経営者がプロジェクトを丸投げ、進め方に悩む担当者

高橋淳也氏(以下、高橋):それでは、次の問題です。プロジェクトにおける「経営層」の役割って何でしょう。私は社内で業務改善していても、社外のコンサルとしてDX推進の情報交換をする中でも「経営者とのやり取りにすごく悩むんです」という声をよく聞きます。

プロジェクトでは経営層とか上位役職者、事業部長の方とのやり取りがとても大切になるんですけれども、いざ経営者に話を聞くと「任せるよ」としか言われないと。「どうしたらいいんですか」という悩みをよく聞くんですね。みなさん、どんなふうに経営者とコミュニケーションを取っているでしょうか。

私なりの答えなんですが、経営層というのは「プロジェクトのオーナー」だと思っています。オーナーというのは、わかりやすく言うと「費用と人員を用意する人」ですね。もっとわかりやすく言うと「スポンサー」というとらえ方をしています。

旅に例えると、旅費を出す人たちが旅に詳しいとは限らないじゃないですか。ですので、経営層がkintoneに詳しくなくたって「IT改善をしよう」と言う。そりゃそうですよね。むしろ詳しい人に任せたいからこそ旅行代理店に発注したり、「君に幹事は任せた」と言って任せるわけですよね。

ですので経営層が(プロジェクトに)詳しくないというのは、ある意味当たり前なんだなと、自分の中で整理をしています。経営層にあるのは「いつまでにこういうことを実現したい」という目的なんですよね。

「こういう売上を上げたい、シェアを取りたい」「こういう利益を実現したい」。その目的だけがしっかりしてるので、答え・手段は何でもよかったりするんですよね。なので経営層と話をする時は、目的をしっかり話し合うと強力な味方になってくれて、予算もしっかり出してくれたりします。

プロジェクトマネージャーの醍醐味

高橋:次に、プロジェクトに「エース級」が集う日はくるのかということですね。役職者、エース級の人材は常に引く手あまたで、プロジェクトになかなか入ってくれない。

先ほど小林さんが出してくださったプロジェクト体制図でも、部長・課長の名前が並んでいるけれども、実質ほとんど(プロジェクトに)入ってない、名前だけというケースもけっこうあったりするんですよ。そうすると若手・未経験者だけでプロジェクトをやらなきゃいけないケースがけっこうあるんですよね。

「えっ、エースがいなくてできるんだろうか」と私もいろいろ葛藤したんですけど、「旅を終えると人って頼もしくなるよね」と思っております(笑)。プロジェクト自体を成長の旅ととらえると、ポジティブになるんじゃないかなと思うんですよ。

私が参考にしているプロジェクトマネジメントの書籍の中にも書いてありました。やはり「エース級の人材を100パーセント投入できて、完璧な布陣を組める日はない」「諦めましょう」と。それよりは、若手をそのプロジェクトに100パーセント入れるようにしっかり育てたほうが、プロジェクト全体としては進みますよと。

未経験はできないんじゃないです、伸びしろなんです。「この子はできない」と弱みに目をつけると悲しくなっちゃうので、各自の強みが活きる役割をうまく振ってあげると、子どものように短期間にぐぐぐぐっと成長するんですよ。

ですので「強みを探して役割を託す」ということがプロジェクトマネジメントでは大事ですし、この成長をプロデュースするというか、タレントのマネージャーみたいに、活きる仕事を取ってきてあげることも、PMの醍醐味なんじゃないかなと思っております。

チームを形成する5段階

高橋:最後の問いなんですが、「プロジェクトメンバーとの対立ってダメなんですか?」っと。ふだん接しない人とプロジェクトで接すると、ギクシャクするじゃないですか。「営業部と管理部門は喧嘩する」とかよく言う話なんですが、意見が一致しなかったり対立するのは失敗なんですかね?

私はずっと考えてるんですけど、多少喧嘩してもいいかなと思っております。だって旅は非日常ですから。「雨降って地固まる」ということも多いと思うんですよね。みなさん学生時代を思い返していただいて、合唱コンクールとか学園祭の前ってだいたい喧嘩しませんか?

