2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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沢渡あまね氏:みなさん、こんにちは。沢が渡ると書いて沢渡あまねと申します。本日は「動きの遅い企業体質からの開放 『タテ』『ヨコ』連携で組織スピードを加速する」というテーマでお話していきたいと思います。
私の講義では、これらのキーワードを立体的につなげて、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。「テレワーク」。その先の発展型としてある「ワーケーション」。そしてそれらを支える「業務改善」。さらには最近、多様な人材が活躍するための「パラレルキャリア(複業)、選択的週休3日制」。このようなキーワードも世の中を賑わせております。それを組織の戦力として、いかに活用していくか?
当然、(スライドを指して)左側。「採用・定着」、その人の組織に対する帰属意識。あるいは愛着の醸成、エンゲージメント。このようなものも、世の中のキーワードになっています。その先に「ビジネスモデル変革、地域活性」。そしてこれらを滑らかにつなげる「DX、イノベーション」をいかに起こしていくか? これらを不連続なテーマとして語っていきたいと思います。
自己紹介します。改めまして、沢が渡ると書いて沢渡あまねと申します。作家、物書き、今まで30作の本を書いてきています。何のテーマを書いているか? といいますと「ワークスタイル」「組織変革」。このようなテーマに向き合ってきております。
私自身、パラレルキャリア、複数の顔を持つ人間でして。作家、フリーランスの顔、それから「なないろのはな」というベンチャー企業の取締役、浜松ワークスタイルLabの所長、NOKIOOという会社の顧問、エイトレットのフェロー……複数の顔を持って活動しています。多拠点人材でして、今、私は浜松におります。浜松・東京の二重生活をしています。
日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社などで「IT×広報」。社内、グループグローバル、お客さま向けのIT、それから広報、コミュニケーションをつくる仕事を生業としておりまして、IT×広報で組織の景色を変える。変革を支援する仕事をしています。
これまで、350以上の企業、自治体、官公庁の働き方改革、組織変革、風土改革を支援してまいりました。そんな人間でございます。
新刊『バリューサイクル・マネジメント』。今日のお話もこの本に基づいています。半径5メートル以内からどのように世界を変えていくか、景色を変えていくか? 経営と現場の景色を合わせていくか? そんなテーマの本も執筆しています。
変わった趣味がありまして、ダムが好きなんです。お聞きの方で「ダム際(ぎわ)」が好きな方いらっしゃいますかね。ワーケーションの1形態として「ダム際ワーキング」をプロモーションする活動もしております。
実際、ダム際で私は、たくさんの実績を出しているんですね。ぜひ、このダム際ワーキングしながら、それを支えるコミュニケーション、マネジメントって何? そんなことも今日触れていけたらと思います。よろしくお願いします。
さあ、さっそく本題にまいります。これからの時代のマネジメント。なぜ、タテ・ヨコ・ナナメに組織間、あるいは人と人、つながっていく必要があるのか? そのためには、時代背景を理解する必要があると思います。なので、これからの時代のマネジメントについて触れていきたいと思います。
ひと言でいうと、この1行なんですね。「ハイブリッドを乗りこなす」。さまざまハイブリッド化が進んでいる。それを組み合わせる。使いこなすことによって、ビジネスモデルを変えていく。あるいは今までにない価値を創出していく。これが求められている時代でございます。
(スライドを指して)一番左の「働く場所のハイブリッド」。まさにテレワーク・リモートワークのような仕事は、オフィスであっても自宅であっても、現場であってもコミュニティスペースであっても、あるいはそれこそダム際であっても。場所に囚われず能力、ヒント、あるいは答えを持っている人同士が、素早くつながって素早く価値を出す働き方に、他なりません。場所のハイブリッド化は、これからどんどん進んでいきます。
真ん中。「顔のハイブリッド」。パラレルキャリアと冒頭に申し上げました。1人の人格が複数の企業の顔を持つ。あるいは、ある企業では社員、フリーランスの顔を持っている。さらには多拠点生活。私も浜松・東京の多拠点でございます。複数の顔を持つ人を組織が使いこなしていかないと、価値を生み出しにくい時代になってきている。そこで、顔のハイブリッドとどう向き合うか?
