「twitter見てて、すごい時間のムダだなと感じて」 グノシー代表・福島氏が語った、立ち上げ時のストーリー

パネルディスカッションA #1/3

JPHACKS 2014
に開催

東京大学が開催する国内最高峰の学生向けハッカソン「JPHACKS」。そのアワードイベントに東京大学出身の起業家であるFiNC・南野充則氏、Gunosy・福島良典氏、Pluto・金田賢哉氏の3名が登壇し、起業したきっかけや創業当時の苦労を語ります。

テクノロジーを駆使したスタートアップの魅力

伊藤浩樹氏(以下、伊藤):今回のテーマが「テクノロジーを駆使したスタートアップの魅力」といった所で素晴らしい御三方にお越しいただいております。

私自身は技術畑の出身ではなくてですね、単にベンチャーの経営に関わっているぐらいなもので、私自身のピクシブのお話を特にするつもりはないんですけれども、御三方とも東大在学中からですね、ご自身の研究を進められながら、よくよく聞いてみるとあんまりやっていた研究と関係無いフィールドでそれぞれ自分自身のビジネスを立ち上げたということで「誤解されるのはもううんざりだ」みたいなことをですね(笑)。

今日ここで研究とビジネスは関係ないって言い切りながら皆さんがどちらかっていうと、どうやれば未来のある事業・ビジネスみたいのものに辿り着いて、また辿り着くではそんなに意味がなくて、そこからどういう人とかどういう事と出会い、乗り越えながら今に至っているのかという所を今日、御三方から聞き出せれば良いんじゃないかなという風に思っております。

まずはそれぞれですね、今ご自身がやってらっしゃる会社、プロダクトのお話と、あとはそこに至った経緯じゃないですけど、今やっているものの経緯などについてお話いただければと思います。

誰もやっていない方法で、人々を健康にしたい

伊藤:では、まず南野さんのほうからよろしくお願いします。

南野充則氏(以下、南野):はじめましてFiNCの南野と申します。まず自分の会社がいま何をやっているかなんですけれども。僕たちはヘルスケアカンパニーでして、ダイエットのサービスをやっております。

ただダイエットさせるだけじゃ全然おもしろくなくて、僕らはもっと健康寿命を伸ばしたいといった所で、人々をもっと健康にするようなサービスを作っていこうといった所で、まずダイエットのサービスを作らせていただいています。

主にどんなサービスかと言いますと、ただ「痩せましょう」だと全然人って痩せてくれないので、そうじゃなくて遺伝子検査だとか血液検査、あとはアンケート、どんな生活習慣をしているんですかとか、ライフスタイルのアンケートを取りましてそのデータを元に専門の栄養士であったりだとか、トレーナーがスマホを使ってですね「アナタはこういうのを食べたらこういうことが悪いので、アナタはこういうものを食べましょう」とか「ちょっと今日頑張って運動してみましょうか?」みたいなレコメンドをすることでユーザーさんが痩せていくようなサービスを今やらせてもらっています。

なぜこの会社に行き着いたのかというと僕、在学中に2社くらい会社を作ってまして、失敗をしながらここに辿り着いたというのがあります。元々ずっとヘルスケアで起業したいなと思っていて、最初は医療のほうをずっとやろうと思っていました。

例えば、医薬品を販売してみたりとかですね。あとは製薬会社にコンサルティングしてみたり。あと薬局のシステムを作ってみたりとかしたんですけど、なかなか医療のほうを動かすというのは、学生だと力がなくてですね。

それよりはもっと予防医療であったりとか、まだ誰もやっていないとこをやろうみたいなので、今の会社に行き着いてですね。もっと人々を健康にしたいなと思ってサービスをやらせてもらっています。そんな感じです。

使い勝手を科学するニュースアプリ「Gunosy」

福島良典氏(以下、福島):皆さんこんにちは。Gunosyの福島と申します。僕がやっている会社なんですけど「Gunosy」っていうニュースアプリを提供しています。この会場でGunosyを使っている方って今どれくらいいますか?

