2024.11.29
“マニュアル作成が進まない問題”をAIで解決 管理者の負担も軽減できる、先進AIツール活用法
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西村創一朗氏(以下、西村):「次世代の個の市場価値の高め方」ということで、モデレーターを務めさせていただきます、株式会社HARES代表の西村と申します。
今回、起業家のためのカンファレンスで、起業家と市場価値はけっこうミスマッチというか。市場価値という言葉は、転職活動をしたり、会社員やサラリーマン、フリーランスの方であればよく使われる言葉なんですが、起業家に「個の市場価値」という言葉があまり使われるケースが多くないと思っています。
今日登壇される方々は、SNSを使いこなしたり、スキル投資をしたり、プラットフォームを作ったりして、個の市場価値との関連性が高いワークスタイルをされている起業家の方が集まっています。まずは川名さんから自己紹介をお願いします。
川名麻耶氏(以下、川名):よろしくお願いします。私はBOLDという会社でブランディングとスキルの投資を行っています。個の市場価値は、自分の影響力がお金に評価されたものだと思いますが、高めていくためには自分の影響力も高めていかないといけないし、その影響力がきちんと評価される仕組みもセットで作っていくべきだと思うんですね。
BOLDでは、従業員を抱えずに兼業ベースでその道のプロを集めたギルド形式で仕事をしています。常に異業種の人たちから違う視点をもらうことによって、これからの時代に必要な複眼的な視点を作って、自分の影響力を高めていける場を作っています。
報酬の在り方もクリエーターなどは顕著だと思うんですけれども、従来は、作業や制作物に対するワークペイや、能力・スキルに対する人月換算のコンサルフィーで支払われてきました。でも、そういったものじゃなくて、自分のスキル、つまり自分の報酬相当分を投資して、その分レベニューシェアでクライアントの成長したリターンを受け取る。そういった能力やスキルが及ぼした影響に対するペイができるようにしています。
ギルド形式はプロジェクトごとに集まってパッと解散なので、自分の価値も同じ会社にいるのと違い、価値もアップデートしていける。さらに、アップデートしたところがさらに成長していくことで、次の仕事でも価値を高めていけるかたちを作っていこうとしています。
西村:このあたりのお話は後ほどじっくり聞かせてください。続いては、ハヤカワ五味さんお願いします。
ハヤカワ五味氏(以下、ハヤカワ):株式会社ウツワという会社を6年くらいやっています。まだリリースは出していないですけど、新しい会社を立ち上げて女性向けのプロダクトを8月末から販売していく予定でございます。
女性の課題感だったりをテーマに継続してやっているんですけど、どうしてもこの分野は「誰が言うか」がすごく重要になってくるジャンルだと思っていて。特に女性の。
例えば、生きづらさだったり課題感だったりヘルスケアだったり、そういった部分も含めて、「ハヤカワさんのところだから信用できる」みたいなところが、事業の差別化になっているかと思っています。
それとは別に4年くらいAbemaTVでレギュラー番組持ったり、地上波やラジオ番組でMCやったり、メディア露出もしている感じでございます。
西村:続いて、divの真子さんお願いします。
真子就有氏(以下、真子):株式会社divの真子と申します。日本最大級のプログラミンスクール「テックキャンプ」の経営をしています。また、ご存じの方も多いと思うんですけど、「マコなり社長」という名前でYouTubeをやっています。
川名:今日は、マコなり社長の「【一瞬でバレる】仕事が出来ない人の話し方TOP3」を見て、ちゃんと勉強してきましたよ。
真子:ありがとうございます。そんなに真に受けすぎると話しにくいかもしれないんですけど、参考になればうれしいです。
西村:最後、黄未来さんお願いします。
黄未来氏(以下、黄):私は登壇者のみなさんと違って、今、会社経営をしているわけではいんですけれども、最初のキャリアが三井物産で商社マンを6年間勤めて、そのあとByteDanceというTikTokの中国本社で2年間働いています。
今は、中国生まれの中国人ということを活かしつつ、中国語の教室サービスを8月からテストでやっています。中国トレンド情報局というオンラインサロンも運営しているので、今日の肩書きが中国トレンド情報局になっています。
個の価値の高め方ということで、最近まさに思うことがありました。YouTubeを始めようと思って、自分のTwitterで「動画編集できる方いませんか?」と投げかけたところ、130件くらい応募が来まして。