私の中学校が合唱コンクールにすごく力を入れていたんですが、だいたい途中から「男子なんで練習しないの」「女子うるさい」みたいに男女の派閥が生まれるんですが(笑)。ちゃんと本音を言えてるから、最終的にその喧嘩が多いところが優勝したりするんですよね。

なのでこの対立を乗り越えると一致団結して、チームの結束力が強くなるんじゃないかなと思っております。意見の対立は(相手を)理解するためのステップなんですよね。なので対話を重ねることによって、距離が近づいていくんじゃないかなと思っております。

これが理論でも証明されております。チーム形成を5段階で説明した「タックマンモデル」があります。今日会場を見るとけっこうベテランの方がいて、プロジェクトマネジメントを勉強してる方からすると「当然だろう」と思われるかもしれませんが。

これは心理学者の(ブルース・W・)タックマンが1965年に提唱した、チームの発達段階を表したモデルです。最初は形成期と言います。プロジェクトが組成され、チームが創生されるこの時期は、みんなバラバラな方向を向いてます。

次に起こるのが混乱期です。今度は矢印がお互いに向き始めました。喧嘩の始まりですね。そこの対立を乗り越えると、今度は統一期となります。(矢印が)同じ三角の方向を向きましたね。これがNormingという統一期です。

健全な意見の対立が、結束力を強くする

高橋:さらに進むと役割分担が(生まれます)。「俺が前線を攻めていくぞ」「俺は守りを固めるぞ」と、しっかり役割分担をして機能していくのが機能期です。最後はプロジェクトが終了したり、メンバーが入れ替わったりする散会期。

混乱期が「U字の谷」と呼ばれていて、ここを乗り越えないといけないんですよ。チームやプロジェクトを組む時は、必ずこのU字の谷が出てきます。なので対立したら「ああ、きたな」「この瞬間を乗り越えたら強くなる」と考えております。

この時に意見をぶつけないよりは、ぶつけたほうがいいです。ちゃんとお互いが思っていることを本音で話しましょう。「俺はこれがやりたいんだ」「こういうことを実現したいんだ」と話さないと、ちゃんとチームになれないんですよ。

だけど、ただ単純に喧嘩すればいいわけじゃないですよ。相手の状況をしっかり聞いて、自分がやりたいことをわかりやすく言葉を尽くして説明する。(相手が)勝手にわかってくれることなんてないです。

小林さんの話の中で「プロジェクトマネジメントで大事なのはコミュニケーション」とおっしゃっていましたが、「ちゃんと話す、ちゃんと聞く」ということをやると、みんなでこのU字の谷を乗り越えられるんじゃないかなと思います。

チーム内や関係者間で難行するのは自然なことですので、覚悟して乗り越えるのがいいかなと思っています。こんなことも弊社のプロジェクトマネジメントの研修の中でお話ししています。

実はもともとkintoneのコンサルだけ始めようと思っていたんですが、こういった問題解決・プロジェクト管理の研修もやってほしい、売ってほしいという話があってサービス化をしていますので、もしご興味がある方はお問い合わせいただければと思っております。では、ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

参加者から寄せられるプロジェクトマネジメントの悩み

小林悠氏(以下、小林):高橋さん、ありがとうございました。あと残り12分ほどございますので、ここからは2人で、みなさまからの質問を眺めながら「こんなふうにしたらいいんじゃないか」というお話をしていきたいと思います。

高橋:たくさん(コメントを)いただいてありがとうございます。

小林:さっと眺めていきましょうか。「自部署の仕事じゃないよなと思いながら、ベテランが多いから引き受けちゃう」「おすすめの書籍」「プロジェクトマネジメントは専任が難しくて兼任しちゃう」。

「勉強会のモチベーション」、これは社内でうまくいかないプロジェクトが多かったからですね。「ステークホルダーになりたがる、いっちょ噛みしたがる」、そうですよね。これは「薄くてもコミュニケーションをちゃんとする、情報を定期的に伝える」みたいな話がありますね。

高橋:上の質問から説明をさせていただくと、「プロマネを目指す人がいた場合に、大きなプロジェクトのサブから始めたほうがいいのか、小さいプロジェクトのメインから始めたほうがいいのか」というものがありました。

