています。今、7,000万円ほど寄付を集めているんですけれども、どういう状況かと言うと、(スライドを指して)これがLiving in Peaceという団体を知ってから、寄付に至るまでの期間になっています。

左側が直近1週間以内、右側が1年以上前ということになっています。左側は、感情に訴えかける記事を配信して、それを読んでだいたい3日間以内に申し込んでくれている方々。右側は、それだけではなくて、きちんとそのあとに活動内容や寄付の効果、団体の信頼性などをきちんと調べて納得したうえで、寄付してくださっている方々になっています。

綺麗に二極化するわけですね。ですので、我々としては、納得してくれるまできちんと情報を提供し続けるというところが、マーケティングしていくうえで重要になってくると考えております。実際に、NPOの業界では「まず右脳から入って左脳で落とす」とよく言われています。コンテンツにも強みがありますので、これらのコンテンツを組み合わせていくことが非常に重要だと考えております。

今後、シャノンのツールを活用させていただいて、寄付者の方々とコミュニケーションを取って、より多くの子どもたちを支援できるようにしていきたいと思っております。

最後に、告知になってしまうんですけれども、今週末、私たちが子どもたちのために何ができるのかを話すためにイベントを用意しておりますので、より多くの方々に関心を持っていただいて、1人でも多くの方にお越しいただければうれしいな、と思っております。

駆け足になりましたが、以上になります。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

近年のマーケティングを取り巻く状況

中村:小田切さん、ありがとうございました。

シャノンはこのようなかたちで、NPOを支援していきたいと思っております。マーケティングで身に着けている機能や力をNPOのみなさんに活用していただいて、間接的にでもよりよい社会をつくることに対してて、シャノンの力を出していきたいと思います。

加えて、今回発表したいのが、「シャノンテックスタートアップサポート」です。どういう内容か、ということを簡単に申し上げます。

私どもも、テクノロジーのスタートアップとして2000年のころ創業してまいりました。とくにベンチャー企業にとっては、昔に比べると、例えば資金などは非常に調達しやすい環境が整ってきたとは思います。

とはいえ、やはり「会社を立ち上げて世の中をよくしよう」「新しい世の中に対して挑戦していこう」という人たちに何か支援したいな、と。私どもも、自分たちがその立場のときに、ツールを買う、仕組みを作るというところには、なかなか手が届きませんでしたので、そういったものも通じて、応援していきたいと思っております。

さて、話が変わりまして、みなさまといっしょに、近年のマーケティングを取り巻く状況を確認していきたいと思います。

シャノンでは毎年、多くのマーケターのみなさまからアンケートをちょうだいしております。(スライドを指して)これはそちらで1位、2位、3位のマーケティングの課題ですね。左から2015、2016、2017という時間軸になっております。

そのなかで、ずっと1位だったのが、「マーケティング活動の成果が見えない」。ただ、2017年はついに(順位が)下がりました。

実は、私どもとしては、「お客様のマーケティングの成果が見えないってどういうことだろう?」と考えまして。やはり数字で見えてない部分がまだまだあるのかな、というところで、シャノンとしては本日パートナーさんとして出ていただいておりますTableau(タブロー)様の製品を、シャノンの製品のなかにエンジンとして組み込んで、ビジュアライズできるようにしようと考えました。

これが入ったらみなさんに見えるようになったんじゃないかと思っていたんですけれども、それでも実は翌年、「まだ成果が見えない」と言われたので、困ったなと。実はもう1つ足りないだろうと思っていたのが、一つひとつの施策の成果はいろいろなかたちで見えるんですけれども、組み合わせて自分たちのビジネスが伸びているのか。成果が出ているのか。

そこで、その問題を解決するために、新しくゴールという機能を、昨年発表しております。(アンケート結果は)そういったかたちでやってきた結果かな、と思います。

ほかにもこのようなアンケートとっています。「マーケティング活動の成果が見えない」という項目を、マーケティングオートメーションで解決した課題のなかで第1位として、59.2パーセント。ほぼ60パーセントですけれども。