西村:すごい。
黄:自分も会社員時代は、自分の市場価値に応じたスキルセットを身につけなければいけないと常に考えておりました。
ただ、新しいスキルや世に求められているスキルは、市場の動きによって大きく変動するもので、勉強したり、何かを身につけることも大事なんですけれども、時代の潮流に乗って自分がどうポジションを図るのか。スキルが単なる技能や1つの能力ではなくて、それをどうアレンジしてキャッシュポイントを作るのか。
それが時代をリードするのかといった視点であったり、アレンジやオリジナリティというものが市場価値を高める大きなポイントかなと思っております。どうぞよろしくお願いします。
西村:さっそくTIPSを披露いただいて、もうメモを取ることがたくさんあると思ってますけれども、トークテーマに入っていきたいと思っています。
まずは、SNSを発信し続けることによって個の市場価値を高めようと、ご自身の時間やお金を投資し続ける理由は何かということ。また、きっかけについても聞きたいです。
「マコなり社長」としてYouTubeを始めようと思った理由や、やって得られたもの、続けている理由は何でしょうか。
真子:3つありまして、まず1つ目が時間ができて暇になってきたからです。
西村:嘘でしょ(笑)。
真子:2つ目が社長としてYouTuberを誰もやる人がいなかったから。3つ目は動画を作るのが楽しいから。4つ目もありました。友だちがやっていたから。これが95パーセントくらいです。
西村:友だちがやっていたというのは、YouTuberがいたということですか?
真子:そうです。仮メンタリストえるという。
ハヤカワ:はいはい。えるさん。
真子:その友達が恋愛系のYouTuberとしていきなり伸びて、「真子さんもやったほうがいいですよ」とすごく勧められたのでやりました。でも、構造的に物事を考えていくなら、経営しながら週3で動画上げるのはけっこう難しいことだと思うんですよ。
西村:ですよね。
真子:当時は社員が150名を超えて、拡大フェーズに入って、僕みたいなゼロイチ大好き人間からすると、ちょっと飽きちゃったんですよね。
西村:正直ね(笑)。
ハヤカワ:でも、社長が余裕のあることはいいことですからね。
西村:暇になるのも社長の仕事ですから。
ハヤカワ:そうそう。
真子:僕は完璧主義者なので、すごくマイクロマネジメントしがちで、現場に出ると邪魔なんですよね。だから会社で何か縛っておいたほうがいい。大きな意思決定を半年に1回くらいして、あとは自室で待機しているのが一番いいと思う。
西村:(笑)。
真子:創業経営者は完璧主義者でサイコパスやADHDのような人がけっこういるので、拡大フェーズにおいて現場に出て口を出すと組織を作れなくて、結局社長に依存する組織になって成長が止まることがよくあるんですよね。
会社の経営のスタイルはそれぞれあると思うんですけど、私としては自分が邪魔にならないように、戦略的に身を引いて、自分が楽しいと思えることをやっていたというのが一番の理由です。
西村:それがきっかけのところですね。
真子:始めたら楽しくなって続けているという感じで、あまり崇高な理念とかはないです。
ハヤカワ:でも個人的に見ていて、やられている事業とのシナジー見ても、相性がまったく悪いわけじゃないのかなと思うんですけど、そこら辺どうですかね。
真子:確かに。言われてみればそうですね。
黄:「言われてみれば」という感じなんですね(笑)。
真子:一応社長をやっているんで、事業に関係なさすぎることをやると「なんか社長すごい動画上げているけど......」って。
黄:社内がちょっとざわつく可能性ありますよね。
真子:最初の頃は社員に「真子さん、よく時間ありますね」と言われましたもんね。
西村:「暇なんですか?」みたいな。
真子:「うん、暇だよ」って。今も売り上げにも、YouTube経由で貢献はしています。
川名:それはそれですごいですよね。
西村:月次で数億ってヤバいですね。めちゃめちゃ効いてるじゃないですか。
真子:そうですね。それは一定狙ってはいました。
黄:YouTubeでまだ成功されていない時代に、他の経営者の目が気になるみたいなことはなかったですか。例えば、同じベンチャー社長の中で「なんであいつYouTubeやっているんだ」とか。
真子:黄さん、素晴らしい質問ですね。そういう気持ちはすごくありますよ。例えば、本を出されて売れている方もいっぱいいらっしゃると思うんですけど、そういう賢者の人から見て、自分はすごく凡人じゃないか、変なことを言っているんじゃないかという恐怖感が最初すごくありましたね。
黄:真子さんでもやはりあったんですか?
