「記事広告はもう死んだ」と思っていた

菅原健一氏(以下、菅原):少し話が逸れました。それでは次のテーマにいきたいと思います。「メディアとの仕事の醍醐味とは?」。先ほどの話でもありましたが、お二人は当然代理店さんを経由して広告を出すこともあるでしょうし、今回のようにクラシコムさんとほぼ直接お仕事をして、むしろクラシコムさん側のお任せで記事を作っているわけですよね。

それってリスクがあるようにも見えますが、何かの狙いがあってやっていたんだと思います。どういった考え方や、使い分け方でやっているんですか?

高橋宏祐氏(以下、高橋):まず、今回の取り組みでは、僕はあまり口を出していません。最初はオールターゲットにいったので、「まずは自由にやってください」という感じでした。なにが刺さるかわからないから。

菅原:太っ腹な客だなあ〜。

高橋:いやいや。

菅原:「もういいよ、好きにやって!」と?

高橋:始まって1ヶ月目くらい、会社に入ってから1週間くらいで「どう思いますか?」と言われても、わかるわけがない。

菅原:むしろメーカーさんだと、お客さんのことはわかんないものですよね。メディアのように毎日「どうもこんにちは」というようなこともしていませんし。売り場がある小売の方がむしろ、もうちょっと詳しいくらいの感じですよね。

高橋:僕、実は記事広告というものをあまり信用していなかったんですよ。前職のソフトバンクのときに記事広告をたくさん書いて、最初の頃はすごく良かったんですが、後半の頃にはもう飽きられていて。ほぼ読まれないし、そこから先のクリックもない。そんな状態で、「もう記事広告とディスプレイは死んだんじゃないか?」くらいに思っていたわけですよ。

「もうソーシャルとリスティングでいいんじゃない?」くらいで。ミツカンにきて、「いまさら記事広告なんかやるの!?」というぐらいに思っていたんですが……。申し訳ありませんでした(笑)。

青木耕平氏(以下、青木):いえいえ!(笑)。

メルマガが本当に「マガジン」であれば、本数が多くても読んでもらえる

菅原:あらすじを見ちゃうとアレですが。

高橋:良かったです、すごく。

菅原:あれはでも、すごい数字すぎて。ちょっとね。

青木:メディアに関して言うと、よく僕らECの業者は、メールマガジンやLINE@などに打つわけですよね。実はうち、メルマガを週5から6も打っているんです。

高橋:そんなに!?

青木:そんなに打っているんです。LINEは1日何通も、というくらいですから。

高橋:1日に! 多いねえ。

青木:メルマガが2通来る日もあるくらいですから。そのときによく社員から「こんなに打ったらお客さんに嫌われちゃいますよ!」って心配される瞬間もあったんですよ。メルマガを増やしていく過程において。

最初は週に1回くらいから始まって、「もうちょっと増やせるんじゃね?」という感じでやっていって。これは先ほどの記事広告の話にも通じると思って言っているんですが、メルマガの回数が多いのが問題なのか、中身の問題なのかを切り分けて考えないといけないと思っています。

菅原:内容がつまんないから読まれないと。

青木:堀江貴文さんの有料のメールマガジンを取っているんですけど、お金を払ったら週に1回来るじゃないですか。あれ、同じ値段で週に5回来ても、嫌がる人はあまりいないと思うんですよね。「メールマガジンをいくらで送りますよ」という約束をしていて、その約束と違うコンテンツを送っていても、基本的に量が増えるなら喜ばれるはずであると。

ただ僕らの業界でいえば、「メールマガジンを送ります」と言ってパーミットを取ったはずなのに、メールチラシを送りつけていたら嫌がられる。

菅原:どこが「マガジン」なんだと。

青木:「マガジンじゃねーだろ」ということになる。僕らのメルマガは見ていただくとわかると思いますが、週5回送っていても、そのうちの2個は例えばラジオの告知だったり、ぜんぜん商品の話ではなかったりします。「20時のおつかれさま」という、火曜日の20時に送っているメルマガなんですが、それは純粋にエッセイだったりする。つまり、「マガジンとして約束しているからマガジンを送る」ということを守ってさえいれば、回数が多くても読まれるのではないかと思っています。

「北欧、暮らしの道具店」のメルマガ開封率が30パーセントを超える理由

内田佳奈氏(以下、内田):現に驚異的な開封率ですよね。

菅原:そうなんですか?

内田:何パーセントくらいでしたか?

青木:メルマガが30パーセントくらい。

内田:すごくないですか?

高橋:普通って数パーセントだもんね。

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