この方たちが、マーケティングオートメーションを導入した。やってみたところ成果は確認できた、と。こういったマーケティングオートメーションの仕組みを入れますと、さまざまなポイントでのKPI(重要業績評価指数)の測定が非常に簡単になりますので、それによって、見える化が促進しました。

先ほどのこのアンケートでも順位が下がるぐらいですから、やはり世の中的にマーケティングオートメーションが普及していて、普及することによって見える化が進んだ、ということは間違いなさそうだと言えます。

デジタルシフトのなかでアナログが果たす役割

もう1つ、別のアンケートもとっています。多くのマーケターの方に、「自社のマーケティングのレベルはどうですか?」ということをおたずねしたところ、自社のマーケティングのレベルは他社に比べて低いと思われている方が、ミドルの方と現場の方でそれぞれ47パーセントと51パーセントになっております。

これからどういうことが見えるかということなんですけれども、私どもはポジティブですので、やはり「まだ余力がある」と。自分たちが「ダメだ」と言っているわけですから、みなさんまだまだ成長余力がある。

つまり、「もっと改善できることはあるんだけどまだ取り組めていないということがある」とみなさん認識されていらっしゃる、ということだと思っております。

マーケティングオートメーションによって見える化ができました。そして、まだまだ成長余力がある。でも、もっと成長しようと思ったらどうしたらいいのか。

この前もこういうところで聞いたんですけど、マーケティングオートメーションを使われている方は、まだ10パーセント程度、2割はいないなという感じです。

世の中的にも、デジタルマーケティング、デジタルシフト。「とにかくどんどんデジタルでいきましょう」という話はメディアでも媒体でも広告でも、みなさん目にされていて、会社のなかでも日々新しいデータ化について取り組んでいらっしゃると思います。

アメリカでは、そういったものが数年早く普及が進んでおりますので、マーケティングオートメーションも、BtoBですと数年前でも70パーセント、60パーセントぐらいの方が使われている。日本に比べると、数倍の時間、数倍の人数に使われています。では、普及したアメリカで実際にどうなっているのか。マーケティング成果は上がったのか。

成果はおそらく上がっているんですけれども、どうも足りないことが見えてきたと言われはじめています。

それが、今日ここからご紹介していく「アナログを組み合わせなければ、どうも人に伝わらない」ということです。例えば、今日みなさんここに来ていただいています。これはまさにアナログのイベントです。今日イベントがあったことで、みなさんが今日来る前の状態と、終わったあと、シャノンをどのように思っているかということを考えていただけると幸いなんですけれども。

おそらく、イベントが終わったあとのほうが「なんかシャノンのイメージ変わったな」「こういうことができるんだな」と思われるのではないかと思います。願望も入っておりますけれども。

こういったアナログのイベントを通して、みなさまに対して訴えられるもの、伝わるものはあるのではないかと思っております。

アメリカでもアナログが重要だ、アナログも使っていったほうがいい、という話が出ていますので。これが本当なのか、ということを少しエビデンスで見ていきたいと思います。

メールよりも、面と向かって聞くほうが34倍効果的だ、というデータがあります。こちらは、「同じ内容を、人と会って口頭で言われるのと、メールの文章に書いてあるという両方があったときに、どちらが自分の体の中に残りますか?」ということなんですけど。

感覚的に当たり前ですよね。人から聞いたら、「そりゃそうだな」と思うわけですから。メールだったらちらっと見て、「もういいや」と思うかもしれません。熱量もなかなか伝わらないですね。

次に見てみます。74パーセントの人が、イベント体験は購買にたいして好印象を与える、と言っています。

イベントを通じて、その会社に対するイメージや購買の動機付けに大きく影響している、と言われています。

実際、当社でも今年2017年の2月に、お客様だけを集めたかたちでカンファレンスを行いました。本日はオープンなカンファレンスですので、さまざまな方にお越しいただいていると思いますが、そのイベントをお客様向けでやったときに、「なぜこれをやったのか」というところなんですけれども。

