農業プロデューサーは“言ったもの勝ち”な肩書だった

丸山孝明 氏(以下、丸山):ここからは私、株式会社代官山ワークスの丸山が、ファシリテーターというあまりやったことのないことを今からやろうとしますので、みなさんいろいろと気になることもあるかと思いますがご容赦ください。

僕の自己紹介から入らせていただこうと思います。丸山孝明というのですが、農業プロデューサーという肩書を名乗っています。あまり名乗っている人はいないのですよね。なぜこう名乗っているのかというと、名乗っている人がいないから「言ったもの勝ち」みたいな世界があったんですね。それで、こういった名前の肩書を付けさせていただいています。

よく「なんのプロデュースしているの?」と言われるのですが、いろいろな産業で縦割りの構造が非常に弊害になっているという話を聞くと思うのですが、農業界についても同じことが起こっていまして、流通と小売と生産、この壁を一串に刺していこうというような勝手な理解で、私この肩書を名乗らせていただいています。

僕は実家が九州の大分県というところで、お米農家をやっております。今日のゲストの平山君のところもお米農家ということで、お米談義に花を咲かせられるかどうか、後ほどお楽しみにしていてください。

子どもたちが「農家になりたい!」と言ってくれる世の中

東京の大学を卒業したあと一般の会社に就職しまして、2013年2月に日本初のマルシェ専門企画会社ということで株式会社代官山ワークスを設立しました。なぜ代官山ワークスというのかというと、代官山町に会社を作ったので代官山ワークスと言います。例えば五反田で作っていたら、五反田ワークスとなっていたと思いますので、たまたま代官山だったというだけです。「たまたまそうなった」ということが多い感じの人生です。

僕の会社は「日本の農業をもっと面白く、ワクワクするような、子どもが憧れるかっこいい職業にすること」とようなことを掲げています。子どもたちにとってかっこいい職業ってものに、僕たち本当になれるのかなってたまに心折れそうになるのですが。「なんになりたいの?」と聞くと、サッカー選手とか野球選手とかのスポーツ系が多いですよね。あと、お医者さん。たまに「消防車になりたい!」みたいなことを言われるんですが、そこはなにも突っ込ずスルーしちゃいますけど(笑)。

そんな子どもたちが「農家になりたい!」という世の中が、あと20年くらいかけたらできるのではないかという、ワクワクする方々を2名呼んでいます。なので、あとでさんざんいじっていこうと思っています。

東急電鉄から打診された、新マンションへのテナント入り

うちの会社は渋谷と徳島県の神山町にオフィスがありまして、実は最近、直営の店舗もオープンしました。これもいろいろなご縁でオープンすることになったのですが、東急電鉄さんという私鉄がございまして、その東急電鉄さんの沿線上の街づくりの話で、突然うちの会社に外線がかかってきまして。「東急電鉄、都心なんとか事業部なんとかです」って。

「あれ? 俺なにかやってしまったかな? 東急の人なんて1人も知らないのにな……」と思ってたら、「たまプラーザにマンションが建つのですが、1Fにテナントとして入ってほしい」といわれたのです。

マルシェやってるのにテナントってどういうことなのだろう? と思って話を聞くと、うちの会社がやっているような農業と地方と都市をつなぐとか、農家と商社をつなぐようなお店をぜひ企画してくれないか? と言われて、お金は僕たちが出すからみたいな。そのような感じで東急さんからお話をいただいて、偶然にたまプラーザという場所でオープンすることになりました。それからちょうど1ヶ月くらい経ちます。

なかなか店舗って難しいですね、もう身に染みています。1ヶ月しかやっていないのに、既に身に染みているというね。そのような感じで直営店舗を一店舗設けています。

従業員を1つの部署に固定しない方針の理由

部署としましては、マルシェ事業部というのと、地域づくり事業部、店舗事業部、新規開発ということで、従業員が28人います。28人にしては部署多いですが、なぜかというと、うちの会社は1つの部署に人を固定していないのです。例えば、Aさんはマルシェ事業部所属なのだけれど、週に2回は店舗に出勤してくださいみたいな、マルチで固定をしないやり方をとっています。

不思議なもので、タテ割で部署を割ってしまうと情報共有ってなかなかできないのですが、部署のなかで週に何時間は違うことをやりなさいというと、意外と本業のほうが効率的になって「私まだまだ時間が余っているので、もうちょっと店舗にいきます!」「店舗も人余っているから大丈夫だよ!」みたいになるんです。

そのような感じで、けっこう効率よく事業部間で人が移動しているというのが、一つの特徴になっています。マルシェ事業部とはどのようなことをやっているのかというと、今日の平山君も参加していただいている横浜北仲マルシェなど、3つのマルシェを定期的にやっています。みなさん、行ったことある、または知っているという方いらっしゃいますか?

(会場挙手)

あ! ありがとうございます。うちの会社を知っている人というのでは、ほとんど挙がらないと思うんで、またこの名前でよくメディアに登場していると思いますので、こういったマルシェを我々はやっています。マルシェパートナーと書いているのですが、いろいろな会社さんが我々のマルシェを応援してくれています。

できればお金も出してほしいんですけど(笑)。「うちの空いているスペース使って良いよ! けっこう奥まっているけど大丈夫かな?」みたいな会社さんもいれば、「クライアント宛の取引にお中元を出したいのだけれど、いつもつまらないものしか送ってないから、うちの会社で見繕ってほしい!」「いくつですか?」って言ったら、「1500個」「それは無理です! もうちょっと……100個くらいならいけるのですけどね!」みたいな、そんな感じで、我々みたいな会社がどう活用されているかを僕たち自身が知らないので、勝手に企業さんがうちの会社とこんなことをやりたいと思ってくれて、話がいろいろ膨らんできているという、ありがたい話でございます。

究極のエクスペリエンスのため、農業に目を向けたレクサス

(スライドを指して)他にはこんな会社さんにサポートしていただいています。このなかでは例えば、レクサスさんは高級車メーカーですけど、そこもいまエクスペリエンス・体験というものを軸に、ミッドタウンの1Fでショーウインドウをやっていらっしゃいます。

たぶんみなさんもご存知かと思うのですが、そこで「やっぱり究極の体験といえば、自然界に立ち向かって行くというか、農家や一次産業はそれを補える体験なんで、ぜひレクサスも農業やりたい!」って。トラクター作って発売しますよ! っていうならまだわかるんですけど、「農業となにかやりたいです!」みたいな。

これもいろいろあったのですけど、グローバルの部署だったんですかね。実は水道橋にレクサスの会社はあるのですけど、アメリカとヨーロッパをいろいろ調整する部署からのお声がけでして、「なんでまた農家なのだろう?」みたいな感じで僕たちも呆気にとられています。こういった大きな企業さんでも、小さな企業さんでも農業という分野にかなり興味を持っているということは、我々も会社を運営していて日々感じていることでございます。