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SMART Data セミナー 「クラウドによる攻めのIoT」(全1記事)

2019.01.24

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ビジネスストラテジーなきIoTは失敗につながる プロダクトだけでなく、人にも力を与える“攻めのIoT”とは

提供:SEMIジャパン

2018年12月12日〜14日、東京ビックサイトにて「SEMICON Japan 2018」が開催されました。SEMICONは、世界を代表するエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会。およそ750社による最先端技術の展示に加え、国内外のリーディング企業や、研究機関のトップエグゼクティブ、技術エキスパートなどによるさまざまな講演が、3日間に渡るイベントを盛り上げました。本記事では、開催初日となる12日に行われた「SMART Data セミナー 次世代のデータ活用手法に焦点をあてた最新動向『クラウドによる攻めのIoT』」の模様をお送りします。

IT、IoTについて知ってもらいたい2つのこと

高添修氏(以下、高添):みなさん、おはようございます。大変お忙しいなか、また非常におもしろい展示をやっているなかで、このセッションにご参加いただきありがとうございます。

3日間行われるSEMICON Japan2018での最初のセミナーということなので、まずはITおよびIoTの全体像を、クラウドというテーマと共にお伝えできればと考えております。どうぞよろしくお願いします。

25分はけっこう短いので、一気に進めさせていただければと思います。そこでまず、このセッションのゴールを考えました。

1つは、みなさんのIoTに対するイメージを少し変えていただくことです。みなさんはそれぞれIoTのスキルレベルが違うかもしれませんが、そこはざっくりと無視して、まずは「IoTのシステムを作ること自体はそんなに難しいことではない」ということを覚えて帰っていただきたいなと思います。

それからもう1つは、クラウドについてです。クラウドはIoTのためだけにあるわけではありませんが、IoTについて考えるときに、クラウドはいろんなヒントを与えてくれるはずだと我々は考え、いろいろとサービスを提供させていただいております。ぜひそれをご理解いただければと思っています。

そして、IoTは当然ビジネスのためにあるものだと思っていますので、技術をビジネスの話に置き換えるための、なんらかのヒントをみなさんに与えることができればと考えております。この3つを、あと20分ぐらいで話していきます。

IoTはデジタルフィードバックを実現できるものである

最初のセッションでもありますので、まずはざっくりと、今なんで「IoT、IoT」と言われているのかをご説明いたします。盛んに言われるようになって久しいですけれども、これからまだまだ、ビジネスとして伸びていくと言われています。

今やっていない人たちは、これからもやらなくていいのではなく、「これからその時代は来るんだから、今からでもやりなさい」というぐらいの市場です。市場の伸び、接続される物(Things)の数、デジタルデータの肥大化など、ちゃんと数値としても表れているので、ここをまずご理解いただければと思います。

例えば、隣のイベント会場で実施しているスマートビルディングもIoTです。ただ、スマートビルディングの実現には様々なセンサーや分析基盤が必要で、人によってとらえ方は変わるんです。センサーからのデータを可視化するとしても、天候や温度を可視化するだけの場合もあれば、エコロジーを意識したもの、構造物のチェックやビルそのもののマネジメントの話など、さまざまです。結果としてなにがしたいのかを意識していないと、だんだんわからなくなってきて、自分たちがやりたいことと「IoT」と呼ばれる言葉が紐づかなくなってくる可能性があります。

もちろん、ビルディングの管理の話だけでもいいし、エコロジーの話だけでもいい、ITを使っていろんな気づきを与えられるということはありますし、デジタル化(データ化)することで次の一手が打てるかもしれません。ただ、一生懸命やった結果として、すごく小さくまとまってしまっては、あまりにももったいないなと思ってます。

そこで、我々がIoTの方々といろいろな話をしていく中で、こういったメッセージを出しています。IoTはデジタルフィードバックループを実現できるものだと。IoTによるビジネスのデジタル化、データ化によって、可視化が進み、その中からインサイト(気づき)が生まれ、見直しや変革の原動力にしていければ、競合他社へのアドバンテージにもなりうるということです。