シャノンを昔から知っていらっしゃる方は、「セミナー、イベントの会社でしょ?」と。マーケティングオートメーションって言われてもピンとこないという方は最近は少なくなってきたかな、と思っていますが。

既存のお客様は昔から使っていただいているので、余計にそう思っているということもありますけれども、そう思われている部分が少し多かったのでイベントをやってみました。

やってみたところ、シャノンはカンファレンスの前とあとで、(スライドの)左上のグラフのところですけれども。

以前は、マーケティング全般を相談できる会社だと思っていなかった。ただ、イベントが終わったあとには、「シャノンはマーケティング全般の方が解決してくれる会社だね」と。こんなに変わったんですよね。

これだけ変わるということは、なかなかメールで送ったりチラシをまいたりしてもなかなか伝わらない部分が、やはりイベントを通して伝えることができたんじゃないかな、ということで。やはりアナログの力はかなり大きいということを、私たちも体感として感じました。

デジタルとアナログを組み合わせる

では実際に、デジタルとアナログを組み合わせていくと本当に効果がどれぐらい高まるのか、というところを見ていきたいと思います。

(スライドを指して)こちらの出典は、日経BPコンサルティングさんが調査されたデータです。みなさんからみて左側が、どちらか一方のみ、アナログだけやっている、もしくはデジタルだけやっているというケースですね。右側はそれに対峙するかたちで、デジタルもアナログも組み合わせてやっている方のグラフです。

どちらの場合も、それぞれアナログやデジタルの施策を打っても、単体でやっているよりもかなりのパーセンテージのリフトがある。デジタルマーケティングの手段を取り入れてこれだけあがるかというと、なかなかあがらないということは、マーケターのみなさんは感覚的にわかると思います。

もちろん、マーケティングはミックスしていくほうが効果が高まるという一般論的な話もありますが、とくにアナログと組み合わせると、比較的に効果の向上が見込めるということがデータからもわかります。

考えてみれば、お客様と会社側のコミュニケーションは、デジタルもアナログも行き来しているということは感覚的にみなさんおわかりだと思います。

例えばも、本日こういったかたちでみなさまがシャノンのデジタル広告を見て、もしくは案内を受けて、パートナーからの紹介で本日来ていただいていると思います。そのなかで、シャノンやマーケティングに関する理解が深まっていくと思います。

そういう意味では、多くの人たちがデジタルとアナログを行き来しています。では実際に、どちらかをやっている場合から、両方を組み合わせたらどう変わるか、ということを少しご紹介します。

例えば、まず上側。デジタルパネルのほうにオレンジ色のアナログを加えるという例です。

デジタルのほうはFacebook広告を出して、獲得したリードにマーケティングオートメーションでコミュニケーションを取って、最終的には商談に結び付けていこうということをやっている。

もちろん、コンテンツが魅力的だったりすることで成果がしっかり出ているのであれば、そのままでもいいでしょう。ただ、それでは足りないと思ったときに加えるのであれば、例えば次にDMやセミナーといったものを加えることで、より商談化に向けた話を進めることができる。

また、今度はアナログ側からデジタルを加えるというのを見ていきます。よくあるアナログ、展示会に出展をしてリードをたくさん獲得をする。そのリードから商談に結び付けたい。

営業のみなさんに渡したら、それに電話をかけて商談化してほしいんだけど、実際「なかなか温度が温まってない」「その場でちらっと話をしただけだからよくわからない」というかたちで、なかなか商談に繋がらないのであれば、そういったものにデジタル、マーケティングオートメーションを加える。

相手の関心度やアンケートの状況と併せて、コンテンツを変えていく。そしてWebサイトを見ていただいている度合を見ながら、必要なときだけご連絡、お電話を差し上げていくことで成果があがるのではないでしょうか。

