2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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もともとこれは「ミュージックビデオをみんなでつくろうプロジェクト」みたいな感じだったんですよね?
岸田:はい。なんか、なんとなくそんな感じでやってました。
馬場:それで、サビの部分をタムくんが作ってましたよね。
岸田:そう、作ってくれた。
馬場:あれはなにか経緯があって作ろうってなったんですか? お願いしたわけではないんですか?
タムくん:いや、みんなに「好きにやって」って言ってたよね。
岸田:そうです。そうです。
タムくん:みなさんのビデオをたくさん見たんだけど、楽しそうな。じゃあ俺も、作るんだったら……。
音を聴いて、あの絵が浮かんできた。もうあの色とか、そういうシーンが急に浮かんできて。それやるのめっちゃ大変なの。その思いついたことをキープしようとして作ろうとしたら、めっちゃ大変。色が多いし。いつもの僕の作品、色がない。めんどうくさいから。
岸田:わかる、わかる。うん。
(会場笑)
馬場:笑うポイントですね(笑)。
タムくん:キャラクターも、そんなほら、色がない。キャラクターも同じ画面に1人2ぐらいがもう限界。それ以上やりたくない。でも、その浮かんできたやつがもう何人もいて、色もたくさんあって、めんどくせーと思って。
でも、その音がクオリティがよくて、キープしなきゃいけないと思って、「まあいいや。そのままやろう」って。
岸田:ありがとうございます。
タムくん:けっこう時間かかったの。それ。その5秒ぐらいビデオ。15秒だったっけ?
岸田:うん。15秒ぐらい。
馬場:流してみましょうか。ちょっと見てみましょう。一番はじめに作ったもの。
タムくん:ここは最初だね。
馬場:1回目に作ったものですよね。
(映像が流れる)
タムくん:タイヤ回してないね。
(会場笑)。
タムくん:でっかく見てみたら、やば(笑)。
岸田:(笑)。
タムくん:なんか、めんどくさいんだって。本当。
岸田:えっ、タイヤ回ってるよ。
馬場:回ってるように見えます。
岸田:うん。回ってる、回ってる。
タムくん:でも、回ってなかったりするよ。
(会場笑)
岸田:なんかその、ガタンガタンってなってるから、ちょっと。
タムくん:でも、パソコンが死んでる? 死んでないのか。ああ、あっぱり。
そう、だからあの向こうのてんてんてん、海のやつ、けっこうやる気ないんだよ。
(会場笑)
岸田:そう?
タムくん:でも、やらなきゃいけない。あれ、ピカピカなってる。見てみていい?
(映像が流れる)
タムくん:ああ、なってない(笑)。
まあ、この看板とかビルボードとか、それが浮かんできて、ふだんこんなことしてないけど「まあやるか」って。できちゃって、たぶんそれがいい感じで。
岸田:そう。これを見て、こういうこと言ったら怒られるかもしれないんですけど、「みんなでつくろう」やったんけど、「これ、タムくんにつくってもらおう」ということになりましたね。結局(笑)。
(会場笑)
タムくん:そうだね。
岸田:「全部見たい」っていって、「この続きも気になるし」とか。でも、どうなんやろうね」みたいに話はしてたんですけど、「全部タムくんで見たい」って、みんな、なりました。
タムくん:そう言われて、俺は「やる」って言うしかないんだけど、考えてみたら、この15秒が何日かかかって。全部。この曲は長いしね。
岸田:そうですね。
タムくん:だから、普通に計算したら、もう締め切りが無理ですって言うんだけど、やることにした。
岸田:ありがとうございます。
タムくん:それは、私がありがとうです。でもね、僕、曲を聴いて、絵が浮かぶの。いつも。この曲の良さは、 ディテールとかもあるし、すごい絵がたくさん出てきた。だから、やりたいと思って。
岸田:うれしいなあ。
タムくん:でも、日本語がわかんないんですよね。日本人の友達に「この歌詞説明して」って。すると紙を見て、日本人が「 スゥー?」(言葉にならない言葉)って言ってた(笑)。
(会場笑)
岸田:いや、難しいと思いますよ。
タムくん:「なんて言ったらいいか、わからない」。