(会場挙手)

というくらい広まっているアプリです(笑)。

(会場笑)

これはいつも言うんですけど(笑)。数字でいうと国内で800万ダウンロード。3年以内に5000万ダウンロード、グローバルで5億くらい行きたいな、というのを考えています。

ニュースでも今までのニュースアプリと何が違うんですかと言いますと、僕は大学時代に人工知能とか今風にいうとデータマイニングみたいな研究をしていて。Web上にあるすごいいろんなニュースに対する参照情報がいっぱいあるんですけど、それをイメージでいうとGoogleのページランクみたいな感じでうまくオーサライズする、上手くスコア付けするみたいなのを頑張っている会社です。

あとはニュースって、記事が良ければ読まれるかっていうと必ずしもそうじゃなくてユーザーインターフェースとか僕らなりに「使い勝手を科学する」みたいなことを言っていて、いろんなデータを分析してめちゃくちゃ使いやすいニュースアプリを作っている会社ですね。

ユーザーは研究の新しさには興味がない

福島:ニュースだけではなくてこれからはポータルというか、いろんなサービスの情報とか、ニュース以外の情報みたいなものも扱って行こうとしています。会社自体は2年前に作って、僕が大学院の在学中にGunosyというサービスを作ったんですけど、それを個人で1年くらいやっていてちょうど2年前に法人化しました。

今の会社のサイズで言うと大体社員が60名くらい。売上はあんまり公表していないんで興味ある方は個人的に聞いて下さい(笑)。サービスを作ったきっかけで言うと、研究とか云々とかいう話が今日あったんですけど、研究というよりは僕は純粋に自分の勉強している人工知能の分野がこれからインターネットとかWebのサービスで凄く大事になっていくだろうなと思っていて、それを使ってサービスを作ってみたいなというのがきっかけでした。

今でいうと、研究的にめちゃくちゃ新しいことをしているかと言うと必ずしもそうじゃないんですけど、そうじゃない分野、そうじゃない質の難しさに挑戦しているというか。

研究っていうのは今までの既存のものに対して、何かオリジナリティを持って何かを創り出すということだと思うんですけど。会社をやっていて思うのは、とにかくユーザーに対して作っている。ユーザーというのは別に新しい研究かどうかというのは気にしなくて、とにかく「良いサービスか」とか、そういうものを気にするので。

そういった問題を技術を上手く使って、どうやってビジネススキームを組んでユーザーに使い易いものを提供するかということを日々考えていますね。

今おもしろいことの為なら、過去は捨てる

金田賢哉氏(以下、金田):Plutoの金田です。今日はよろしくお願いします。Plutoは家電を遠隔操作するというWebサービスをやっていまして最近でこそ増えているんですけど、モノを作っているベンチャーをやっています。

モノを作るって言うのはわりと大変で。アプリとかだと自分で作ってパソコンの上で全部閉じる訳なんですけれども、モノを作るってなると特に量産なんでクラッパを削るですとか、そういった形で最初に莫大な投資が掛かるという事があります。

私どもが会社を始めたのは3年前で、当時はまだまだ3Dプリンターがちょっと名前が広がってきた頃くらいだったので結構大変でした。今はですね、今期は1万台、それから海外展開が始まるみたいなフェーズになってきていて、ちょっとずつベンチャーが作るハードウェアといったものが受け容れられるような時代になっているのかなという風に思っていますね。

大学の時に何をしていたかと言うと、僕はエンジンを研究していてぶっちゃけ何も関係無いということで……。自分が今おもしろいことだとか興味があることの為だったら自分の過去というものをばっさり切り捨てて、いずれ戻ってくるかも知れない訳なんですけれども、今興味があることとか、目の前のことに集中しておもしろい仕事をしているという風な考えになっています。今日はよろしくお願いします。

社会的意義と市場性からビジネスを考える

伊藤:ちょうどいま御三方のお話をお伺いして面白いなと思ったのが、やっぱり単純に大学在学中からの研究を続けて行く中で、それの延長線上にあったというよりは、やっぱりご自身の元々の関心が強いものとか、そういったものにトライしていった時に、それが今のそれぞれの事業に育っていったという所な気がしているんですけれども。

単に興味があるという、例えば「家電の何々に興味がある!」とか「人の献血に興味がある!」とかだけでは何も出来ないと思うんですね。どこからそれを具現化しようというか、自分で挑戦しようと思ったのかとか。

