経営者は我が子にどんな教育をしているか

小野裕史氏(以下、小野):じゃあ、次の質問。

質問者:お子さんがいらっしゃる方にご質問なんですけど、お子さんが将来どういった職業について欲しいとか、あるいは職業ではなく、どういったライフスタイルで生きて欲しいとか。起業家の皆さんが例えば深層心理の中で自分の子どもが20歳になるまで、あと10何年あるからそれまでにこういうふうな社会になっているだろうとか、そういったことが自分の今の仕事に影響を与えているのか。ちょっとプライベートな質問かもしれませんが、そういった質問をしたいと思います。

小野:お子さんいる方?

木村新司氏(以下、木村):子どもにどういう職業になって欲しいかというのはあまり考えてないですね。ただ、なんの職業でも選択できるようにしてやりたというのはあります。

20年後って日本の人口ってだいぶ減り始めるし、GDPも下がるだろうなぁとは思っているのですけど、そう考えた時にアメリカでも仕事できるし、アジアでも仕事できるしっていう状態にはしてやりたいっていうのがすごいあります。

技術的にはプログラミングは必須だし、英語もしゃべれないといけないしというふうには考えてますし、文化としても、日本の中だけで育つというわけではなくて、海外でもちゃんと文化に触れていっていうところをやらないと、海外で仕事するのは大変だろうなと思っているので、世界中で働けるように自分の手元から放してばんばん外に出して育てようかなとは思ってますね。

小野:ありがとうございます。

我が子に一切期待しないワケ

小野:もしぜひ我こそはと……。吉田さん、ぐっとこらえている感じですね、しゃべりたいのを。

吉田浩一郎氏(以下、吉田):(笑)。

池谷大吾氏(以下、池谷):さすがに教育やっているんで、そこにこだわりを持たないといけない部分があると思っているんですけど、一切期待しないというポリシーでやっておりまして。

ちっちゃい子の教育とかって、親のコンプレックスによって学んでいることが多いんですよ。英語をしゃべれない人は英語を習わせるみたいな。

子どもはそういう親のエゴのために生きてるわけじゃないんです。さっき言ったように、親は子どもより長生きできないんです。65%が今ない職種につく中で、親が何を言えるのかって……無いです。なので、僕は基本期待しないと。

ただ、チャンスは与えるべきだと思っています。ですので、僕が心がけているのは出会いですね。例えば、子どもがラブレターを渡すとか100ポイントです、経験は(笑)。

人との出会いって重要だと思っていて、今の話を聞いていても出会いなんです。小野さんと出会ったからここにいるし、出会わなかったらいないんですよ、たぶん。

違うところにはいるかもしれないですけどね。やはり出会いだと思っていて、そういったことは評価していきたい。

塾に行っても質問してこいとか、友達たくさんつくるとかでもいいし、喧嘩してもいいので、なんでもいいからそういったことは評価する。親としてもそういったチャンスは与えようと思うんです。具体的に算数学べとか理科学べとか、そういったことには一切関心がない。それは、お前が考えろと。

具体的な道標は示さない

池谷:あともうひとつ起業した時にずっと考えていたことがあって、今まではどちらかというとスーツを着たりだとか、大多数の働き方と一緒にしてたわけですよ。

満員電車乗ってみたいに。ただこれからはそういった時代じゃなくなると思っていたので、そういう面も含めて、そこは起業に背中を押してくれたんですね。

例えば、僕、埼玉県に住んでいるので、朝、「いってらっしゃい」なんて出ると、みんなスーツで歩いているわけです。僕こんな格好ですよ、出勤。

(会場笑)

大丈夫か? みたいな。起業するまではちゃんとした格好していたので、駅までスーツで行って駅で着替えようかなぐらいのイメージな訳ですよね。

でも僕は、あえて見せることが重要だと思っていて、お父さん失敗するかもしれないけど、そういう世の中だし、別に失敗したからといって、一切社会的リスクを負うわけでもないと思ってるので。そういったことだけを見せてあげる。だから、具体的な道標は示さないっていうのが考え方ですね。

