地方都市・伊勢でIT業務革命

生田智之氏:みなさんこんにちは。コムデックの生田と申します。私からは、伊勢からITで日本を元気にするために顧客管理を徹底しました。そして、我々中小企業の業務改善の事例をみなさまにお話させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!

まずは私の簡単な自己紹介なんですが、挑戦しないことは失敗と同じだと思っていまして。どうせ倒れるんやったら前のめりに倒れたい! という思いで、地方の中小企業のITを良くしていって元気することに日々挑戦しています。

伊勢を中心に活動しているわけなんですが、もともとは関西、奈良県出身でした。三重県には大学入学を機に引越して、一時期は夜の世界に挑戦するという……そういった足を踏み外しそうになったときもあったんですが、一念発起して今の会社に入りました。IT一筋11年でやらせていただいております。

そういうわけで、私は今日伊勢からやって来ました。みなさんも伊勢、もちろん知っていると思うんですね。伊勢と言ったら、例えば伊勢神宮をイメージしていただけると思うんです。伊勢と言うと、日本人の心のふるさとなんて言われたりしています。

5月1日の令和初日、日本全国から17万人の人がやって来てくれて、伊勢神宮を観光されたり、もちろん内宮を参拝されたりしましたね。赤福を食べたり、伊勢海老を食べたり、おいしいものも多いわけですから、みなさんは一度は来たことがあると思いますし、もし来られたことがないのでしたら、ぜひおすすめのスポットなので、1回来てみてもらいたいなと思っています。

みなさん知っていることだと思うんですが、実は伊勢神宮は2つあります。スライド左上は内宮なんですが、もう1つはちょっと離れたところに外宮というのがあるんですね。

これは伊勢市駅の付近にあります。ですからホテルもけっこう豊富で、夜おいしいご飯を食べれるお店もけっこうあるので、宿泊で来られるときはこのあたりにお泊りになられて、外宮、内宮と行くと。みなさん内宮から参拝に行かれる方が多いんですが、外宮の次は内宮に行くのが正式らしいので、ひとネタ覚えておいていただけるといいかなと思います。

負のループが社内外で回っていた

そんな伊勢のイメージですが、僕がさきほどご紹介した内宮や外宮はキラキラ観光地ゾーンと言っています。みなさん、もし電車で来るなら、近鉄電車で伊勢市駅で降りると思うんですが、伊勢市駅を降りてきちんとキラキラ観光地ゾーン側の改札を出てもらうと「あ、テレビで見たことあるやつや」となるんです。

間違って反対側に行くと、反対側は悲惨ですからね。なにもない。「俺、どこに来たんや!?」みたいなことになってしまうんですね。歩けども歩けども、田んぼや工場ばかりなので、メディアは伊勢を観光地と言ってくれていますけど、実際に大半は普通の田舎というのが伊勢なんですね。

そんな普通の田舎である伊勢の中小企業事情なんですが、やはり高齢化、人手不足、忙しくて休みが取れない状況です。今日、田舎の地方から来ていただいている方は「せやな」と思うはずです。

それからキラキラ観光地ゾーンも含めてなんですが、意外とそんなに所得が高くないんですね。17万人が1日にやってきて、飯をたくさん食って、お土産物をめちゃくちゃ買っていくんです。結局、情報管理やコミュニケーションがアナログだと、そんなキャパシティをさばけないんですね。キャパがないんで。結局非効率なので、ダメだということなんです。

じゃあ「IT使ったらいいやん!」ってなるんですけど、やはりITも苦手だということで。僕、kintoneがいいと思っているので「kintoneいいですよ!」とけっこう言うんですが、「kintone? 何それ?」みたいな。そういう感じになっちゃうんですね。

僕たちはITの力で伊勢を良くしたい、伊勢から日本を元気にしたいという思いで、システム開発の事業や、ハードウェア、サーバーネットワーク構築といった事業を地域密着で22年間やっています。今は16人メンバーがいて、みんなそれぞれの専門知識・専門分野に特化していて、力を合わせてやっている会社です。

とくに最近はクラウドサービスもすごく使えるものが多いですから、kintoneもそうですし、EvernoteとかDropboxも地方に導入していき、紹介していくと。紹介して、導入していったら、そのあとのサポートもやっていく。

