2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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佐々木氏:これからのNewsPicksについてお話します。これまでは主にプラットフォームでした。これからもプラットフォームを強化するものの、新たに力を入れるのはコンテンツと広告です。私からはこのうち、コンテンツについてお話します。
私がNewsPicksに移ったことを朝日に報じられて、「なんで移ったの?」と50回位聞かれました。その答えは、今がメディア界にとって100年に1度の変化を迎えているからです。その中でいちばんおもしろい、大暴れできる場所がNewsPicksだと思いました。
なぜいま100年に一度の変化が起きているのか? 主に3つあります。デジタル、ソーシャル、モバイルです。この3つが同時に起きている。これが変化の要因です。そして、過去の歴史を見た時に、ひとつのことがいえる。新たなテクノロジーが生まれたときには、必ずあらたなメディアが生まれるということです。
アメリカと日本のメディアの歴史から説明しましょう。
アメリカでいま最大のメディアはタイムですが、これが生まれた1922年は、カラー印刷機が普及した時で、これがタイムの発展を後押ししました。次はCBS。この時期にはラジオが生まれています。1971年、viacom。この時にはケーブルテレビが生まれています。そしてbuzzfeed。これはソーシャルメディアの普及、スマホの普及が背景にある。
日本を見た場合、最古の新聞である毎日新聞は、大量の印刷技術が発達した際に生まれた。文藝春秋は、写植技術、カラー印刷技術が発達したとき。戦後、放送技術が導入されて、NHK、そして初の民放である日テレが生まれました。1996年には、ネットの発達でヤフーが生まれています。
さて、スマホなど新たな革命が起きていますが、日本においては新時代のメディアがまだ生まれていない。3−5年以内に、新しいこれからの代表的なメディアがどこになるのかが決まります。いい意味での戦いがこれから盛り上がっていくでしょう。
この新たな時代の競争において大事なことが3つ。
スマホファースト、ユーザーファースト、そしてコンテンツファーストであること。スマホ、ユーザーは自明でしょう。我々はコンテンツファーストに力を入れていきたい。現在、我々をキュレーションメディアのひとつとして、グノシーさんやスマニューさんと比べてもらっていますが、特徴として違う部分があります。
これが私のキュレーションメディアのマッピング。アルゴリズムか人かという軸と、マスか専門かという2軸です。
スマニュー、グノシーはアルゴリズムのメディア。元ハフィントン・ポスト編集長の松浦さんが新たに入ったので、今後は人を組み合わせていくのかもしれませんが。
ヤフーはマスであり、人も使っている。Antennaは、アルゴリズムに加えて人の力も活かし、専門性の高いものをつくっている。我々は、経済情報に重きをおき、かつ人、記者やデザイナーなど、人の能力を組み合わせてつくっている。
今後、編集部を発足してやりたいこと、それは今までのプラットフォームに人の力を加え、世界最先端の経済メディアをつくることです。
実際にどういうものをつくるか? 5種類にわけて説明します。
ひとつめ、連載。イノベーションや未来をテーマにした連載を展開します。ジャーナリズムの役割として、権力監視や批判は大事だけど、将来のビジョンや解決策、モデルをちゃんと提案するようなメディアにしたいと思っています。
たとえば、「2020年のメディア未来地図」「テレビのイノベーション」「グローバルタレントに会いに行く」。イノベーションって言い過ぎですが(笑)、しつこぐらいイノベーションでいきたい。
2つめ、インフォグラフィックス。経済メディアはとっつきにくい。それをビジュアルを使ってより楽しくわかりやすいものにつくりあげていく。「ネット四天王のすべて」ということで、Googleなど4社の人事戦略などを、スライド20枚で簡単にまとめてみたり。これらはPCではなくSPでいちばんみやすい画面でつくっていきます。インフォグラフィックスの専門家に来てもらって、大量につくっていく予定です。
3つめ、pickerさんとのコラボ。NewsPicksの価値のひとつは、優秀なピッカーの方々。彼らの出した情報、NewsPicks内で盛り上がった話題を取り上げていく。来週展開するのは、堀江さんと楠さんとの間で、経営学が必要なのか? というような意見が堀江さんからあったが、その意見に対する反論を楠先生にしてもらいます。
より深く、双方向的な議論を、編集部が介入することによって荒れないように展開していく。ピッカーズアイ、ピッカーズコンサルティング、などのコーナーも設ける。
4つ目は、アスピーダ。アナリストとのコラボです。スピーダ社内の20名のアナリスト、社外のアナリストと協力して、最新の企業分析などを展開していきます。
5つめ、グローバルキュレーション。世界中からおもしろいメディアを発掘し、そのコンテンツを提供していく。まずニューヨーク・タイムズとの連携。中国大手メディアとの連携を進めていきます。今も複数のメディアと交渉中です。
さて、コンテンツだけじゃなく、我々が果たしたいのは、イノベーションとしてのハブになることです。異なる分野、企業、人々を結びつけて、新しいイノベーションを起こしていきます。
異なる分野の人々を繋げる。大企業とスタートアップ、デザインとビジネス、テクノロジーとスポーツ、そういった組み合わせを提案していきます。
そしてメディアとのコラボレーション。我々がコンテンツをつくりはじめるといったときに、彼らの敵になるのではないかと言われたのですが、そういった意志はあまりありません。
それよりも、いい意味で我々をモルモット、実験台として使って欲しい。いっしょに新たなチャレンジをしていきたい。たとえば、講談社さんのクーリエ、デジタルメディアとコラボしていく予定です。また、毎日新聞の国際分野に強い記者に寄稿してもらったり、フジテレビジの番組とのコラボ、TBSラジオでのニュース解説など。
そうして取得したマーケティング情報を、我々が独り占めするのではなく、シェアしていく。拡散データやコメントデータ、滞在データなどをコンテンツパートナーに提供していくつもりです。
私からのコンテンツについての話はここで終わりです。ありがとうございました。
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