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質疑応答(全1記事)

適切な広報活動ができているか「ヘルススコア」で判断 BtoB広報担当者がポイントを解説

BtoB企業の広報・バックオフィスにまつわるノウハウはオープンに共有されにくく、担当者が自社の課題を抱えこんでしまうという問題があります。そんな中、バックオフィス向けコミュニティ「CBsync」を主催するゲーム制作会社の株式会社オルトプラスが、広報担当者・マーケター向けのイベント「ファンを増やす『BtoB広報・PR戦略勉強会』」を開催。実際にBtoB企業で活躍する現役広報担当者3名が登壇し、立ち上げの苦労から今に至るまでのリアルな話が披露されました。本記事では、株式会社オルトプラス、株式会社ラバブルマーケティンググループ、株式会社OKANの広報担当者3名が、イベント参加者からの質問に答えます。

広報部門を立ち上げる際、社内理解を得るには?

司会者:それではこれから、質疑応答のお時間に移らせていただきます。今回は事前にアンケートをいただいていた質問に加え、会場のみなさまのご質問につきましても回答の時間を設けさせていただいております。それでは、登壇者の3名は前のほうにお願いします。

では、まず1つ目、事前にいただいていた質問です。「広報部門を立ち上げたいという意思を伝えて転職した1年目の者です。販売促進には昔から力を入れていたのですが、会社自体の宣伝に対する意識は薄いようです。登壇者の方々なら、はじめにどのように動いて部門立ち上げに取り組みますか?」という質問が届いております。

それではこちら、芹沢さんお願いします。

芹沢美稀氏(以下、芹沢):ありがとうございます。広報PRって、トップの理解がないとなかなか社内にも浸透せず、成果も見えづらい部署、部門だと思います。私であれば、たぶん何か1件でも実績を作ってしまうかなと思います。

会社がどれぐらいやってるかによりますけど、プレスリリースを書いたことがない会社であれば、まずは書いてみるところからでも反応が変わると思います。

「リリースをただ書いてるだけです」ぐらいなのであれば、メディアさんにコンタクトを取って、ちょっと会う活動をしてみて、その活動の結果をもとに説得をしていくというようなフローが、まず一番かなと思います。

BtoB広報ならではの成功ポイント

司会者:ありがとうございました。それでは、2つ目の質問に移らせていただきます。「BtoBならではの広報成功のポイントがあればうかがいたいです」とのことです。こちらは中村さん、お願いします。

中村星斗氏(以下、中村):先ほどお話をした、タイミングの優先順位を考えて、さっきの3つの円のどこを狙っていくのかという話と、どれぐらいの人たちに影響を与えたほうがいいのかみたいなのを考えるといいなと思っています。

メディア露出ではなくても、例えばBtoBであれば、その業界のインフルエンサーの人と情報を一緒に発信するとか、イベントに登壇してもらったほうが、メディア露出よりも目的にあった効果が得られる可能性はあります。

広報立ち上げ期の戦略の立て方

司会者:ありがとうございます。それでは3つ目の質問に移らせていただきます。「広報機能立ち上げ期での戦略づくりはどう作っていくべきか」ということです。じゃあこちらは柳から回答させていただきます。

柳奈央子氏(以下、柳):まず1つは、今回BtoB広報というテーマなので、それであれば、おそらく事業オーナーが何をしたいかをまず握るというのは、けっこう大事かなと思います。何の目的でPRをするのかというところを、たぶんある程度のスパンで決めてしまえば、やるべきこととやらなくていいことがおのずと見えてくるのかなというのは1つあります。

メディア担当者にどうアプローチすればいいのか

司会者:ありがとうございます。そのほか質問がございましたら、回答させていただければと思います。質問がある方は挙手をお願いいたします。

質問者1:お話をありがとうございました。メディアの担当者とリレーションを作るときに、どうアプローチしてるのかなと。新しくメディアの人と会うときは、どういうかたちで会ってるかというか、会いたい人をどう見つけるかと、どうアプローチするかを聞いてみたいです。

中村:(柳さんが)お話しされていたみたいに、直接問い合わせにアプローチするのも1つですし、ここにいっぱい広報の人がいるので、ここでお友達を作って紹介してもらうというのも1つだと思います。

あとは、最近だと、Twitter経由でDMを送るという話も聞きます。

芹沢:私がよくやるのは、自分たちの業界のことを書いている記事を見つけて、その記者さんの名前が書いてあるじゃないですか。その記者さんをご存知の方がいたらご紹介いただくとか。

