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ラーメン凪「空飛ぶラーメン」TV局内での"会見&ブラッシュアップ会議"(全1記事)

2015.11.16

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“空飛ぶラーメン”は飲食業界の救世主となるか!? 超人気店が仕掛ける新店舗

提供:株式会社エイゼップ

新宿ゴールデン街からスタートし、現在では国内外に店舗を構える人気店「ラーメン凪」。ゴールデン街店の店主でもある、創業者の生田智志氏が大宮店の改装に合わせて、業界初となるコンセプトの店舗を考案。テーマは「空飛ぶラーメン」です。それは、一体何なのか? TV局内にて会見&ブラッシュアップ会議を開き、“空飛ぶラーメン”の正体と、改修費総額5000万円という多額の投資をしてでも新しいことに挑戦する理由を話しました。「細部まで楽しんでほしい」「人が集まらない飲食業界を変えたい」と熱い思いが語られています。

超人気ラーメン店の次の一手は「空飛ぶラーメン」

生田智志氏(以下、生田):どうも、よろしくお願いします。

会場:よろしくお願いします。

生田:こちら資料をちょっと見ていただきまして、「一体何だこれは? 空飛ぶラーメン?」ということで、これはあくまでもイメージ図です。

僕は新宿ゴールデン街でお店やってまして(「すごい煮干しラーメン凪」)、東京で今9店舗あります。もともと、これを思いついたのが、僕らはカウンターで毎日お客様500人くらいにラーメンを出してるんですけど、もうちょっとおもしろくいろんなことができないかなと。

今回は大宮店の改装に合わせて、1つアイデアを出しておもしろことやってみようということで、「空飛ぶ」というキーワードをテーマにしました。

どういうことかというと、ラーメンの注文をiPadで受けてですね、お客様が席座ってiPadで注文すると、そのオーダーが飛んできます。で、その飛んできたオーダーをキッチンで作って、お寿司のレーンでラーメンがヒュッと出てくると。

ただ、そのままヒュッと出すだけじゃつまんないんで、そのレーンを空飛ぶ屋台というシチュエーションにして、カウンター周りに雲をイメージして作って、出してみようかと。

空を飛んでいる屋台のなかが雲のデコレーションになっていて、それでラーメンがビュッと飛んで出てくる。そういった内装でお客様を楽しませてみようかなと考えています。

今回、大宮という場所ではあるんですけれども、これをやるお店が1,000万円ぐらい、毎月売ってます。利益が300万円ちょっと出てるお店です。そこを、1度全部ぶち壊して改装します。

改装は10月27日から開始で、12月の中旬ぐらいまでかかります。改修にかかる予算が、何と5,000万円ぐらいということで、1店舗造るのに。普通のお店だと、うちらが最初オープンしたゴールデン街だと200万円。西新宿のお店も300万円です。

去年、五反田に造ったお店は1,000万円ぐらいかけましたけれども、今回それを上回る5,000万円ということで、ちょっとやっちゃったなという感じが自分でもしています。

ただ、ゴールデン街にあるお店が5坪で1日400人から500人が来てる。店が狭くておもしろいということでそれだけのお客様に楽しんでいただいています。味もさることながらと。

今後、お店を増やしていくなかで、「ラーメンといえども細部まで楽しんでもらうにはどうしたらいいか」ということをすごく考えています。

20種類の煮干しで仕掛ける“ゲップマーケティング”

ラーメンは、煮干をガツンときかせたものをやってます。使う材料、こういう大きいものから、小さいものまでさまざま、こういった煮干をふんだんに20種類ぐらい使っています。なかには深海魚のやつを入れたりですね。

我々は、日本一煮干を研究していると言っても過言じゃないぐらいやっております。自分達で格付けをして、僕の左側に変わった子がいますけど、彼は「煮干博士」という、社内でそういう制度でやっていまして、いろんな出汁を取って目利きをしたり。

煮干って時期だったり、作り手で大分味が変わるんで、そういった作り手の変化とかも勉強して、味がブレないように20種類をブレンドをして、商品も結構気合が入っています。

ゴールデン街のお店に来るお客様は、よく食べたあと、「翌日帰ってゲップすると煮干が感じられる」とおっしゃられて、僕らはこれをひそかにゲップマーケティングと。体感するというのが、一番飲食ではおもしろいのかなと思っています(笑)。

改修費総額5000万円の内訳は?

報道番組担当者:5,000万円というのは、システム開発にかかっているんですか?

生田:ええ、そうですね。システム開発で、1,300万円ぐらいですね。

報道番組担当者:iPadを使ったシステム開発?

