2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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マーケティングを行う上で欠かせないSNS。目標達成に向けて頭を悩ませているマーケティング責任者や運用担当者向けの本イベントでは、株式会社GiftXの飯髙悠太氏と、株式会社ニュートラルワークス取締役CMOの石田哲也氏が、SNSマーケティングの成功の秘訣を語りました。本記事では、企業のSNS運用でつまずきやすいポイントと解決策についてお伝えします。
司会者:では深掘りの5に入っていきたいと思います。アカウントの運用代行とか、外部委託への考え方ですね。アカウントや投稿内容が増えてきたりすると、自社で回していくのが大変になってくるかと思います。外部の力を借りるとなった時に、押さえておいたほうがいいポイントなどあればぜひ教えていただけますか。
飯髙悠太氏(以下、飯髙):1つは丸投げはしないほうがいいということです。要は、自社のことは自分が一番わかっていないといけないと思うので。
すごくブランドの心を持ってという意味合いではなくて、パートナーと組むにしても、「目的はこうだから、こういうアカウントにしたいんだよね」「うちの商品はこういう特性を持っているから、この文脈だとUGCが出ると思います」みたいな。そのコアは、丸投げではなくちゃんと一緒に考えてやっていく。
あとは外部委託の中でも得意な領域ってあるじゃないですか。本当にアカウントの運用自体がすごくきめ細かくて、クリエイティブもちゃんと作れてみたいな企業もあれば、「うちは運用はやりません。その代わり上流からマーケティングを考えて、ちゃんと売上につながることをやりましょう」みたいな。
任せることに関しては僕はぜんぜんアグリーですし。まず自社で全部やると考えたり、SNS担当を採用するにも時間がかかるし。採用して育成して、辞められたらどうしようとなると、一部はやっぱり外部に投げたほうがいいかなと思います。
飯髙:ちょっと話は変わるかもしれないですけど、ニュートラルワークスさんもデジタルエージェンシーをやっていて、要はマーケティングに強い会社なわけですよね。なのに私をアドバイザーとして入れている理由ってなんだろう、みたいなことを考えていただくと。
自分たちでわかってやっているけど、ちょっと他社の人の意見も聞きたい。自社の考え方はこうなんだけど、これってどうなんだろうとか。石田さんとかと打ち合わせをさせていただくと、「これは飯髙さんから見てどうなの」という議論になるんですけど。
これってやっぱりその人の話をただ聞きたい。インプットしてインストールして、やるかやらないかはたぶん石田さんの判断になってくると思うんですけど。そう考えると、やっぱり一部は外にちゃんと話ができる相手を置くのは、めちゃめちゃ重要だと思いますね。
司会者:石田さん、ニュートラルワークスとしてもSNSの運用代行サービスを行ってますけれども、具体的にどういったご相談内容が多いですか。
石田哲也氏(以下、石田):はい。相談内容はやはりその戦略設計だったり、コンサルティングといった、まず立ち上げたいんだけれどもノウハウがないから教えてほしいみたいなところが多いです。
そういった時にやはり飯髙さんもおっしゃっていましたけれども、先方の担当者がちゃんと理解をして協力してくれるってすごく大事になってくるので。そこは我々みたいな外部に頼りつつ、社内にも担当者というかたちで置いていただけると良いと思います。
司会者:ありがとうございます。じゃあ、最後の深堀りポイントにいってみたいと思います。今ご視聴していただいてる方々も非常に気になることかなと思うんですが、ぜひご自身のパターンに置き換えて聞いていただければと思います。
BtoC、BtoBまたは、有形商材、無形商材。こちらにそれぞれにマッチするメディアの組み合わせと役割について、簡単でけっこうですので、教えていただけますでしょうか。
飯髙:これ、難しいな……。
(一同笑)
石田:難しいですよね(笑)。
飯髙:そうですねぇ。BtoCの有形商材は、例えばコンプレックス系の商材でなければ、メディアと相性がいいですよね。どうやるかと、あとはターゲット層によっては変わってくるんですけど。
toCの無形商材に関しても、やりやすさはあると思っています。ただやっぱり、そのn数。要は入庫できるものが少なかったりするので、そこの難しさはある。
単価感としては、コミュニケーション設計を作らないといけないので。有形のBtoCと無形のBtoCで、同じ成果を出すんだったら、最初にかけるコストは、3倍から5倍ぐらいの開きがあるかなというのが前提です。
飯髙:もう1個は、コモディティ化されている商材に関しては有形でも難しいです。「カップラーメンなう」って別に言う理由ないじゃないですか。
