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CFO・監査役というキャリアを考える(全2記事)

2019.01.24

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なぜスタートアップに転職したのか? GMOペパボ×SmartHR×ワンメディアのCFO・執行役員たちとキャリアについて考える

提供:株式会社WARC

2018年12月15日、会計士・税理士・経営企画で働く方向けに、これからのキャリアを考える「WARC Career Night」が開催されました。スタートアップのCFO(最高財務責任者)・執行役員として最前線に立って働く、GMOペパポ五十島啓人氏、SmartHR玉木諒氏、ワンメディア時田知典氏らが登壇。現在のキャリアを志したきっかけや事業会社の経営陣として働く醍醐味などを明かしました。

CFO・監査役のキャリアについて考える

石倉壱彦氏(以下、石倉):こんにちは。今日はお休みのなか、お忙しいなかお越しいただき、ありがとうございます。今日はSNSを中心に応募をかけたら、おもしろい経歴の方々にご参加していただいて、大変うれしいかぎりです。

今日は、経験が豊富な3名に来ていただいて、会計士・税理士・企業の経営企画などで働く方々が、これからのキャリアを考えるきっかけとなるようなセミナーにしていきたいと思います。あえて狭いスペースにしたので、みなさんに話していただきながらフランクに質問していただけるようなカジュアルな会にできればと思っています。

WARCの創業者の石倉と申します。よろしくお願いいたします。スピーカーとして、GMOペパボの常務取締役CFOの五十島さん、ワンメディアの執行役員の時田さん、SmartHRのCFOの玉木さんに来ていただいております。よろしくお願いいたします。

一同:よろしくお願いします。

石倉:まず、最初に今日お借りしている会場「WA creative share office」の説明です。2018年9月にオープンしたシェアリングオフィスなんですが、「日本のクリエイティビティを、日本で一番引き出す空間へ」というテーマで作られたクリエイティブオフィスです。

「和っぽい空間のなかで、みんなで輪でつながって、みんなで話をして、みんなが驚く『WA!』としたものを作りましょう」というコンセプトで、「都市の喧騒とは一線を引いた和のモダン空間を」が特徴です。みなさん、ぜひ機会があればご利用ください。

私は、2005年にKPMGあずさ監査法人に入所して、国際部に所属していました。主にいわゆる大手企業、SEC(証券取引委員会)に上場しているような企業を含む、会社の法定監査、金商法の監査、会社法の監査やアドバイザリー業務などをやっていました。

7年間ぐらいKPMGに所属しまして、2012年に独立というかたちで、スタートアップやベンチャー企業のコンサルティング支援をさせていただきました。サイバーエージェントさんがソーシャルゲーム事業を立ち上げるタイミングから関わらせてもらい、僕も事業と共に短期間でガッと成長する経験をさせてもらいました。

それを経て、よりスタートアップの会社に行きたいと思い、株式会社アカツキにジョインし、経営管理部長としてコーポレート部門の立上げやファイナンス業務に携わり、その後、監査役に就任しました。

それ以外にも、個人的に多くのスタートアップやベンチャーの支援をしたかったので、アップランドや3ミニッツという会社の役員を経験しました。2016年からは3ミニッツの取締役CFOに就任し、集中してコミットして、事業を立ち上げさせていただきまして。今年の6月、退任しました。

現在は「やりたいことは全てやろう」と思い、アカツキでHeart Driven Fundを立ち上げまして、執行役員として投資や新規事業の立上をやっています。また、このWARCという会社を立ち上げ、スタートアップ支援や複数の会社で社外役員や監査役をやったり、個人的にも投資などをしています。

図で簡単に説明すると、もともとKPMGで、大手の監査法人から独立して、サイバーエージェントなどで新規領域のビジネスをいろいろやりました。その後、スタートアップのアカツキでファイナンスやIPOの経験をしました。

