校舎の候補地は沖縄を検討している

司会:それでは、本日お越しの記者の皆さまから、登壇者にご質問のある方は挙手をお願いいたします。いかがでしょうか?

質問者1:アスキーのモリタです。「学費がいくらなのか?」ということ「生徒数に上限はあるのか?」ということ、最後に「沖縄に校舎を建てるのか?」という3点をお聞かせください。

川上量生氏(以下、川上):今は計画書を提出して審査を受けている状態ですので「学費」については、現在はお話しできません。

「生徒数」に関しては、通信制の学校ですので、基本的に上限はないと考えております。

「校舎」については、沖縄に設置したいということで計画書を提出しているんですけども、ちょっとそのようなこともお話しできません。

質問者1:「なぜ沖縄なのか」ということも、まだお話しできないですかね?

川上:なぜ沖縄なのかというと……。これはね、言っていいのかどうか(笑)。適切じゃないかもしれないんですけど。

通信制高校の場合は1週間のスクーリングに必ず行かないといけないんですけど、「どうせ行かないといけないんだったら、沖縄のほうがいいんじゃないか」と(笑)。そういうのが1つ。

それと、いくつか候補地を検討したんですけども、沖縄に造るのがいろんな意味で良さそうだなと。地域のためにも一番なるだろうということで沖縄にしました。

質問者1:ありがとうございます。

他のクリエイター・芸能系学校との差異化について

司会:ありがとうございました。続いて、どなたかいらっしゃいますでしょうか?

質問者2:日経新聞のヤマバタと申します。まずは沖縄ということなんですけれども、「その後の広がり」というのは考えられているんでしょうか?

川上:「本校」ということなら沖縄になりますが「スクーリングの場所」ということであれば設立後も増やすことは可能だと聞いていますので、沖縄の後に検討したいと思っています。

なんにせよ、まだ計画中ですのでご理解ください。具体的にどういう学校になるのかということについては、まだお答えできません。

司会:よろしいでしょうか? それでは続いて、前の列の方お願いいたします。

質問者3:週刊BCNのヒダカと申します。10年くらい前に制度が変わって、クリエイターだったり、芸能の通信制学校がたくさん出てきたと思うんですけども、それらの学校との差異化をどうするのか? というのがひとつ。

また、この学校での授業であったり、そこで開発されたコンテンツのようなものを外向きに提供する計画はあるでしょうか? 以上の2つをお願いします。

川上:「高校の授業を公開する」ということは考えております。授業というと当然、やらなければいけない授業と課外授業の2つがありますけれども。

プログラマーなどの職業訓練のためのコースは卒業とは関係のない授業になると思いますので、そういった授業の多くは公開したいと思っています。他の高校生や社会人の方でも聴講できる、そういった仕組みを用意するつもりです。

質問者3:他の通信制高校との差異化については?

川上:差異化はできるでしょう。僕はそこに関しては不安には思っていません。ネットの通信教育については、僕らの得意とするところだと思っていますし、いろいろと派手なことをやりますので、そこは大丈夫だと思っています。

オンライン高校の教育事業の可能性

司会:それでは、後ろの男性にお願いいたします。

質問者4:週刊ダイヤモンドのコジマと申します。今回、オンラインの高校ということなんですが、海外では「Minerva」というオンライン大学が非常に注目されています。

オンラインでのコミュニケーションや360度評価だったり、学費もすごく安いというのがウリになっていますが、川上さんとしては、どういったものを参考にして高校をイメージしているんでしょうか?

川上:検討したものはいろいろとあって、今の話は大学中心ということでしたけど。僕らが高校にした理由というのは、そのほうが皆さんが参加できると思うんですよね。大学だとその大学に行った人だけですけれども。

高校であれば社会人や普通の高校に行っている人を巻き込んだ教育事業を展開できるんじゃないか、というのが僕らが考えていることです。そういう意味では、僕らのアプローチは世界的に見てもまだ無いと思います。

質問者4:社会人を巻き込む、というのは具体的にどのようなことでしょうか?

川上:まだ認可されていませんので、どういう内容の授業をやるかは今日は言えないんですが、たとえば一般に授業を公開することは可能だと考えていますね。

質問者4:学費の面もまだお話しできないとありましたが、考え方として「普通より安くしたい」という考えはあるんでしょうか?

