2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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梅田優祐氏(以下、梅田):皆さんこんにちは。ユーザベースの共同代表をしております梅田と申します、
本日はですね、こんなに多くの方々にお集まりいただきまして本当にうれしく思っております。本来ですね、本日皆様のお手元にあります資料の新しい機能、新しいコンテンツがですね、皆様に届く予定だったんですが、iPhone6のリリースと重なってしまいまして、いまだにAppleから承認がおりていない状況であります。
(会場笑)
おそらくもうすぐ承認がおりるはずですので、もしイベント中にでも承認がおりましたら、私から皆さんにお伝えさせていただきます。遅くてもですね、来週の月曜日には出るかと思いますので、我々の方から連絡させていただきます。
私の方からはですね、ユーザベースのご紹介と、NewsPicksの今について話をさせていただきます。まず、ユーザベースは2008年に誕生した会社であります。私と共同代表の新野、もう1人稲垣の3人ではじめた会社であります。私と新野は当時、投資銀行に勤めておりました。
毎日大量の財務データ・統計データ、いわゆるビジネス情報を集めて加工し資料をつくるということをやっておりました。私もそうなんですが、特に相方の新野がですね、ひどい生活をおくっておりまして、この中にも「投資銀行残酷日記」というブログを読んだ方がいらっしゃるかもしれなんですが、まさにその主人公のような生活を新野は送っておりました。
その生活を客観的に見ると、ほとんどが情報の海に埋もれている、そのようなところに時間が費やされていました。BtoCの領域、一般のユーザー向けの情報においてはGoogleという非常にかっこいいプラットフォームができて、世界を獲りましたよね。
にもかかわらず、なぜかビジネスの世界、仕事で使う情報収集になった瞬間に、いまだに非近代的な非合理な世界が残ってしまっている。僕はその世界を変えたいと思っている。非合理を解決したいという想いをもって、2008年にユーザベースを設立しました。
そのときに我々が掲げたビジョンは、「世界一の経済メディアを作り上げよう」というところにあります。当時はですね、世界一の経済情報プラットフォームという言い方をしていたんですが、世界中のビジネスパーソンの意思決定を支える、そんなメディアを作り上げたいと思ってはじめました。
そして、2009年にリリースしたのがSPEEDAでございます。会社を2008年にはじめてから、2009年のリリースまでまるまる1年かかりました。最初は日本の上場企業のデータがとれるだけの本当にシンプルなサービスでした。
そこから、少しずつコンテンツや機能を追加していくことによって、今では約500社の金融機関様、企業様に使っていただいていることになります。そこから、SPEEDAは今、世界に挑戦しております。
本来ここに来て、皆様にごあいさつすべき新野は今シンガポールにいます。シンガポールに移住して、NewsPicks 、SPEEDAを世界に展開させていくと。我々が掲げた世界一の経済メディアになるための第1歩をシンガポールで陣頭指揮とってやっています。
それと合わせて我々ユーザベースにとって大きなチャレンジが、本日話をさせていただきます、経済ニュース領域への挑戦になります。このNewsPicksを作るときもですね、SPEEDAを作ったときとまったく同じように、まず自分だったらどんなサービスが欲しいかということを徹底的に考えました。
そのときに思いついたのが、興味のあるニュースに出会いたいという「発見の欲求」、経済の専門的な情報をしっかり理解したいという「理解の欲求」、この2つを満たすサービスがニュースの領域に求められているんではないかと考え、サービスを設計していきました。
逆に、「発見の欲求」と「理解の欲求」が満たされているときって、どういうときなのかをチームとディスカッションして、1つのシーンが思い浮かびました。
私自身が投資銀行やっていたときも、ニュースが起こったそのものに対しても興味がわくんですけど、ニュースに対して驚いたり、反応を示したり、なかにはニュースを解説したりする人も出てくる、そのようなニュースとともに起こる周りの反応ですよね、これを組み合わせることが理解の欲求と発見の欲求を満たすものになるんじゃないかと思ったんです。
じゃあ、どうすればメディアで表現できるかということで、作ったのがNewsPicksになります。このメディアを最初はじめるうえで2つの課題がありました。