そして右側。「業種・職種のハイブリッド」。例えばフィンテック、金融×IT、アグリテック、農業×IT。このように、異業種や職種が掛け合わされることによって、新たな価値を生み出していく。サービス提供型のビジネスモデルに変えていく。この流れは止まりません。
そうすると、例えば製造業×IT、建設×サービス業のような、業種・職種の掛け合わせによる価値創出が求められるわけですね。このようにハイブリッドを乗りこなせる企業と、そうでない企業・組織においては、格差が広がる一方です。
さあ、もう1つ別の資料をご覧になっていただきたいと思います。私が監修・講師をしております「組織変革Lab」のオンライン会員制の講座の資料からの抜粋です。これまでの時代と、これからの時代を端的に示した図です。
これまでの日本。過去の50、60年は向かって左側の「『統制型・ピラミッド型』に最適化して、答えを出してきた」と言うことができると思います。言い方を変えれば、旧来製造業モデルですね。どのようなモデルかというと、トップダウン。社長、トップ、あるいは企画部門が「この製品を作ったら売れる」。
車で考えるとわかりやすいですね。「この車を作ったら売れるね」という指示のもとに、各部門、製造部門があります。管理部門があります。マーケティング部門があります。情報システム部門があります。それぞれの部門が「上へ倣え」でビシッとプロセスを作って、基本的に、みなが同じことをする。
同じ場所に集まり、同じ時間を共有し、さらに基本的に男性正社員に最適化された、統制管理型のマネジメントを敷いてきたわけですね。中間管理職は、決められたルール、プロセスから逸脱しない人を見張る「監視型のマネジメント」のやり方が最適化されてきたんですね。
そして、それで勝つことができたわけですね。「言われたことをやっていれば、決められたことをきちんとこなしていれば、車が売れた」わけです。さらには、終身雇用型のモデル。人口ピラミッドの中で、言われたことをきちんとこなし、会社の指示に従っていれば、順調に昇進し、60歳になれば「おめでとうございます。定年退職です」。あなたは潤沢な年金と退職金で家族共々、幸せな老後を送れたわけですね。
しかし果たして今は、そのやり方だけで勝てるでしょうか? こういう話なんですね。今の時代、これからの時代は、不確実性がこれまでになく増してきている時代です。どういうことかと言いますと、マーケットはグローバル化していきます。さらに少子高齢化という不確実性のもとに、同じ組織の中で抱えられる人材には、当然ながら限りが出てきます。
そうすると、組織の中だけの人材では勝てないかもしれない。組織の中に答えがあるとも限らない。年長者が答えを持っているとは限らない。私たちが向き合っているCOVID19のような未知のリスク、未知の驚異がますます増えてくる時代。COVID19に向き合って業務を継続する。あるいは、新しいビジネスモデルを作っていく。(そうなったときに)答えを持っている人が社内にどれだけいますか? という話なんですね。
災害も複雑化していきます。そうすると、未知の災害にどのように向き合っていくか? 組織の中に答えがあるのかないのか? 素早く探して、なければないで答えがありません。あるいは「このような能力、解決策を持っている人いませんか? この指止まれ!」で外に対して問題・課題、あるいは理想とする姿・ビジョンを素早く発信して、組織内外の答えを持っている人と、素早くつながって素早く答えを出す。
あるいは、素早く失敗して、その失敗を次は成功するための知見に変えていく。ナレッジに変えていく。これをグルグル回せるやり方ができる企業が、より優位である。すなわち(スライドを指して)右側。オープン型&コラボレーション型にいかに最適化していくか? が求められる時代。このような時代の過渡期に、我々はあるということです。
ここ、非常に大事ですので、誤解なさらないように聞いていただきたいんです。私はなにも左型の「統制型・ピラミッド型」を否定しているわけではないんです。否定していません。答えが決まっている領域。年長者・ベテラン、あるいは社内に答えがある領域においては、統制型・ピラミッド型のモデルって、極めて合理的なんです。
管理する側・される側。双方において合理的です。管理する側は基本的に「ルールを守らせればいい」ので、管理コスト、コミュニケーションコストってあまりかからないんですね。一定はかかりますけども。
そして従う側・メンバーも「言われたことに従っていれば、答えが出せるので考えなくていい」んですよ。こんなに合理的なものはないんですね。
しかしながら、不確実性が増す時代において、今までのやり方、過去の成功法則で答えが出せる領域がどれだけありますか? という話なんですね。不確実性が増せば増すほど、統制型一辺倒で育ってきた人たちは「主体的に思考して、主体的につながって、主体的に答えを出す」という習慣に馴染んでいないですから。どんどんと思考停止により、不確実性に向き合えなくなる人材・組織になるリスクが高い。このような認識を持つ必要があると思います。
まとめますと、統制型・ピラミッド型、オープン型、いずれも合理性があります。統制型も正しいんです。しかしながら、統制型・ピラミッド型、過去50年60年、私たちが馴染んだやり方一辺倒には限界がある。リスクですらある。
部分的にでも、例えば「うちは製造業だから全員が集まって同じ時間を共有して、対面でやる」ではなくて。同じ製造業でも職種によって、勝ちパターンが違って当然です。営業職、マーケティング、ITはオープン型のやり方にしていく。
あるいは、部署や職種単位もそうですし、コミュニケーションのやり方は製造現場であっても、人も変わってきます。あるいは、正社員オンリーではなくて、さまざまな時短勤務の人がいたり、協力会社の人がいたり、多様化が進んでいきます。コミュニケーションのやり方はオープン型のスタイルに取り入れていって、時代に向き合っていく。「勝ちパターン」を実現していこう。こんな取り組み、考えが求められると私は考えます。
まとめると(スライドを指して)こうなんですね。コラボレーションできる。素早くつながって、あるいは勤務形態・人種が違う、プロフェッショナリティ・専門性が違う人たちと素早くつながって、オープンに協業できる組織と働き方に変えていきましょう。それが、組織とそこで働く人たちを強くしていく大きな鍵になってきます。
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