とても良い質問だなと思って取り上げさせていただくと、個人的にはちっちゃくても責任者を任せたほうが人は成長すると思います。やはりサブだと、「まあ上司が責任取ってくれるしな」みたいな感じになるんですよ。

例を言うと、私はもともと東京で働いてたんですが、名古屋のコピーライターの拠点長になれと言われて。(名古屋に)行って営業部の矢面に立ち、メンバーマネジメントもやったら、めっちゃ孤独だったんですよね。

上司は東京にいてちゃんと連絡を取れるんですけど、その場では自分しかいないので。自分で判断しなきゃいけないですし、回答しなきゃいけないのがすごく大変でした。でも鍛えられました。これはやはりサブじゃなくてメインだからなんですよね。

まずは勉強させるという目的なら、大きいプロジェクトに入れちゃうのも手なんですけど。「こいつは(鍛えたい)」という人を責任者に立たせるのが、グッと成長するポイントかなと思っております。

周りに仕事を振れないのは「甘え」

小林:ありがとうございます。「もともと1人でやっていたこともあり、人に業務をお願いするのが苦手で、ギリギリになって見かねたメンバーが助けてくれます。どうしたらもっとうまく人にお願いできるでしょうか」。高橋さん、いかがですか。

高橋:これも練習なんじゃないかなと思うんですよね。わかりやすく言うと、人に頼むアクションを決めちゃえばいいと思います。「とりあえず5人に頼んでみる」とか「3回頼んでみて断られたら自分でやってみる」とか。

そういう行動ベースのアクションに落としてしまえば、あとは自分でやらなきゃいけなくなるじゃないですか。そんなふうにやるといいかなと思います。

もう1つ、人によって違ったりするんですけど、たくさんのことをやりたいなら、自分だけじゃできないんですよね。多くの場合、プロジェクトマネージャーっていろんなものが集中するので……プロジェクトマネージャーは適切に判断しなきゃいけないから、暇であるべきだと私は思ってるんです。

なので「仕事を振れない」と言う人に対しては「君は甘えてるんだよ」と言います。それは自分で抱えたほうが楽だから。実は仕事を人に任せるのはスキルだから、それにチャレンジしようねと。

だから「まずは3人頼んでみよう。あの人に頼んでみよう。頼み方がわからないんだったら一緒に考えてあげるから、1人で頼んできてごらん」みたいにして、ちょっと階段を作ってあげながら任せるようにしております。

小林:そうですね。私もけっこう自分で幅広いことをやりたがるタイプなので、任せるのが苦手なんですけど。人によっては「お前がやるな、とにかく任せろ」というスタンスをする人もいるそうです。

プロジェクトの掛け持ちは、時間配分の交渉が大事

小林:じゃあ続いて、「おすすめの書籍名を教えてください」。高橋さん、いかがですか。

高橋:『漫画でわかるプロジェクトマネジメント』※みたいなものがあるんですが、今正式名称をちょっと覚えてないので。後ほど私のXで紹介をさせていただきますので、フォローをしていただければと思います(笑)。

『図解とマンガでわかる プロジェクトを成功させる技術』

小林:宣伝がてら、ありがとうございます(笑)。学問的には「PMBOK(『プロジェクトマネジメントの知識体系ガイド』」というものがあるのですが、わかりやすいPMBOKといった本を見ると、けっこう体系的にはわかります。ただかなりとっつきづらいので、私が好きだったのは『世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書』です。

続いて、掛け持ちプロジェクトマネージャーの話が出てきましたね。「弊社のプロジェクトは、通常業務の傍ら、掛け持ちで行っております。私はこれには無理があると日々思っております。お二人が行ってこられたプロジェクトは、掛け持ちでしょうか。それともプロジェクトとして切り取って取り組まれてきたのでしょうか」。これについてはいかがですか?