要はコンビニとかドラッグストアに常に陳列されているような商材は、口コミは出づらいです。ここもやっぱりコミュニケーション文脈が必要になるので、やりやすさ、やりづらさはあるかなと思っていて。
BtoBに関しても同義で、有形商材でも、例えばこれがSaaSのプロダクトだったら、自信を持って「僕はSmartHR使ってます!」とつぶやかないじゃないですか。だからBtoBは基本的に商材の口コミは出ないと思っていただいていいかなと思います。
なので、オウンドメディアで対談記事をやったり、いかにそのコンテンツがディストリビューション(流通)されることによって自社を認知してもらえるかはあるかなと思っています。あとは無形商材で言うと、今まさに僕がやっているこのアドバイザリーという仕事は、超無形ですよね。何をやってくれるかもわからない。
でも私が日々の発信の中で「こういうことができる」とか「こういうスライドで説明して」とか、ないものをかたちにしていくのは、ありだとは思うんですけど。
でも基本、BtoBは難しいです。公式アカウントは特段やる必要性はないと思っているので。やっぱり個人に委ねられるので、ニュートラルさんみたいに、トップ3人がちゃんとその意志を持ってやっていくとか。
このへんは本当に組織としてどうするかがかなり働くので。正直、会社の経営方針によって決まっちゃうのかなという回答になりますかね。
司会者:難しい質問に答えていただいて恐縮です。それではお時間が迫ってきているので、事前にいただいたご質問にご回答をお願いできればと思います。
まず、1つ目。「海外への訴求としてLinkedInを利用することを検討しています。デメリットや懸念事項はありますでしょうか」。
飯髙:時間もあれなんでサクサク答えていきますので。これはまず、デメリットとか懸念事項を考える前に、やったほうがいいというのが僕の回答ですね。海外に向けて何を訴求したいのか、人材を採りたいのか、そこの主なところがわからないので、ちょっと曖昧な答えにはなってしまうんですけど。
司会者:ありがとうございます。では2つ目。「就活生に向けて動画配信をしています。どんなものが見られるかを教えてほしいです」ということでした。
飯髙:今日お話ししたように、見られるという考え方。手法のHowの話をしているんですよね。「どんなのを作ったら見られるんだろう」ではなくて、「何のために就活生に向けて動画を配信したいんだろう」。
採用なのかブランディングなのか、目的があると思うんですよね。採用人数があったり、コストがあったり。まず「誰に」というところの解像度を上げて、何でいくかは、動画が正しいかもしれないし、記事かもしれない。見られることを目的にするんだったら、今だと「就活生は苦しいよね」みたいなエモーシャルなほうにいっちゃいますよね。
でも、これが採用につながるかというと違う話になるので。見られることが正なのか、見る人は100人しかいないんだけど、そこから応募が30人来るのかによってここは変わってくる。トレンド(に乗ること)で話はできるかもしれないけど、もう1回「何のために」というところに立ち返ったほうがいいかなと僕は思いますね。
司会者:ありがとうございます。3番目はちょっとご意見みたいなかたちなんですが、「媒体ごとの成功の定義と施策、それに伴う工数と社内理解など、ありきたりですがやはり難しいです」といただいております。
飯髙:まさにそうだと思います。なので今日お話ししたように、それぞれで指標を追うのはもうやめましょうって話なんですよね。もちろん成果基準ってそれぞれであったほうがいいんですけど、これだけプラットフォームが多様化して、人々がスマートフォンを手にしている。
今それぞれの定義で言うとやっぱり一番わかりやすいのって申し込みだったり、コンバージョンになるじゃないですか。となると、その最終のトラッキングの場所や間接効果を追うこともできるけども。
そんなことより、それぞれのコミュニケーションを通して月のコストが100万円あるんだったら、そのタイミングで「どうしたら成果が上がるのか」というマーケティング全体を見たほうがいいと思っています。
ここに関しては、社内理解を取るのはめちゃくちゃ難しいと思うんですよね。なぜならば、KPIで追ったほうが楽で「CPA下げてよ」と言ったほうが、会社としては楽なので。これは本当に、どこまで突き詰めて理解してくれる経営者がいるかによります。こういう質問が来ると毎回僕は、「これで理解されないんだったら、その会社は辞めたほうがいいですよ」と言っちゃいます。
(一同笑)
司会者:あとは黒本を読んでいただくのもいいかもしれないですね。
飯髙:そうですね。そっと上司の席に置いておいてもらえればと思います。
