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第8回「ブラック企業大賞受賞からの快進撃!」(全1記事)

ブラック企業大賞受賞から6年ーーストライプインターナショナルは、なぜホワイト企業に生まれ変わることができたのか?

DMM.comの亀山会長がバーチャルおやじユーチューバーを目指す「かめっちTV」の第8弾。今回のゲストは、女性向け人気アパレルブランド『earth music&ecology』を中心に、全世界に1,400もの店舗を構える企業 ストライプインターナショナルの創業者・石川康晴氏。一時期は「ブラック企業大賞」の業界賞を受賞するほどまでに労働環境が悪化していた同社も、今では逆にホワイト企業としての賞を受賞するまでに変貌を遂げています。なぜここまで変わることができたのか? 石川氏が思いの丈を語りました。

2兆円のユニクロを踏み台に、4兆円のZARAを越えていく

亀山敬司氏(以下、亀山):本日のゲストはストライプインターナショナルの石川康晴さんです。拍手~。でも、一般の人は会社の名前を言われてもよく分からないだろうから、ちょっと軽く自己紹介してよ。

石川康晴氏(以下、石川):うちで一番有名なのは、『earth music&ecology』ですね。宮崎あおいさんがテレビCMをしているアパレルのお店です。日本国内に280店舗の直営店があって、海外では100店舗くらいやってます。

あとは、最近だと渋谷にhotel koé(ホテル・コエ)を作ったり、ストライプデパートメントっていうZOZOTOWNのちょっと大人版みたいなECサイトを起ち上げたりしました。

アパレルは30ブランドやっていて、国内が1,200店舗、海外200店舗。従業員は今6,500人ぐらいです。アパレルが中心なんですけども、ホテルやコスメもやっていたり、サラダショップをやったりもしています。

亀山:いろいろやってるね。ダメよ、広くやりすぎたら(笑)。

石川:いやいや、亀山さんのほうがいろいろやってるじゃないですか(笑)。

(一同笑)

亀山:メインはやっぱり服なの?

石川:そうです、アパレルがメインですね。

亀山:俺、アパレルは詳しくないんだけど。ユニクロとかしまむらとか、いろいろ方向性があるじゃない。それでいうとストライプの目指す方向はどこなの?

石川:ありますね。やっぱりユニクロをやっつけたいですね。

亀山:いいね~(笑)。「ユニクロに勝つぞー!」みたいな感じ?

石川:そうですね、でもやっぱり一番やっつけたいのはZARAですね。ZARAをやっつけたくて。売上でいうと、ZARAは4兆円なんです。

亀山:おー! 4兆円。

石川:ユニクロは2兆円弱です。

亀山:なるほど。じゃあ、まずユニクロをやっつけてから、次はZARAにみたいな?(笑)。

石川:2兆円の企業を踏み台にして、4兆円を超えていくみたいな(笑)。

亀山:なるほど、すごいね、野望がメラメラと出てくるね。

女性が働きやすい会社を目指していた矢先の「ブラック企業大賞」受賞

亀山:ブラック企業大賞を取ったことあるんだよね?

石川:取りましたね~。2011年くらいだったかな。新幹線乗り場のキオスクに日刊ゲンダイが置いてあって、ちらっと見たらうちの会社の名前が表紙に出てるんですよ。「なんだこれは」と思って買ったら、ベネッセとうちの会社名が出てて「ブラック企業大賞受賞」って。

亀山:そりゃびっくりだね。

石川:「しまじろうもビックリ!」みたいなことが書いてあって(笑)。

(一同笑)

石川:そのときは本当にへこみましたよ。アパレル業界で女性が最も働きやすい会社を目指して日々努力してたのに、ブラック企業大賞だなんて。

たしかにその頃は急成長の時期で、店舗の人たちの残業も続いていたし、超モーレツ文化の会社だったんですよ。それで、受賞した途端、いろんなところに出入り禁止になりました。ルミネの理事を長年やってたんですけど、翌日にクビみたいな。

亀山:あら、それはへこむね(笑)。

石川:そこからホワイト企業を目指す宣言を社内でして、「早く帰れ」って言ってみたり、言うだけじゃ駄目なんで増員してみたり。あと「会議もやめろ!」って感じで。とにかくホワイト企業を目指しました。

亀山:うまく行った施策とかはあった?

石川:「仕事の量」と「儲けの少なさ」を大中小で仕分けて、9つのマトリックスにして、そこに社員の仕事を全部入れさせてみたんですよ。そうしたら、結構無駄な仕事が多いことが分かって。時間はかかっているのに儲からない仕事をいっぱいやっているのが分かって、どんどん止めさせたら、やっとみんな定時に帰れるようになりました。

亀山:ムダなところってどんなところがあったの?

石川:もう、全部忘れちゃいました(笑)。

亀山:駄目じゃない(笑)。

無駄な引き継ぎをなくし、18時完全消灯を徹底した結果

石川:でも、考え方だけは覚えていて。前の担当者から引き継いだのは無駄なことが多かったんですね。部署が変わったら、前の担当者が引き継ぎで教えてくれるじゃないですか。そういう伝統的な引き継ぎみたいなものには意味がないことが多かったです。

亀山:なるほど、先輩から教えられることには意味がないと。

石川:あと「こういうマニュアルだからこの通りやってね」みたいなのにも無駄が多かったですね。

亀山:それ、けっこう大企業に多いんじゃないかな。引き継いだときに「変だな」と思いながらも、下手に逆らうとややこしいから従うとか。

石川:そうですね、人間関係もありますし。

亀山:先輩とか上司に「これってもう要らないんじゃないですか?」って言いにくいもんね。

石川:そういうのを全部ぶった切っていったら、定時に帰る人が増えていきました。

今は18時が定時なんですけど、18時5分にはエレベーター前が大渋滞で。一気にはエレベーターに乗れないんですよ。18時5分に消灯にしているので、商談中でも電気がガチャーンって消えます。

ブラック企業→ホワイト企業へ変貌!

亀山:なるほどね。それは事業所側だろうけど、店舗の方はもっと長い時間やってるんだよね?

石川:ですね。でも店舗も残業が少なくなりましたね。今は平均残業時間が月に6時間しかなくて。お店の人は月に1回、3時間早く帰れる日っていうのを作っています。

亀山:じゃあ、もう今はホワイト企業大賞とか、そういうの取ったりしてるの? というかそんなのあるのか(笑)。

石川:それを今バンバン取りまくっていて。「ホワイト500」っていう、経産省が選ぶホワイトな企業500ってやつなんですけど、それを取ったりしています。

亀山:それ、なんか裏から手を回してたりするんじゃないの?(笑)

石川:ちょっと回しました(笑)

(一同笑)

亀山:なるほどね、かなりイメージチェンジに成功したんだね。

石川:そうなんです。だから「昔はブラック企業でした。イェーイ!」って言えるぐらい余裕があります(笑)。

亀山:聞いちゃいけないかと思ったけど、大丈夫なんだね(笑)。

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