高橋:ものによって違いますね。掛け持ちでやるケースもあれば、メインでやるケースもあります。そういう時はオーナーである事業部長とかに「これ片手間でやっていいですか」と聞きます。

「時間割けないですけど、そのぶんのリソースで進められるスピードでいいんですか?」と聞いて「やだ」と言われたら「じゃあほかの業務を捨てていいですか? どれなら捨てていいですか?」みたいなことを聞きます。

私の時間の配分の仕方も、経営者が決めてるわけじゃないですか。なので「それを許容したらスピードが遅れてもいいですよね」みたいな交渉というか。喧嘩を売るんじゃなくて、事実を伝えて「ちゃんと時間が必要だな」と言うんだったら「じゃあ(他の業務を捨てて)時間をかけましょう」という会話をするようにしております。

ベテランに仕事を振りづらい時は

小林:自分もけっこうプロジェクトマネージャーの仕事は掛け持ちをしたりするんですけど。プロジェクトで一番作業をしてる人が掛け持ちだと、かなりつらくなると思います。

高橋:確かに。

小林:50パーセント・50パーセントで2つの仕事をやってる人のスピードは、2分の1じゃなくてもっと下がるんですよね。けっこういろんなことをやってるとスイッチしなきゃいけないから、ついつい(やるべきことを)忘れたりして、3分の1以下になるんじゃないかなと思います。

高橋:その感覚はわかります。プロマネって、慣れてくるとわりと複数プロジェクトを回せるようになるんですけど、実務者は手を動かす時間が必要なので。そこの時間のほうがけっこう貴重だというのはおっしゃるとおりだと思いますね。

小林:ああ、これは悩ましいですね。「これは自部署の仕事じゃないよな……と思いながらも、他部署にベテランが多いと自分で引き受けてしまいがちです。上手な割り振り方を知りたいです」。私も若手根性が抜けなくて、けっこうこのスタンスになりがちです。高橋さん、いかがですか。

高橋:言い方が悪いんですけど、ナンパというか。「何て言ったらこの人が『うん』と言ってくれるだろうな」というのをゲーム感覚でやるようにしてます。ちなみに私はナンパなんて人生でやったことないので、あくまで営業みたいなイメージなんですけど(笑)。

「この人は何に興味があるのかな」というのを考えて、何回かアタックすることをやってます。頼むことをゲーム感覚でいろいろチャレンジしてみるのも、心持ちとしてはありかなと思います。

プロジェクトマネジメントのスキルを社内に広める方法

小林:ありがとうございます。「プロジェクトの勉強会をやろうと思われた最初のモチベーションを、うかがいたいです」。これは、けっこう失敗してるプロジェクトが多かったので。

私の場合は当初明確な業務がなかったので、「前の仕事で培ったスキルを提供することで、喜んでくれる人が社内にいるんならやってみようかな」という気持ちで始めました。たまたまそれがニーズに合ったのが大きいですね。

高橋さんはけっこう「プロジェクトマネジメントを普及させよう」みたいなモチベーションが最初にあったのかなと思うんですけど。

高橋:ありましたね。

小林:どんなところにありましたか?

高橋:自分が一番苦労したんですよね。良い本がなかったんですよ。今はなくなっちゃったんですけど、私は新しいことを勉強しようとすると、だいたい渋谷のジュンク堂という大きな本屋さんに行って、関連書籍をざーって見て読みやすいものを探すんです。

プロジェクトマネジメントはやたらカタカナ語の多いITエンジニア向けのものが多くて、kintoneみたいな現場の社員が勉強するための易しいものがなかったんですよね。だったら自分たちで作るしかないと思って、実験して、勉強会をやって、足りない部分をつけ足していったら、しっかりした研修内容になったという感じです。

今日はベテランの方もたくさんご参加いただいてると思うんですが。プロジェクトマネジメントを教える時は、私が最初に問いを出したようなところまで噛み砕いて説明して、やっと「うーん、なるほど」みたいな感じになるので。けっこう噛み砕かないと、初心者の人にはわかりにくいんじゃないかなと思っております。

小林:私も「うちの組織だと、こういう言い方をしているのはここの概念だよ」と、けっこう社内にカスタマイズすることは心がけましたね。

高橋:わかります。例え話ね。

開発者とプロマネは役割を切り分ける

小林:あっ、次の質問は私が去年一緒に共演したジヤトコの岩尾さんですね。「プロジェクトマネジメントはチームで活動するにはとても大事ですが、一方で専任が難しいこともあります。とはいえ開発者がPMをすると全体を俯瞰してマネジメントすることができなくなりがちです。うまく兼任をしながら、プロジェクトマネジメントの体制をもつ良い事例やノウハウなどはありますか?」。

これは悩ましいですね。実作業をしながらのマネジメントですよね。なにかありますか?

