66万人が体験した「のび太の空中散歩」とは
ドローンを利用した空撮全天球動画の事例を紹介

公開シンポジウム「ドローンとデジタルコンテンツの未来像」 #3/7

航空法の改正手続きが進むなど、産業面での活用の道筋が作られつつあるドローン。医療から物流、アートなど幅広い分野での展開が期待されますが、これからのドローン産業を担う人材育成も求められています。デジタルハリウッド大学ではドローンについてのスクールの設立を前に、2015年7月22日にシンポジウムを開催。さまざまな立場から発表が行われました。このパートでは、映画『STAND BY ME ドラえもん』のプロモーションとしてYahoo! JAPAN上で展開された「のび太の空中散歩」の事例を紹介。上空150メートルまで飛ばしたドローンに付けた6台のカメラによる全天球動画の活用法や、苦労したポイントなどが語られました。

ドローンを活用したコンテンツ事例の紹介

熊田貴之氏(以下、熊田):ブルーイノベーション代表の熊田と申します。現在弊社はドローンの企画設計、それからドローンの運用、ドローンを活用したコンテンツの制作、またコンテンツを閲覧するためのアプリの開発を一貫してサービスとして提供させていただいております。

実は今日も何を話したら一番いいかなと、持ち時間が10分間しかないので私がペラペラしゃべるよりも、テレビで取材を受けたものを見ていただいたほうが一番早いので、今日は実際に私たちが関わったプロジェクトで、テレビで取り上げられたコンテンツをご紹介させていただきたいと思います。

昨年ですけれども『STAND BY ME ドラえもん』という3DCGの映画が公開されたことは、記憶に新しいと思います。電通さんがプロモーションの担当をしておりまして、当時Yahoo! JAPANさんのトップページで『STAND BY ME ドラえもん』という映画をプロモーションしたいと、その時にご相談があったわけです。

その時にYahoo!のトップページの通常のプロモーションでは非常に迫力が無いということで、何か話題になって拡散できるようなことができないかと。そこでみんなこの時には、いろいろなクリエイターの方々が考えて、いわゆるドラえもんと言ったらタケコプターだよねと。

そのタケコプターで飛べたらどんな素敵な世界観ができるだろうということで、ユーザーの体験型のアトラクションサイトを作ろうよと。そういうことで今回私たちに、お声がかかったことになります。

今回のプロジェクトは、この中にもご紹介がありますようにYahoo! JAPANさん、それからブルーイノベーション、それからバスキュールという企業さんで作った作品となります。ではちょっとテレビをご紹介させていただきます。

手元のスマホと連動した画面で隅田川上空を空中散歩

(テレビの映像がスクリーンに映る)

アナウンサー:それでは今、世の中で何が調べられているのか「イマ知る・ラボ」です。

ナレーション:先週の金曜日に公開された映画『STAND BY ME ドラえもん』。34年間のドラえもんの映画史上初となる3DCGの作品とあって、インターネットの検索やTwitterなどで、話題の言葉を集計したYahoo!の検索情報でも、7月半ばから注目度が急上昇。

のび太とドラえもんの出会い。しずかちゃんとの恋。そして、ドラえもんとの別れを描いた、香草から3年半もの年月をかけ実現したこの映画。大きな見所は。そう、3D映像なのでまるで自分がタケコプターで、実際に飛んでいるかのような臨場感が味わえるのです。そんなタケコプター体験実は自宅でもできるんですよ。

ヤフーが来週金曜日22日から開始する新サービス「のび太と空中散歩」。はたしてどのようなものなのか? 私さっそくヤフーを訪ねてきました。

増田誠次氏(以下、増田):空中散歩はパソコンのほかにタブレットか、スマートフォンが必要です。

ナレーション:まずはYahoo!のトップページで「タケコプター」と検索。検索結果の1番上に出てくる「のび太と空中散歩」をクリックするとこちらの画面が出てきます。

増田:実はここから先は、どこにも見せていないんです。

ナレーション:なんと今回、どこよりも早くグッドモーニングをご覧の皆様に、その全貌をお見せしちゃいます。

レポーター:あっドラえもんだ! ここで初めて登場しましたね。おっ投げましたね。スマートフォンに! 仕掛けが細かいですね。

ナレーション:タケコプターを受け取り、いよいよ空中散歩に出発。さぁをどこでもドアを抜けると……どこかの上空のようですね。

増田:のび太くんが出てきます。

ナレーション:上下左右360度視点を変えられるということで、周りを見渡すと目の前にスカイツリー! そう、実はここ隅田川の上空です。さらに。どの場所でどの方向を見るかによってお馴染みの仲間たちが登場。