川上:申し訳ありません。学費についてはまだお話しできません、申し訳ないですが。

質問者4:ありがとうございました。

通信制の学校の脱落率を改善したい

司会:それでは前から3列目の方にお願いします。

質問者5:日本経済新聞のニッタと申します。今はネットでいろんなことが無料で学べる時代で、あえて学校という形にする必要はないんじゃないか? という気もするんですが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

川上:それは、ずっと昔からそうだと思うんですよね。昔から学校でなくても「独学」で勉強はできたわけで、でも現実問題として独学で学ぶということは非常に難しいんですよ。

やっぱり、他にも人がいる中で努力をしていく、という形じゃないと最後まで学べないことが多いんじゃないかと思いますね。なので、教育機関で学ぶことの役割というのは、これからの時代も大きいと思います。

質問者5:通信制の学校は、独学ではないということですかね?「一人で家でやる」というところでは、独学と似た環境だという気もするんですけれども。

川上:現実問題として、今の通信制高校でも「脱落率」って非常に高いんですよね。そこは改善していきたいと思いますし「自分一人じゃなく、他のみんなも頑張ってるんだ」という環境を設計する必要があると思っています。

質問者5:ありがとうございます。

進学・就職できる学力をネットで実現

司会:それでは2列目の男性にお願いします。

質問者6:NHKのイケガワといいます、よろしくお願いします。3点あります。人数の上限はないというお話しでしたが、どれだけの人数を集めたいかという希望がありましたらお聞かせください。

次に2016年春開校ということですが、第1期生の卒業は2019年の春なのかというのが2点目。最後に「不登校の子は日本の財産だ」というお話がありましたが、今の日本において、どのような卒業生を輩出していきたいかというのをお願いします。

川上:1つ目と2つ目については、まだ計画書を出した段階ですので、実際に開校することを前提としたことは、今日の段階では申し上げることができません。

「どのような人を輩出していきたいか」については、先ほどの表にもありましたけれども、高校に入学してから就業するまでに半分以上の人がドロップアウトしているんですね。

それは進学という意味でもそうですし、就職という意味でもそうですし。ですから、まずは「進学する学力を付ける」ということと「ちゃんと就職できる」ということを、ネットを使って実現したいと思ってますね。

質問者6:地方に対しても貢献できる人材を輩出したい、という部分もあったと思うんですが、それはやはり「東京一極ではなくて地方にも」というところがあるんでしょうか?

川上:僕たちは「ニコニコ超会議」の他に「ニコニコ町会議」というものも展開していまして、もともとネットというのは都会も田舎も関係なく使えるものですから、そのネットの恩恵を一番受けるべきなのは「地方」だと僕は思っています。

審査の結果に関わらず、やめることのできない仕事

司会:ありがとうございます。では続きまして、一番後ろの男性にお願いいたします。

質問者7:共同通信のカワモトと申します。2016年春の開校を目指されるということでしたが、認可と募集のスケジュールとですね、具体的に決まったときには、お二人から発表があるのかということをお願いします。

川上:生徒が募集できるような状況になりましたら、改めて次の発表をさせていただきます。それまでの間はですね、本当に申し訳ないんですけども、どうもこういうことはやっちゃダメということで、ご勘弁ください。

質問者7:認可の目処が秋だとかいうのは?

川上:それもダメらしいです(笑)。

司会:ご了承ください。それでは続いていらっしゃいますでしょうか?

質問者8:INTERNET Watchのライターをしています、モリタと申します。今回の高校設立の背景にゲームクリエイターの志倉千代丸さんの力があるとおっしゃっていましたが、その方もこれから参画されていくんでしょうか?

川上:はい。教材の作成ですとか、彼自身は「どうしても制服は自分がデザインしたい」と言っていましたけども、いろんな形で関わっていくと思います。

司会:それでは、続いてお願いします。

質問者9:ジャーナリストのヨシダと申します。仮に今回審査が通らなくても学校設立のために動いていくのか、諦めるのか、ダメだった場合どうするのかをお聞かせいただきたいと思います。

川上:あまりダメだとは考えていないんですけど。僕らとしても教育事業は非常に強い想いでやろうとしていますので、審査の結果に関わらず、やめることのできない仕事だと思っています。

質問者9:審査に通らなくても、自分たちのやり方で形を作っていくということでしょうか?

川上:はい、そうですね。

質問者9:わかりました。ありがとうございます。

司会:それでは、最後の質問とさせていただきます。

質問者10:度々すみません、日経新聞のニッタです。卒業生の進路としてKADOKAWA・DWANGOグループで彼らを優遇する可能性があるのかを教えてください。

川上:そういう目的で作っているわけではないです(笑)。

質問者10:わかりました、ありがとうございます。

司会:たくさんの質問をありがとうございました。質疑応答は以上とさせていただきます。