岸田:それは書いた僕も、「じゃあどういう歌詞か説明して」って言われたら「そうですねえ……」って。なんか説明って難しいですよね。
タムくん:外人だし、この日本語の感じとか、感じというのはフィーリング、ぜんぜんわからなくて。何回も読んで、辞書見て、最後にもうそういうのを読むだけで1週間、2週間ぐらい時間かかって。「無理やわ」と思って。
岸田:なんで関西弁なの?(笑)。
(会場笑)
タムくん:結局、奥さんのお母さんに、60歳の岩手の人、読ませた。すごい丁寧に訳してもらった。
岸田:ああ、そうなんや。
タムくん:その人がいないとね、ちょっと(笑)。
岸田:ちょっと、「ありがとう」って言っといてもらっていいですか。すごい。
タムくん:大人だから、すごい丁寧に。「スゥー」じゃなくて……。
(会場笑)
岸田:「これはねえ」って。そんな話初めて聞きました。そうなん。へえ。
タムくん:でも、これできて、まだ見せていない。お母さんに。
岸田:ああ、そうなん?
タムくん:見せなきゃ。
岸田:このできあがったビデオを見てちょっとびっくりしたのが、僕は歌詞書くんですけど、人の曲聴いて、歌詞って気にしたことがないんです。ほとんど。
タムくん:人の曲? 自分の曲の?
岸田:自分の曲も人の曲も、音楽を聴いてて、歌詞の意味を知ろうとしたりとかあんまりしたことがないし、ほとんどしないんです。
すごいちょっとセンチメンタルになってるときに、それでも3〜4パーセント入ってくるぐらいで、ほとんどあんまり歌詞をそんなに大事に考えていないほうなんですね。僕は。
ふだんは音ばかり聴いてて。でも、その音と歌詞がミックスされると、全部が来るんですよね。そやから作るときも、同時にほとんど作るんです。
タムくん:なるほど。
岸田:たまに歌詞だけ書いたり、たまに曲だけ作ったりするんですけど、同時に作ったものが一番うまくいくんですね。でも、この曲は、先に曲を作ってしまって、あとから歌詞書いたので、スーパーサイヤ人にならないと書けなかったんですね。
(会場笑)
岸田:すごいスーパーサイヤ人になってがんばって書いて。だから、すごくくるりの曲の中では、歌詞がんばったほうだったんですね。
タムくん:なんでこんながんばったの?
岸田:いやいやいや、もうすごいがんばって。それでもやっぱり音が好きだから、新しいビデオをタムくん作って持ってきてくれたときに、僕、「この人はやっぱりミュージシャンなんやな」って思ったんですよね。
たぶん普通の人が聴いてない音とか、全部それに一緒に演奏してるみたいな感じで曲の世界を描いてくれてるから、歌詞に対して……。例えば曲があったりとかしたら、全部が「 正解、正解、正解」みたいな感じで。だから、俺、全部わかってくれて描いてるって思ったから、それは奥さんのお母さんに。
タムくん:岩手に(笑)。
岸田:岩手にいるお義母さんに感謝ですよね。すごく。
タムくん:うん、言っておく。
岸田:言っといて。
(会場笑)
馬場:タムくんの感覚的なフィット感みたいのが、最終的なミュージックビデオになる前のストーリーボードみたいなところからもけっこうわかるような気がしていまして。
今、今日、それもあるのでちょっと流してみようかと思います。やっぱり音楽をタムくんをやってるから、もちろんリズムとかも刻み込まれてると思うんですけど。
タムくん:このストーリーボードは 適当。リズムがね。
馬場:それでも……。リズムがね。
(映像が流れる)
馬場:まあ、いわゆるざっくりなラフではあるんですけど。こんな感じですね。もうほぼほぼできあがっているという。これ、岸田もご覧になったんでしたっけ? ラフとして。
岸田:と思います。これ、この次の段階かな。初めて見たのは。どうやったかな。これぐらいの時に見た。だから、もうちょっと進んだときに初めて僕は見たと思います。
タムくん:おっ、そういうスケッチもあったねえ。
岸田:みんなのビデオ。
タムくん:みんなのビデオをここに入れようかなと思って。こういうのもがんばったんだけど。
岸田:これ、めっちゃ好きやわ。
(会場笑)
タムくん:本当に音合わせてるんだよね。
岸田:うん、すごいと思った。
タムくん: 見てみたい。この曲何回も聴いてOKだから、やる気出た。そんなにいい曲じゃなかったら、もうできない。
岸田:嫌にならなかったですか?
