2024.10.10
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第55回:業務効率化・タイマー1つで仕事が変わる(全1記事)
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中山陽平氏:今回は、これはよくオンライン・オフライン両方でいただくご質問についてお伝えできればと思います。それは何かというと、時間についてなんですよね。
たとえば、目の前にたくさんのタスクがあって、なかなかそれを終わらせられない。あるいは終わらせることはできるんだけど、それをよりよくするためのインプットに充てる時間がないとか。
それから、気力がもう保たないとか。あるいは、自分が精一杯やっていると、どうしてもあっという間に時間が過ぎてしまって、楽しいんだけれども、もっと早くタスクをこなして別のことに時間を使いたいのにな、みたいな、時間にまつわる悩みというのはけっこう皆さん持ってらっしゃるんじゃないかと思います。
時間について悩んでない方というのはほとんどいないんじゃないかと思うんですね。やっぱり仕事にしても何にしても、タスクというものは早く終わったほうがいいですよね。
ということで、早く終わって別のもっと違うことに着手したい、そういったことを行なうためにはどうしたらいいか、というのを相談されることがよくあります。
このときに、答えってなんだろうって考えると、やっぱりいろいろなケースがありますので、一概には言えないんですね。ただ、1つ変化をもたらすというか、1つのきっかけになる考え方、見方というものはあります。
これを行なってもらうと、自分はこういうところをこうすれば、もっといい方向に行くんだな、ということがわかってくることが多いんですね。なので、ぜひやっていただきたいと思います。
具体的に何なのかということなんですが、それは自分を客観視するということです。
自分を客観視するというのはどういうことかというと、だいたい仕事をする時というには、主観的ですよね。自分がどう考えて、自分として周りの物事を見ていると思うんですけど、それをちょっとだけ後ろに引いて見るんですね。
つまり、私は今この仕事をこんな漢字で一生懸命やっていますという感じではなくて、ちょっと後ろに引いて自分を見下ろすような感じで、「ああ、この◯◯という人は、こういう気持ちで今これをやっているんだな」と考えてみてください。
そうすると、いろいろなことが見えてきます。たとえば、このタスクをする前に、これはやる必要があったのかな、とか。こういうふうにやったらもっといいのにな、とか。それから、あなた意外とこういうことに時間を使っているけど、それってどうなんだろう、とか。
それから、「こういう順番でやったほうがいいんじゃないの?」とか、「そもそもやる必要がないんじゃないの?」とか。こういったものって、自分で目の前のタスクに向かっている状況ですと、やっぱり浮かばないですよね。
なんでかというと、それは皆さん必死ですし。私もそうですけど、目の前の敵を撃破するために必死ですから、それに対していろんなことを言うというのは、なかなか普通の人にはできません。
なので、一歩引く時間をぜひ作ってみてください。「私は今からこのタスクをしようと思っている。なぜかモチベーションが上がらない。なんでだろう?」というのを、自分の中で考えていても仕方がないので。
たとえばそれを少し後ろから見て、「この人はなんだかやる気が出ていないな。何が原因なんだろう?」と考えて、そうすると、「こういったこととか、こういったことができていないから、最初の一歩が踏み出せないんじゃないかな」とか。
そういうのって、自分の後頭部を見るような感覚で見てもらうと、すごく出てくるんですね。ぜひそういうふうに見てもらって。理想的には、集中するときには自分を常に後ろから見ているような感覚で、自分をコントロールする。
まるでSFのような発想なんですけども、自分というメカを後ろからコントロールするようなかたちでやっていくと、とても安定して、そして効率よく仕事ができるようになります。
とはいえ、そんなことなかなか仕事しながらできないよ、という方も多いと思うので、最初の一歩としてのやり方を2つお伝えできればと思います。ぜひどちらかやってみてください。
