画像とテキストの組み合わせは永遠に不滅

米田智彦氏(以下、米田):ずっと、Webは動画に移行するって言われてたんですけど、やっぱり画像とテキストの組み合わせは永遠に不滅だと思ってて、それは自分の仕事であるからなんですけど。

僕は、インタビューを文字として刻むという行為が職業柄すごい好きで。言霊になってるというか、テレビもテロップつけられると思うんですけど、文字にすると全然違いますよね。

角田陽一郎氏(以下、角田):動画って、その人の時間を奪っちゃうんですよ。見続けたら見続けなきゃだめ。それは「時間を奪う」という価値ではすごくいいんですけど。

米田:リニアとノンリニアっていいますね。

角田:ところが文章は、止めても続きを読もうってなりやすいじゃないですか。

米田:そうなんです。

角田:ラジオとかでも文字起こしを読んでるほうが、話がすっと入ってくることがある。今、出版がシビアだとか言うけど、いやいや全然。文字のほうがむしろおもしろい。

米田:今みんながどれだけ文字を消費してるかっていう話ですよ。LINEとかチャットも含めて。

米田:あ、前田さんどうぞ、どうぞ。

角田:僕、さんまさんと仕事してたから、食い入れで喋らないと、あの人がずっと喋ってるから(笑)。だから、もう自分が喋る番になったらずっと(笑)。

米田:前田さん、テキストコミュニケーションについてどう思います?

前田裕二氏(以下、前田):僕は、そのターゲットや状況に応じて、必要だしなくならないものだと思ってます。そういう意味でも、ライブっていう概念はあるんですけど、動画を見せるときと、あとファンルームみたいなものがあって。

米田:インスタグラムがすごくヒットしている理由も、画像の強さっていうのがあると思うし。プラス、テキストの強さ。コメント欄が盛り上がるのも、テキストの強さだと思うんですよね。

人間ってやっぱり、ぺちゃくちゃ喋るのが好きなんだなって、ツールが出れば出るほど感じます。

前田:こういう機能があって、すごい使われてるんですよ。これは何かというと、今「オフライン」と書いてあるんですけど、演者の方がファンとチャットで、Web上でオンラインを同期してコミュニケーションしたりとか。

米田:これは、さっきの50代の方ですね。へえ。

前田:さっきの方です。画像を貼り付けたりするものです。

米田:なるほど。

角田:おもしろいですね。この話を聞いてると。テレビの未来はわかんないですけど、僕は芸能界の未来をすごく感じますね。

一同:(笑)

新しい市場、収入を得る場所が生まれた

前田:そこ、さっき伝え損ねてしまったんですけど、2つあると申し上げていたのは、今後、テレビとの関わり方の未来で思ってるのは、もうこの場所で起きていることが、マネタイズが1つの正しい稼ぎ方というか、市場と捉えられるようにしていきたいなと思ってて。

例えば、さっきのチヅルさんだって、月100万円以上の売上です。

角田・米田:すごいですね。

角田:主婦の範囲、超えてますよね。

前田:何でもなかったような子たちが月500万円、600万円って平気で売り上げてしまうんですよ。

それってもう、一流アーティストになるよりも売り上げてるかもしれないのにも関わらず、あの子たちにとってのマスは、CDを出してメジャーデビュー、テレビに出るとか、そこなんですよね。

米田:でも、月に500万稼いでたら、自分でもレーベル作って出せるんじゃないんですか?

前田:そうですね。ただ、今はそれが難しいというか、彼女の「憧れ」っていうのが、そのマスと捉えられているもので。

米田:ああ、なるほど。燦然と輝くステージがある、と。

前田:そうなんですよ、偶像的なものに憧れているという感じです。

角田:未来っていう話なんですけど、聞いた話なんですけど、AIが来年以降めちゃくちゃ進化するらしいです。「えっ、これもうAIなの?」っていうところまで。「何でわかるの?」みたいなところまで、AIになるって聞いたんです。

要するに多分、数年後には「運転手」っていう職業がなくなっちゃうじゃないですか。今までは、つまらない仕事を会社でやって、そのお金をためて趣味で生きてますっていう生き方が成立してたと思うんですけど。つまらない仕事、なくなっちゃうんです。

米田:いや、そうなんですよ。

角田:そう、結局。

これからは趣味が仕事になる

米田:みんなが趣味を仕事にしていいという時代が来ると思う。

角田:今までだったら、「趣味は仕事にしていい」だったと思うんですけど、「趣味を仕事にせざるを得なくなる」と。もう、「いい」じゃなくて、あなたが今やってる、ほぼつまらない仕事がなくなる。