3ミニッツには、ほぼ創業というか起業みたいなかたちで関わりました。本当にゼロから起業して、事業を立ち上げて。3ミニッツはその後にグリーにM&Aされたんですけど、そこで大きい会社とスタートアップを融合させるという意味でいわゆるPMIを経験しました。

その後は、「経営・ファイナンス・事業」という観点からいままでの経験を活かし、「好きなことを全部やろう」と 思って、色んなことをやらせていただいております。

WARCのミッションは「想いをカタチにできる世の中を創る」

石倉:WARCは、創業が2017年なんですけど、本格的に事業を始めたのが2018年10月頃からです。コンサルティングサービス、M&Aのアドバイザリーサービス、タレントエージェンシー、投資の事業をやっています。また、HR Techのプロダクトも開発しています。

こういったベンチャー支援の会社やコンサルティング会社はたくさんあると思いますが、他のコンサルティング会社の「経営者を支援する」ということよりも、我々は自分たちのミッションである「想いをカタチにできる世の中を創る」ということを大事に、事業展開をしています。

昔よりはスタートアップや起業がだいぶ一般的になってきたし、若い起業家もどんどん生まれてきているんですけど、アメリカや中国などを含めると日本の環境はまだまだチャンスがあるし、まだまだ起業する人が少ないと我々は思っています。

私や創業者の山本(彰彦)は、どちらかというと監査法人からスタートアップの会社に行き、会社が上場したり、短期間で成長したりといった経験があり、今後よりチャレンジングな環境を作っていきたいと思っていました。

起業は、やはり創業者や起業家の想いがあって、それをもとに事業が始まります。チャレンジする人がどんどん増えるんですが、人が集まらなかったり、資金面や組織体制が整わなかったり、管理面でなかなか成長できないことなどの問題が生まれてきます。

周囲からの大きな期待とともに立ち上がった会社でも、経営者を支える人材のリソースがないために、成長スピードが遅くなっていた事例を我々はたくさん見てきました。WARCはそういうことをなくし、いろいろな人がやりたいと思った事業により挑戦できて、より成長することができるような世の中を創るというミッションのもと、立ち上げた会社です。

WARCで展開する4つの事業を説明すると、タレントエージェンシー事業は会社が成長するのに重要な「人」の支援を行い、投資事業は必要な金銭面の支援を行います。

コンサルティングサービス事業やM&Aアドバイザリーサービス事業は、あくまでも手段なんですけど、そこでナレッジや、しっかりと支えていける人材を抱えて、全力でそういうスタートアップやベンチャー、ないしは次のイノベーションを支えていきます。これらの事業を通して自分たちの経験を活かして支援して多くの起業家の想いを実現させていきたいと思っています。

以上が私の自己紹介で、次は登壇者の自己紹介をさせていただけたらなと思います。

GMOペパボのCFOが担当している範囲

石倉:まずは五十島さん、よろしいでしょうか?

五十島啓人氏(以下、五十島):こんにちは。

会場:こんにちは。

五十島:GMOペパボの常務取締役CFOで、HR統括部長を兼任しております五十島と申します。

新潟出身で、新卒で求人広告の営業をする会社に入りました。そこから会計士の試験にトライして、有限責任監査法人トーマツに入りました。その後に1社挟んで、GMOペパボにジョインしました。

実は、GMOペパボは2005年から予備調査で入っていたクライアントなんです。2012年に1回監査チームから外れていますので、独立性については問題ありません。その後、2014年に入社して、取締役に就任していまに至っています。

大きく経営戦略という、経営企画・IRなどの数字まわりの部分とHRが管掌範囲となっています。現職で取り組んだものでいくと、組織再編などです。あとは事業評価。私が入社したときに社内に16ぐらいサービスがあって、いまは11で、それぞれ入れ替わりがあるんですけど、そのへんの仕組みを整備しました。また、予算方針の策定や、HRまわりで、各種社内の仕組みを整えたりもしています。

