
2025.02.26
10年前とここまで違う 落とし穴だらけの“ERP to ERP”基幹システム刷新が抱えるリスクと実情
第61回:上手くいかない時は 必ず1つ上の「そもそも」から考える。(全1記事)
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中山陽平氏:今回のテーマは、多分偶然だと思うのですけれども、いろいろな方から質問をいただく「いろいろなことをやっているのだけれどもなかなか結果に結びつかない」です。もちろん、これはWebマーケティングの話題ですね。
Webマーケティングにおいて、例えばSEOやりました、リスティング広告をやりました、ソーシャルをやりました、メールを頑張りました……いろんなことをやって、それぞれについても頑張っているつもりなのだけど、なかなか効果が表れない、成果に結びつかないというようなことでご相談をいただくことがよくあります。
それは立ち話レベルでもあれば、もちろん契約ということもあるのですけれども。今回はこれについてよくある問題点というものを1つご紹介したいと思います。結構全体の半分くらいが、これが原因になっているケースが多いです。なので今回の問いかけみたいなものもあるわけなのですけれども、ぜひ一度頭の中でもんでいただいて、「そういうふうになっていないかな?」と考えていただければと思います。
やるからにはきちんと成果残さないと気まずいですしね。実際のビジネスに響かないですから、なかなかうまくいかない、ということになっちゃいますよね。
それでは、本題としては「なんでうまくいかないか」もちろん、いろいろな原因があります。そもそもの品質であったり、見当違いなことをしているようなケースもあるのですけれども、1番根本的にまずご確認していただきたいな、という点は、まず手法から入るのではなくて、ちゃんと目的と全体を見た後に手法あるいは施作を考えること。
これが意外とやられてないです。それは意識的な場合もあれば、無意識の場合もありますけれども。例えば「アクセスを上げよう。もっと集客しないと結局にっちもさっちもいかないぞ」ということで、では自社のGoogleAnalyticsを見てみると、ほとんどのケースで検索エンジン経由(注:オーガニック検索)が多いので、「ここ(検索エンジン経由)を伸ばすことが一番インパクトあるよね」ということで「じゃあもうSEOやるしかないよね」「コンテンツ作るしかないよね」みたいな、そういう流れになることってよくあると思うんですね。
もちろん今の話の流れは自然です。ただ自然であるが故に疑わないのですけれども、どんな時でも必ず「今どうだ」というところから始めるんじゃなくて、「本来どうあるべきか」というところから考えないと、結構狭い視野でものを考えて施作を実行するような事態になってしまいます。
例えば、目の前に転がっている課題が集客だとして、それはなぜ集客しなければいけないのか、1回立ち戻ったほうがいいですね。なぜ集客しなければいけないのかといったら、大概の場合はコンバージョンが得られない、お客さんからの問い合わせが得られない、資料請求が得られない、実際の申し込みや、あるいは購買行動をお客さんがとってくれない。そのためには母集団としての集客数を上げなければいけない、という流れだと思います。
ということを考えた時に、自社のサイトのことを一旦見直して、あるいは競合というものを見て、自社に関してはオーガニック(検索)、自然検索、検索エンジンからの流入が多い。だけれども、目標としている利益、売上を達成するというところから始めたら、本当に検索エンジン経由のアクセスを増やすということが1番の早道なのか、というところから問い直してみてください。
状況を見てみると、この商材って一般的によく使われることだし、話題にもなっていることだから、全く行なっていないリスティング(広告)をおこなったり、あるいは来たユーザーに対してのリマーケティング広告をおこなったり、広告文が浮かばないということであればGoogleなら広告文を使うオプションもありますし、そういったもので有料のもの、ペイドサーチですね、というものをやってみたほうがゴールとしての利益あるいは売上にたどり着きやすいんじゃないかというケース結構あります。
目の前の状況だけを見て、近視眼的に見ると、どうしても今のインパクトとして大きい自然検索を上げたくなってしまうのですけれども、じゃあなぜこの自然検索を上げなきゃいけないのか、集客しなきゃいけないのか、というところから考えると、それは「利益を上げたいからだよね」「目標がこれくらいあって現在未達が20パーセントくらいあるから、それを埋めなきゃいけない」だったりする。