生田:そうですね。iPad、ハード系合わせて、これで200万円ぐらいかかります。それとあと内装に、今回センサーとかが入って、人感センサーみたいなものもオリジナルで作っております。

あとレーンですね。お寿司のレーンが4台ぐらい入ってるんですよね。そういうので5,000万円ぐらい。あと内装の屋台。屋台が2つあるような感じになるんですけれども。

ドキュメンタリー番組担当者:12月中旬オープン予定で、大体こういうのが動くとか、直前のシミュレーションみたいなものはいつ頃できるんでしょうか?

生田:12月10日ですね。実際、備えが付いて、引渡しがあって、10日くらいですかね。

ドキュメンタリー番組担当者:その密着みたいなことは、今のところどこか決まってるんですか?

生田:まだ特にはないですね。

情報番組担当者A:これって、機械でバッて出てくるということは、人が関わらないんですよね?

生田:そうですね。オーダー取るのと、持っていくのには関わっていかないですね。

情報番組担当者A:そうすると、人件費とかそういうのは変わるんですか?

生田:実際、5パーセントぐらいダウンするんで、結局、償却とかそういうの見ると3年後ぐらいで。

情報番組担当者A:元が取れる?

生田:そうですね。その設備の部分に関しては。

システム化でラーメンの味はより安定する

情報番組担当者B:味とかは変わるんですか?

生田:逆に安定すると言いますか。というのが、作って、一定の速度で出ていってくれるので。人だったら、ちょっと待ったりとか、お客様に取ってもらうとか、いろんなそういうのがあってぶれちゃうんですけれど、これは「作って乗せて送る」というので、どんどん送っていけるので、そういった意味では安定します。

速度も人よりも早いんですよね。あとはお客様自身が取っていけるので、トラブルが少ないというのもあります。

情報番組担当者B:スープがこぼれちゃうとか、そういうのは?

生田:大丈夫。今それになっちゃったら、これ大変な投資と(笑)。もちろん試して。加減速の性能が一番いいやつを使わせてもらって、加減速でピタっと止まります。ビールでやってもピタっと止まるぐらい。

ここでこぼれちゃったら、丼を高くするしかないと。一応頭の中で考えて、あとは蓋をするというので、実は蓋も作ったんですよ。100枚ぐらい作りましたかね。今はフリスビーになっちゃってますけどね(笑)。

(会場笑)

情報番組担当者A:こういうラーメン屋はかつてないんですか?

生田:ないですね。お寿司屋さんでは、今ありますけれどね。お寿司屋さん以外の、飲食店で小さいお店、こういうラーメンとかじゃないみたいです。専門店ではまずないですよね。

一部だけを(機械化して)従業員さんに届けるというようなのは、松屋さんとかであったと思うんですけど。そもそもお客様が注文するのに、QRコードが出てきて、それをかざすっていう、その食券機自体を飲食店で使ってるのは、まずないですね。

例えば新宿御苑とか入場券を買うと、QRコードが出てきて、それを入るときにピッてやるのはあるんですけど、飲食店の食券でQRが出てきてiPadにかざすっていうのは、まだ。これから出てくるかなっていう感じはしますね。

でも、こんな馬鹿なことはなかなかやんないんじゃないですか。

煮干博士の自宅は煮干の香り

情報番組担当者C:一応つっこみたいんですけれども、煮干博士は本当に煮干のベッドで寝てるんですか?

煮干博士:普通はアロマを入れるような枕に煮干を入れて、煮干の香りを。

僕、この会社に入ったのも、学生時代、本当ゴールデン街店に通ってて、お店入った時に煮干の香りがぷーんとするのがすごく大好きで、それで煮干の香りにはまって、ベッドにやったり、出汁袋に煮干入れてお風呂にちょっとつけてから入ったりみたいな感じで。

(会場笑)

生田:彼はラーメンも相当好きですからね。

煮干博士:3食ラーメンで。

生田:おかげでちょっと(髪の毛が)……。これは別と思うんですけどね(笑)。

(会場笑)

情報番組担当者C:詳しいのはラーメンの出汁だけ? ちょっと話が飛ぶんですけど、他の煮干の出汁についても詳しいんですか? 味噌汁にはこれが合うとか。

煮干博士:味噌汁に合う煮干はこれとか、そんな形で、出汁の研究も会社でやったり、私自身もやってるんですけど。

情報番組担当者C:ラーメンだけじゃなくて、出汁の研究家と考えても?

煮干博士:煮干出汁の。煮干です。

情報番組担当者C:煮干の専門家として捉えていい方ですね。わかりました。ありがとうございます。

「煮干しのカルテ」で味の品質を管理

ドキュメンタリー番組担当者:(煮干しの種類が)20種類って、オープンにしちゃっても大丈夫なんですか?