当社のことをご存知ない方もいらっしゃると思うので、少しだけ説明をさせていただきますと、売上81億円、営業利益4億3,000万円が、2018年12月15日時点で開示している数字になっています(注:2018年12月17日に上方修正を行い営業利益は4億5,000万円)。私が入社したのは2014年で、売上のシフトが上がる、ちょうど端境期で入社したというところです。

当社は、「インターネットで可能性をつなげる、ひろげる」というミッションのもと、レンタルサーバー「ロリポップ!」といったホスティング事業を主軸に、オンラインショップ作成サービス「カラーミーショップ」やオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」などのEC支援、国内最大のハンドメイドマーケット「minne」といったハンドメイド事業など、インターネットを通じた自己表現を支援するサービスを提供しています。

ご存知の通り、現在、個人の方の経済活動は多岐に渡っています。平成22年以降の個人事業主納税者推移やクラウドワークスさんに登録されているクラウドワーカー数は右肩上がりとなっていて、今後も個人の経済活動は拡大していくと考えています。個人の経済活動に関して、我々の強みと成長戦略、当社の価値を支える仕組みを組み合わせながら運営するさまざまなサービスを通じて価値を提供していく会社です。よろしくお願いいたします。

石倉:よろしくお願いします。

(会場拍手)

SmartHR・CFO玉木氏のキャリア

石倉:次、玉木さん、よろしくお願いいたします。

玉木諒氏(以下、玉木):SmartHRの玉木と申します。よろしくお願いします。

簡単に私の経歴をお話すると、大学を1浪・2留して卒業したので、初めて社会人になったときが25歳ぐらいだったので、もしかしたらそのときの僕よりもお若い方々が、今日いらっしゃったりするのかなと思って、ドキドキしながらお話しています。

その後に、あらた監査法人に入りまして、そこで法定監査やリファードワークなどを、3.5年ぐらいやっていて。その次の転職先が会計事務所系のコンサルティング会社で国内中小企業の事業再生をやるところに1年ぐらいいました。

その後1年ぐらい、「フリーランス」と自己紹介には書いてあるんですけど、フラフラしていた時期があって。その次に入ったのがサムライインキュベートという、立ち上げ間もないシード期のベンチャー企業に投資して支援するところに、4.5年ぐらいいました。去年の10月、SmartHRに入社して、今年の1月からCFOに就任しています。

SmartHRはなにをやっている会社かというと、会計の分野だとfreeeさんやマネーフォワードさんみたいに、クラウドによって業務を効率化するためのソフトウェアがありますが、それの人事労務版だと認識いただければわかりやすいかなと思っています。

人事労務の分野は、いまだに紙やハンコなどの手書きが残るアナログな領域です。Excelなどを使っても労務管理に適しているとはいえません。そういうものを完全にクラウド上で管理して、役所への手続もネット上で行うサービスを提供しています。

その会社のなかで今、なにをやっているのか。1つはファイナンスです。まだ未上場のスタートアップなので、どうやって外部から資金調達するかだったり、それぞれの資本構成、資本政策をどうしていくか、あとは上場に向けてストックオプションをどう設計して運用するか、みたいなことをやっています。

もう1つは、「コーポレート業務」と書いたんですけど、いわゆる管理部みたいな、経理・人事・情報システム・法務など、事業を支えるうえでの会社のバックオフィスの体制作りをやっています。

併せて、そういう体制をどうやって構築していくかもそうですし、上場していくときにどういうエクイティストーリーにするかというようなIPO準備をしているのが、いまの私の業務の内容です。

石倉:ありがとうございます。よろしくお願いします。

(会場拍手)

監査法人を経て、ワンメディアへ

石倉:次、時田さん、よろしくお願いします。

時田知典氏(以下、時田):みなさん、こんにちは。よろしくお願いします。ワンメディア株式会社で執行役員をしています。1989年生まれです。2011年に公認会計士試験に合格しました。

