2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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今井武氏(以下、今井):皆さん、こんにちは。ホンダの今井でございます。よろしくお願い致します。
皆さん、テレマティクスって言葉ご存知です? テレマティクスってご存知の方、手を挙げていただけますか? ありがとうございます。
さすがにIT系のカンファレンスだけあって(多いですね)。普通のところでやるとほんと10%くらいしかいないんですけども。ご存知の方もいっらしゃるかと思いますが、実は1981年、ちょうど僕の先代ですけども、世界で初めてのナビゲーションシステムをホンダ自ら開発をしてきました。
で、それから33年が経ってきたわけですけども、ナビゲーションは通信と融合してテレマティクスになって、そしてこれからはビッグデータと社会と融合して、安全でグリーンで、快適なモビリティー社会、これを実現するというかたちになって来ております。
それではホンダのテレマティクスである「internavi」について簡単に触れさせていただきます。
まずこのテレマティクス、私、どういう思いで作ってきたかという話をさせていただきますけども、最近は車自体、事故があるからとか、渋滞が嫌だからということで、なかなか乗られなくなってきたわけですけども、実は車ってものすごく楽しい、自分で運転していて能力が倍加する、楽しい道具ですよね。
ということで、事故や渋滞を無くしたいんだと。それから、いつでも安心して走りたい。また何かあったときに未然に回避したい。そういう思いで、ドライブをもっと楽しく、それからカーライフを豊かなものにしたいということでやってきたものでございます。
このテレマティクスのinternaviのコンセプトは、「ドライバーの快適なカーライフを実現するために、さまざまなデータを最適化して提供するドライブ情報ネットワーク」です。
“FUN”という領域でこのようなコンテンツ、それから“安全・安心”という領域でこういうコンテンツ、それから“環境”といった領域でこういったコンテンツやサービス、これをやってきております。
現在会員数は210万人になりました。Internaviが開始して12年になるわけですけども、誰もやって来なかった領域なもんですから、さまざまな技術、サービスが世界初とか業界初ということでやってきております。
(上記スライドの)下のほうにある2003年に実用化したフローティングカー交通情報システム、これ世界で初めて私共が実用化したわけですけども、自動車メーカーとして、これが現在の私どものサービスのコアになっております。これについて簡単に触れさせていただきます。
これはどういう仕組みかというと、今となっては「こんな簡単な原理か」ということなんですけども。VICSという交通情報のサービスがあるわけですが、網羅的な渋滞情報が出ていないということで、車自体をセンサーにして、「ここの道を走るのに何分かかったよ」とかですね、そういう情報を全部クラウドにシェアしてもらって、最適なルートを案内するということを、11年前に世界で初めて実用化したものであります。
この画像をご覧ください。これはある日の1日分の私どもの会員車両のデータそのものをビジュアル化したもので、まさに地図のようになっているという内容でございます。
この情報を元にさまざまなサービスをやっているわけですが、実は私どものinternaviは、通信モジュールを標準装備いたしました。で、通信費はホンダで負担してですね、リンクアップフリーというサービスをやっているんですけども。
現在、台数そのものも62万台を超えるものになって来ておりまして、要するにお客さんは、販売店で車を購入した時点からつながる、という世界が実現できるというものでございます。
実はこの通信モジュール、ソフトバンクさんにお願いしています。通信費はホンダ持ちと言ってますけども、実は相当の金額を、何十億もの金額を年間お支払いしているんですが、まぁ何とか安くしてほしいなと思ってるんですけども……。こういったモデルで、業界初としてやってきているものでございます。
標準装備でこれだけ通信モジュールを入れるとどういうデータが集まってくるかっていうと、例えば1年間に30万台internaviを売ると、翌年には60万台になるわけですね。ということは、データもそれだけになってくるということで、現在毎月3億km、レコード数で言うと150億レコードものデータが毎月毎月、集まってきているというものでございます。
このデータをもとにルート計算をすると、これは自由が丘から白樺湖のルート計算なんですけども、普通のカーナビは中央道を通って白樺湖に行くというルートを出します。
しかし海の日の(連休)初日の朝ということで、中央道も大渋滞、関越も大渋滞で、どういうルートを引いたかというと、東北道までがーっと上がって北関東道を行って上田(IC)から下りるという、普通のカーナビではあり得ないようなルートを引くようになってきております。
メインのサービスはそういったことでやっているわけですけども、これからビッグデータを活用した取り組みの事例をいくつかお話しさせていただきます。
その前にこの映像をご覧ください。
<映像開始>
(テロップ)Sound of Honda(テロップ)アイルトン・セナ 1989(テロップ)アクセルやエンジンの動きを記録して解析する「テレメトリーシステム」(テロップ)1980年代、Hondaはこの技術をF1に導入し世界を席巻した。(テロップ)1989年 F1日本グランプリ予選でアイルトン・セナが樹立した世界最速ラップ(テロップ)走行データに刻まれたあの日の軌跡から(テロップ)24年前のエンジン音が甦る。(観客が見守る中、コース上に置かれたスピーカーからレーシングカーのエンジン音が響き、それに合わせて光がコース上を駆け抜けていく)(テロップ)あの日、セナの走りを支えていた技術を(テロップ)今、すべてのドライバーのために。(テロップ)走行データでドライブをデザインする internavi<映像終了>
すごい気持ち良くて、この日本一の会場で流せること自体、ものすごくうれしく思っています。セナが最速ラップを刻んだときのデータが残っていました。このデータをこういった形でビジュアライズしたものでございます。世界的ないろいろなアワード、グランプリをいくつも取ってきたものでございます。
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