あとはそもそも挑戦する時も「これ儲かるでー!」とか「これ事業になるでー!」と思ってやったのか。それとも「こういうのがあったら良いな!」みたいな、もう少し大きいものを考えて「とりあえず何か作ってみるか!」という所から始めたのかだと大分違うと思うんですけど。その具現化するに至った時の考えみたいな所を。あとは「いつビジネスみたいなものがそこと結び着いたのか」みたいな所をそれぞれ3人からお伺いしたいなと思います。それでは、じゃあまた南野さんからお願いしようかな。

南野:大きくビジネスをやろうと思った時、いつも僕が考えるのは「社会的意義と市場性があるのか」というのをすごい僕は見ます。

元々僕がヘルスケアをやりたいなと思ったのは社会的意義が高いなと思ったんで。あともう1つ、エネルギーとヘルスケアってすごい日本から世界に発信できそうなんですよね。

しかも、生きて行く上でエネルギーと健康って絶対に必要じゃないですか。なので、おもしろいなと思って。あとは「市場性を見てどこにしようかな?」と決めた感じなんですけど、エネルギーは電力会社とかすごいデカそうで難しそうな気がして「個人の力でいきなり変えれるか?」というとちょっと難しいなと思っていて。

逆にヘルスケアだと予防医療だとか、まだ無い市場が日本にはありまして。たまたま、僕がダイエットをやろうと思ったのも糖尿病に関する調査を厚労省から依頼されてやっていたのがきっかけで。その糖尿病の調査していると、なかなか糖尿病になっても治す方法が無かったりだとか。

あとは今だと病院に行って薬局に行ってそれで薬を貰ってそのまま飲み続けるだけで、悪化してしまうみたいなパターンがすごいあるんですよ。すると「もっと糖尿病になる前に止めれてあげられたら人ってもっと幸せになれるよね?」とか。

あとダイエットにかけるお金って「どれくらいあるんですか?」っていったら、めちゃくちゃ皆さんお金を使われるといった所で。そこら辺の所から予防医療の市場開拓できたらすごい面白いなと思い、僕はサービスを始めました。

友達を100人作るよりも、家電と仲良くなるほうが良い

伊藤:順番変えて金田さんいこうかな。

金田:何も考えてなかった(笑)。突然なんですけど皆さんの中で一人暮らしの人います?

(会場挙手)

金田:あっ多い! 良かったー! 大学入ると急に一人暮らしを始めて寂しくなりませんかね? なりますよね? 皆さん寂しくなるんで、友達を大学で100人作るのも良いんですけれど、友達って1つの授業で最大1時間半くらいしか1日で一緒にいない訳ですよね。

でも家に帰るとなんと家電っていうのは、寝てる時間も含めると10時間くらい一緒にいる訳じゃないですか? だからよーく考えるとね。ロジカルに考えて下さいね? いろいろ余計なことを考えずに……友達を100人作るよりも、家電と仲良くなるほうが良いと思いませんかね?

(会場失笑)

あー微妙ですね(笑)。

伊藤:良いとした上で続けて貰いましょう(笑)。

金田:いや別に僕は友達いない人とかじゃないんですけど、家電との関係を変えてみようかなと思った訳ですよ。玄関を開ける前に電気付いているとちょっとホッとするでしょ? 

家帰る前に玄関きたら、ちょっと良い音楽が流れていたらちょっとテンション上がるじゃないですか? 今冬じゃないですか? 帰る前にエアコン付けられるとちょっと幸せな気持ちになれる訳ですよ。

家電というのはリモコンがあってボタンを押す、それで家の中に全部まとまっているから生活にフィットしているように見えるんだけれども、部屋にはフィットしているんだけれども、人間にはあんまりフィットしていないように思えたんです。

大学1年生の時に。当時はスマホとか無かったんで、iモードで電気を付けられるっていうのを作って、そしたら友達とかがすごい興味を持ってくれて。友達とかも勝手に僕の家の電気を遠隔操作するようになった訳ですよね。

「明日朝からバイトなんだよね」とか言ったら、なんと目覚まし掛けなくてもですよ? レポートで徹夜しているヤツが俺の部屋の電気をつけてくれる訳ですよ。これすごくないですか?(笑)