大阪や東京に来てよく思うのが、こういうところで勉強会やコミュニティが多いじゃないですか。地方はぜんぜんないんですよね。だから、こういうところで仕入れたいい情報を、少しでも地域のみなさんに伝えたい思いで事業をやっています。

これだけ、いろいろラインナップ揃えてやっていますから、絶対元気になっているやろと思うんです。それが意外と元気になっていないというのが、僕たちの課題だったわけですね。いろいろな情報提供もするんです。しかし、それがお客さんをさらに混乱に陥らせると、そしてITが苦手になっちゃう負のループが回っていたんですね。結局、ITツールを入れても効果が出ない。IT離れが進む。

そのとき、よくお客さんから言われていたのが、「あの件どうなってる?」「生田さん、あれいつできんの?」「それ誰に聞いたらいいん? 結局?」みたいな。これめちゃめちゃやばいんですね!

「ITで情報共有しましょう」と言ってる僕らが、「社内で情報共有できてへんやんけ!」みたいなのがバレかけていたんですね。

kintoneで顧客管理を徹底

そういう状況だったので、これはやばいということで、僕は考えて「徹底的にやるぞ」と決めたのが顧客管理だったんです。

なぜ顧客管理をやろうと思ったかと言うと、当時いろいろな部署が「kintoneいいよ」「そろそろサーバー更新の時期ですよ」と言うんですが、お客さんにそれがきちんと届いていなかったんですね。「お客さんのために」と言ってたんですけど、お客さんの立場にはなっていなかった。

スタッフが日々どんな活動をしているかという記録はしっかりと取っているんですが、僕はEvernote、私はエクセルとか、バラバラでぜんぜん情報が集められないということで、kintoneで顧客管理を徹底することになりました。

じゃあ「なんでkintoneなん?」という話なんですけど、ラッキーなことに僕たちは2014年からkintoneを使ってはいなかったんですけど、社内にあったんですね。ゆる~く取引先の情報をそこに入れてたので、これを機に徹底的にやると決めました。

徹底的とは何かと言ったら、まずお客さんのメリットから考えようと。ふだんの活動はお客さんのメリットから考えて、その活動をすべてkintoneにデータベース化する。データベース化したらその情報を全員が活用しましょうということなんですね。

どこからやったかと言うと、僕が直轄している部門、システム開発とクラウドのチームから、情報共有の基盤はEvernoteからkintoneに切り替える、そしてエクセルは全部やめて、kintoneでいくと。

どうやっていくのかと言ったら、お客さんの情報をVLOOKUP関数で徹底的に紐づけて、紐付けた瞬間に、ほかにやっているタスクなども一緒に出て来ますから、それも考慮してタスクをちゃんと登録する。大事なのは納期も絶対に入れるということですね。これでシステム開発、クラウドのお客さんに関する情報は集約できます。

もう1つ、ハードウェアの事業もkintone化しなきゃいけないと。これは僕が直轄していない部門だったんですね。そこの部長は、僕の上司なんですけど、「ここもkintone化したいです」と言いに行ったんですね。

そもそもアナログですからね。でも、これわかると思うんですよね。アナログならではの良さってあるじゃないですか。ポストイットは状況が更新されたら手軽にペタペタできます。案件受注したら、見積もりから受注、受注から着手したら進行、納品したら完了みたいなことが簡単にできるんですね。

やはりハードウェアのチームはパソコンの設定や納品などを進めながらですから、常に情報入力が手軽にできる環境下にないので。やはりこういう情報管理が得意なんですね。

こっちのほうがメリットがあったということで、「いや、生田」と、上司に言われるわけです。「kintoneにしていく。顧客管理を一元化していく。お前の思いはわかる。でもな、俺たちの日常も忙しいんやで?」と。僕は「大丈夫です」「僕はこの見え方、そして手軽さもなんとかキープしてkintone化やります」と。上司は「ほんまか。できたんか?」、僕は「できました」と。

kintoneにすべての情報を集約

こんな感じになったんですね。大きいモニターに、これはプラグインを入れているんですが、ポストイットのように見えます。

これに情報を入力するときは、どうしていくかというと、新規の情報入力はみなさんがkintoneで登録するときと一緒なんですね。要はプラスボタンから、いわゆるパソコンで入れていくというようなことなんですね。