タムくん:うん。これ聴いてて飽きてないもん。
岸田:ええやつやな(笑)。
(一同笑)
岸田:そっか。それ、うれしいな。
タムくん:飽きないよね。飽きる?
岸田:飽きるときもあるけど。
タムくん:これ?
岸田:このビデオはめっちゃくちゃ見た。俺。YouTubeの再生回数、かなり俺稼いでいる。
(会場笑)
岸田:自分であんまり自分の見ないんですけど、この曲はめちゃくちゃ見ました。
タムくん:またやろうよ。
岸田:またやろう。やろう、やろう。
タムくん:ありがとう。
岸田:毎日やりたいわ。大変やけど(笑)。
タムくん:(笑)。
岸田:今まで作ったビデオのなかで、僕、そんなの優劣はつけたくないんですけど、これが一番好きなんですね。ほんまに一番好きなビデオです。
タムくん:俺もね、一番がんばったわ(笑)。
岸田:がんばったと思う。岩手のお母さんもがんばったと思う。
タムくん:歌詞は本当はなにを考えてるの?(笑)。
岸田:歌詞はなんだったんでしょうね。いろんなことを考えながら書きましたけど、僕は蟹がすごく好きなんですね。
タムくん:そっち?(笑)。
岸田:そう。
(会場笑)
タムくん:普通に「蟹、食いてえ」って言ったらいいじゃん。
岸田:うん?
タムくん:普通に「蟹、食べたーい」だけでいいじゃん。そしたら。
岸田:うん、でいいんですけど、なんか蟹を……上海蟹を……。僕、上海に昔行ったことがあって。その時に自分の一番の昔からの仲の良い友だちが、今、北京で働いてるんですけど、上海に行ったときに、その友達は上海にいる女の子と結婚したんですよね、
そこでその友達とその彼女と僕とで上海蟹を食べたんです。むき方を教えてもらって。そんで「あ、うまいな」と思って。
その時に、僕は自分と自分が付き合ってた人とうまくいってなかった時で、それで「俺もこの友達のカップルみたいに蟹を食べたいな」みたいなことを思ってたことがあって。
それで、ちょうどこの曲を書いた時ぐらいに、僕は蟹が食べたいということを思ってたときに、まあちょっと自分の家族、自分の奥さんとかと離れて住んでたことがあったんですよね。喧嘩とかじゃないんですけど。
その時に、僕は蟹がとても好きなんですけど、僕の奥さんとかはあんまり蟹が好きじゃない。好きじゃないこともないんですけど、好きじゃないんですよね。でも、上海蟹を一緒に食べたいなと思って、そこから書き始めて。
その話自体はどうでもいいんですけれども、いろんなフィクションをつけていったんですよね。自分の話じゃなかったりとか。架空の出来事って言うんですかね。ファンタジーというんですか。
これ「beautiful city」って言ってますけれども、僕のお父さんが昔、中国の天津で働いていたんです。
タムくん:天津?
岸田:Tianjin(天津)ですかね。北京の近くのやつでね。
タムくん:ああ、はいはい。
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