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リモートが長期化する中で、労務はどうあるべきか? サイボウズのテレワークの裏側を労務担当者が徹底解説(全2記事)

2021.02.04

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労務担当でも92パーセントが在宅勤務 サイボウズ人事労務部に聞く“業務ハック”

提供:サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社が開発するツールの活用事例や、チームビルディングのノウハウなどを紹介する総合イベント「Cybozu Days 2020」が、東京、大阪(※オンラインのみ)の2会場で開催されました。2020年のテーマは「エゴ&ピース」。果たして“我慢しない”と”チームワーク”の両立は可能なのか。両会場にて、我慢しない働き方を考えるさまざまなセッションが行われました。本記事では、社員のテレワーク環境を支える労務担当の働き方や、押印問題にどのように対応したかをご紹介します。

サイボウズ社員の「エゴ&ピースな働き方」

深澤修一郎氏(以下、深澤):みなさんこんにちは。本日はCybozu Days 2020にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

本セッションは「リモートが長期化する中で、労務はどうあるべきか? サイボウズのテレワークの裏側を労務担当者が徹底解説」になります。サイボウズの人事労務部は、現在テレワークで業務を行っておりますので、その業務内容を中心にご紹介していきます。

そして、本セッションは2名体制で進めさせていただければと思っております。モデレータはサイボウズ深澤が担当いたします。

簡単に自己紹介いたします。私はビジネスマーケティング本部に所属しており、その中で、テレワーク関連のコンテンツ制作を担当しております。本日はよろしくお願いします。

(会場拍手)

深澤:本日はもう1名、サイボウズ人事労務部の野間さんにお越しいただいております。それでは自己紹介をお願いいたします。

野間美賀子氏(以下、野間):人事本部人事労務部の野間と申します。2016年に新卒で入社して、人事労務部に5年間所属しております。今日はよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

深澤:ちなみに今回のCybozu Daysのテーマは「エゴ&ピース」ですが、野間さんの中でこのテーマにまつわるエピソードはありますか?

野間:そうですね。「エゴ&ピース」で頭に思い浮かんだのは、働き方についてですかね。こちらにお出ししたのが、今の私の働き方になります。

私は大学時代から広島東洋カープの試合を見に行くのが好きで、神宮球場や東京ドームに行くのですが、その日はいつもより勤務開始を早めます。8時から業務を開始して、プレイボールに間に合うように17時に退社するという、エゴ&ピースな働き方を実現させていただいています。

深澤:カープ戦の時は17時に退社をしているのですね。確かにファンであればプレイボールの時間から応援したいですよね。

ちなみにサイボウズでは「働き方宣言」という制度がありまして。野間さんのように、サイボウズ社員全員がどのような場所で何時から働くのかを宣言しています。

もちろん私自身も宣言をしております。今年は特にコロナウイルスの影響がございまして、在宅テレワークをメインに働く社員が増えている状況になっております。

サイボウズでは87パーセントの社員が在宅勤務

深澤:ではさっそく本題に入っていきたいのですが、もう少しだけサイボウズの現状を知っていただきたいなと思います。簡単にサイボウズの働き方に関するクイズを2問ほどご用意しておりますので、ぜひお付き合いいただければと思っております。

まずこちらをご覧ください。87パーセントという割合はサイボウズの働き方にまつわる数字なんですが、何のパーセンテージでしょうか。みなさん、考えてみていただければと思います。

こちらの数字に対する答えは、サイボウズ社員の在宅勤務の割合です。これは2020年9月時点の割合になっておりまして、自由に出社形態を選べる状況下において、87パーセントという数字を記録しています。

では続いて2問目です。先ほどの87パーセントという数値の中で、“サイボウズ人事労務部の在宅勤務の割合”は何パーセントなのか?

こちらは3択の用意をしてきました。会場のみなさまには、挙手でお答えいただければと思います。では、54パーセントだと思う方はどれくらいでしょうか?

(会場挙手)

深澤:ありがとうございます。では、75パーセントだと思う方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

深澤:おぉ、半分ぐらいですかね。ありがとうございます。では、92パーセントだと思う方?