でも、これはいいわけですよ。手書きでやっているコストを考えたら、結局こっちでやったほうが手間がない。パソコンのほうが慣れている。似ている情報はコピーできる、そういうことですよね。これはこれでいいわけですよ。だけど大事なのは、ここからですよね。情報を更新するときに、どういう体験になるかが大事だと思います。それがこんな感じなんですね。

タッチペンで手軽に更新ができるようになっているんですね。これによってハードウェアの事業部の情報管理というのも完全にkintoneにいって、常に最新の状態に保たれて仕事ができると。最新の情報が会社全体に集まるというふうに変化していったんですね。

そうすると、みなさんも想像できると思うんですけど。VLOOKUPと関連レコードにこだわりまくったら、1人のお客さんにアクセスすると関係する情報がブワ~っと出てくるわけですね。開発もクラウドもハードウェアも出てくる。

ここさえ見ておけば、絶対なんでもわかるという状態が作り上げられるんですね。それがすべての社員でそういうふうになるんですね。

だから僕も今でもめちゃくちゃお客さんのところへ訪問して、「ITどう改善していきましょう!」みたいな打ち合わせをするんですけど、そのとき不意に「そういえば生田さん、あの件どうなってる?」みたいな質問が来るんですね。

そのときに、「どれですか?」と、もうパソコンを見せちゃうみたいな(笑)。「あ、これこれ!」みたいな。お客さんに逆に教えてもらうんですが、それも1つの手かなと思っています。「これこれ」って言ったらその中へ入っていって、「いついつ終わる予定ですね」とそういうことがちゃんと回答できる。そうですよね。納期をちゃんと入れるようになっていますからね。

その情報はCTIにも連携していますから、電話がかかってきたときに電話を取った人間が各スタッフ、部門がどういうことをやっているかも共有して電話サポートができる、なんていうこともやっていたりします。

未来に向けたkintone戦略

その結果、お客さんからは「コムデックはうちのことよくわかってくれるね」「そういえばこの前、うちの活動の記録全部見せてくれたけど、どうしたらIT活用できんの?」みたいなことを言ってもらったり。

一番うれしかったのが「コムデックを紹介したい会社があるねんけど、いい?」という紹介ですね。やはり地方でやっていると新規のお客さんがほしい、取引したい、「マーケティングやるってどこに向かってマーケティングすんの!?」「どこに向かってDM撒くの!?」みたいなですね。パイが狭いわけですから、なかなか刺さらないんです。紹介に勝るものはなしということで、非常にいい効果が出ているなと思っています。

最初は「kintoneいいですよ」「kintone? 何それ?」みたいな状態だったんですが、やはりお客さんを主役に考え始めてから「使ってみようかな」というお客さんが増えてきましたし。取引先も増えていっているということですね。

第3クオーター時点ですが、昨年よりも収益性も良くて、スタッフ間のコミュニケーションもいいし、生産性も上がっています。旅行行っちゃう? みたいなことで、初めて海外へ行くこともできました。

そんなkintoneアプリの活用が最初からよかったのかと言うと、さきほどちょっとお話したとおり2014年から利用しているんじゃなくて、ただあるだけの状態がけっこう長かったんですね。いくつかトライしたんですけど、「Evernoteとかエクセルのほうがいいよね~」「やっぱりそっちに戻しちゃう?」みたいなことがあったんです。

ただ、一念発起して顧客管理をするときに、「徹底的にやるんだ」という目的、旗印のもとやったのは、お客さんに関係する情報や提供しているサービス、問い合わせを受けたこと、今後やるタスクなどを全部アプリにしていって一元化したら、生産部門は効果が目に見え始めてきたんですね。というのが2018年、去年くらいの感じですね。

その効果がけっこう間接部門も、「あれ、kintoneってそういうことできちゃうん?」みたいなことで「いいじゃん!」と。「じゃあ俺たちのエクセルもそうしようよ」と。エクセルに情報入れてたって、日付入れてたって別にエクセルは教えてくれないですよね。でもkintoneに納期入れてたらそれを通知で教えてくれるやんと。

それとか最近我々の会社の間接部門のスタッフがけっこう入れ替わったんですが、過去どういうふうに情報が変化を遂げてきたかという履歴ですね。

こんなんもkintoneだったらわかるので、未来に向けてkintoneをやっていく前向きな状態になっていて。今は「kintone化したほうがいいんじゃない?」「こういう情報管理は?」ということでどんどんアイデアが出てきている状態になっています。