今日はすごくたくさんの方に来て頂きました。ありがとうございます。

今日はいつもとは違うこと、今までに一度もやったことがないことをします。これまで私の人生の岐路で役に立った本をいくつか朗読したいと思います。

私からはこれらのポイントをご紹介しますが、これらの本からたくさんの教訓を学ぶことができます。皆さんもお時間があればご自身で読んでみてください。

他人になんと言われようと、自分自身にとって重要なものを創造せよ

初めに画家のロバート·ヘンリー著「アートスピリット」をご紹介します。画家を含むアーティストと私たちにはたくさんの類似点があります。

この本は芸術科の学生の視点から語られる創造性について書かれています。本屋ではペーパーバックの取り扱いがなかったので、スマートフォンで読み上げます。こう始まります。

「芸術が真の意味で理解されるとき、それは一人ひとりの人間の摂理である。シンプルに、“何かをすることの意味”を問う。芸術は外にあるわけでもなければ、無駄なものでもない。アーティスティックな心が内にあれば、どんな仕事に就いていようとその人は独創的で、探求的、大胆で型破りな自己表現者となる。彼は人々の興味を掻き立てるようになる。彼のやることは人々の心をかき乱し、動転させ、啓発し、物事を理解する新しい方法を提示する。普通の人が終わろうとする時アーティストは、まだ終わりではない、まだその先に何かがある可能性があると言う。」

これはまさに、皆さんが直面している状況と同じだと思います。皆さんが「まだ終わっていない」と言う人々となるのです。

「自分自身と他人の為に自分を興味深く持ち続けることが出来る人々がいなければ、世界は沈滞してしまう。彼らによって世界はとても美しくなる。画家や彫刻家である必要はない。人はどんな仕事を通じてもアーティストになれる。外に答えを求めるのではなく、自身の仕事の中にアートを見出すことができるか否か、それが大切だ。」

私が今までのキャリアの中で学んだ一番大切な教訓は、仕事はとても大切だ、ということです。仕事が大切といっても、それは製品に限らず、仕事をする中で生まれる新しい技術、新しい仕事のやり方です。

「芸術科学生が成しえることは、小さなことなんかではない。未来を見据えた努力と忍耐を持つ学生だけがやり抜くことが出来る。孤独を受け入れる覚悟をしなければならない。人は他人との関わりを重視する。一人より皆と一緒にやった方が楽に物事が進むだろう。しかし孤独であると、たった一人で自分自身と向き合うことができる。誰にも邪魔されずに自分自身を成長させること、これには大きな代償が必要である。成功には人生を通した喜びもあるが、代償がつきものなのだ」

価値のあることをやる、それを自分に約束したらそれに全力で取り組まなければなりません。大変なことです。ただし、その人は生涯を通じて喜びを感じ続けるでしょう。

「私たちは過去に成されたことを繰り返すために存在しているのではない。」

皆さんもそう思っていることと思います。私たちは既に成されたことを繰り返す為にここにいるのではないのです。

「過去の偉人が何を成し遂げたか知ることはとても大切だ。どのように絵画を構成したか知ることもとても大切だ。しかし、彼らの成し遂げたやり方とは違う技法でやらなければならない。彼らのやり方は彼らにとって相応しかった。それは素晴らしいことだ。しかし、彼らは自身で彼らのやり方を見つけた。私達は自分だけのやり方を見つけなければならない。過去の偉人が私達を助けてくれる。彼らから学べ。」

特にテクノロジーの分野では、他人のやり方をマネをしたくなるでしょう。成功した彼らがしたことをやれば自分も成功できると思い込む。しかし、皆さんだけの道、自分だけのやり方を見つけなければなりません。

「芸術科の生徒は初めから熟練者でなくてはならない。つまり、自身が持っているものを最大限に生かすことについて熟練者でなければならないということだ。これを初期に成し得ているということは、将来彼が偉業を成し遂げることが約束されているようなものだ。」

ここで彼が言いたかったことはこうです。皆さんが自身の持っているツールを使いこなさなければならない。マスターするということはゴールではありません。マスターするということはプロセスです。繰り返しのプロセスが皆さんを自分自身で未来を切り開く人にします。

