2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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松本勇気氏:その上で、リスクを小さくする。知識を溜めていくためには探索が大事です。わかっていることばかりやっていても、リスクって小さくならないんですよね。知らないことをやらなきゃいけない。
その中で、知らないことに対して仮説を立てる。仮説を立てて、今度は行動をする。そうすると今度は行動をした結果が出てくるので振り返って、それを知識にする。例えば、「こういうふうに開発をすると、これぐらいのパフォーマンスのAPIが作れました」とか。いろいろな知識が生まれてくると思うんですよね。体験知識。
体験したことは強い知識になっていって、それが増えていくとリスクが小さくなっていって、より精度高く未来のことがわかるようになる。このサイクルをグルグル回すことがビジネスっぽいというか、プロダクト開発っぽいなって思うんですが、いや、実はこれ、人生も一緒だと。
僕は常に人生もこういうフレームワークで捉えていて。自分が知らない仕事とか、自分が突き詰めるべき物事に対して、「次はこれを勉強していくことで、たぶんこうなる」「こういうふうに評価していただける」とか。「こういうふうなものが作れるようになる」とか仮説を立てて、アクションをして、振り返って、学習・知識にしていく。
こういったことをグルグル回していくと、未来のことが少しずつわかっていく。グルグル回していくことは特に不確実なタイミングでとても有用です。大規模言語モデルはどうなるかわからないけど、「じゃあわからないからほっとく」と(してしまうと)、いつまでも知識が増えないわけですよ。
だから積極的に使った方がいい。例えば「今回の開発では大規模言語モデルにできる限りコードを書いてもらうことで、これまでの生産性と比べてこれぐらい上がる可能性があるよね」みたいな。仮説検証型アジャイル開発そのものです。考え方は一緒です。
仮説を立てて、それをどんどん自分の知識に変えていって、「大規模言語モデルを使うということはこういうことだ」という知識を自分なりに解釈しておくことで、自分のキャリアに対して反映させることができるようになる。
たまにこういうサイクルを経ずに、ただ本を読んで、ただ知ったことでなにか自分の知識になったと思う方もいますが、「いや、そうじゃないんだ」と。
知識というのは、体験によって自分がアウトプットをすることで、体験というそのアウトプットを通じて、自分の頭の中に構造化をする作業だと思っているので、このサイクルを回さないと、いわゆる頭でっかちになってしまう。活用できない知識が増えてしまうので、やはり探索というものが重要だと思っています。
そうやって知識を増やしていくこと、あとは自分の資産を把握すること。「今自分ができることって何だっけ」と。例えば、誰にどれぐらい信用されていて、時間はどれぐらいあって、資産とか体力とか。
知識、経験、いろいろな資産を僕らは持っています。よく自分の資産って考えるとお金のことしか出てこなくなるんですが、実はお金以外にもいろいろな資産を持っていて、「これをなににどう配分していこうか」というのを持っておく。
これが行き当たりばったりだと、やりたいことに対してぜんぜんリソースを使えなくなる。リソースを使えていないのにリターンなんて出てきません。リターンというのは、投下したリソース×リスクで生まれてくるものなので、リソースが小さかったらそもそもリターンもない。
なので、何に分配していって、どういうリターンを得たいのかというものを、明確な数字とかにならないとは思いますが、頭の中にイメージを持っておくことが大事だと思います。
自分なりのポートフォリオというんですが、資産をどういうふうに配分するかというものをイメージしておくと、自分の本当にやるべきリスク・リターン……。(自分が求めている)リターンに対して(現状のままで)到達し得るのかということが見えてくるかなと思います。
最初の資産は小さかったりもしますが、リターンを得るために、レバレッジをかけることができるんですね。たくさん大きな挑戦ができたり、大きなリソースを得たりすることができる。
それはどういうことかというと、例えば信用がある方は、信用があればあるほど新しい挑戦が与えられる。「あなたはこういう難しいことがあっても逃げずにがんばってくれるから、ちょっと難易度が高いけど、これをやってみる?」。こういった挑戦はやはり信用があるから(機会が)来る。
例えば良いチームができるかどうか。これもやはり「あなたと一緒に仕事がしたいから」ということでチームが出来上がったり。
信用によってお金を調達してきたり、自分の資産を使うことでアウトソースしたり。「さっさとChatGPT Plusに課金しちゃおう」みたいなアウトソースができるようになる。あとは、そもそも正解を買ってくる。正解となる経験を買ってくるみたいな。
