2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
プロダクトを加速させるユーザーとのコミュニケーション(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
松下博茂氏:よろしくお願いいたします。僕からのお話は、プロダクトマーケットフィット初期のプロダクトが、どうやってユーザーとコミュニケーションを取っているかの一例で、ケーススタディに近いものになっております。
なので、もしかすると明日から使えるかもしれないですし、今後新規プロダクトをやられるときに参考になるかもしれないです。といったわけで、さっそく進めたいと思います。
僕は松下という名前なんですが、主に「じつぞん」という名前で、社内やインターネット上におります。「SUZURI」はTシャツなどをつくれるサービスなのですが、同じブランド内の新しい機能で、「SUZURI People」というのを立ち上げまして、そのプロダクトオーナーをしております。
出自ですが、新卒でスマートフォン広告の営業・コンサルをやっておりまして、転職してGMOペパポに入りました。なのでプロダクトマネージメントトライアングルでいうと、かなりビジネス寄りです。コードは書けず、ユーザーの調査はけっこうできるみたいな感じです。
「SUZURI People」はどんな機能かというと、クリエイターさんを支援するプラットフォームです。SUZURI自体は、グッズをつくるというサービスの特性上、イラストレーターさんがとても多く、そのクリエイターさんたちをもっとダイレクトに支援できるといいんじゃないかってことで始めました。簡単にいうと、月額制のファンクラブを作ることができるサービスです。
さっそくですが、今サービスがどんなフェーズにあるのかについてお話しさせていただきます。プロブレムソリューションフィット、プロダクトマーケットフィット、スケーリングというPMではおなじみの構図というか、成長フローがあると思うんですけど、それでいうと、だいたいプロダクトマーケットフィットのあたりにいます。
2018年5月にベータ版が出たところで、今はソリューションの微調整をしながら、どんどんプロダクトマーケットフィットさせていこうみたいな感じです。なるべく多くフィードバックをいただいて、それを高速に回していくというのをどんどんやっていきたいなと思っています。実は本リリースまでにヤバい穴をつぶして埋めておきたい気持ちがあります。
あとは、リリースしたときにコミュニケーションのハブになって一緒に盛り上げてくれるような、熱狂的なプロダクトのファンとしてクリエイターがいてくれるといいなと思っていたりします。
プロダクトの改善のサイクルを続けるためには、ユーザー調査で定性的なインタビューも必要になってきます。その仕組みづくりもできるといいなというのもあって、やりたいことはけっこういっぱいあります。
そこで具体的になにを解決したかったかというと、今61名のクリエイターさんにご登録いただいているんですが、やりとりに非常に時間がかかってしまっています。すごく初期のサービスなので、クリエイターさんがファンクラブをつくるときに、ご挨拶の文章を書いて、プロフィール画像をなににするか、特典と月額の価格とか、いろいろ決めなきゃいけないことがあるんです。
それを、Web上でポチポチできればいいんですが、まだそういう機能がまったくありません。ですから、僕たちにメールとかTwitterのDMとかでご連絡いただいて、僕たちがポチポチやりながら並行して機能をつくるという感じなんです。
なので、やりとりがすごくバラバラになっちゃって、1対1のコミュニケーション×60という感じで、すごく大変なんです。それに同じ質問が飛んできたりして毎回苦労するので、けっこう大変だからなんとかしたかったというのが始まりです。
「ソリューションの微調整をしたい」「僕らがこれだろうと思っていたのと、ユーザーさんが思うことの差異を知りたい」というのと、あとは熱狂的なファンになっていただけるようにコミュニケーションできたらいいなとも思っていました。
ざっくり要件をまとめると、コミュニケーションが気軽にできることと、あとはファイル共有なんかもあるので、必要な共有ができるということ。ユーザーさん、クリエイターさんが使うので、みんなが使えるもので意識的なハードルが高くなければいいなと思っていました。それで選んだのがSlackです。
みんなLINEは使っているから最初はLINEにしようかなと思ったんですが、LINEでは実名だし、プライベートの行動も入ってくるじゃないですか。でも今回はどちらかというと仕事の話なので、あまり一緒にしたくない人が多いだろうと思ったので分けました。そのほかも同じ理由で避けていて、使うならチャットワークかSlackかなと思ったんです。