それで「これきた!」と思って、研究とは全く関係なく、そういうのを軽いノリで出してみようかなぁという感じで始まりました。で、ふっき(福島氏)はどうなんですかね?(笑)

「儲かるかどうか」を考えてから立ち上げるべき

福島:そうですね(笑)。まず大前提で聞いて欲しいのが、僕の過去のサービスの立ち上げ方と、今自分がやろうと思っているサービスの立ち上げ方は全く別のもので、かなり愚かな始め方をしているので聞いてもあまり参考にならないという前提で聞いたほうが良いと思います(笑)。

さっき儲かるかどうかみたいな、スタートポイントで考えた方がいいかどうかみたいな話があったんですけど……、僕がGunosyを立ち上げた時は「儲かるかどうか?」っていうのを一切考えていなくて。

というかむしろ儲からないと思って始めていました。でも、今立ち上げるんだったら絶対にこれは考えるべきだと思います。なので皆さんがこれからサービスを立ち上げたいのだったら考えたほうが明らかに上手くいくと思いますね。

これはもう事実だと思います。もし自分で考えられないんだったら良いパートナーを見つけてくる。今、お金を持っててしかもビジネス分かってて暇になっているおじさんって結構いるんで、そう人を引っ張ってくるのが超大事だなと思います(笑)。

そういうのを踏まえた上で、どうやってサービスを立ち上げたかっていうと、きっかけ自体は「僕はその一人暮らしで……」っていう話をしたほうが良いですか?(笑)

寂しくてtwitterとかFacebookとかSNSをめっちゃ見る人間だったんですね。SNSの情報っておもしろくて、サービスとしてもおもしろいんですけど、個人の情報が初めてすごくアクセスしやすい形でインターネットに載ったというのがSNSのもう1つの側面だと思っていて。

そのデータとかその個人が、例えばニュースでいうと、twitterでめっちゃニュースって呟かれているじゃないですか? あの情報を解析するだけで、今は人が編集して例えばヤフートピックスとかトップに選んでいると思うんですけど、アレよりも遥かに高い精度でその情報を使うことによって、自動的にニュースのランキングづけができるんじゃないかと思いました。

そういうことってこれからWebの世界でいっぱい起こってくるんですね。今まで人手で何となく勘でやっていたものが、実は大量のデータを扱うことによって科学的にもっと良い物をつくれたり、もっと良いデザインを作れたりだとかそういう所に可能性を感じています。

持たざる者にチャンスがある時代

福島:そして、自分が一番始め易いという意味でニュースっていうものを対象にして、Gunosyというのを始めたのがきっかけですね。きっかけでいうと、とにかくtwitterとかを見ていると、皆さんはどうか分からないですけどすごい時間の無駄に感じるんですよね。

駄目な情報とかも沢山あって、「そういうのを取り除いてもっと効率良く情報収集したいな」みたいなモチベーションで始めましたね。今ビジネスを始めるなら、そういう個人のモチベーションも大事なんですけど、今できることに捉われずに未来の自分が出来ることに非常にこだわって欲しいなと思っています。

デカいテーマに取り組んで欲しい。今で言うと結構自分が興味を持っている分野もいろいろあるんですけど、簡単に儲かる分野はあんまりなくて。例えばいま僕がガソリンエンジン型の自動車をどうしても作りたいんだと言って会社を作っても絶対に勝てないと思うんですよ。

そこってあまりやる意味が無くて。そうじゃなくて参入するんだったら、テスラ(テスラモーターズ)っていうデカい会社が出来たんですけど、電気自動車の。歴史を見ると必ずコスト構造を変えるような何か新しい産業が出来る時に、こういう持たざる者にチャンスがあるというか、持っている人よりも持っていない人のほうが有利になる瞬間って必ずこの業界では何度も訪れていて、「そういったチャンスに懸けることが良いんじゃないか?」ということを僕個人としては思っています。

JPHACKSとは?

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「JPHACKS」とは、東京大学が「3年先の世界基準となるプロダクト」をテーマに開催する国内最大規模の学生向けハッカソンです。

このハッカソンでは、若者の技術力や熱意、想像力すべてを集結し、世界を驚かすプロダクトをここから生み出すことを目指しています。

・公式サイト

制作協力:VoXT

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