小野:面白い回答でしたね。

どこで仕事をするかも含めて戦略

小野:もう1人ぐらい。たくさん挙がりましたね、いいですね。自分が1番聞いてもらいたいっていう人は立ち上がってみましょうか。最初立ち上がった人にあてようかな。1番最初に立ち上がりましたね、いいですね前のめり(笑)。

質問者:うちの会社からもスタートアップした人いるんですけど、地元の浜松で立ち上げた人もいれば、サンフランシスコに渡って立ち上げた人もいるんです。これからスタートアップにおいて、拠点っていうのがどういった意味を持つのかということをお伺いしたいです。

小野:スタートアップの拠点の意味、これは面白いですね。どうですか? 前田さんあたり。

前田悠太氏(以下、前田):何をやるかによるという、それすらも戦略だと思います。仮に、インターネットビジネスとなっちゃうと、確かにクラウドワークスさんみたいな業態もあったりして、非常に便利なので、実質的に場所を選ばずにできるっていう前提はあるものの、やっぱり顔を合わせる意味がある。

チーム構成、チームビルディングにおいて、そういう部分もあったりします。そのインターネットのビジネスで何を立ち上げるかにもよって、また種類が変わってくる。我々のゲームでいうと、さっき言ったとおり文化なので、どこのマーケットに出しに行くかとか、何をつくるかということによって、その拠点の考え方も変わってくるんです。

逆に何かやりたいこととかあるんですか? その質問の裏側として。こういうことをやりたいから拠点に迷っているとかっていう裏側があるんですかね?

質問者:今は特にないんですけど。

前田:なぜ聞いたの(笑)。

質問者:環境……例えば日本でやることの投資のバックグラウンドだったり、アメリカでやることとの違いというか、今どういうふうにあって、この先変わっていく傾向があるのかなっていうのが気になっています。

前田:もうちょっと漠とした起業環境の話かな? で言うと、私がオススメするのは日本ですね、日本人にとっては。コミュニケーションコストが全然違いますし、さっき言った文化の違いもものすごく大きいですし。

あと日本は国も新しい産業をつくっていかないと次が無いので、どんどんリスクマネーが増えていくという傾向に基本的にはあると思うんですよね。という流れなので、地の利を生かすためにも、日本をオススメするというのが私からの回答です。

インプットのためだったら留学しろ

小野:吉田さんなんかありますか?

吉田:100%日本だと思いますよ。だって、サンフランシスコ行ったら外国人ですよ。シリコンバレーの「Yo」みたいな投資を受けられると思います? という話です。現実はそうだってことです。そういう現実をわかった上で、アメリカでやりますと言うのであれば全然いいと思いますけど。

やっぱりゼロイチをつくる時っていうのは、ベースは社会環境が自分の肌感としてすごいわかっているというか、あるいはチームとして自分の想像がつく相手。

グローバルにいって、まぁ留学とか駐在の経験があれば別ですけど……私とかでいうと留学とか駐在経験とか無くて日本が長いので、日本人のことだったらある程度想像つくけれど、アメリカ人といきなり面談してもわかんないわけですよ。

起業って、別にインプットのためにするわけじゃないんで、アウトプットのためにするし、投資をする人がいたとしたら、その人に貢献するために、還元するためにやるわけです。

だから、学びの場だったら、留学しろという話で。体験のために海外に行くというのは全くオススメしないですけど、本当にシリコンバレーの人たちと戦って、あそこのインナーサークルでPayPal出身の人たちがPayPalマフィアっていうエコシステムをつくっていて、そこに対してアメリカ人でも入れないのに、さらに日本人がぽっと行って入れるわけないですよ。

なんだけど、例えば、太郎(福山太郎氏)みたいに入れる人もいる。AnyPerkってY Combinatorを唯一とった日本人として気を吐いてますね。彼ともコミュニケーションしますけど、ああいうのはやっぱ大変ですよね。色んなことでビハインドを抱えてスタートなんですよ。

英語もできない、アメリカのコミュニティの働きかけもわかんない、マネジメント方法もわかんない。起業でわかんないのに、さらにそれに輪をかけてハンディを背負うわけですね。そういう意味では日本でやることって妥当だし。