「取らぬ狸の皮算用」

私たちはたくさんのアイディアを持っていますが、それを実行に移すことが大切なのです。アイディアは持っているだけではダメです。

「受け入れられないかもしれないと心配することはない。その心配は成功者皆が経験したものである。評価されなくても心配することはない。あなたらしさ、人間らしさを出せば、全ての人に受け入られることはないからだ。覚えておいてほしい。絵を描くことの目的は展覧会に出すことだけではないということを。作品を壁に飾ってもらうことは素晴らしい。しかしあなたは審査員の為に絵を描くのではない。あなた自身の為に描くのだ。」

この部分が私にとって意味を持つのは、私達は自分の仕事に対してポジティブな言葉をもらう為、他人から承認されるのに一生懸命だからです。

私達は他の人がどんどん先に進んでいくのを見ています。彼らの成功は一瞬で起きたことのように見えますが、彼らは何年も何年も辛抱強く待って、耐えて、そこにたどり着いたのです。

「すべてのものにはタイミングがある。難しいのは、そのタイミングを見極めること。目的意識によって何をどうすべきかを理解する鋭い洞察力が生まれる。目的意識によって、意のままに自身の持つツールを操ることができるようになる。そこに真意がなければ、何をどうすればいいかわからないままだ。」

これはチームを作る時、組織を作る時、そして会社を作る時にものすごく大切な教訓です。共通の目的意識がなければ何も成し得ることが出来ない。

皆と共有できる動機、目的がなければ途方に暮れ、価値あるものを生み出すことは出来ないでしょう。最後です。

「最近の芸術科の生徒はパイオニアである。」

皆さんもそうです。次に読み上げる箇所は最高です。

「近年の芸術科の生徒はどんな道も切り開いていかなくてはならない。将来の素晴らしいアーティストは言葉数少なく、真似をせず、短い文で多くの意味を伝えることができる。」

「他人に何を言われようが、自分にとって重要なものを描かなければならない。なぜなら、彼らは自分の言っていることを理解していない。更に、彼らは私達が何を生み出したいのか理解していないのだから。」

皆さんが欲しいものを世界に提供していく、それが一番大切なことだと思います。他の人も皆さんと同じものを欲しがっているか、というのは一種の賭けです。賭けに出れば、負けることもあれば勝つこともあります。

しかし、一番大切なことは自分自身のために何かをやる情熱を持つことです。なぜなら、それは他者へ伝染し広がっていく。そしてその情熱が協力者を引き寄せるからです。

チームを成功に導くための、たったひとつの「リスト」

二番目にご紹介する本はビル·ウォルシュ著。彼はサンフランシスコのフットボールチーム、49ersのコーチでした。チームの業績がとても悪い時に、コーチとして就任。そしてチームをトップへ導きました。どうやったか?

彼は徹底的に細部にこだわりました。ただ単に「俺たちは勝たなければいけないんだ!」と言った訳ではありません。

「シャツをきちんとパンツにいれて、ロッカーをきれいに、電話にはこう応答して。」

彼は新しい行動のルールを確立したのです。

ここにいる皆さんにとって最も困難な変化は、個人プレイからチームプレイへ、個人で仕事をすることからチームをリードしていく、という変化ではないでしょうか。私にとってもこの部分は大変で、手探りでこれまでやってきました。実はリーダシップやマネージメントについての本には興味がなく、これが私が読んだ最初のリーダーシップ、マネージメント関連の本となりました。

こんな風に始まります。

「フットボールチームの運営は他のどんなビジネス運営とも違う。まずは組織構成、組織のやり方、目的と使命を明確にする。そして、その条件に合う相応しい人々を探す。」

まずは目的と使命を明確にすること。そして、その後にそれに相応しい人々を探す。もしチームのリーダーでありたい、新しい会社を立ち上げたいと思っているのであればこの本の中を是非読んでください、特にこの本の中に出てくるリストがとても重要です。

「やること」と「やってはいけないこと」リストが載っています。パフォーマンスの基準を設定することから始まります。

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