僕は専門学校卒なんですけど、2011年が就職氷河期と言われていて、監査法人に入ろうと思っていたんですが、当時専門学校卒は監査法人に全然受からなかったです。「どうしようか」と悩んでいて、なんとなく「IPOというのに関わりたいな」と思っていました。

2012年にスターマイカ株式会社に就職しました。この会社は上場して2年目ぐらいの会社で、不動産をやっている会社なんですけど、まず就職した理由としては「上場した会社の経理を学びたい」「上場後の経理体制はどんな感じなのかな」ということを知りたくてスターマイカに入社しました。

2014年にあずさ監査法人に入っているんですけど、どういう経緯で入ったかというと、会計士に合格すると3年間補習所に通うんですが、補修所の先生に「いま監査法人は人が足りない」「(入社しては)どうか?」と言われました。2年前はどこも受け入れてくれなかったのに、手の平を返したかのように「どう?」という話をいただいて。

(会場笑)

会計士である以上一度は監査法人で経験をしてみたいと思い監査法人に転職しました。そこで3年ぐらい、監査法人で大企業の金商法監査をしていたんですけど、ずっと「僕、IPO監査やりたいです」みたいな話をしていて。

2016年の末にようやくアサインしてもらいました。そのクライアントの忘年会に呼ばれて、「翌年の1月から関与させていただきます」という話をクライアントの担当者としていたところ、1月にメインで担当しているクライアントの監査が長引いてしまい、忘年会だけ参加して結局関与しなかったということがありました。

「このままではIPOに関与できないかもしれない。ちゃんと将来IPOを経験するために、自分からベンチャーに飛び込こもう」と決意して、2017年に株式会社3ミニッツに転職しました。

ここはグリーにM&Aされている会社なんですけど、僕はM&A後に入社しました。3ミニッツに入社した理由は、今まで経理、監査を経験してきて、会社を実際にどう運営していくのか、予算作成や業務フローの構築を実際に経験したいと考え、石倉さんのもとでビシバシしごいていただいて、勉強させていただきました。

石倉:(笑)。

時田:その甲斐もあって、僕はいま経理と監査とベンチャー経営企画と管理部周りの業務を幅広く経験していて、それを明石社長に認めていただいたというか、「執行役員として管理部を任せていいですか?」というお話をいただきました。ジョインしたのは8月なので、まだ4ヶ月ぐらいしか経っていないですが、今までの経験が生きているなと感じています。

ワンメディアが手がけるコンテンツ

時田:ワンメディアを知っていますか?

ワンメディアは動画メディアを運営しています。動画メディアとして、FacebookやInstagramで自社で作成した動画を配信しています。収益源は広告主から広告費をもらいタイアップ動画を作成しています。

(スライド右側を指して)このベッキーさんの「twoFACE」という動画は、昔配信していたシリーズ動画ですが、ベッキーさんのデビュー20周年のタイミングでシリーズ復刻版として作成した動画です。「twoFACE」シリーズは有名人などの輝いている部分に隠された裏のエピソードをテーマにしていて。ベッキーさんは小さいころから華やかな芸能活動を歩んでいたものの、一時期世間から批判を受けてしまった。それを乗り越え、今は自分らしさを大事にして新しい道を歩んでいるという表と裏にフォーカスして動画で取り上げたものです。

みなさんはどういうときに動画を見ますか? 電車のなかで携帯をいじっている時に、Facebookなどで流れてきたものを見ることがあると思うんですが、電車の中などで視聴してもらえるようにテロップをいれていたり、動画の最初で興味をもってもらえるようにフックをしかけたりしています。「彼女が選んだ新しい生き方とは」と始まっているんですけど、これが最初のフックになっていて、視聴完了率が高い動画となるように制作を行っています。

(会場拍手)

石倉:ありがとうございます。

時田インスタ、ぜひフォローしてください。

(会場笑)

玉木:いまの主力はInstagramの動画なんですか?