プロダクトそのものだけでなく、“人”にも効果を発揮するIoTという技術

例えば、IoTを使ってカスタマーエンゲージメントを大きく変えることができたらどうでしょう。なにかオペレーションをしているのであれば、それを徹底的に最適化できる、そういうソリューションになり得るIoTならいかがですか。

我々はソフトウェアプロダクトを扱っていますけれども、みなさんの中にはハードウェアのプロダクトをお持ちの方もいっぱいいらっしゃると思うんです。その「プロダクトそのもの」を新しく、大きく変えていける可能性を考えませんか。

もう1つあります。社員もしくは人です。プロダクトを使っているお客様かもしれませんし、それを作ろうとしている社員かもしれません。それらの人に対して、IoTはなにか力を与えられるものではないかなと思っています。

IoTって普通に考えるとセンサーみたいな話が出てくるんですけれども、そういう話はとりあえず置いておいて、大きなデジタルフィードバックループを回していくためにIoTを活用しましょうということです。

実は、そういうことを踏まえて話をすると、企業の上役の方などには「おお、それはおもしろいね」とおっしゃっていただけるんですけれども、現場の方とお話をすると、「いやいや、そもそもデータがデジタル化されていないから」「デジタルフィードバックループってなに?」「会社の中のデータがサイロ化されていて(細かく個別にまとまりすぎていて)、つながっていきません」という話がどうしても出てくるんです。

我々としても、IoTによるデジタルフィードバックループが起きるまでは、また、本当の意味でIoTを成功させるためには、当然チャレンジが必要であると認識しています。

ビジネスストラテジーありきで作らなければ、目的を見失う

ここからは、「どうやってデジタルフィードバックループをIoTで作っていくか?」という話をしていきたいと思います。

ここにIT系の方と、そうではない方がいらっしゃると思います。なかでも、我々が考えるベスト・プラクティスの1つは、やっぱりIT部門とビジネス部門との連携です。IT部門はIT部門だけでなにかを考えるんじゃなくて、ちゃんとビジネス部門と一緒に考えましょう。

また、IoTは「IT」と「OT」のセットなんだということ。Operational Technlogy (わかりやすく of Things=インターネットにつながる物のことでもよいでしょう) だけでIoTを考えるんじゃなくて、IT側と一緒にやってこそのIoTですし、是非一緒にIoTについて考えてみましょうと。

結局はビジネスストラテジーが先にないと、IoTは失敗してしまう可能性があります。センサーの可視化でいい感じのレポートは出せたとしても、最終的なゴールがなんなのかを見失ってしまいがちなので、ビジネスストラテジーは常に持ちましょう。

もう1つ、クラウドベンダーは包括的なIoTプラットフォームを提供しているので、一般的なIoTプラットフォーム構築のために時間とコストを割く必要はないということです。

「3年後に実現できればいいかな?」ではなくて、「1ヶ月後になにができるか」をちょっと考えてみましょう。クラウドを使えば、それぐらいのスピード感で、いろんなことを考えて作っていくことができます。そうすると敷居を下げられるので、逆にいろんなチャレンジができます。

意思決定は人が、予測はITが行う時代

「IoTが難しくない」という理由ですが、メガクラウドと呼ばれる限られたパブリッククラウドベンダーの強さはニーズとシーズへの対応力です。その証拠に、IoTシステムを提案したりお客様の対応をしてきたことで、システムとしてのパターンは見えています。

例えば、デバイスがあって、そのデータを活用したいバックエンドのシステムやプロセスがあるとします。その間には、デバイスの管理をしつつ大量のデータを受け取ったり、受け取ったデータをリアルタイムで処理をして、必要に応じてなにかジョブを回しながら、最終的にはビジネスフローにつないでいくという流れが考えられます。

そして、IoTのデバイスからのデータを使い、ビジネス側に気づきを与えたい場合、なにかしらの形でデータをためて、それを、BIとかBAと呼ばれるデータ分析に回すような動きがあるでしょう。

それ以外にここ数年流行っているのは、機械学習などの処理を間に入れながら、予測をしていくパターンです。過去のデータを見て、これからどうするかを人が決めるだけでなく、これからもある程度は人が決めないといけないんですけれども、ただ「今後こうなりそうだ」という予測までITにさせましょうという話です。

