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公開シンポジウム「ドローンとデジタルコンテンツの未来像」(全7記事)

不動産PVからホラー映画まで ドローンを活用する映像制作会社が事例を紹介

航空法の改正手続きが進むなど、産業面での活用の道筋が作られつつあるドローン。医療から物流、アートなど幅広い分野での展開が期待されますが、これからのドローン産業を担う人材育成も求められています。デジタルハリウッド大学ではドローンについてのスクールの設立を前に、2015年7月22日にシンポジウムを開催。さまざまな立場から発表が行われました。このパートでは、映像制作会社のラヴアンドシェアイメージ・永山新一氏が登壇し、ドローンを活用した事例を紹介。三井不動産レジデンシャルや三菱商事といった大手デベロッパーから依頼を受けた新築マンションのイメージ映像から、ホラー映画のワンシーンまで、幅広い経験を語っています。

デベロッパー向けの映像制作会社の仕事

永山新一氏:みなさんこんばんは。最後のお話をさせていただきます。私はラヴアンドシェアイメージという小さな映像会社をやっております永山と申します。よろしくお願いします。

弊社は先ほど映像制作と申し上げましたが、かなり狭い分野に入ってます。お客様が大手のデベロッパーさんです。例えば三井不動産レジデンシャルさんだったり、三菱商事さんだったりというところがお客様になっております。

何をやったかと申しますと、駅とかに看板が出てて、どこどこに堂々誕生みたいなとか、モデルルームオープンとか、モデルルームにもしかしたら行かれた方がいらっしゃるかもしれません。

そこに行くと、彼らのビジネスモデルというものは、形になる前に物を売っちゃいたいわけですよ。マンションでこうなりますよーという期待値で売らせちゃう。

そこにちょうど小さなシアタールームみたいなものがあって、コンピューターグラフィックなんかを付けて、実際にこの物件にはこんなに立派なお庭ができますよとか、2階に上がったら実際の部屋が作ってあってどうですかって販売することになっています。

ドローンで俯瞰映像の撮影コストが抑えられる

私どもがそうした映像制作をしている中で、あることがあったんです。例えば、ある場所を俯瞰するときに、今まで僕らは新木場にある東京ヘリポートに行って、ヘリコプターに乗ったわけです。上から高度200m、300mからドカーンとカメラで撮ってたんです。

それが1発飛ばすのに、50万円から60万円かかります。天気が悪いと待機が入って、結局70万から100万円ぐらいになっちゃったみたいなことがあったりしまして、チクショーと思ってたんです。なんとか違う形で撮れないかなと思っていたところ、Phantom2が私の目の前に現れたわけです。

Phantom2をよくよく研究してみるとジンバルが付いていて、ジンバルが何かというと、ちょっと機体が傾いても自動的に調整してカメラの位置がぶれないだとか、ちょっとクッションがついていて、羽がブンブン鳴りますから振動を抑えるとか、去年の春先ぐらいかな、何も規制がなかった頃です。

私は毎週末サーフィンをやってるんですけど、風の向きみたいなものに何となく感覚があって、大体風速5m以内で墜落しないように……。なぜ墜落しないようにするかというと、当然できたばっかりの業界に、迷惑をかけちゃいけない、事件を起こしたら申し訳ないっていうのは上っ面ですけど、実は、たかだか20万円のドローンを落としてしまうともったいないという気持ちから始まって、慎重にやってました。

というのがだいたい私とドローンとの映像の関わり合いでございまして。実際どういうのを作っているかというと、これがSUUMOさんという不動産屋さんのサイトがありまして、ここにある物件について作ったのがあります。ちょっとご覧になってください。

(映像がスクリーンに映る)

まぁドローンドローンと言いつつも、そんなに使えてねーじゃねーかってことなんですけど。僕なんかはそもそも、人間の表情とか、気持ちっていうところを表現することにすごくフォーカスした映像を作っていたんです。ドローンがこういった不動産屋さんがお客様となった時に、大きな俯瞰をするのに非常に向いてるんです。

ホラー映画の撮影でも使用

それでこういったニュアンスで、いろんなものを組み合わせたものを使ってます。その中で例えば『アイズ』という映画は、今年の夏封切りなりました。その中でちょっと。見てくださいこれです。ホラーが嫌いな方ごめんなさい。少しおつき合いください。ここですね。このまま消したままで大丈夫です。

こういった映画の中のワンシーンでやったりです、これはPhantom2で撮ったんですけど、GoProで撮ったものをDaVinciというソフトウェアで着色して、ちょっと意外なのを作ったりしています。

後は長くなっちゃうんで、はしょりますけれども。ちょっと飛ばしながら見ます。

(映像がスクリーンに映る)

これが市ヶ谷にある東急さんのひとつの物件なんですけども。固定カメラから大きな橋を写しまして。ちょっと後飛ばします。こういうこともやっております。

後はこれもまた不動産屋さんがらみなんですけど、見込み客に対してEmailを送りまして、そこに動画がくっついてまっせとやると、回遊率は20何パーセントが60何パーセントになっちゃったみたいな、経済的に効果があったという事例なんですけど。

(映像がスクリーンに映る)

これはドローンじゃないです。さっきと一緒です。最後は晴海のところに行って、ゆっくりとドローンを上あげながら俯瞰映像を撮ったりしています。

ドローンで人物の表情を捉えてみたい

それと私は、どちらかというとエンターテインメントの新ジャンルに生きている人間です。今後ですけど課題というか、今思っているのは、今見ていただいてる人物をアップで捉えて、そのまま違うドローンのやつに切り替えているんですけれども、人物の表情を捉えてそれがそのまま大きな俯瞰にいくような、ドローンで人物の表情を捉えるような仕事を、これからしてみたいなぁというふうに思っています。

何か大きな2つの事件、官邸墜落というのと川崎の中学生かな、善光寺にドローンが落っこちちゃったみたいな話で、ドローンがよくわからないから認めなくていいんじゃないという雰囲気になってますよね。

そこではなくて、やはり空撮によって得られる感動だったり、全体で皆さんがガーッと集まって、撮った喜びだったりしたものがドローンの精神ですので、私どもは引き続きドローン撮影で皆様の気持ちをとらえたい。感動を伝えることを、引き続きやっていきたいと思っています。すいません、お時間いただきありがとうございました。

(会場拍手)

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