(会場挙手)

全社員平均よりも高い、人事労務部の在宅勤務率

深澤:ありがとうございます。僕らは75パーセントが一番多いかなと思ったんですけど、会場では92パーセントが最も多く挙手がありましたね。

ということで、正解は92パーセントになります。実はサイボウズの全社員の平均よりも、人事労務部のほうが在宅勤務をしているという数値になっていました。

一般的に人事労務部の方は、出社しないと仕事ができないと思われがちですが、全社員の平均よりも在宅勤務ができているという結果になりました。ということで、サイボウズが今どういう状態にあるかをお伝えさせていただきました。

では本題に入っていきたいと思います。まず、テレワークの長期化で気になるポイントを5つ用意いたしました。今回はそのポイントについて、野間さんに詳しく聞いていこうと思います。

まず、サイボウズの人事労務はどんな内容の仕事をしているのかについて、野間さんに教えていただきたいと思います。お願いできますでしょうか?

野間:一般的なところも多いのですが、労務の分野ですと「給与」や「社会保険の手続き」、あとは「健康面に関する手続き」ですね。衛生委員会を開催したり、健康診断やストレスチェックの対応をしています。

その他、サイボウズらしいところで言いますと、先ほどの働き方宣言制度の策定から運用までを担当していたり、容認している社員の複業について対応しております。そういった制度の整備や、必要な手続きを担当しているのが、我々の部署の業務です。

サイボウズでは内線電話の利用は一切なし

深澤:ありがとうございます。では、このような業務をサイボウズの人事労務部が行っていることを念頭に置いた上で、先ほどの5つの気になるポイントを詳しく聞きたいと思います。

まず1つ目は基本的なところからですが、リモートでの電話対応はどのように行っているんでしょうか?

野間:まず社内の電話についてですが、実はサイボウズはグループウェアを利用したオンラインでのやり取りや、テレビ会議を通じたコミュニケーションが活発で、内線の利用は一切ないことが特徴的かなと思います。

深澤:そうですね。確かにグループウェアやテレビ会議を使ってコミュニケーションをしていますので、そもそも電話を置いてないということですよね。ではそんな中で、外から着信する電話には、どんなかたちで対応いただいているでしょうか?

野間:代表電話はたくさん受け付けているのですが、今年に入って情報システム部ががんばってくれまして、電話システムをリプレイスしています。

そのおかげで、今はオフィスにいても自宅にいても、スマートフォンやPCがあれば電話を受けられる体制になっております。主に総務部のメンバーが、自宅やオフィスで対応にあたっています。

そこで受けた電話を、担当者に取り次ぐこともあるのですが、サイボウズでは紙のメモや付箋を一切使っておりません。グループウェアにある電話メモという機能で、「誰からいつどんな要件が来ました」という共有をしてきましたので、そこも併せてスムーズに移行できたと思っています。

深澤:ありがとうございます。携帯電話で受電できる仕組みを持っていたので、在宅でも電話を受け取れるわけですね。他部署に対してはオンラインで内容の共有を行っているんですね。

野間:その通りです。

リモートワーク中の押印業務問題にどう対応したか?

深澤:ありがとうございます。では続いての質問に移ります。この質問は関心が高い方もいらっしゃるかと思うのですが、押印の業務についてです。サイボウズの人事労務部では、この押印についてどう対応しているのか、教えていただけますでしょうか?

野間:まず押印が必要な書類について、心当たりがあるものを並べてみました。社会保険関連や、保育園の申し込みに必要な就労証明書、あとはサイボウズの(採用)候補者の方にお渡しするオファーレター等があると思います。

深澤:確かにさまざまな書類がありますよね。より深く聞いていくために、「社内の書類」と「社外の書類」に分けてお話を伺っていきたいと思うのですが、まず押印が必要な社内の書類はどのようなものでしょうか?

野間:サイボウズでは長年ペーパーレスに取り組んでおりまして、社内向けの書類で押印が必要なものは、年初の段階ではほとんどない状態でした。

ペーパーレス化の仕組みについては、今お出ししている例が3つあるんですが、左上が通勤交通費の申請ですね。

交通費や出張費に対する申請、予算を使う際の事前申請。こういった書類は、すべてkintoneという電子サービスの中で行っていたので、上長にハンコをもらいに行くことはありませんでした。

深澤:私も新卒でサイボウズに入社しましたが、社内の文書に対してハンコを使った記憶がほぼないですね。ちなみに人事労務部には、ハンコを押さなければいけない業務は何かあったんでしょうか?