1万〜10万といった単位のデバイスに対応していくために

あとはデバイスのプロビジョニングも必要です。それらのデバイスはセキュアにデータ通信させたいので、証明書をデバイスに配ったりすることもあるでしょう。さらに、シミュレーションをして、物理的に作る前にITである程度見えるようにしたほうが良いかもしれません。これらのIoT用の部品はすでにクラウドにありますので、2つほど、わかりやすい部品を紹介しましょう。

1つは「IoT Hub」と呼ばれるものです。IoTのシステムを扱う仕事をよくされている方は「HTTPSにするのかAMQPSか、もしくはMQTTSか?」といった「通信のプロトコルをどれにするか?」という話があります。クラウド側ではそういう様々な通信を受け止められる準備ができあがっているわけです。

もう1つはデバイスをプロビジョニングするための仕組みです。デバイスって500個とか1,000個といった単位のオーダーではなく、1万個……下手すると10万個というような単位になる可能性があります。そういうものをしっかりと管理していく仕組みなども、すでに用意されているということで。一から作っていくのではなく、部品として用意されているので、それをそのまま使っていただければよいのです。

でも、ITに詳しくない方がこれを見て「おお、簡単にできそう!」とは思わないですよね。

なので、我々は今、クラウド側のシステムもざっくりと2パターンを用意しています。

もう1からシステムを作り上げる時代ではなくなってきている

1つはSaaS(Software as a Service)です。例えばみなさまはデバイスをお持ちで、デバイスからデータを出すところまでできているとします。だったら、それを受け取って処理をして可視化するところまではすでにサービスとして提供できているんです。

「テンプレート化してあるので、ご自身が考えるIoTのパターンに合うものがあれば、どれかを選んで、簡単にIoTをやってしまいましょう」といえます。ガリガリ自分で作らなくてもよいSaaSをうまく使って、IoTを簡単にやりましょう。

もう1つはPaaS(Platform as a Service)です。「やっぱりビジネスに独自性が欲しい」ということであれば、部品を組み合わせてIoTのソリューションを実現できます。

そう、シンプルにしたいのか、それともカスタマイズが欲しいのか。そのどっちを選ぶかで決めていただくところから始められます。どちらにしても、ゼロからシステムを作り上げるという感覚ではなく、利用できるものは利用するという時代が来ているということを是非ご理解ください。

クラウドのメリットは、いらなくなればすぐに止められること

わかりやすいよう、スクリーンショットをご用意しました。(スライドを指して)これはSaaS版です。地図がありますね。「物がどこにあって、どういうデータを出しているか」を可視化したり、円グラフや破線のグラフを表示したりすることが簡単にできます。

先述のスマートビルディングをやりたいということであれば、デバイスとの接続パターンを簡単に選択し、受け取ったデータを容易に可視化できます。無理に作らなくてもよいので、デジタル化が急務だと感じているのであればすぐにやりましょう。

ちなみにクラウドのメリットとして、いらなくなったら止めればいいという点があります。やり始めたら止まらないようにしたいのは、我々ベンダーとしてはもちろん当然なんですけれども、止めたければ止めていただいて構いません。そして、早く次のチャレンジをしていただければいいかなと思っています。

それからPaaSについては、もともとソリューションアーキテクチャ、リファレンスアーキテクチャと言っていまして、いろんなパターンをまとめてあります。クラウドの部品はどんどん進化するので、ドキュメントもすぐに陳腐化してしまいます。ですが、「だいたいやりたいことはこんなパターンですよね」といえるレベルのものは、ほぼ固まってきています。

「ここの部品とそこの部品はこうやってつないで、こういう処理をしましょう」などと書いてあって、それをベースに部品を組み上げていって、実際のソリューションを作りましょうと。そういうことも簡単にできるようになっています。

やりたいことが増えていけば、いろんな仕組みを作ることができます。ですが、まずは一番シンプルなIoTを、難しく考える必要がないところまで持っていくのが先決、という話です。

「クラウドを使うこと」がゴールになってはいけない

まだ他にも考えないといけないことがいくつかあります。1つはデバイスを含むセキュリティです。

1つはビジネスです。IoTのシステムを作るのは簡単なんですけど、デジタルフィードバックループを考えたときに、その後ろにあるビジネスプロセスとつなぎたいはずです。皆さんには、それをどうすればいいか考えてもらいたいのです。