米田:好きなことしかやらなくなるっていうことですね。

角田:そう。ロボットがやるので、つまらない仕事自体がなくなっちゃう。そうすると、おもしろい仕事しかなくなると。

おもしろいことを一生懸命やったほうがいいし、それを相手にどう見せていくか、影響力を入れるかということで、「時本主義」というか相手の時間を稼ぐということが新しいビジネスモデルになるんじゃないかと。

それをこのSHOWROOMでやったり、ライフハッカーで文章にしたり、写真にしたりなんかを。

「インターネットのなかでのコミュニケーションツール」というエンタメから始まったと思うんですけど、「エンタメ=ライフ」というか、もう人生はエンタメでしかなくなっちゃうんじゃないかなと、僕は究極的に思ってるんです。

米田:昔は映画のような人生って言いましたけど、人生が映画っていうね。

角田:人生が映画、そうそう。既にそうなって、未来の発端が多分SHOWROOMとかで。まさに今そうじゃないですか。「俺の人生見なさいよ」って。見ておもしろければ価値になる、と。

つまらない仕事やってるけど、つまらない仕事に持って行っていた弁当がおもしろきゃ、弁当のブログ書くだけで人気になっちゃうみたいな、そういうことじゃないですか。

本当の面白さは「自然体」のなかにある

米田:トークショーに出させていただいて言うのもおこがましいんですが、新宿三丁目とかゴールデン街で飲んでて、変なおじさんとかいるじゃないですか。

ああいう人って自意識が……何ていうの、「無意識過剰」なんですよね。自意識がまったくない、「無意識過剰」。

自分がおもしろいと思ってない、おもしろいおじさん、いるじゃないですか。ああいう人を誰かがプロデュースしてあげたら最強のコンテンツになるのにって思いながら、いつも僕、飲んでます。

角田:それは佐藤さんの仕事になるよね。クリエーターをどう世に出していくかみたいな、キュレーター的というか、編集者というか。

米田:自意識がない人は、自分がおもしろいと思ってないですからね。

角田:正月に夢をかなえるというさんまさんの番組で、僕は街頭インタビューをずっとやっていて、3,000人、4,000人にインタビューするんですよ。本当におもしろい人は、向こうから来ますからね。

一同:(笑)。

角田:「すいません、ちょっとインタビューお願いします」って言っちゃだめなんです。こっちへ向かってくる人は、聞くと必ずいいインタビューがもらえるっていう鉄則があって。

全員がインタビュアーじゃないって言ったけど、見つけるチョイスというか、それがすごく求められる。

米田:そうなんですよね、引き出す話術というか、それもあります。

角田:僕テレビで作ってて思うのは、いい意見があったとするじゃないですか。意見があると、右のほうから、左のほうから、両方からいじめられるのがテレビなんですよ。「えっ、全部悪者!?」みたいな。どっち側からもいじめられる。

米田:何やっても怒られる。

角田:何やっても怒られるんですよ。「またテレビが」みたいな。でも僕ね、テレビの言ってること信じなきゃいいと思うんです。

一同:(笑)。

演出やエンタメは“幸福な詐欺”

角田:そうそう、適度に信じて、適度に疑えっていう、この適度を学ぶのがこれからの未来に絶対大事で、その適度がなくて信じたら裏切られたとか、あるいは全然信じないとか。

米田:いわゆる情報リテラシーってやつですね。

角田:はい。それ自体が必要なのに、何でみんな、信じちゃうのかなと。

米田:でもネットだと、みんなリテラシーあるの前提だから怒んないんですよ。テレビだと怒られるけど、ネットだと「ほら、ネタだったじゃん」で終わってしまうという。

一同:(笑)。

角田:だから、何かあった後「なんちゃって」が全部ついてるんだって(笑)。テレビとか。それを思って見てればいいんじゃないかなという。

米田:確かにネットって、嘘が前提かもしれないですね。嘘って言ったら失礼だな。演出? 仮想?

角田:仮想は前提かもしれないですよね。

米田:仮想でいいっていう、死ぬまで仮想、演出でいいっていう。「幸福な詐欺」っていう言葉が僕、好きで。演出とかエンタメって、幸福な詐欺だなと思うんですよね。

角田:テレビだと、「テレビの魔法」っていうとき。例えば昔って月曜日、「月9見なきゃ!」って言ってませんでした?

でも、「見なきゃ」って文法的におかしいじゃないですか。見なくたっていいのに。でも職場とか学校へ行くと、「うわ、月9見なきゃやべえ」とか、「ジャンプ月曜日買わなきゃ」とか。「買わなきゃ」っておかしいじゃないですか。

それって僕、魔法だと思うんですよ。それがあるからドラマがおもしろく見えたりもするんですけど、今はもう1話を見ないで、2話の評判を見ておもしろいと思ったら1話をどっかで探してきて見る、みたいな。だから、魔法がかからない時代にはなってきたなと思っています。