2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
第48回:簡単に作ることができる商品・サービスは簡単にレッドオーシャンになる(全1記事)
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中山陽平氏:今回の内容なんですけれども、タイトルのところにもありますけれども、簡単につくることができる商品やサービスというものは簡単にレッドオーシャンになるんだよ、ということをお伝えしたいと思います。インターネット上で何かサービスをつくる、あるいは既存の商品ですとか、サービスというものを売っていくということを、まず皆さん考えると思うんですね。当然なんですけれども。
その時に意外とやってしまいがちな考え方というのが、今これはネットで売れるだろうか、今手持ちのこれを売りたい、これはうちもつくれるからこれで収益を上げていこう、というふうに、今自分たちがつくれるというもの、自分たちの資産、資産というのは知的資産もあれば、人的資産もあれば、いわゆるお金という意味での資産もありますけれども、その中でつくることができるものというものを考えて、その中で1つ、「じゃあこれをつくって売れますかね?」というような相談をいただくことがあります。
これって、もちろんその会社が何か突出した技術であったり、人材であったり、何かを持っていれば、それでいけるんじゃないですか、ということもあるんですけれども、大概の場合、なかなかうまくいかないことが多いです。なぜかというと、皆さんやっぱり、すぐに何かしたいんですよね。
なので、とりいそぎ簡単につくれそうなものからやってみよう、というふうに考えちゃうんです。もともと突出した強みであったり、会社的なそういう資産がない状態で簡単につくれるような商品やサービスっていうものは、非常に参入に弱いんですよね。
仮にその商品が今マーケットに全然ない、でもマーケットにはニーズがしっかりある、ということで、出せば売れるという商品があったとします。それはたぶん、出せばしばらく、数ヶ月ぐらい、あるいは気づかれない範囲でプロモーションを行えば、それなりに長い間売れると思います。
ただ一瞬にして、それに気づいた他のプレイヤーに後乗りされます。そのマーケットっていうのは、1社が入ってくればどんどん入ってきますから、最悪の場合、グーグルであったり、ヤフーであったり、大手が入ってくる。こういうことになったらもうだめですね。
それまでに市場の寡占状態において、参入商品をハックする、みたいなところができていればいいんですけれども、大概そういうことがなかなかできないというケースの方が多いと思います。
その場合、最初は売れたけれども、だんだん先細りになっちゃったね、というような商品の売れ行きといいますか、ライフサイクルになってしまう。
これでは長期的にお金を落としてくれるようなサービスにはならないですね。ここで押さえておいていただきたいのは、簡単につくれる、例えば、「こういうのもあるんだな」っていうふうに、思いつきと言ったら失礼なんですけれども、ふと思いついて当たってしまったようなものっていうのは、簡単に始められれば始められたものほど、簡単に追いつかれてしまいます。
なので、2つやり方があります。1つは簡単に思いつくようなものを始めないこと。ちゃんと自社でしかできないようなバリューを抱えたもの、自社でしかできないようなものがある、つまり参入障壁があるもの、真似できないもの、そういったものをサービスとしてつくりあげることに先ず注力するという手段が1つ。
もう1つは入ってからいかに参入障壁を上げるかっていう戦略までセットで考えてから参入することです。
どちらにしても、これできそうだ、これニーズありそうだ、やってみよう、ちょっと売れ始めた、じゃあこれでうちもどんどんやっていこうぜっていうのは、とにかく危険です。それを行うと、それが転んだら全部コケてしまって、会社の売上が全然立ち行かなくなってしまう、人員が浮いてしまう、ということが起きてしまいます。
それだけは特に中小企業の方、小規模の方は余裕がないと思いますので避けてください。必ず先の見通しを考えてください。皆さんが簡単につくれるものは他の人も簡単につくれちゃう可能性が高いです。特に大手が入ってきたら終わりですね。
なので、商品開発、サービスというものを世に送り出す際には、いかにしてそこに他の人を入れないで甘い汁を吸い続けられるかということまで考えてから出す、ということを行なってみてください。
本当にそういう意味でいうと、インターネット上でうまく商売をやっていく1つのコツっていうのは、商品とかサービスのソリューションを如何に考え抜けるか、なんですよね。
3Cというものをもとにするのが一番シンプルだと思うんですけれども、市場環境というもの、お客さんイコール市場環境ですから、マーケットというものを見て、競合他社がどれだけいて、競合も直接的な競合だけではなくて、そのニーズを満たすような間接的な競合がどこなのか。
最近でいったら、昔はコーヒーだったらコーヒー屋さん同士で戦っていればよかったんですけども、今はセブンイレブンとか、ローソンとか、各社必ずコーヒーを出してますし、マクドナルドでも出してる。そういうふうに思わぬところから競合が出てくる。間接競合が出てくる、ということがあります。
お客さんを理解して、マーケットを理解して、競合というものをなるべく広く、そしてアンテナを張って、それに長期的に5年、10年、それ以上戦って、勝っていけるようなものであるかどうかを考えて。
これは特にWeb業界では顕著です。Web業界はサービスの真似がリアルに比べて簡単ですし、また新しいものがどんどん入ってくるので、新しい商品がどんどん生まれていきます。
見えない間接競合が非常に多い世界です。コーヒーの比じゃないです。こういったこと、うちのコンサルだとよく拡張3C分析なんてものを行ってやってもらったりしているんですけど、やると自社の棚卸にもなりますので、ぜひそういった市場環境を解析するフレームワークも使ってみてください。ラウンドナップ・コンサルティングのサイトの方にもサンプルが置いてあります。
それでは、今回はWeb云々というよりは商品開発ということで、少しずれた話にはなりましたが、非常に大切なことですので、これから意識して行なっていただくことを強くお勧めします。
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