ひとつは、NewsPicksはユーザーのニーズを満たすためには、すべての経済に関わるニュースを掲載する必要があったんですが、NewsPicksにニュースコンテンツを提供していただけるのか? というところ。これは我々もやってみなければわからないというところからスタートしました。
それが今では60社以上のメディアパートナーさんと提携していただき、コンテンツをご提供いただいています。当時なにも実績のなかった我々に対して、ニュースコンテンツを提供していただけたことをこの場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
もうひとつがですね、ニュースに対してコメントがつかないといけないというのが大きな課題としてありました。1度コメントがつけば、そのコメントに対して合わせてコメントを返していけばエンジンが回りだすと思っていたんですけど、最初のエンジンを回す起点をどうすれば作ることができるのか。そこが大きな課題でした。
我々はこの人のコメントを読みたいという方々に、まだ誰もNewsPicksを読んでいない頃からお願いをして、皆さんに無理やりコメントを送っていただきました。
ここに掲載しきれない方々にコメントをいただき、すべてを紹介できないことが大変心苦しいですが、その方々に今のNewsPicksの世界観、文化を作っていただきました。
そのような形で、NewsPicksが発足してから1年が経ち、1年が経ったNewsPicksの現状について私からお話をさせていただきます。
まず、NewsPicksのダウンロード数になりますが、現在21万ダウンロードになります。この21万ダウンロードという数字を見て、「たった21万?」と思われる方もいると思います。
そうなんです、たった21万なんです。ただNewsPicksは、非常に世界観の重要なサービスだと思っています。我々は急速な拡大というのは、サービスにとって必ずしも良いものではないと思っています。
しっかりと世界観を作っていくこと、しっかりと拡大していくこと。自分たちのペースでNewsPicksを成長させていきたいと思っています。
そして、やっているなかでNewsPicksの4つの特徴というものが出てきました。今からその4つについてお話しさせていただきます。
1つめは、使っていただいているユーザーが非常にターゲティングされているということです。20代から40代のビジネスパーソン。若いんだけど意思決定に関わる層にいらっしゃる方々に読んでいただいているというのはユーザー層として特徴的なところです。
2つめの特徴は、NewsPicksに費やしていただいている時間が非常に長い。一般的なユーザーで1日で11分も使っていただいています。PICKしていただいているユーザー……コメント等を書いていただけてる方々ですね、この方々は1日平均40分をNewsPicksに使っていただいています。これは一般的なアプリ比べても非常に長い時間使っていただいていることになります。
3つめの特徴は、情報の拡散の起点になっていることです。NewsPicksでひとつの記事をワンクリックすると、そのワンクリックがNewsPicks のなかで500インプレッションいきます。
Facebookとtwitterに連携してますと、Facebookで600インプレッション、twitterではリツイートも含めて2000インプレッションいきます。ワンクリックがこれだけの波及効果を生むのもNewsPicksの特徴になります。
そして、最後にですね、我々も当初は想像していなかった価値が生まれているということもNewsPicksの特徴になります。
例えば、先月ZOZOTOWNさんが送料全品無料サービスを廃止しますというニュースがありました
そこに対して当の本人の前澤さんが、「今回の発言に対してメディアさんからいくつか質問をいただいておりますので、NewsPicksの場を借りてお答えします。僕のTwitterでのお恥ずかしい失態と、会社としての送料に関わる経営戦略は今も2年前も一切関係ありませんので、よろしくお願いします」という形で、自らニュースに対してコメントをあげるという、今までにない価値が生まれています。
それだけではありません。先日ロイターさんがdocomoの個人情報流失の疑いという記事を出しました。そこに対して、この記事を書いた記者が、その記事の背景であったり、ある意味で続報に近い内容をNewsPicksのコメント欄を通して書いていただいている。これも当初、我々が想定していなかった使い方になります。
NewsPicksというものが新たな情報価値を生み出しはじめているというところが、ここ1年で出てきたNewsPicksの大きな特徴になります。
私からは、今のNewsPicksの現状について、お話しをさせていただきました。
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