野間:そこに対してはまだまだありまして。例えば雇用契約書ですね。入社日に締結している書類なんですけど、これは今年の3月まで紙とExcelで作ったものをご用意しておりました。会社と個人がお互いに署名や捺印をして保管しています。ただ、現状はkintoneという仕組みを使って、雇用契約書も電子化しています。

雇用契約書を電子化するアプリは人事労務部が作成

深澤:今回は雇用契約書の電子化についても、詳しくご紹介いただけると聞いていますが、お願いできますか?

野間:そうですね。実際に見てもらうのが早いと思いますので、ご紹介したいと思います。動画を準備したので、再生いただけますか?

深澤:はい、それでは再生します。

(動画再生)

野間:現状は、こういった画面で雇用契約書の締結を進めています。設定画面は、例えば日付の情報をドラック&ドロップで持ってきて、契約日を入力するための項目にすることが簡単にできたり、既存の項目でも簡単に選択肢を増やせるようになっています。

このアプリの設定を更新すると、入力フォームにも即時反映されますので、反映された画面で雇用契約書の内容を完成させます。最後に、入社の方はボタンを押すことで、いつ合意したのかという履歴を簡単に残せるようになっています。そして、この画面は印刷用に整えていますので、書面での通知を希望する人には書面でも交付できるようにしています。

深澤:ありがとうございます。このシステムは、情報システム部に依頼して作ったのでしょうか?

野間:いえ、私たち人事労務部のメンバーで作っていったものになっています。

どうしても押印が必要なものは、週に一度「押印の日」に対応

深澤:そうなんですね。では、社外の書類についても教えていただければと思います。やはり相手の都合もあるので、どうしても難しい点があるかなと思うんですが、どのように対応を進めているのでしょうか?

野間:まず1つ目はいわゆるオファーレターです。(採用)候補者の方にお送りする採用通知書ですが、以前はサイボウズの代表印を押印してから(採用)候補者にお渡ししていました。

しかし、コロナの状況になった中で法務のメンバーとも相談をして、「そもそも押印の必要性って何だったっけ?」というところから問い直しました。そしてサイボウズでは、オファーレターへの代表印の押印を廃止した経緯があります。

深澤:なるほど。よくよく考えると、ハンコは必ずしも押さなくてよかったと。

野間:そうなんです。法的効力などは関係なかったですね。

深澤:他にも電子契約にも利用されているということですよね。

野間:その通りです。相手があるものですので、もちろん相手の状況もお伺いした上で、先方から「OKです」と言ってくださった場合は、電子契約に移行した契約も多くあります。

社内での押印申請についてもkintoneを利用しているのですが、自動連携で電子契約のサービスがつながっています。法務のメンバーやシステムを担当しているメンバーが構築してくれた仕組みになっています。

深澤:確かにお互いが合意をしていて、法的に問題なければ電子の契約でも問題ないということですよね。電子契約に移行できるところは移行し、どうしても対応が難しいところは、1週間に一度出社して対応しているということですよね。

野間:その通りです。押印が不要な書類も増えてきている状況ですが、押印が必要なものもまだまだあるのが実情です。特に、社会保険関連は遅れてしまうと、従業員のみなさんにご迷惑をおかけしてしまうので、そういったものは1週間に一度法務部が押印の日を設けてくれているので、人事労務部でも1週間分をまとめて対応する体制を取っています。

深澤:毎日出社するのではなく、出社する日を抑えているわけですね。では押印の部分について簡単にまとめると、ポイントは2点あったと思っています。

まず社内の押印業務についてはどんどん電子化をしていくと。テレワークをする上で、ここは必須かなと思うところです。

2つ目は、どうしても押印しなければいけない場合と、オンラインでOKな場合を切り分けて対応されているところかなと思っております。採用通知書や雇用契約書も、電子化に切り替えたお話がありました。もちろん押印が必要な業務は残っていますが、可能な限り両立できる体制を整えているのかなと感じました。

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