司会者:そうですね。社内図書に1冊(笑)。では4つ目ですね。「10月からステマ規制法が施行されました。企業のマーケティング担当として気をつけるべきポイントはありますか。インフルエンサーと仲良くなり、自発的な投稿も増えてきたところなのに、UGCが抑制されそうで心配です」というご質問です。
飯髙:そうですよね。まだこのステマ規制も何が正解か見えづらさもあります。いろんな方と話したり、弁護士の方と話しても、それぞれの解釈が違うこともありますよね。
なぜならば、新しい仕組みが決まったタイミングなので。ここで絶対に企業のマーケティング担当として気をつけるべき、捉えないといけないのは、「何が絶対だめなのか」ということです。これは徐々に動いてくると思います。判断基準をしっかり持つことはとても重要だなと思います。
この(スライドの)下に書いてある「インフルエンサーと仲良くなる」ところで言うと、インフルエンサーとして活用している以上、もう金銭の授与を受けている。他のものであっても、これってNGですよねという捉え方になるので、絶対にPRラベルをつけるというルールは決まっている。その中でUGCが抑制される可能性もあるけど。
でも逆に取っていただくと、この前SHIBUYA109 lab.の所長の長田(麻衣)さんという方とZ世代におけるマーケティングについてGMONIKKOさんのメディアでしゃべっているんですけど。
今のZ世代って、インフルエンサーが使われているのをわかって見ているらしいんですよ。なので、ターゲットとする人が誰なのか。むしろ「この案件に使われたんだ」みたいな話題になることもあるらしいので。
そこは本当に対象を誰にするかによって、決してインフルエンサーが悪ではないと。昔みたいに「ステマステマ。嘘だ嘘だ」みたいな時代から規制が入って抑圧はされてきているので。実はポジティブになっている場所もあるよという捉え方でいいと思いますけどね。
司会者:なるほど。新しい考え方でした。リアルタイムでいただいた質問があと4つあるので、どんどんいきます。「今はKPIを持たずにゆるりと運営しております。今後、ブランディングや集客といった成果を求めて運用する場合、やはり時間投資は必要になりますか」というご質問でした。
飯髙:はい。必要です。すぐリターンが来るものじゃないので、投資対効果として見ていただいたほうがいいです。ちょっとどの時間軸でやるかはあるとは思うんですけど、やっぱり設計から運用ベースに載せるまでには半年くらいかかるし。ここから本当に次の成熟まで持っていくのにはまた半年くらいかかるので。それぐらいのタームを覚悟を持ってできるかは、1個考えるポイントかなとは思いますね。
司会者:ありがとうございます。では、次の質問です。「生成AIに作ってもらったポストを予約機能を用いて効率よく運用するのは効果的ですか。ものによるかもしれないですが、個人的には人間味のない投稿だと成果につながりにくそうといった所感です」。
飯髙:そうですね。何を効果とするかはありますが、手軽さはめっちゃあるなと思います。一方でやっぱり手触り感が欠落してしまうのは、本当におっしゃるとおりかなと思います。
ただChatGPTも含めて、ものすごい勢いで登場してきてしまっているので。今、いろんな生成系AIのコンテンツが世の中に散漫していますよね。ここにちょっと人間味を持たせて、例えば「石田さんらしい書き方をしてください」とか、そのデータも繰ってやってくるとすごくなるのかなとは思いつつ。
ただやっぱりその人の手触り感、ブランドの手触り感は僕はとっても重要だと思うので。ここはデジタルが伸びても人間らしさは残るものだと考えていただいていいと思いますね。
司会者:ありがとうございます。「Xでリクルート用の投稿をしたいと考えていろいろしているのですが、投稿内容が幅広く絞れなさそうです。いいアドバイスがあればお願いします」。ちょっと先ほどのにもつながりますかね。
飯髙:そうですね。リクルート用の投稿。まあそれはXだけと考えないで、どう面談に持っていきたいかまで含めて考えたほうがいいです。カジュアルなリードでもいいのか、本質的に申し込みベースで欲しいかによって変わってくるというのと。
やっぱり学生には学生のネットワークがあるので。どちらかというと今の若い社員、プロパーの方にとっては、実際にSNSの口コミがすべてではなくて、一番重たいのはリアルな口コミなので。社内でどういう制度を作るかが、重要かなと思っちゃいますね。
司会者:質問はこちらで締め切らせていただきます。それでは、お時間も過ぎてしまったのでこちらで本日のウェビナー、いったんお二人にはご退場いただきたいと思います。本日は長いお時間ありがとうございました
飯髙:ありがとうございました。
石田:どうもありがとうございました。
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