時田:そうですね。「IGTV」という、Instagramの動画のサービスがあるんですが、そこで毎週動画配信をしているので、みなさんぜひ通勤のときなどにご覧ください。今日帰るときまでには、ぜひフォローしていってください。

(会場笑)

石倉:はい、ありがとうございます。では、以上、自己紹介をしていただいたということで、プレゼンテーションにうつりたいと思います。

登壇者3名の働く会社の共通点

石倉:我々のこういうイベントは3回目ぐらいなんですが、今回、3名の方に来ていただく際、「どういった方々に話してもらおうかな」みたいな、自分のなかでフワッと考えていたんですけど。

このお三方の共通点は、すべての会社がいま急成長で伸びている会社でして。そのなかで、五十島さんのGMOペパボは上場して、その後もさらに伸びている会社です。

SmartHRさんは、もともと3年前は違うビジネスやっていましたよね?

玉木:そうですね。SmartHRを始めてちょうど3年ぐらいですね。

石倉:僕はSmartHRの社長さんと、3年ぐらい前にちょうど知り合って、当初は今のSmartHRさんのサービスとまったく違うビジネスをしていたのですが、いきなり「労務分野に挑戦します」と聞いたときは「どうなるのかな」と思ったんですけど。

この3年間で飛躍的に成長して、いまではTVCMも放映しているし、ほとんどのスタートアップやベンチャーが使っているようなサービスになっています。

ワンメディアに関しては、まだまだ立ち上がったばかりの会社なのに非常に伸びていてこれからさらに大きな成長が期待されている会社ですよね。共通点としては、いろいろなフェーズではあるものの、急成長している会社なので、それぞれみなさんが抱えている問題などが良い面でも悪い面でもいろいろあるので、おもしろい話ができるのかなというところ。

一番の共通点が、各社の社長が個性がありすぎて(笑)。

(会場笑)

けっこう突き抜けている社長が多いというか(笑)。良い意味で個性的な起業家タイプの社長を支えているメンバーなので。そういった面でもおもしろい話が出てくると思うので、今日来ていただいた背景があります。

なぜベンチャーに転職したのか?

石倉:それを踏まえて、ありきたりなんですけど、まずはいままでのご自身のキャリアについて聞いてみたいです。みなさんの自己紹介にあったように、みなさんは会計士で、いわゆるプロフェッショナルファーム(監査法人)に所属して、そこから事業会社やベンチャー企業に転職していると思いますが、その理由やきっかけを話していただきたいです。

あと、キャリアを監査法人から事業会社に大きく振り切ったと思うんですけど、そのなかで考えていることや、大事にしていることなどを順番に説明していただけたらなと思います。

(会場に向かって)いま事業会社の人は、どれぐらいいらっしゃいます? 事業会社に所属している人。

(会場挙手)

石倉:半分ぐらいかな。監査法人やコンサルティングファームにいらっしゃる人は、どのぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

石倉:まあまあいますね。という前提でお願いします。

時田:ちなみに、会計士の資格を持っている方は、どのぐらいいらっしゃるんですか?

(会場挙手)

石倉:お、けっこういる。という前提でお願いします。

玉木:逆に会計・経理・財務に関わらないお仕事している方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ちなみに、どういうお仕事を……?

(会場笑)

参加者:人材紹介ですね。

玉木:なるほど。

石倉:ちなみに、登壇者の親族の方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

時田:ちょっと……(笑)。

石倉:ドッキリで、時田さんのお兄さんが来てらっしゃるんです(笑)。

時田:兄と、兄の嫁です。

(会場笑)

時田:さっきここでバッタリ会ったんですけど、「ここにオフィスがある」と嘘をついていて。

石倉:すごい顔のシルエットが似すぎていて、ビックリします。

時田:(笑)。

石倉:すみません、脱線しました(笑)。

数値面で経営を支えるCFOの重要性

石倉:どうしようかな、時田さんから順番にいいですか?