シナリオエディタを使ったデモンストレーション

では、実際にここからアナログとデジタルを組み合わせたデモンストレーションということで、みなさんに見ていただきたいと思います。では、ここからのデモは私ではなく、当社取締役、CTOをお呼びしてデモを見ていただければと思います。それでは堀さんよろしくお願いします。

堀譲治氏(以下、堀):みなさん、こんにちは。堀です。これから、新しく発表したシナリオ機能のデモンストレーションをさせていただければと思います。

シナリオ機能を使って、先ほどお話があったデジタルとアナログのマーケティングを、どうやって具体的に融合して、商談などの成果に結びつけていくかということを少しお見せできればと思います。

(スライドを指して)これが今、当社のシャノンマーケティングクラウドの管理画面です。ここから、シナリオの機能をお見せします。今回のシナリオの想定としては、展示会で獲得した名刺から、そこからセミナーなどのフォロー施策を行って商談を生み出す、ということを想定しております。

それでは、シナリオのエディタを起動したいと思います。こちらがシナリオエディタの画面になります。このように、ビジュアルなUIで簡単に操作することがすることが可能になっています。

1番上のところが家のアイコンになっていますけども、こちらがまず起点になります。例えばなにかのセミナーに申し込んだとかいうことが起点になります。

そして次にオレンジのアイコンが条件分岐になります。いろいろな条件で分岐することができます。この左側の実線が条件に合致した場合、右側の点線が条件に合致しなかった場合というかたちで、いろいろな条件を組み合わせることができます。

次の緑のものがアクションになっています。メールを送信する、ほかのシナリオを起動する、リストを追加するといったことが可能です。

これらのものを、このシナリオエディタのUI上で組み合わせることで複雑なシナリオを組むことができます。

それでは実際にここから、シナリオを作るところも少しお見せしたいと思います。まず、この展示会のフォローと対応として。最初の条件分岐として、役職者とそうではない方で条件を分けたいと思います。社長や役職者の方など部長以上の方には、お金はかかるんですけれども、Eメールではなくて、感情的にも効果が高いアナログのタッチポイントになるDMを送りたいと思います。

それではここから、役職者の方だけにDMを送る、ということをやってみたいと思います。

このように、プラスボタンを押すと簡単に追加することができます。

こちらでアクションを選んで、DMのリストに追加すると、わずか数クリックで簡単にDM配信ができます。

これで保存するだけでDMの送信が開始できます。これによって、役職者の方には机の上にDMが届く。Eメールよりも、かなり接点としては効果が高いということが言えるかな、と思います。

ただ、DMは非常に費用がかかりますので、すべての方には難しいと思います。そこで、その他の方にEメールを配信します。右側のEメールのほうが、Eメールのアイコンなんですけれども。こちらにも、イベントにご来場ありがとうございました、というお礼のメールを送ります。

そのなかで、URLをクリックされた方は興味・関心が高いということなので、その方には架電をしてさらにフォローを行いたいと思います。ただ、クリックした方全員にフォローを行うとコストがかさみますので、条件分岐にそのなかでも上場企業の方のみという条件を加えます。オレンジのアイコンをクリックすると出るんですが、上場企業の方のみ、インサイドセールスから電話をする、と。

このような対応をする方に対して、次回のフォローアップとしてセミナーの来場に繋げて、そこから営業マンへ繋げていくという対応をしていく。このようなフローが簡単UI上で組めるというのが、シナリオ機能になります。

これがシナリオを組むときのデモンストレーションになるんですが、もう1つお見せしたいところがございます。シナリオを作ったあと、効果が出ているのかということは、確認するのがけっこう難しいです。今回の弊社のシナリオ機能では、それを簡単に確認できるように、結果がどうなったかを数字で確認できるような機能を搭載しています。

こちらが、先ほどのシナリオを実際に流したあとの結果ですね。少し拡大すると、例えば最初の分岐では、「YES」のほうに、役職のランクで部長以上だった方が100名。そうではなかった方が400名います。