それから、最近はデジタルツインの話がすごく増えてきています。みなさまがお持ちの物理的な世界もしくは目の前にあるリアルな世界とITで作るバーチャルな世界を、いかに並列に実現しうるかについて考えましょう。

デジタルツインズはそんなに新しい言葉じゃないんですけれども、ITが進化してきて、たとえば製造現場のネクストジェネレーションに最新のITを使うことを、デジタルツインズという言葉はうまく表現しています。

もう1つは、ハイブリッドです。我々はパブリックなクラウドベンダーでもあるんですけど、「クラウドを使うこと」自体はみなさんのゴールではないはずです。ゴールはビジネスですよね。

たとえば、「クラウドをデータの置き場所に使ってはいけない」と言われた瞬間に、クラウドの提案ができなくなるかと言うと、実はそうではなくて。今はハイブリッドな時代になってきているので、データの置き場所を選ぶことも、手元で最新のITを使うこともできます。

IoTは、どうしても攻撃したくなるもの

最後に、これらの4つのお話をもう少し詳しくしたいと思っています。

まずはセキュリティですが、セキュリティそのものの話をしだすと終わらないので、ざっくりとIoTに関するお話ししたいと思います。IoTをやるうえで、なにかしらの可能性があるとしたら、そこにはリスクもありますし、そのリスクを受け止めていかないといけません。そのためには当然セキュリティの視点が必要です。

残念なことに、今はIoTが狙われやすいものになってしまっています。セキュリティを考えずに作られたIoT用の部品があり、そこから大量に出てくるデータがビジネス上の価値を生み出していく可能性があるとすると、攻撃する側からすれば攻撃したくなる対象になってしまうんです。

IoTをデバイスから最終的な業務システムまでつなげないといけないものだと考えると、最初のデバイスのところからセキュリティについてしっかり意識しようとしなければならない、という話です。

例えばですが、必要に応じて「単純なセンサー」ではなくて「セキュアなセンサー(デバイス)」みたいなものを考えたほうがいいんじゃないでしょうか。

壊れる前にアナウンスし、部品も変えておくというコミュニケーション

もう1つ、どうやってビジネスとつなぐのか。今回は、1つ例をお持ちしました。例えば、機械をIoTで運用していて、壊れる前に予防保全(予知保全)しましょうという話になったときについてです。IoTのシステムに「いつごろ壊れそうです」と画面に出すだけだと、なにも起きません。その後が大事です。

例えば、部品の修理などをするエンジニアさん用のシステムとIoTを自動連携している例があります。お客さんの管理者の画面に「この部品は壊れそうですよ」と表示されると同時に、フィールドサービス側にもコールがかかって、気づけば「新しい部品を持ってきました」とエンジニアが来てくれたらどうでしょう。

フィールドサービスのエンジニアが部品の調達をするためには、実はサプライチェーンのような仕組みが裏にあります。機械の利用者、修理をするエンジニア、その修理部品のサプライチェーンまでIoTから連携するというシナリオなんですね。こういうことこそがビジネスのためのIoTだと思ったりもしています。

次代の技術 Mixed Realityとは

時間があまりないのですが、デジタルツインズについても軽く見ていきましょう。「History of Digital Twins」というレポートを見ると、デジタルツインズの話は1985年ぐらいから語られ始めたようですが、最近語られている特徴の1つにMixed Realityがあります。

(Hologramの映像が流れる)

建物の温度を管理していて、データさえあれば、温度が高いところを赤く表示するグラフを作るのは簡単です。ただ、建物の設計図に温度の表示をかぶせると、もっと直観的にわかるようになります。

ここまでは少し前からできるようになっていたんですけど、これからどうなっていくか。

ホログラムという世界があります。デジタル世界を3次元的に表現し、そこにMixed Realityの技術を使ってリアルな世界にかぶせることができるという話です。(スライドを指して)ホログラム用のゴーグルのようなデバイスを複数の人がつけると、それぞれの角度から建物やデータが見えます。平面図だと同じ角度でしか見れないんですけど、これならいろんな人がそれぞれの位置から見て、データを確認し、次のアクションを起こすことができます。