真子:あります。でも、意外とみんな深いことを考えずにいろいろ言っているし、一番正しいことなんて結局わからないから、「俺はこう思う」というのをひたすら言っていけばいいと気付いたんですよね。「パクチー嫌い」と言っている人にブチ切れる人はいないと気付いたんですよ。
黄:パクチー嫌いって何ですか?
真子:パクチーが嫌いな人ってたくさんいますよね。でも、パクチーが嫌いなことに対してブチ切れる人っていないと思うんですよ。「なんでお前パクチー食えないの? 頭おかしいでしょ」という人はいない。
結局、僕のやっていることって、絶対的には世界の真理を語っているわけじゃないんです。あくまでいち解釈。寿司が好きか、カレーが好きか、パクチーが嫌いということと同じレベルだなって気付いて。そこで吹っ切れて最近は言いたい放題で、前も「全身ユニクロが一番かっこいい」と言って若干炎上しましたけど。
「価値観を押し付けるな」と言われるんですけど、TwitterやYouTubeは本来自由な発信ツールなので押し付けてないですよね。自分でフォローする相手を選べるので。僕の意見を信じるか信じないかは、結局見てる方次第なんです。
黄:そうですね。
真子:だから僕は絶対的な正義を語らないようにしているし、他の人の意見もウェルカムだし、そういうスタイルだと自己発信がしやすくなりましたね。
黄:私でいうと、SNSを活用した発信を会社員時代の友人や知人、周りがどういう目線でみているかというと、羨ましいと思いつつも、ファンを獲得したりフォロワーを獲得したりするためには、自己開示したりおもしろいことをやらなければいけないと思っている。でも、それが実質ブランディングになるじゃないかとか。
あと、同僚だったり、他の友だちの目から見て「あいつ痛いんじゃないか」と思われるのが怖くて、結局踏み出せずという人が多い印象があります。
川名:みなさんよりだいぶおばちゃんの世代なんですけど、私の世代がまさにそんな感じで。私自身もSNSがネックになって、今まで発信できていないんですよね。
この時代にすごく有用であることはわかりながらも、いいこと言わなきゃいけないし、1発目こそすごい完璧なことを言わなきゃいけないし、という気持ちにけっこう囚われることがあったり。
さっきの真子さんの「『パクチー嫌い』と言って怒るやつはいない」というので、「なるほど、これなら踏み出せるかも」とすごく思いました。
黄:でも私は逆だと思っていて。「パクチー嫌い」と言ってキレる人はリアルではいないんですよ。でもネットだったらブチ切れる人はいる。
ハヤカワ:いるいる。
真子:いろいろな意見をいう方がいっぱいいるといつも思っています。
黄:なので「パクチー嫌い」でも、ネット民はブチ切れるんですよ。
川名:なんと。
黄:ブチ切れられることを前提に発信するというマインドセットが大事だと思います。
ハヤカワ:そうですね。
黄:本当に揉めるというか、そういうことがあって当然という心構えでいないと。バーチャルではオフラインでの人間関係とは違うものがいるという心構えじゃないと、ちょっと病むかなと思います。
ハヤカワ:結局、どこにピンを刺したいかというか、どういう目的なのかという気はしていて。うちの場合であれば、女性で一定キャリアがあってとか、「こういうユーザー層に特に届いてほしい」というのが明快にあるわけです。
それ以外の人に何を言われたところで、お客さんではないとも言えるんですよね。そこら辺が1つ重要かなと思います。しかも、それが個人のユーザーに対して直通でつながってなくても私はいいと思っています。
例えば、フォロワーのフォロワー数が多いことは1つの基準だと思うんですけど、実際に自分がSNSで発信することによって、逆にピンになってくれる人と仲良くなれたり、直接フォロワー数が増える以外の重要な部分かなと思っていますね。
川名:参考になります。
西村:ちなみに、今のは有名税とどう向き合うかでもあると思います。フォロワー数やチャンネル登録者数、再生数が増えれば増えるほどいらないことを言われる。「パクチーを嫌いなお前が嫌いだ」みたいな。