1つはけっこうドラスティックかつ周りの理解と言いますか、勘違いされない工夫が必要なんですけども。もう自分の真横に鏡を置いちゃうんですね。鏡といっても大きな鏡ではなくて、A4サイズもいらないくらいで、自分がある程度見える。顔は見えなくてもいいです。手元くらいが見えるくらいの鏡を横に置くんですね。
そうすると、なんとなく自分が客観的なものとして見えてきます。それを意識し始めると。そうすると、それがきっかけになって、さっきみたいに「後ろから見る」という発想になってくるんですね。
これが進んでくると、自分を前から見るっていうふうになっちゃう人もいます。前から見るって、相当難しいですよね。左右が逆転しますから、もう脳みそもフル回転です。
でもそれができるっていうことは、自分を相当抽象化できているということですので、とてもいいことです。ただ、いきなりそれは難しいので、まずは後ろから。
そのためには、鏡が後ろにあると見えないので、横に置いて、自分というものを「あ、こういう生き物なんだな」と意識する。これは1つおすすめです。
ただ、ずっと何も言わずに置いておくと、「この人ナルシストなのかな?」とか、いろいろ勘違いされますので、そういったところは先に言っておくなり、付箋を貼るなり、いろいろ工夫をしていただければと思います。
もう1つ、これは今回のPodcastのタイトルにもなっているんですけど、私は常に行なっているんですけど、タイマーですね。つまり時間を常に意識するということです。
私は本当にキッチンタイマーみたいなものを使っているんですけど、別に「何分以内に終わらせよう」といって自分を追い詰めるために使うのではないんです。
そうではなくって、たとえば目の前のタイマーを30分でセットしますよね。そして普通に仕事をし始めます。ちょっと仕事をし始めた後に見ると、どっちかだと思うんですよね。「思ったより時間が経っるぞ」もう1つは「あれ、意外と時間が経ってない」。
自然とそういうふうに思うと思います。そうすると、「なんで自分は今これをやったときに、こんなに時間が経ってしまったのかな」とか、逆に「これしか時間が経ってないのに、これだけやれちゃったな」と、客観的な数字が指標としてあると、そこから、私っていうのはこういうふうにするといいんじゃないか、とか、こういうことをやったら初めて仕事が思っていたイメージよりはやく進むようになった、というのがわかるようになります。
そういう客観的な指標としてタイマーを使うんですね。「じゃあ時計を見ればいいじゃない」と思われる方もいるかもしれませんけども、時計よりもタイマーみたいに「何分経った」というのが直感的にわかるものがいいです。
なので、例えば私は常に45分計ですね。45分間でタイマーを回しています。その45分間で自分がどういうふうに仕事をこなしているかというのを客観的に考えて。その日の体調なんかにもよって、全然変わってくるんですね。
それから、頭のなかで道筋が立ってないまま始めてしまったら。やっぱり時間がかかるなとか。自分はこういう案件については弱いんだなとか。そういったものが、タイマーをつけるとたくさんわかるようになります。
ぜひ、さきほどの鏡。これはビジュアル的な指標ですね。そしてこの数字。これは感覚的な数字の指標です。そういったものを使って自分を客観的に見て、その結果として、斜め後ろから自分を見ているような感じで自分を観察して。そして自分をコントロールしていく。
これを行えるようになると、仕事の内容は全然変わってきます。また仕事の進め方、組み立て方、それから、自分が今何をするべきか。あと、怒られてもあまり傷つかないとか、副次的効果もあります。
人間というのは、あまりいい言い方ではないですけど、血と肉と水の塊でしかありません。その世界に対して、どういう意味付けをするのかみたいなものは個人の自由ですから。
ぜひ、気持ちよく仕事をしていくために、自分というものを知る。そのきっかけとして、鏡とかタイマーみたいなものを使ってみてはいかがでしょうか。
そうすると、結果的に仕事のスピードややりがいが出て、仕事を楽しめるようになってくると思います。今楽しんでいる方も、もっと面白くなってくると思います。
ということで、ぜひご活用ください。
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