
2025.02.26
10年前とここまで違う 落とし穴だらけの“ERP to ERP”基幹システム刷新が抱えるリスクと実情
第54回:プロダクトは機能ではなくユーザーエクスペリエンスで選ばれる(全1記事)
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中山陽平氏:みなさんこんにちは、ラウンドナップコンサルティング代表の中山です。今回の内容に入っていきます。「プロダクトはファンクションではなくエクスペリエンスで選ばれる」という内容をお伝えできればと思います。
これは昨日の講演で喋った内容のほんの一部を拡大してお伝えできればと思います。プロダクト、つまり商品やサービスというもの、特にサービスですね。
ファンクションは、つまり機能。こういうことが出来ます、こういうものが新たに手に入りますといった機能ではなく、使い勝手であったりブランドなんかも含めた体験ですね。ぼやけたエクスペリエンスというものがどんどん重要になっていきますよ、というところをお伝えしたいと思います。
一体どういうことかというと、今サービスを作る、プログラムを書く、そういうことの敷居がどんどん低くなっていますよね。昔でしたらCGIなんかでもプログラミングしてWebアプリケーションを作るなんていうのは、一部の人間しかできなかったような技術でした。
まだまだデスクトップアプリケーションというものが主流だったということもありますけれども、ナレッジもネット上にはなくって、ちゃんと技術力があると言いますか、昔からプログラミングをやっている方が挑戦して作っていった。そういうものだったんですね。
それが今や便利なフレームワークであったり開発環境であったり、実際に作る時に便利な情報がインターネット上で検索すると引っかかります。こういった状況のなかでは、作るための時間は非常に下がってきている、というふうに考えるべきです。
それが一体なにを表しているかというと、もしみなさんがWebアプリケーションであったりWebサービスを提供しているのであれば、そのサービスというものは誰かにコピーをされる、と考えておくことをおすすめします。
リバースエンジニアリングといった濃いことをやらずとも、GoogleAdWordsとかGoogle、Yahooのプロモーション広告のAPIを経由して自動的にレポートを作るといったような単純なプロダクトであれば、APIの仕様ですとか、どんなデータが取れるのかが分かれば、大体こんな感じの機能を実装して、こんな感じに出力すれば良いんだなということは、ある程度システムとかプログラムをかじったことがある人であれば、把握することは非常に容易です。
もちろん試しにデモ版なんかを使われてしまえば、それがこうなっていて、このへんがこうなっていて、こういうことをしているんだな、というのがすぐわかるものだと思うんですね。
そういったものは、もちろん特許とか何か資材を確保していれば別ですけれども、機能は簡単に他人にコピーされてしまうという時代になっています。
昔であれば、それをどういうふうに実現しているのか、あるいは実際に実装するために多くリソースを必要としたんですけれど、今は簡単にできるようになっていますし、簡単に使うためにAPIがあるわけです。
供給する側としても、世の中のデータを簡単にしよう、簡単に使ってもらおうという方向でいろんな開発をしています。
なので、その機能は明確に自社でしか出せないようなもの。なにかバックでデータを持っているですとか、知的資産というものが無い限り、絶対誰かに真似されるという前提で開発をしなければなりません。
でないと、頑張って作って、これはいろんな人に使ってもらえると思ってリリースしたら、全部真似される。真似する側は作る過程のコストは必要ないですから、お客さんの食い合いになってしまって、みなさんも費用を下げざるを得なくなってしまって、採算が悪化していく。こういうスパイラルに陥ってしまいます。
なので機能面で差別化するというのはかなり高い、相応の技術力であったりバックボーンがないと厳しいと考えていただくことをおすすめします。
ではその上で、どういった部分で差別化していくかなんですけれども、この時に1つポイントとなってくるのが、先ほどのエクスペリエンス(体験)だなぁと最近感じています。
UX(ユーザーエクスペリエンス)と呼ばれたりしますけれども、それがどういうものなのか、というと平たくというと使い勝手の良さであったり潜在意識のなかでの最適というところがポイントになってくると思うんです。
意識的に、あぁ便利だなと思える部分ももちろん大事なんですけれども、そうではなく、リアル系のものであればなんとなく手にしっくりくるものとかありますよね。
そういったものって、「なんでかよくわからないけど、これ良いよね」ということじゃないですか。そういったものがWeb上のサービスになれば、機能というよりは「なんだか使いやすい」という面で口コミが広がったり、あるいはお客さんが他に離反しない、他社に逃げない。たとえ類似しているプロダクトがあったとしても戻ってくる。そういう状況にもっていくことができます。
そういったエクスペリエンス、つまり使い勝手は何度も何度もテストしてフィードバックをもらって、それに対して究極的にそういったエクスペリエンス、つまり使い勝手を何度も何度もテストしてフィードバックをもらって、それに対して究極的にPDCAサイクルを回していく他無いと思うんですよね。
実際にそのツール自体に、Web系のツールでしたら普通にGoogle Analyticsなんかも入りますし、アプリであればSDKを入れれば解析ができるようになります。
まず解析をするという状況にもっていって、継続的に「じゃあこういうところ直して、こうやったらお客さんの滞在時間が増えるるかなぁ」とか、1回のオペレーションの時間が減るかなぁとか。それからアクセス解析のツールではわからない部分は例えばユーザーテストをおこなったり、実際に継続的に改善サイクルを繰り返していくことによって、どんどん使いやすいユーザーエクスペリエンスを提供できるサービスになっていきます。
こういったことを行なっていくことがサービスを良いものに、そして他社との差別化をするためのポイントです。
こういったソフト面、目に見えずらい部分というのは、非常に真似されづらいんですね。他社が真似して全く同じインターフェイスを実装したとしても、その中にある細かい機微と言いますか、細かいタイミングであったりボタンの大きさであったり、色とかラベリングとか、見えづらいノウハウは真似されづらいです。そうなると、そこが参入障壁となります。
なんだかんだいろんなツールがあるけど、やっぱりあそこのツールが1番使いやすいよね、と思っていただければ、非常に安定したビジネスになっていきます。
ということで、これからはまずファンクション(機能)ではなくてエクスペリエンス(体験)という部分を強化していくことが大事だということ。
そしてそのためには解析であったり、継続的に改善していくことを大前提にシステムを作っていこうという考え方を持っていただくこと。ぜひそのあたりをおさえて、みなさんの現状のサービスをより良くしていっていただければ、と思います。
デスクトップアプリケーション等と比べて非常に解析しやすいことがWebアプリケーションの1つの強みであります。
であれば、Webアプリケーションを解析しないということは、強みを自ら捨てているわけですから、絶対にやったほうがいいですね。
うちでも、やり方はいろいろ癖はあるんですけれども、きちんとそのサービスを解析しやすいようにするというインフラ整備の部分から、それから解析ツールを入れこんで改善を行なっていますし、デモから本アカウントへのコンバージョン率を2倍、3倍に上げるようなことも、場合によっては可能です。
ぜひみなさんもPDCAサイクルを回して、解析を行なって、より良いものを提供していただければと思います。私もいろんなWebサービスにお世話になっておりますので、ぜひともそういう方々にもっと良いものを作っていただければ大変嬉しいです。
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