生田:大丈夫ですよ。っていうのが、わかりやすく言うと、じゃあ「今日こっちで煮干取りました」って言って、「次こっちで取れました」ってなって、同じじゃないんですよね、ものが。

ドキュメンタリー番組担当者:じゃあ、味は毎回(違うんですね)。

生田:絶対違うんですよ。もう絶対違うんです。だから、僕らは全部それを「この味だな」って選別するんです。しかも、こっちには取ったのが100ケース、こっちは30ケース、こっちは10ケースとかってあるんで、とにかく全然違うんですよ。

ただ同じなのは、生産者によって塩分とか、煮方が違っていて出来上がりに影響しているので、ある程度そこを加味すると近い味になると。あと味で出汁利きをして、じゃあAランクのこれ、Bランクのこれ、Cランク……って大体4つに分けて、あと変わり煮干を入れるって感じなんですけど。

なくなったら、同じ(ランクの)やつを当て込むっていう。それで味の均一をしています。

20種類入れてるラーメン屋さん、まずないですね。よくテレビで取材されて寸胴の中にドカーンと入れてる画を撮りますけれども、まあまあ、なかなか壮観な図になります。(寸胴が)いっぱいいっぱいになっちゃってますね。

ドキュメンタリー番組担当者:産地と獲れた時期まで全部わかると。

生田:そうです。煮干のカルテを作ってて、さっき言ったのを全部データにして、産地と、作った人と、いつ取れたのかと、魚種と、あと味のグラフを書いて。なかなかちょっとそこまでやるお店屋さんがないっていうか。

基本的に今僕らが言ったのも、そういう基準がまずないんですよね。じゃあ煮干の値段は何で決まるのと言ったら、相場なんですよ。その相場は和食屋さんとかが、これがこの形がいいからっていうことで、目方と形で決まるっていうことなんで、僕らで味を中心に、ラーメンという深堀のおもしろさでトライしてみたいなと。

働き方も変えていきたい

僕ら、実感で言いますと、先ほど言った人の去りようとか、本当に飲食店に働く人が来ていただけないと。肌感覚なんですけど、若い人達には「飲食店やだな」みたいな、ああいうのが本当に蔓延してきてるんで、何とかこういうおもしろい形で。

かつ今あるものの組み合わせだとは思うんですよね、実際は。だけどその組み合わせで働き方も変えられるんだということを、何かしらトライできたらなという思いで、今回、強引に5,000万円かけて一体どうなるんだというところで試している。

駄目だったら、ぶっ壊して寿司屋でも何でもやりますけどね(笑)。

(会場笑)

とにかく、こんなあほなことやるやつはいない(笑)。

情報番組担当者A:今、とりあえず変わるのは大宮店だけなんですか?

生田:そうですね。大宮店でどかーんと空飛ばして、そのあと会社飛ぶ前にほかも飛ばそうと、って感じです。

そうだ余談ですが、本社にPepperくんがおりまして、買ってわかったんですけど、こういうの全く僕ら使えないなと。よく考えたら、これ開発者用に向けて作られてるもので、僕らレベルじゃ全然扱えないものを買っちゃった。

でもうちの社員が、友達に言うんですよね。「お前んとこ、Pepperくんがいるの?」「ああ、そう、いるんだよ」「すごいね! Pepperくんってどう?」って言ったら、うちの子が「いや、全然使えないよ。逆に気使うわ」って。

(会場笑)

Pepperくん、ほったらかすと、ずっと日記書いてるんですよ。ぱっと読んでみると、「10月4日、今日は誰とも会わなかった。さびしいな」とか、段々暗くなってくるんですよね。うちのスタッフも気使って電源落としちゃって。

(会場笑)

っていうことを「知ってる」っていう会社がおもしろいな、と僕は思ってて。社員は全然考えてないですよ。「Pepper、社長がまたあんなもの買って」なんてことを思ってると思うんですけど、それが使えないもんだっていうのをわかってると。

だから「次は買うときこうしようね」ということを知るのが、まず大事かなと。

今回、大宮にはこのPepperくんも、独自のソフトウェアでプログラムを入れて「ラーメンどうぞー!」って、ずっとあの入り口で言わせようかなと思ってるんです。こき使ってやろうかなと(笑)。

全然会話をしない、ずっと喋るPepperくんっていう。

情報番組担当者D:煮干博士は、煮干に魅せられて何年くらいなんですか?

煮干博士:もう5年くらいですね。5年くらい前からこのゴールデン街店に通って、そこからラーメンの食べ歩きとかで煮干にハマって。社長とかと一緒に、ずっと。

情報番組担当者D:食べ歩きしたら、このお店はどこの煮干だなとかっていうのはわかったり?

煮干博士:わかるところはわかります。

情報番組担当者D:ちょっとマツコデラックスさんにいじられてる姿とか見てみたいなと思って。

煮干博士:(笑)。

生田:こいつがやばいのは、ちょっとこの横顔がやばいですね(笑)。勝手にこんなことしやがって、本当にもう。まあ、でも本当にラーメンと煮干が好き。あと仮面ライダーも好きですかね。そっちのが好きかな……。

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