だとすると、これくらいのコンバージョンを入れないとだから、こうやって逆算していくと、これぐらい集客しなきゃいけないね、という流れだと思うのですけれども、「ちょっと待てください」と。「本当それだけですか?」と。
例えば、「リスティング広告という手段はないんですか?」例えば、それ以外にすでにもし持っているメールのリストがあったり、あるいはソーシャルで「いいね!」してくれる人の数が多いのであれば、そこに対してリマーケティング(広告)をおこなったり、あるいはそれをリストとして活用して後からフォローアップのメールを送ったり。
それから、そういう人たちがすぐに買ってくれそうになくても、一旦そういう人たちから意見を集めるために例えばユーザー会とか、座談会とか、あるいは個別に商品に対しての要望とかニーズを聞くようなことを行なってみるとか。
そういうことをおこなって商品を改善して、今期はちょっと間に合わないかもしれないけれど時期はこれぐらい延びるようにしたいです、といった計画を立てることも非常に重要ですよね。
なので、いろいろなことをやっているんですけどうまくいかないという場合は、結構いろんなことにとりあえず手を出して、これぐらい改善して、こんなカタログをやって、ちょっとずつちょっとずつ、一応改善しているんですけどうまくいかないな、というケースが多いです。
それは全体を見てない、ゴールから考えてないから、というケースが非常に多いです。なので、なんとなく無意識の場合が多いんですけども、「目の前のこれを改善すればうまくいくだろう」「ここを直すべきだろう」というものを一旦取り払って、常にゴールから考えるようにしてください。
1番良いのはゴールから考えた施策を定期的に誰かが出してくれることなんですけども、なかなかそれをサポートしてくれる、そういうことが行なえる方は残念ながら多くないのかな、と思います。
もちろん、これを聞いているあなたがそれになるのがベストです。マネージャーとして常に全体を見ながら、その時その時の最適な施策を打っていく。これができるとチームとして非常に強くなるわけなんですけども、なかなかそうもいかないというケースもあると思います。
ですので、まず一人ひとりが目の前の課題はなぜそれをおこなっているのか、そして目標を意識してなにを行なうのが1番良いのかというものを、目の間の課題はさておき、考える。
ケースによっては先月頑張ったことを全部捨てなければいけないケースもあるかもしれません。もちろんそれは業界の状況が変わったり、あるいは検索エンジンのいろんな状況が変わったり、そういうことがあってちゃぶ台返しになるケースはあります。
検索エンジンのインテントが変わりました、それによって今まで通り上位維持するのは同じような努力じゃ難しくなってきました、というようなケースもあります。そしたらもう残念ながら全部捨てるしかないです。
そういうことを含めて常に結果から逆算して目の前のことを考える。これをおこなっていくと、なかなか成果が出ないというところから抜け出しやすいです。そこに対して常に、上からじゃないですけど、全体的な目線を持って取り組んでいただければ、きっと今期の結果に繋がると思いますので、そこをまず意識していろんなことを行なっていただければと思います。
そんな形で、今回はWeb担当者に向けてのメッセージでした。こういう質問をいろんな場所でいただくと「そもそもそれなんでやってるんですか?」「そういうふうに考えたのはなんでなんですか?」「なんでそれ以外のこういうことを行なえないんですか?」と。
まぁ「行なえないんですか」というと少し角が立つので、「リソース上の問題があるんですか?」とか、いろんな聞き方はあるんでしけれども、そういったものを通して少しずつ問題の本質を解きほぐして、「だったら実はこういうことやったらいいんじゃないですか」とか「今やっていることを、こういう方向性でやったほうがいいんじゃないですか」みたいなことをやったりするのが私の日常であったりします。
これはコンサルタントに頼まなければいけないということではなく、私的には、全員が同じような考え方でやっていただければ、ものすごく良い社会になると思っています。なので、ぜひともそういった上から、全体を見下ろすような視点で自分の仕事含めて考え直すということを行なっていただけますでしょうか。
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