質問者1:ありがとうございます。

適切な広報活動ができているかを「ヘルススコア」で確認

司会者:そのほかご質問があれば、挙手をお願いします。

質問者2:お話をありがとうございました。私は新卒で、4月から1人で広報しています。会社の中でKPIが難しいなというのが1つあります。すべてのKPIを管理するのも大事だなと思いながらも、いくつぐらいのKPIをフォーカスして普段の業務をやっているのか。具体的には、メディアアプローチの数だったり、企画書の数だったり。

広報って、1人だからこそ全部やらなきゃいけなくて、自分のリソース配分が正しいのかとかもすごく迷うことがあるんですけど、お三方はどのくらいのKPIを意識して追われてたのかなというのを聞きたいです。

中村:そのタイミングタイミングでうちは変わっていくので、直近の話をすると、うちは目標の立て方でOKR(全社の目標からブレイクダウンして自分たちの達成目標を明確にする目標設定方法)を置いています。また、ヘルススコアを追っているんですね。

ヘルススコアというのは、そのスコアをクリアしていれば、適切な活動ができていると評価する指標です。

現在は3つのヘルスコアをおいています。メディアとの折衝数が1つ。もう1つが露出数。最後の1つが、うちはPRスコアを置いています。OKANでは、発信してる情報をすべて点数化しています。

メディア露出に限らず、イベントの開催やオウンドメディアでの情報発信も、スコア化しています。情報のリーチ、内容、それが伝えたかった情報かというのもスコアリングの要素です。

KPIは先行指標と遅行指標に分けて考える

:うちの場合は、やっている施策によってどれだけのKPIを置くかというのは変えています。大きく分けると、考え方としては先行指標と遅行指標に分けて考えているかなと思います。

例えばブログとかであれば、1人月に何回更新するとかという、自分がアクションすれば数が稼げる数字をまずポイントに置きます。それに対してどれぐらいPVが伸びたかという遅行指標で分けていくと、KPIが追いやすいかなと思います。

全部のKPIを遅行指標にしてしまうと、結局自分がどれだけ動いても、そこってコントロールできない部分のKPIとかだったりとかするので、分けて考えるとすごく管理しやすいかなと思います。

芹沢:うちは露出件数と露出評価です。露出件数は、セミナーに登壇したら1件とか、掲載されたら1件とかでカウントしています。

露出評価はまさに同じで、うちはツールは入れてないんですけれども、自社で独自に「このメディアに出たら何点」という媒体評価と、「内容とこれぐらいの分量で出たら何点」という内容評価をつけていまして、各記事、全部点数で出しているというような感じです。

どれぐらいの頻度で、みたいなお話もあったと思います。今は週1回ぐらい、各メンバーにどういう状況かを聞いてます。昨年とかはほぼ毎日のように、私が「あのメディアさんとは、あの件どうなってますか?」というのをヒアリングしていたという感じですかね。

発信がブレないよう、カスタマージャーニーとコンテキストマップを照らし合わせる

司会者:ありがとうございます。恐れ入りますが、こちらで最後の質問とさせていただきます。

質問者3:みなさま、本日はためになるお話をありがとうございました。私は、中村さんのお話しされていた、構造化して考えるというところに非常に興味を持ちました。コンテキストマップ以外に、構造化をして何か施策に活用された例があれば教えていただきたいと思います。

時流に乗せて何かを発信しようということは部内でもよく言われてるんですが、それだけではなくて、もっと経営課題だとか、組織の課題からアプローチするという考え方にすごく私もしたいと思っています。具体的に他に何かされている事例がありましたら。

中村:ぜんぜん答えにならないかもしれないんですけど、カスタマージャーニーマップと合わせてコンテクストマップを、複数の部署で作ればいいなと思っています。

カスタマージャーニーマップの中で、タッチポイントの話をするイメージですが、そこで伝えるべき話の内容ってあまりしないと思うんですよね。

例えば人材課題。OKANだったら、人材課題を解決するために3つのマネジメントが必要だと考えています。じゃあそれを実現するにはこういう考え方がそれぞれにあって、それを実現するためのツールが例えばオフィスおかんですと。

例えば、このレイヤーはマーケが発信する、ここはセールスがこのレイヤーと合わせて言う、ここをPRが言うべきだ。そういうのを、それぞれがカスタマージャーニーマップとコンテキストマップ上で握れていると、ブレがなくって、自分たちがどこの情報を発信してるのかをイメージしやすいんじゃないのかなと思います。

質問者3:ありがとうございます。

司会者:ありがとうございます。最後に、登壇者のみなさまに拍手をお願いいたします。

(会場拍手)

司会者:みなさま、本日はありがとうございました。

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