時田

まず事業会社で経理の土台である知識をつけました。事業会社にいたので、監査に馴染みがすごくあるというか、おそらく同期で入っている人よりも、会社側でどういう作業があるかがすごい見えていたんですね。なので、監査はすごいしやすかったです。

監査法人で働いていて、実際に作ることとチェックすることは、全然労力が違っていて。チェックするのも大事なんですけど、やはり作り上げることの大切さを学んだというか。

監査法人で3年間ぐらい働いていて、上司に尊敬する人はたくさんいたんですけど、外で実際にCFOをやったり、数値面から経営を支えている方に出会うなかで、「むしろそっちのほうがやりたいことなのかな」と感じていて、「転職しよう」と思い始めました。

転職を考え始めて、「これから上場を目指す会社に行きたい」と思っていたんですけど、たまたま監査法人辞めた先輩が3ミニッツにいらっしゃって、「人を探している」と声をかけていただいて。そのときに、事業運営を学びたいという自分の気持ちと「やってほしい」ということがマッチしていたので、転職しました。

キャリアをスタートしてから考えていることとしては、IPOを目指すようなこれから成長していくな企業に関わっていきたいと考えています。

石倉:はい、ありがとうございます。

会社に依存する働き方は怖かった

石倉:じゃあ、五十島さん、お願いします。

五十島:私、普通に就職活動を4年制の大学のときにして、そのときに入ったのが求人の広告の会社だったんです。特になにも考えずに就職活動してしまったんですけど、働きながら思ったことふたつあって。実は父親が倒産したある会社にいたんですが「会社に依存するという働き方は怖いな」と考えたのが1つ。

営業でいろいろなお客さまと会って話すなかで、「やはり会社の意思決定に近いところで働けたほうが楽しいのかな」というイメージを持ったのが2つ目です。

あるとき、アポを取り求人広告の案内をしていたときに、「資格を取ったほうがアポ取りやすいよ」と言われたことがあり、それで自分なりにいろいろ研究したり、今後どう働きたいかを考えた結果、会計士という資格に出会いました。

その後試験に合格し、監査法人に入ってある程度の年次になったので、「そろそろ自分の考えていることに近いところに行こう」ということで、転職活動をするなかでいまの会社に入りました。

ここにもいろいろなバックグラウンドがあるすごい方々がたくさんいらっしゃるんだろうなと思っていますが、キャリアについて考えると自分は「そこまですごくない」ということをすごく認識しているんです。僕は本当にたまたま運が良くて、(GMOペパボに)いるだけなんです。あとは、「(キャリアの)掛け合わせで戦っていきたいな」ということはすごく考えています。

というのも、求人広告の営業をやっていたので他の人よりうまく話ができたということがあって、そこと会計監査を掛け合わせることで自分の強みにしてきたという経緯があります。最近はそこに人事領域、組織開発に関する知識や経験を深めていくことで、さらに自分のバリューをしっかり生み出していけるように考えながら、いま働いています。以上です。

石倉:五十島さんはCFOという感じじゃなくて、どちらかというと……。

五十島:CFO「でも」あります。なので、例えば個人投資家説明会や、機関投資家の方々に自分の会社の説明をすることは当然やっています。ただ、執行役員に依拠している部分が多いので、どっちかというと力を入れているのがHRという感じですね。

石倉:なるほど、わかりました。ありがとうございます。

会計士のバリューを発揮できた

石倉:じゃあ、玉木さん、お願いします。

玉木:ファームから事業会社に転職した理由やきっかけをお話しすると、僕、監査法人、コンサル、ベンチャーキャピタル(VC)を経て、いま事業会社という感じです。その最初の3つをトータル10年近くやっていて思ったのが、事業への関わり方が「広く・薄く」なんですよね。

クライアントがたくさんいて、投資先がたくさんいて、それぞれ広く浅く関わるという仕事をずっとやっていて。どこかのタイミングで、「1つの事業に深くコミットするような働き方をしたいな」と漠然と思っていて。そのタイミングがきたのがちょうど去年だった、みたいな感じです。