僕は一番のレバレッジのソースは信用だと思っていますが、信用と資産を使っていろいろなリソースを掛け算で増やしていくと、知識・経験とか時間とか、体力を買えるようになる。
よくある話で、例えば僕が本当に疲れている時はタクシーでさっさと帰れるようにするとか。「いや、そもそも会社の近くに住むことでさっさと寝られるようにしよう」とかを昔はやっていました。そうやってレバレッジをかけていくことは、すごく大事なことだと思っています。
そうやって投資家的にキャリアを考えていくんですよ。まず自分の資産は何があって、それをどこにポートフォリオを作って投資していくのか。それによってリターンが出てくると資産が大きくなります。最初、このリターンを大きくするためにレバレッジを使ってちょっとその資産を大きく見せて、より大きな挑戦をしてリターンを得る。
実はこのサイクルってまんま投資なんですが、人生も一緒だなと思っています。こういうサイクルを回していくことで、すごく不確実な時代の中でも情報を得ていって、自分が到達したい地点にできる限り辿り着くというサイクルができるようになる。
クレカの話はすごく近いなと思っていて。ちゃんとお金を返してくれる人はお金を借りられる人だという話ですね。
(スライドを示して)あとはこの「3つのサイクル」を意識しましょう。目指す先があるとしたら、短期、中期、長期でどういうアクションをしていくのかを常に意識しておくと、「じゃあ中期で何を達成しなきゃいけないんだっけ」「長期から見ると中期は何を達成しなきゃいけなくて、その根本としては、短期、今しなきゃいけないことはこれだよね」という分解ができます。
アクションをすると知識が得られるので、その知識をベースに「あぁ、なんか長期……。いや、ちょっと違うんじゃね?」と思ったら変えていいんですよ。
振り返る瞬間は長期(のこと)も見直してみてもいいと思っていて。またそこから分解していって、短期のやり方を決める。このサイクルをグルグル回していって、得るべきリターンも定義し直していいと思っています。どっちも同時にやっちゃうとふらふらするので、1回決めたらまず数ヶ月アクションをしてみてというサイクルを自分の中で決めてリズムを作るといいのかな。
あとは、こういうことをやっていると、いろいろなノイズが来るんですよ。みなさん本当は目標があるのに、なんかポジションを取らなきゃいけなくて、本当はやりたいんだけどほかにも興味のあることがあって、(興味があることを)追いかけちゃって時間がなくなっちゃうみたいなことがよくあるんですよね。
でも、ポジションを取ってデメリットを受け入れるという覚悟を最後まで持つのが大事だと思っています。「これをやらなきゃいけないんだ」という自分の目標を決めて、そこで無視するものをちゃんと決める。
そうじゃないと、あれもこれもやろうとしてなにも手に入らなくて、場合によってはそれを人のせいにしたりするんですよね。「私に機会を与えてくれないあなたが悪い」みたいな。「いやいや、あなたがちゃんとそういう意思決定をしていないからだよ」ということがよく起きたりしていて。やはりポジションを取って、デメリットを受け入れる覚悟を持つ必要があります。
「事業的な評価がたまにマイナスになってでも私は技術一辺倒でいくぜ」みたいな、そういうデメリットを受け入れていく考え方。そもそも、お金が欲しいんだったらお金をちゃんと取りにいかなきゃいけないし、そういうデメリットをちゃんと受け入れる覚悟を持つことが大事かな。
これまで、投資家的な思考としてキャリアを考える話をしてきました。
最後にまとめになります。今の文章を生成する大規模言語モデルの特徴として、いろいろなコード生成とかテスト生成とか、ユースケースとかを作っていて、ユーザーのあり方、開発のあり方も変わる可能性があります。いろいろなものを変える可能性があるんですけど、まだ見えないなと正直思っています。
だからこそ僕は今日、投資家的なキャリア思考の話をしましたが、こういった不確実性に向き合うサイクルを、プロダクトだけじゃなくて自分の人生も同じように考えていくことで、エンジニアキャリアとしておもしろいものが見つかるんじゃないかなと思っています。
ということで、なにか今日の話がみなさまのキャリアの参考になればなと思っています。大規模言語モデルとかもしやりたい方がいたら、今、絶賛LLM Labsというところで、「機械学習知識はゼロでいい。一緒にソフトウェアを開発しましょう」みたいなところも募集しているので、ぜひ来てもらえたらうれしいなと思っています。最後に「絶賛採用中です」という宣伝をさせてください。
大事なのは、決断力だと思っています。ぜひ、みなさんのキャリアがより良きものになる、そのなにか1つの手助けになっていたらいいなと思います。今日の話は以上といたします。
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