高橋:いやもう、分けたほうがいいでしょうね。

小林:そうですね。

高橋:どうしても1人2役やると、自分の中で喧嘩しちゃう感じになるので。分けるかたちにしたほうがいいのかな。それか1人で兼務するんだったら、そのぶん時間を確保する。期間を伸ばすのが現実解かなと思っております。

小林:私もこれは分けるのが正解かなと思うんですけど、どんな人に分けるのがいいかは悩ましいですよね。

高橋:はい。逆に例えば技術の方でプロマネの経験も積んでるなら、(プロマネに)若手を登板させてもいいと思うんですよ。自分もカバーするから、「そのぶん(プロマネの)役割をやってね」というかたちにして、育ってくれたらラッキーだし、最悪自分で巻き取ればいいみたいな。けっこう育成機会としてとらえちゃうこともあります。

小林:やはり開発はスキルと経験が活きるんですけど、開発者とプロマネの兼任だったら、プロマネは業界歴がなくても意外とできる仕事なので。私もこの場合なら「すまないがタスク管理と進捗管理は任せる」と若手にお願いするのがいいかなと思いました。

プロジェクトに「いっちょ噛み」したがる従業員

小林:「従業員の多くがステークホルダーになりたがる(いっちょ噛みしたがる)のですが、そういった場合はどのようにステークホルダー管理をするのがよろしいでしょうか」。いかがですか。

高橋:これは深いテーマですね……プロジェクトを組む時にガチで大事にしてるのは、プロジェクト体制図をしっかり組むことですね。関係者が多い人には「ちゃんと責任取れよ」ということとセットでプロジェクト体制を組むようにしています。「名前を入れたんだからあなたも責任あるんだよ」と。

あとはステークホルダーに対して、ちゃんと指示が出せる人をプロジェクトオーナーに置くようにしてます。例えば営業部と製造部が関わるプロジェクトを、管理本部とか情シスがやるとけっこう難しいはずなんですよ。その場合は両方に指示を出せる経営者がトップに立たなきゃいけないです。

ですので、実はステークホルダーを管理するというか、その人たちの首ねっこを捕まえられる人をオーナーに据えることが、大事なんじゃないかなと思っております。

小林:私も同感ですね。やはり体制図を作ることが大事で、全部のステークホルダーを載せると「え、こんなにたくさんいるの?」とけっこうびっくりするような図になると思います。その図を管理できるのは誰かと言うと、確かに高橋さんのおっしゃるとおり、経営者までいかないといけなくなるかもしれないので。

まず全体図を書くのもコミュニケーションの1つなんですけれども、これが大事かなと思います。

プロジェクトマネジメントは意外と身近にあるもの

小林:最後に1個だけ。「国家試験であるIPAのプロジェクトマネージャー資格についてお考えをうかがいたいです。個人的には網羅的に学習できる点に肯定的です」。

やはり資格は網羅的に学習するので良いと思います。ただIPAの資格に関して言うと、実務経験がないと作文が書けないというデッドロック(複数のプロセスが互いに相手の処理の完了を待つ形になり、どちらも進行できなくなる状態)になるので、ちょっと悩ましいかなと。勉強だけでもいいかなと思いました。

高橋:たくさん質問をいだいてますね。ありがたい(笑)。

小林:これは「kintoneを浸透させるコツ」ですが、日頃使い続けるのが大事とかですかね。時間がきてしまいました、大変申し訳ございません。

答えきれなかった質問もありますが、今日のセッションを聞いていただいて「思っていたものとプロジェクトマネジメントは違うかもしれない」「意外と自分の身近にあるものだ」と考えていただいて、勉強するきっかけになったら幸いでございます。高橋さんもありがとうございました。それでは、ご清聴いただきありがとうございました。

高橋:ありがとうございました。

(会場拍手)