明確なきっかけがあったというよりは、ずっとぼんやり考えていた期間に、(転職する)タイミングがあったので、「じゃあ、転職しよう」と思った、という感じです。

なので、最初からCFOを目指したから今やっているわけではないんですけど。CFOを目指してキャリアを積み重ねてきたというよりは、そのときそのときで「自分は何ができるのかな?」「どういうところにいったら役に立てるのかな?」ということを探っていたら、いまの仕事をしている。結果論が強いですね。

どちらかというと、大きな目標に向かって自分のキャリアを作っていくよりは、「そのときに自分が持っているものを、どこで生かせるかな?」と探っている。自分を最適化するためにキャリアを積み重ねてきたと思っています。なので、「大事にしていること」と言われたら、そこがメインかなという感じですね。

さきほど「運が良かった」というお話がありましたけど、自分もけっこうそれも感じています。事業再生のコンサルに移ったのは2011年で、東日本大震災があった時期なんですね。日本全体が暗いムードになって、そこに景気も引きずられるんじゃないかという見方があったりして、事業再生のニーズが強かった。そのなかでしんどい案件もあったんですけど、その時代に経験できたことは大きいと思っています。

前職のVCに移った2013年は、会計士でベンチャーやVCに行く人は、あまりいなかったんです。今はたくさんいるんですけど。

となると、時期が良くてこそバリューを発揮できた、僕自身が大したことなくても、その時期には業界にとって希少だった会計士というスキルが強みになってバリューを発揮できたように感じます。そこからの積み重ねがいまのところ生きているのかなと、自分では客観視している感じですかね。

SmartHR・CFO玉木氏の入社のきっかけ

石倉:僕自身も出会いやタイミングがすごい大事だったんですが、アカツキも3ミニッツも創業者と会ったのは本当に偶然で。アカツキ(に転職したきっかけ)は、いわゆる「飲み会」でよく会っていたヤツだったんですけど。

(会場笑)

石倉:3ミニッツもすごく忙しいなか、友達から「5秒でいいから会って」と言われて会った経営者がすごく魅力的でおもしろい人で、それがきっかけで一緒に仕事をしたかたちです。

SmartHRは、宮田(昇始)さんがずっと「CFO探している」と言って、いろいろな人と会いまくって。本当に優秀な人とたくさん会いまくっていたけど、「なかなか決まらない」と言って、宮田さんが「I need my CFO」Tシャツを作って。

玉木:着ていましたね。

石倉:あれ、けっこうネット業界で広まっていたと思うんですけど。そのなかで玉木さんが就任して。僕はもともと玉木さんを知っていたので、すごくビックリしたんですけど。どういうきっかけで、なにかあったんですか?

玉木:それも、ここで話すのが恥ずかしくなるような、特徴のないエピソードなのですが。

石倉:(笑)。

玉木:ちょうど去年の4月ぐらいに、前の会社を辞めようかなと思ったときがあって。そのときにけっこう仲良くさせてもらっている、人材のエージェントの人がいたんですね。その人はベンチャー界隈でもエンジェル投資をしていることもあって、顔が広いんです。その人に転職を考えているという話をしに行ったら、「じゃあ、なんか良い話があったら紹介するよ」と言われて。

その経由で、いまのSmartHRの株主にWiLというVCがいるんですけど、そこのHRマネージャーの方を紹介してもらって、その方の紹介です。普通に、エージェント経由の紹介みたいな感じですね(笑)。

石倉:なるほど。

玉木:そのエージェントの人と地元が一緒ということもあって仲良くさせてもらっていて、そういう人のつながりが生きて、いまに至ります。

SmartHR自体は知っていたんですけど、当時、中のメンバーとはつながりがなかったので、自分でもけっこう意外でしたね。「この会社行くんだ、俺」みたいな感じでした。

石倉:わかりました。ありがとうございます。

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