人間力のある人とは、嘘をつかず、同性にモテる人のこと
一戸健人氏(以下、一戸):今回は会場のなかから1人でも多くの質問をしてほしいので、質疑応答の時間を長めに取らさせていただければと思います。
こんなことを質問したいという方はいらっしゃったりしますか? 「ファーストペンギンは重要だよね」と控室でお話をされていましたので、ぜひお願いします。(質問者を差して)あ、お願いします。
質問者1:お話しをありがとうございます。先ほどナンバー2の採用について、「人間力が大切だ」「信頼できる人が大切だ」というお話をされていたんですが、人間力が高い人とは具体的にどういう人で、信頼の基準はなにかを教えてほしいです。お願いします。
里見治紀氏(以下、里見):先ほどもお話しましたが、嘘をつかないということだと思うんですよね。例えばなにかを任せて失敗したときに、素直にごめんなさいと謝った上で、こういう対応しますと言える人と付き合うのか、ごまかして失敗がなかったように報告する人と付き合うか。
どっちと付き合いたいか、どっちと仕事をしたいかだと思うんですよね。そこでごまかすような人は、ほかのことでもごまかしているかもしれない。つじつまを合わせるために不正会計に走る可能性もあるので、なんにでも嘘をつかない誠実な人が重要だと思います。
同性にモテるというのも、ある意味で魅力かもしれないんですね。人間力はその人の魅力です。モテる人は人間力が高いんだろうなと思いますね。
一戸:大丈夫でしょうか?
質問者1:もう1ついいですか?
一戸:どうぞ。
質問者1:嘘をつかない人というのは、採用の段階だったらどういう点で見極めるんですか? 経歴詐称まではいかなくても、どうやって見極めるのかが気になりました。
里見:履歴書はありますね。それについて質問したときに、なんとなく見えてくることはありますよね。例えば中途採用で、なんでも俺の手柄だと話す人は、こいつ信用できないなと。だって、1人で成し遂げられないでしょと。
こういうチームでこういうメンバーとこうやって成し遂げて、それを僕はこのようにリードしてたんですと話す人と、全部僕がやったんですよと話す人だと、後者は信用できないなとなりますよね。
学生でもそうかもしれないですね。似たようなことを質問してみて、この人は本当のことを言っているのか、なんでもかんでも大げさに話しているのかなというのを見極められるようにはしていますけどね。
質問者1:ありがとうございます。
初期段階からスケールしていくために重要なこと
一戸:続いて、質問はあるでしょうか? はい、ありがとうございます。
質問者2:まだ創業して2ヶ月ぐらいの会社で代表をしています。今メンバーを集めるのにもすごく苦戦していて、自分1人でやっている状況です。弊社は映像制作のサービス事業をしていて、企業のVPとか採用ムービーとかに特化してやっています。
まだまだ経営者としては未熟な人間なんですけれども、今は業務委託みたいな感じで、営業として動いてもらう人を仲間にして、お互いにwin-winな関係なかたちでメンバーを集めようとしています。1人、仲間になってくれたりしている状態です。
こういう初期段階で意識することというか、スケールしていくために重要なことはどんなことなのか、教えていただきたいなと思って質問しました。
里見:僕自身、そういう経験があまりないので、どこまでアドバイスできるかわからないですが。仲間内で起業した場合、立ち上げメンバーをどうやって集めるのかというのは、みんな悩まれることだと思います。
一番多いのは、友達に声をかけることですね。真田さん(真田哲弥氏/Klab代表取締役)のように、ベンチャーの第一世代の方々は、そういった仲間がいろんなところに集まっていますね。友達というよりは、おもしろいことをやろうよと声をかけて起業した方が多いとは言います。
今の時代、それこそクラウドソーシングがこれだけ発展しているので、副業で手伝ってくれる人や、もしくはクラウドソーシングでこの数時間で働いてくれる、このことをやってくれる人はたくさんいると思います。当社も副業OKにしています。
例えばプロモーションビデオを制作会社に発注すると高い費用がかかります。クラウドソーシングで探すと、「あ、50万でやります」とか、極端な話「絵を描くだけだったら数千円でやります」というような人もいます。
そういう人たちとビジネスを軌道に乗せて、給料がちゃんと払える状態になったら、人を雇っていくとかでもいいのかなとは思います。
一戸:うちはまさに副業サービスをやっていますので、ぜひお願いします。
質問者2:ありがとうございます。
メガトレンドに逆らわず、課題解決を考えてみる
一戸:続いて、いらっしゃいますか?
質問者3:本日はありがとうございました。社会を見据えていく能力ってすごい大切なのかなと思っているんですが、マクロ的なところで、これからの社会どうなるかをどうキャッチアップするかが気になります。
投資をするときに「これいいな」と思えるような感性の磨き方で、実践されていることとか、こういうことをやっていくと我々若い世代が伸びていけるんじゃないかというアドバイスがあれば、ぜひうかがえればと思います。
里見:意識していることは、インプットとアウトプットですね。特にインプットは、とりあえずなるべく多くのことを取り込もうと意識していますね。例えばSmartNewsとかGunocy、LINE NEWSなどは、広告もニュースも最適化されて、自分好みの情報ばっかりになるんですよね。
僕はAndroidとiPhoneを持っているのですが、iPhoneには自分の実年齢をプロフィールに入れて、Androidには20代の女性とプロフィールを入れておいて、掲載される広告がどう違うのかなどを見ていたりしています。
ほかには、雑誌はとりあえずいろいろ読みますね。今はサブスクリプションを利用すればいろいろと見られるので、パーッと適当に見て、世の中のトレンドをチェックしたりとかですね。
他には、カンファレンスなどで登壇するといろいろな人と出会えるチャンスがあるので、こういった場を活用して多くの人たちの話を聞いて、アンテナを立てたりはしていますね。
質問者3:集めた情報のなかで、取捨選択をどういう基準でやっていくのか……磨き方というんですかね? これはいいぞというものをどう自分の中に作っていきますか?
里見:まずは世の中のメガトレンドに逆らわないということだと思うんですよね。例えば、少子高齢化という流れがあるので、それに逆らわないでどうしたらいいのかを考える。日本は今、課題先進国と言われていて、それをもし解決できたら、海外にどんどん輸出できるかもしれない。
例えばシニア向けのサービスで大成功したら、次は同じ課題をもっている韓国や中国で成功できる可能性もあります。目の前にある課題を解決すると、実は世界で戦える企業が出てくるんじゃないかとも言われています。
なので、メガトレンドには逆らわない。今世の中で起こっていることと、大きなメガトレンドがどこでどう交わるのかなと意識はしていますね。
質問者3:ありがとうございます。
信用されたいなら、まずは自分が先に信じること
一戸:じゃあ残り2、3点いただければと思います。どうぞ。