2024.10.10
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第57回:考えてもわからないことは、 広い意味で「人に聞く」ことが大事。(全1記事)
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中山陽平氏:このPodcastの主なターゲットとしては、マーケティングというものに初めて触れる方、あるいは触れているけれども基本を確認していきたい方、そういう方に向けてのPodcastになります。
なので新人教育ですとか、あるいは自分のサブの領域、それから自分のスキルを広げたいという方々にぜひ聴いていただいて、実現に移していただきたい。そういう趣旨で行なっているPodcastになります。
では今回は、第57回ということで、「考えてもわからないことは人に聞け」ということをお伝えしたいと思います。どうしても、特にプレッシャーがかかっているとき、それから業務が厳しいとき、いろいろなときに、どうしても目の前にある情報から何か結論を導き出そうと。人間ってそういうふうに考えてしまいがちなんですけども、それってうまくいかないことが多いですね。
たとえば「いったい自社はどういうところが強みなんだろう?」「競合と比べて何が強いんだろう?」あるいは「どこを伸ばしていけば、このマーケットで勝ち続けていくことができるんだろう?」こういうことは、もちろん考えていくことも大事なんですけど、限界があります。
それはやっぱり、材料がなければご飯が作れないのと同じで、情報がなければ良い結論、良い仮説は出てこないんですね。ではどうしたらいいのか、というときに、この表題でもありますけども、他人に聴いてしまうことを、躊躇なく行なってください。
日本人特有なのかわかりませんが、もちろん私もそうなんですけども、自分なかで解決したい、自分の中で解決して答えを出していきたい、という思想があると思います。誰にも聞かずに自分の独力でやることで、自分の実力を出していきたい。
それはもちろん考え方としては正しいんですけども、それでも限界が来るということが多々あるわけですね。
トップレベルにいる人こそ、会話をしてみると、いろんなところからたくさんの情報を得て、好奇心丸出しで、知りたいことはどんどん質問していくという方が多いです。
でも自分にわからないことは聞くという習慣ができている人は、本当にいろいろなことを忌憚なく吸収していけるので、非常に発想の幅が広くなります。
という根本的なところももちろんあるんですけど、施策を行う際には、実際にマーケットを攻めていくときに重要なのは、自分たちが理解していないけれどもお客さんは理解している、あるいは感じている価値や強み、そういったものをちゃんと把握できているかどうかが1つポイントとなってくるんですね。
そういったものって、自分たちではわからないわけですから、どうやったって自分の中からひねり出すことはできません。自分の枠、その外にある存在ですから、枠を外して考えることができるようになる。つまりリフレーミングですね。それか、もうお客さんに聞いてしまう。どちらかしかありません。
リフレーミングは、もしもこれができれば一番いいです。すべてに応用が効きますので。ただ、大変なので、最初はお客さんに聞いちゃうほうがいいです。
じゃあ、お客さんに聞くっていうと、インタビューをするのか、アンケートを取るのか、そういうふうに考える方ももしかしたら多いかもしれませんが、決してそれだけではありませんし、それはむしろ、あまり効果がない場合が多いです。
たとえばアンケート。これは項目をこちらが作るものなので、お客さんに対する質問は、みなさんの頭のなかで作られた枠組みでしかできないんですね。つまり、みなさんの頭のなかの枠組みから外れた発想がなかなか出づらいんです。
そのために自由記入欄みたいなものを作ったりするわけですけども、なかなかお客さんって、自由記入欄に闊達に書いてくれるものではありません。なのでこちらからキチンと方向付けをしてあげないと、なかなかいいアンケートは取れない。
しかしその方向付け自体はみなさんの頭のなかのフレームで考えられた内容になってしまうので、意外とアンケートは役に立たないんです。
じゃあどうするかっていうと、まず1つは、客観的にお客さんを見つめることですね。つまりそれはユーザーテストというかたちであったり、あるいは行動観察ですね。リアルの行動を観察してもいいですし、お客さんのWebサイト上の動き、ミクロ分析ですね。そういったものを行なって、お客さんの行動を観察する。
そういったことを行なうことによって、見えなかった気づきがたくさん得られます。これは2014年版の上級ウェブ解析士の中でもやっているミクロ解析の内容でもあるんですけども、お客さんに動きを観察することによって、お客さんをプロファイリングし、そしてお客さんの問題点であったり、気に入ってるポイント、プラスとマイナスを把握していく。
こういった行動観察が非常に重要になってきています。
そしてもう1つは、実際にお客さんになってみるっていうことですね。つまりみなさんが、みなさんのサービスを、お客さんの気持ちになって利用してみる。そうすると見えてくるものがたくさんあります。
たとえば問い合わせをした時の電話対応であったり、その後のフォロー、こういうときにこういうものがあったらいいのにな、というものが意外となかったり、こういうときには、こういうものはいらないのにな、というものがたくさんあったり。
そういうものが見えてくるのが「モニタリング」です。
もしみなさんが他のお客さん、クライアントの方のWebサイトの改善、Web側の反応の改善というものを行なっているのであれば、お客さんの商品を1回買ってみる。食品なら食べてみる。服なら着てみる。そういうふうに、一度モニタリング(体験)してみることが非常にいろいろな発見につながります。
ということで、お客さんに聞くというのは、アンケートとかインタビューとか、そういうものではなくて、客観的にお客さんの行動を観察する、あるいはお客さんになりきって体験する。それによって気づきを得る、ということを押さえておいていただければと思います。
お客さんに聞くというのは、本当に聞くというわけではないです。疑似体験するというのが、今一番効果的だと懐います。
モニタリングなんてけっこう簡単にできると思うんです。自社のビジネスを体験してみる。あるいは自分のところの新入社員にやらせてみる。それでもいいと思います。
もちろんそれで変な意見が出たときに怒ったりなんかしたらダメですよ。そうではなくて、ちゃんと真摯に受け止める。
それから、クライアント案件であれば、クライアントのサービスを実際に受けてみる。競合他社のサービスを一緒に受けると、なおいいですね。より悪いところや違うところが見えてきます。
ぜひそういったところを活用して、今までにない気づきを得て、そしてマーケットの中を攻めこんでいってください。年末までまだ時間あります。ぜひこれを活用して、来年の計画立案の一助としてみてください。
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