まるでアニメの世界で一緒に空を飛んでいるかのような体験ができるんです。操作方法は、手元のスマートフォンを見たい方向に傾けるだけ。まさに思いのままです。

渡辺淳氏(以下:渡辺):タケコプターで飛んでいることを体感してもらいたいので、あたかも飛んでるような動き、そこの開発に一番苦労しました。

ドローンに付けた6つのカメラでの全天球動画撮影

ナレーション:でも気になるのはこの映像。一体どのようにして撮影したのでしょうか。撮影を請け負った会社に取材を依頼したところ、待ち合わせに指定されたのはなぜか隅田川の河川敷。

レポーター:すいません、こんにちはよろしくお願いします。

熊田:こんにちはよろしくお願いします。

レポーター:ちょっと見てください! えっ何ですか! これ! なんか飛んでますね。

熊田:こちらがブルースカイパノという無人航空機を活用して、空からパノラマで撮影するというシステムです。

ナレーション:こちらのヘリコプターのような無人航空機で、あの映像を撮影したというんですね。タケコプターを思わせる8つのプロペラを持ち、上下にそして前後左右に動きも非常に滑らか。

そして吊り下げられた6つのカメラにより、1度に360度全方向の撮影が可能。その映像を1つにつなぎ合わせることで、上下左右見渡せる映像が作られていたんです。その機体を操るのは、この道24年のベテラン操縦士。風の影響を受ける機体を、ミリ単位で操作する精密さはまさに神業。

レポーター:どんどんどんどん上がっていきますね。小さくなっていきます。

熊田:航空法の許容限界の150メートルまで上げています。

レポーター:150メートル!

ナレーター:「のび太と空中散歩」の映像は、このハイスペックマシンを使い、18回もの飛行を繰り返すことで実現した画像です。またこの機械を使えば滝に急接近する映像や、普通のヘリコプターでは飛べないような狭い場所での空中撮影も可能だといいます。

(テレビの映像が終了する)

天気や許可申請などで苦労も

熊田:はい、これが概要でございます。今日せっかくですのでちょっとヤラセ感満載なんですが、今ここで実際にどういうコンテンツなのかを再現させていただきたいと思います。今、このドラえもんが出てきまして、ここから彼女が実際に体験していける、そういうコンテンツになっています。

彼女の手に注目をしていただきますと、例えば右に行きたいなぁと思ったら、はい右にいきましょうか。(女性が持っているスマートフォンを右に傾ける)こういうふうに右の方向をユーザーの目線で見ることができます。では次は左へいきましょう。

こういう形で、ちょっと若干時間差はあるんですけれども、ユーザーが自由にこういうふうに見えるというコンテンツ。しかも動画であるということで、これいろいろ見ていただくと、映像の微修正を行なってドローンは消しております。

この映像コンテンツを作るのに非常に苦労したことは、とにかく梅雨の時期だったので全く晴れなかったこと。ほとんど映像撮影をしたときはずっと曇りで世紀末のようなコンテンツになってしまったことで、なかなかドラえもんの世界観を表せない。

ようやく18回目に晴れたんです。それから先ほどもありましたように、とにかく許可申請に時間がかかったり、それからいろいろとどういう映像がみんなに刺さるのかということを協議したことがありました。

2週間で66万人が体験

一応今回のこのプロジェクトは、話題になった広告ということで、2つの世界の賞を受賞した。一応残念ながらカンヌのほうの広告賞は、ノミネートされただけということですが、それなりにインパクトがあった。世界でも広告としては、インパクトがあったというコンテンツになりました。

一応2週間の期間、公開だったんですけども、約66万人に体験していただいたことでひとつのプロモーションとしては大成功と言えるコンテンツでございます。

はい。では以上ですね。ありがとうございました。ちょっと今日は簡単に、百聞は一見にしかずということでご紹介させていただきました。私たちもとにかくドローンを、運用状況とか企業さんのためにいろいろお手伝いとか、サポートさせていただいています。

今後、私たちがこのドローン業界で、いろいろ広がっていくことを重要なポイントというのは、やはりそういうクリエイターの方も今日、たくさんいらっしゃると思うんですが、どういうふうにこのドローンを良い方向に利活用、アプリケーションとして使っていくかが、1つキーになるのかなという風に思っています。

いろいろこれからレギュレーションとか、萎縮してしまうムードも若干あるんですけども、ぜひ始めの段階では、いろいろとこの時にものすごい考えまくったので、クリエイターの皆さんは、いろいろ創意工夫して、いろんなアイディアを出して、その中でレギュレーションと照らし合わせながらいいコンテンツを作って、ドローン業界が盛り上がっていけたらなぁというふうに、個人的には思っております。

以上です。ありがとうございました。

(会場拍手)

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