西村:匿名なのをいいことに、リプとかコメントとか来るわけですよね。
ハヤカワ:最近は有名税が上がりすぎていますよね。ただでさえ納税しているのに、みたいな感じですからね(笑)。
西村:そうですね。誹謗中傷したら損害賠償請求できるということがあって、若干風向きが変わりつつありますけど、とはいえ速く走れば走るほど受ける風の抵抗も大きくなるところがある中で、あえて五味さんが発信し続ける理由は何でしょうか。
ハヤカワ:それでいうと、みなさまと私の場合は属性が若干違うかもしれないと思っています。私は高校1年くらいからずっとブロガーをやっているので、逆に発信しているという意志やノリもあまりなくて。15歳くらいからネットでずっと叩かれているので、「そういうものかな」みたいな(笑)。
西村:耐性が付いている。
ハヤカワ:そうですね。例えば、学校で嫌な人がいても「話さなきゃいいか」という感じになるじゃないですか。たぶん人生の30パーセントくらい、インターネットに接している状態なので、それが普通の状態になっていることは1つありますね。
それでも、ぶっちゃけ面倒くさいじゃないですか。でも、何でやっているかを考えると、直接ユーザーさんにつながることよりは、自分が一緒にやりたいクリエイターさんや、仲良くなりたいインフルエンサーの方と仲良くなれるところが一番ハマるかなと思っていて。
あと、うちの会社だと採用が基本的にTwitterからなので、そういった意味でもやっていてよかったという感じですね。
西村:デメリットもあるものの結果的に仕事にも活きるし、昨日のツイートでも「インフルエンサーの方からフィードバックがあってやる気が出た」とありましたしね。
ハヤカワ:そうそう。でも、誹謗中傷の話でいうと、たぶんキャラクター性だと思っていて。私はほぼ誹謗中傷はないんですよ。
西村:なさそう。
ハヤカワ:返り討ちに合いそうじゃないですか、端的に言うと(笑)。だから、YouTube以外は基本的に誹謗中傷はないです。YouTubeだけ若干あるんですけど、最近は細かく設定しているので、書き込めない状態になっていますね(笑)。
西村:素晴らしい。そういう対策もできるんですね。
ハヤカワ:そうですね。Twitterもフィルタを一番きつくしているんで、捨て垢(捨てアカウント)は見えない状態になっていますね。
真子:僕もぜんぜんないですよ、誹謗中傷。
黄:私もないです。
西村:ブロガーやインフルエンサーだと、炎上させてなんぼ的なところも考え方によってはあったりする中で、ビジネスをやられている起業家にとっては炎上がビジネスに対するリスクにもなるので、誹謗中傷や炎上しないように、ケアされていらっしゃるということですよね。
ハヤカワ:それはめっちゃあると思います。いい炎上と悪い炎上ってあるじゃないですか。一般的にいう炎上の範囲とツイッタラーがいう範囲って違うと思っていて。議論が盛り上がることと、誹謗中傷の割合が増えることは、区別して考えるようにはしています。あと、どうしてもダメだなという時は、火を焼べる側に回ることはたまにありますね。
川名:「火を焼べる」ってどうやるんですか?
ハヤカワ:私はNewsPicksとかテレビ東京で、二度ほど炎上させたに近い感じなんですけど。その時は明らかに相手に否がある場合で謝罪がなくて、そのまま行くと逆に私が炎上しそうだった。私がおじさんを批判したみたいな記事が出ちゃったんで。
西村:ありましたね。
ハヤカワ:「私はそういったことを言っていませんし、これは不本意です」ということを早めに表明したので、自分が炎上するところは避けられたというか。そこら辺のリスクマネジメントは普通に重要かなと思いますね。
西村:ありがとうございます。この議論も尽きないんですけど、そろそろ本題に行こうかと。
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