僕らは仕事ですでにSlackを使っていたので、なにか困ったときに教えやすいだろうというのでSlackにしました。みなさん案外すぐに使えるようになって、使いはじめたら速攻で絵文字リアクションもバンバン使っていてすごいなと。つまり「Slackのプロダクト自体がすごい」という感じになりました。
使ってよかったことなんですが、今まで1対1でメールのコミュニケーションをしていたのでが、全体に通知がいくgeneralチャンネルで周知すればよくなりました。あと、メールだと、「お世話になっております。GMOペパボの松下です」って打つじゃないですか。僕は人生で1,000回ぐらい打っていると思うんですが、本当に無駄だと思っていて。それがなくなりました。リードタイムで考える、これまで半日とか二日ぐらいかかっていたものが、早ければ30分くらいでやりとりが完結するようになりました。
それにSlackはチャットなので、絵文字とかも使えますし表現がやわらぎます。それでコミュニケーションが円滑に進むし、思ったよりフィードバックをもらえたりするようになりました。
また、リリース前に致命的な問題を発見できたりもしました。具体的にいうと、「ログインできない」という事象が起きたことがありました。ログインできない事象って、メールだけでコミュニケーションしていると、「できないのはたまたま自分だけかな?」と思って放っておいたりする可能性があります。
でも、Slackで「ログインできないです」と言ったら、「私も」「私も」という感じになって、「あっ! みんなの問題なんだ。これは致命的だ」となって、重要性に気づけたので解決が早まりました。
今日は実際の画面を持ってきました。これはリリース前に「こんな感じでLPができてるんです」といって、みんなのワクワク感を煽るようなものです。
アップデートの情報とか、開発スケジュールなんかもSlackで共有しています。クリエイターさんからは「日々でき上がっていく機能に感動しています」「SUZURIさんの作る、愛のある感じがとっても好きです」って言ってくれたあとに、「1回の投稿に何枚か画像が貼り付けられるといいなと思いました」っていう要望がきたりもします。
あとは、リリースした後の打ち上げですね。みなさんもやると思うんですけど、僕らも例にもれずやりまして。そのときにリリースパーティーとして、ゲストとしてクリエイターさんに来てもらいたいと思い、このSlackで誘ってみました。
すると、5人ぐらいきてくれたんです。実際の様子を動画に撮って、Slackにアップしてみたりすると、「楽しかった」「行きたかったです」というような反応をもらえたりして、みなさんのワクワクが持続するようにしていました。
あとは、サービスとは直接関係ないんですけど、「SUZURI Peopleを通じてお仕事の依頼が来るようになったらどう思いますか」と、思いついたアイデアを聞いてみました。
仕事が来て困る人ってあんまりいないと思うんで、90パーセントくらいの確率でいけるかなと考えていたんですけど、「一応聞いてみよう」というのがすぐできるんですね。10パーセントの不安を一言ですぐに消せるのがありがたいですね。
これは実際に聞いてみて、やはり反応がよかったんで、2時間で実装して「これ、自分たちで機能追加できるの? すぐに意見が取り入れられるスゲーいいサービス!」という空気をちょこっとずつ作っていくと。僕らもそういうふうになりたいんで、こういうトライもやったりしていました。
反対に、困っていることもあります。いいことばっかりではなくて、失敗していることもあります。先ほど61名と言いましたが、まだSlackに入っていない人もいるんで、実際にSlackにいるのは45~50名くらいです。
結局、みなさんに周知しなくてはいけない重要なことはメールで知らせています。メールアドレスは全員わかっているので、そこで投げるしかない。社内のSlackとかでもそうだと思うんですけど、毎回コメントをする人は限られてくるので、コミュニティとして発展していくのかどうかはちょっと怪しい。
あと、DMが届いて僕が反応したりすると、ほかの社内メンバーは見られないんで、けっこう属人化してしまうということもありました。
いろいろあるんですが、総体としてやりたかったことは、だいたい解決できているし、足がかりはつくれている。よかったことも思ったよりいっぱいあって、最終的に「これはやってよかったな」「これからも続けてきたいな」と思っております。
もし細かいやり方とかを聞きたければ、このあと僕に声をかけていただければ、なにかしらアドバイスができるかもしれません。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略