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第53回:ネットだからこそリアルに手を動かそう(全1記事)

Webのことを考えるにも、まずは体を動かそう アイデア出しのコツをコンサルタントが解説

戦略立案においても、施策を検討する際も、一番難しいのは最初のアイデア出しの段階かもしれません。1つアイデアが出れば、そこから具体的なところに落としていくことができますが、最初の一歩が決まらないことには、動き出すことができません。ラウンドナップコンサルティング代表の中山陽平氏によれば、そういった場合は立ち上がって手を動かして考えたことを自由に書き出していくことができるホワイトボードの活用がオススメだそうです。ソクラテスが歩きながら哲学について思索したように、ネット上のことを考えるにしても、まずは手足を動かし、歩い程度見えてきてからパソコンのツールに落とし込んでいく、というかたちがいいようです。

一番大変なのは最初のアイデア出し

中山陽平氏:今回は「どうやってアイデアを出すか」というところについてお話できればと思っています。戦略の立案をするという場合でも、いろいろな施策を考えるというときでも、やっぱり一番大変なのは最初のアイデア出しといいますか、方向性を決める、施策を考える最初の一歩ではないかと思います。

それがいったん決まってしまえば、それをどうやって実現するかですとか、それが本当に測定可能かですとか、どれくらいインパクトがあるのかとか、そういったことは芋づる式といいますか、順々に決まっていくと思いますけど、そもそも何をやるの、どうやったら問題を解決できるのというところが決まらないと、なかなか次に進めないということがあると思います。

つまり、コンサルタントしても、Web担当者という括りにしても、一番大変なのは問題発見の後に施策を立案するという頭を使う部分。ここだと思うんですね。

こういったことを効率よく行なっていく際に、1つみなさんにお伝えしたいなと思っていることがあります。それはどういうことかっていうと、どうしても、インターネット、最近は非常に便利なツールがネット上にはたくさん出ていますので、アイデアを出すとか、ブレストを行なう、そういったときにインターネット上のツールを使う、あるいはパソコンのソフトを使うと思うんですね。

それはマインドマップかも知れませんし、エクセルかもしれませんし、あるいはまた別のツールかもしれません。

私は自分の経験も含めて、一番最初の部分はあえてリアルの世界で考えることをオススメします。リアルの世界とはどういうことかっていうと、やっぱり手書きじゃないかと思うんですね。

ホワイトボードの活用がオススメ

具体的にどういうことかというと、一番オススメするのはホワイトボードです。私のこの事務所はですね、ホワイトボードが何枚あるかというと、一番大きい、よくセミナーなんかの収録に使っているホワイトボードは幅160だか180だかありますけども、これが1枚と、それのサブに使っている一回り小さいホワイトボードが2枚。それから小さいホワイトボードが1枚と、ノート型になっている「nu board」というのが2枚あります。あと、手元で使える小さなホワイトボードが1枚ありますので、合計でいうと7枚のホワイトボードがあります。

事務所を見てもらった方には「これ本当に必要あるの?」と聞かれるんですけども、必要です。なぜかというと、やっぱり立ち上がって──まあ、立ち上がらないケースもありますけども──手を動かしながら自由自在に思うがままに、自分の思いついたものを書いていく。これはまだまだ手書きのほうがアドバンテージがあります。

もちろんマインドマップなんかを使えば似たようなことはできるんです。とはいえ、ホワイトボードに書く場合って、イラストをすぐに描いたり、流れを描いたり、自分が思った通りに線が引けたり、いろんな色が使えたり、といったことを簡単に行うことができます。

またこれは生理学といいますか、心理学といいますか、そういった観点から見ても、自分の手を動かして、振動が伝わると、脳が活性化するということがあやはりあるようです。

また、ホワイトボードを座るのではなく立って書くのも大事です。よく「立って会議をすると良い」と言いますけども、やっぱり立って歩いたりすることでアイデアが浮かぶということは、ソクラテスの小道という言葉もあるように、ソクラテスは歩きながらいろいろなことを考えて哲学を発展させました。

こういうことからも考えられるように、足の振動が脳にいい影響を与えるみたいです。こうやって「脳、脳」なんて言っていると怪しい世界になってきますけども、やっぱり実際に立ち上がって、頭をフル活動させながら、思いついたことを広いホワイトボードに書いていく。こういったことは非常にプラスになります。

ノート型ホワイトボード「nu board」が便利

これは決して一人のときだけでなく、複数人数でも同じです。大きなホワイトボードに皆で書きながらブレインストーミングをしていく。これによって全体の思考の見える化をしながら、だんだん収束に向かっていく。

たとえばカスタマージャーニーマップを作るなんていうときは、大きい壁に付箋を貼っていくなんて作業をしますよね。これはやっぱり、リアルのツールのほうがいろいろなことが浮かびやすいということを表しているのではないかと思います。

なので、ぜひ一番最初の段階、特に悩んだ段階では、実際に手を動かすことをオススメします。またできれば机から立つという方向をオススメします。

そこである程度まとまってきたものをマインドマップであったり、アウトラインプロセッサですとか、そういったネット上のツールで。

文章を書くという点ではキーボードのほうが非常に優れていますので、そういったところはパソコンのツールを上手く使って形にしていく。そして最終的にはレポートであったり、PowerPointであったりといったものにまとめていく。

この辺りはデジタルのツールが強い部分ですので、ぜひ活用していただければと思います。

繰り返しになりますが、一番最初の段階は、手を動かすことを私は強くオススメします。特に私が使っているB4の「nu board」というノート型のホワイトボードですけども、これは非常に便利です。考えながら、机の上で思ったことをどんどん書いていくことができます。

細身のホワイトボードのペンは、百均で5本で100円くらいで売っていますから、書き潰すつもりでどんどん使っていく。そういうことをしていくと、頭のなかをキレイに整理することができるようになっていくんじゃないかと思います。

ぜひとも、なかなかアイデアが浮かばないですとか、どういうふうに論理構造をつくっていけるかわからないといったような、アイデア初期の段階で悩んでいる方は、リアルのツールを使うと改善することがあるよということを、今回で押さえていただければと思います。

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