IT・IoTでのデータの可視化は、表やグラフだけではなく、もっとリアリティのある形にすることができるという話でした。

IoTとクラウドは、ビジネスにつながる可能性を秘めている

最後は、ハイブリッドについてです。「IoTをクラウドベースでやりましょう」と言うと、「データを社内から出したくないです」と言われて終わるという経験をした方はいると思います。私はハイブリッドクラウド担当として、クラウドだけじゃなくオンプレミス側のITも意識しているので、「では、その制約の中でできることを考えましょう」と提案します。

IoTシステムはデバイス(センサー)とクラウドである程度できますが、最近は、その「間」がすごく充実し始めています。いわゆるエッジと呼ばれる層で、クラウドの能力をうまく手元で動かすことで、業界や業種、自社内のルールなどの制約を超えて最新の技術を利用できます。

時間も無くなってきたので、まとめに入りたいと思います。カスタマーバリュー(利用者の価値)は、IoTシステムさえ入れればガンガン上がっていくかと言うと、そう簡単ではないです。正直なところ、チャレンジをしていただく必要はあります。ただ、チャレンジを乗り越えたときに、これまでなかった世界に必ずたどり着けるはずですので、ぜひ一緒にやらせてください。

まずはいろんなデータから簡単にインサイトを得られるところから始めることもできますし、最終的にビジネスのモデルをIoTで変えられるところまでできるとよいですね。ぜひIoTを始めて「俺たちのビジネスが変わったぞ」「会社が変わった」と思っていただけるようなところまで持っていっていただければと思っております。

そして、そのIoTシステムを作るだけであれば、そんなに難しくないということはご理解いただけたのかなと思います。あとは、そのヒントがクラウドに転がっているんということもご理解いただけたと思います。さらに、IoTは部品と可視化の話だけではなくて、ビジネスにつながる可能性があるということを少しでも感じていただけたらと思います。

今回、我々Microsoftはすぐ近くにブースを出しています。それこそデバイスからクラウドまで展示をしていますので、もしよかったら、そこでもいろんなお話ができればと思います。というところで、私のセッションは終わりにさせていただきます。ご清聴どうもありがとうございました。

(会場拍手)

どういったビジネスバリューを目指すのかというシナリオ

司会者:高添さん、どうもありがとうございました。これからIoTをなにかしらやろうと思ったときに、安易に「ハードルが高い」「どう進めればいいのかわからない」と言われることもあろうかと思います。スクラッチで作る必要は必ずしもなく、ネットやクラウドに転がっている情報やヒントをうまく使えば、非常に早期に立ち上げることができることがわかりました。

「IoTをなにがしかやっています」という企業はけっこう多くなってきていると思うんですね。最初に試作品的なものを作って、システムも最小構成で組んでいって、いよいよ本格的な投資に移ろうとしたときに、ちょっと壁にぶつかってしまった、といったことはあるかと思います。

PoC(Proof of Concept)をやって、そこを通過するのが大変難しいというような声をよくおうかがいします。なにかそこを突破するヒントになるようなご意見なり、アイデアなりがあればお願いします。

高添:そのご質問を我々も認識できていなかった時代があるわけです。要はクラウドの部品の話をすればIoTを実現できると思った時代があったんですけど、やっぱりIoTがビジネスになりきらないといけない。それで、お客様も苦しんでいる。そこで、さっきのデジタルフィードバックループのように、先をちゃんと見据えてお話をするようにしています。PoCといっても、センサーからデータを受け取って可視化するだけのPoCじゃなくて、その先まで見据えたPoCをしていただければと思います。

司会者:なるほど。「パブリッククラウドでやることは目的ではないですよね」というお話がありましたが、同じように可視化もおそらく目的ではないと。見えるというだけなんですね。そこからどういったビジネスバリューを目指すのかは、シナリオとして持っておいたほうがいいということなんですね。

高添:そうですね。はい、おっしゃるとおりだと思います。

司会者:わかりました。ありがとうございました。そうしましたら、高添様のプレゼンテーションは以上とさせていただきます。いま一度、みなさま、盛大な拍手をよろしくお願いいたします。

高添:どうもありがとうございました。

(会場拍手)

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