さらに、400名のなかでクリックした方が100名で、そうでない方が300名。こういうかたちで、シナリオを流したあとに、数字で確認することができます。

これを見ることで「思ったより効果が出なかった」「意外とクリックされなかった」「意外とここは反応が悪かったな」ということを確認して、UI上でみなさんがマーケティンググループで協議したり、営業のグループで協議したり、PDCAを回すことができる。

そういったかたちで、次の対策を作ることが非常に容易にできます。こういうところまで含めて、デジタルとアナログを融合してマーケティング活動ができるということをイメージして、こういう機能を開発してきました。ぜひご利用していただければと思います。私のほうからデモンストレーションは以上になります。

(会場拍手)

中村:ありがとうございました。

人間がやるべきではない活動

中村:みなさま、いかがだったでしょうか。たいへん簡単に、かつパワフルにデータが見えるて、BtoCに繋げていける、という機能だったかと思います。午後のセッションでは、実際のビジネスシーンに合わせたデモンストレーションも行いますので、ぜひご覧ください。

シャノンは、みなさまの成長に貢献できるテクノロジーとして、さまざまな機能提供をしていきます。新しい機能を2つご紹介しますが、人間がやるべきではない活動。もしくは人間ができない活動を2つ挙げました。

まず人間がやるべきでない活動を解決するテクノロジーということで、データのクレンジング。クレンジングというと大文字を小文字に変えるといった単純なものだけを想像されるかもしれません。ですが、実際に私どもが提供するデータクレンジングは、例えば(データが)入ってきた瞬間に「東海の担当者を割り当てよう」「関西の担当者にしよう」。もしくはチームでいうと、「相性ががいいこの人を適用しよう」など、ルールに基づいて担当者を自動的に割り振ることができる、といった機能にも使えます。

もしくは、今ご活用いただいている会社さんですと、例えば不動産会社で、資料請求があった瞬間にどの支社に対応させるかということが必要なんですけど、このクレンジング機能を使っていただいております。

また、人間ができない課題をテクノロジーで解決しようということで、シナリオですね。例えば「メールを何度送っても開けてくれない方をどうするか」「このページを見てくれている人にだけ、こういうことをしたい」といったこと。

何百、何千というような方を相手にしてビジネスをやっているみなさんからすると、できればやりたいけれども、手でそれをぜんぶ実現しようと思ったらできないことがたくさんあると思います。それらが、こういった機能で実現していくことができます。これからも、シャノンとしては積極的にテクノロジーに投資をして、みなさまの問題解決に役立っていきたいと思っております。

みなさんから「シャノン、AIはないのかい?」という話をときどきお聞きします。シャノンは、AIにもチャレンジしたりテストをしたりしております。しかし、AIをうまく動かすためには、ゴールが必要です。何を目標地点とするか。例えば「商談を増やす」「受注を増やす」、そういった正確なゴールが特定されていて、それに向かって分析すべきデータが、分析できるような綺麗な状態に整っていないと、AIはまったく活きないんですね。

バラバラのデータや不適切なデータだと同じように見えません。では、それを1つのマーケティングの仕組みでできる会社はあるかというと、なかなかないと思うんですね。データは業者に頼んで綺麗にしてもらってください。

でも、「そんなことは半年後にします」「1年に1回にデータ綺麗にします」と言っている会社さんだとしたら、今日現在は汚いデータで運用しているわけですよね。シャノンのものだと、リアルタイムで綺麗にできるというのが、先ほど申し上げたクレンジングであります。

また、AIというのは、多くの施策のデータが蓄積していってやっと活きてくると思っておりますので、シャノンとしては、その適切な順番、もしくはみなさまの成熟度に合わせて出していきたいと思っています。ここはお楽しみにしていただければと思います。

シャノンとしては、よりよい社会にしていくために、「シャノンが引っ張ります」ということではなく、みなさまとともにマーケティングをしっかり活用していただける、成果を出していただけるように力を出していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

私からの話は、これで以上になります。

(会場拍手)

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