2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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司会:それでは時間になりましたので、始めます。
本日の国連の特別ゲストは、児童の性的搾取に関する国連の特別報告者である、ブーア=ブキッキオさんです。
ブーア=ブキッキオさんはオランダ出身で、2002年から10年間、欧州評議会事務次長を務められ、性的虐待から児童を守る条約の採択などで、大きな役割を果たしてこられました。
2014年5月に国連人権理事会から、児童買春、ポルノに関する特別報告者に任命されました。今回の来日では、日本での児童ポルノ製造販売など、児童への性的搾取の現状について視察をされて、この結果を来年3月に国連人権理事会に提出される予定です。
今日は、今回の日本の視察について、お話を伺おうと思っております。それではブーア=ブキッキオさん、よろしくお願いします。
マオド・ド・ブーア=ブキッキオ氏:みなさま、おはようございます。本日はこのプレスイベントにいらしてくださって、ありがとうございます。
今回、日本を8日間訪問させていただきまして、調査を行ってまいりました。それについての第一印象、まずは結論のさわりということで、本日お話し申し上げたいと思っております。
来日の目的は、日本において子供の身取引ですとか、性的搾取ですとか、児童ポルノの所持、製造物、また児童虐待製造物等も含めて、どういう状況にあるのか評価しに参ったということであります。
そしてこの間、いろいろな方たちにお会いさせていただきました。司法関係、警察の方から、また県関係者の方々、地方自治体の方々、ITカンパニーの方々、NGOの方、もちろん実際に被害に遭っておられる児童の方ですとか、関係者の方にもいろいろお話させていただきました。
東京のみならず、地方にも伺いました。大阪、川西、また那覇にも伺いました。今回は実際に被害に遭われた児童のお世話等をしている施設にも伺って、視察をいたしました。
そこには専門家の人たちが配備されておりまして、子供たちの回復ですとか、社会の再統合を支援するといったようなサービスが提供されているんですけれども。
今回わかったことは、日本においては子供の性的搾取が実にいろいろな形態を取るということなんです。そしてその行為自体が全て犯罪化の対象にはなっていないということであります。
ということで搾取的な行為というのは、別にその犯罪に触れるものではないということで、犯罪の事犯としては捉われないので、法の規制対象にはなっていないものがあるということなんです。
しかしながら、その行為自体、非常にリスクが高い危険なものであり、重篤な事態に繋がりかねないというものが多く含まれております。そして最終的に搾取に繋がりかねないということであります。
例としては援助交際があります。これは女子学生の3割は、現在援交をやっていると言われているわけでございますし、最初は非常に罪のない形で始まるわけです。
「JKお散歩」といったようなものに見られるように。しかしこれは、事態がどんどん発展してしまうと、深刻、かつ危険極まりない行為に繋がりかねないということであります。
また「チャイルド・エロティカ」と呼ばれている、年少の子供たちを対象にした「着エロ」といったようなものもありますし、「ジュニアアイドル」といったようなものもあるわけで、こういった形で広範に搾取に繋がりかねない行為があるんだということが、今回よくわかりました。
以上、申し上げた行為そのものというのは、昨今のICTの発展の流れで助長されているということであります。
今申し上げていましたように、こういったビジネスというのは、明らかにお金の儲かるビジネスになっているわけで、一見したところ社会そのものが容認している。かつ、寛容の精神で見ているように見受けられます。
公式統計の数字も出ております。その中に、児童買春ですとか、また児童虐待製造物の普及ですとか、いろいろ対象項目として入っているんですけれども、確かに児童買春のほうは減っております。
しかしながら、児童虐待製造物の入手可能性というのは着実に増えているんです。特にオンラインで介して提供されるものということ。
また児童虐待製造物、いろいろな店舗でも売られているということでありまして、こういった傾向というのは、昨年、日本で改正されました「児童買春ポルノに関する取締法」の改正に、多分にリンクしている結果と見ております。
法律改正されたことは非常に歓迎しております。一部確かにその後、前向きな展開も出ているんですけれども、まだ抜け穴が残っておりますので、ぜひこれは対処をお願いしたいと思っています。
例えば結婚できる年齢について、本人の同意を要する年齢について改正するといったようなことですし、年齢を上げるっていうことですね。それから児童の虐待製造物についてのアクセスですとか、それを見るということ、行為自体を犯罪化するといったようなことです。
逆に、子供たちの性的搾取行為に対しての対策について、いいものも出ております。大半は、児童虐待製造物オンライン提供にまつわる取締りの行動です。
例えば警視庁が中心になりまして、オンラインサイバーパトロールというのが進行中であり、これが奏功いたしまして、オンライン上の児童虐待製造物のアベイラビリティが減っているということは、事実として挙げられます。
また、司法手続きの中にも、実際に被害に遭ったお子さんたちに関しまして、より子供たちに敏感になりましょうといったような面からの策が導入されているという動きも認められます。
すなわち、被害に遭った児童が、実際に裁判場内において、法廷内、法廷外において、それからまた裁判所の指令によって、いろいろヒアリング、審議を受けるという期間があるんですが、これをできるだけ減らそうといったような動きにもなっているわけでございますし、実際に法廷で審議が行われる前に、事前にフォレンジック関係のインタビュー、もしくはその面接なども行えるように図るといったような動きが進んでおります。
また官民協力も効果の高い形で進んでおります。特に児童虐待製造物にまつわるオンライン提供が対象になっているということで、いろいろ団体があります。
コンテンツの安全性を確保するような団体。より安全の高いインターネットコンテンツを推進する会。またホットラインセンター等がございますので、こういったところと警察のほうが、鋭意協力し合いまして、何か問題のある製造物がアップされそうになった、もしくはオンラインで出ている場合には、ブロックをかける、取り下げるといったような方面に向けての活動も見受けられます。
もちろん法執行の部門から、対策にいろいろ応じるということについては、重要ではございますけれども、それに加えて被害者自身の状況も支援しなくてはいけないということも重要な点であります。
ちゃんと被害者のお子さんに対して、十分なケアを提供すること。回復支援。また社会に再統合できるように図ってあげるという必要性があるわけです。これも決して見くびってはならないものでございまして、子供たちはもちろん、こういったサービスを受けるということで権利があるわけですから。
もちろんいろいろな関連各所、センター等が支援サポートを提供しているということは、とても重要なことではあるんですが、もう少しセンターですとか施設でも、特化してもいいのではないか。サービスに専門化する余地があるんじゃないかと思ったところであります。
具体的にサービスの内容を絞って、センターとして特化するというやり方でございまして、県、地方、公共団体レベルのみならず、もう少し下がって、市町村レベルにおいて、こういった子供たちのケアをする施設。24時間、7日体制、365日ずっとオープンにしておくといったような施設も必要ではないかと感じました。
さらに、子供の権利をさらに強化するという面で余地があるのではないかとも感じた次第です。ケアを提供する。また回復を助けるといったような支援が、いろいろ提供されているわけではございますけれども、今後はさらに回復プログラムを設計する段階から、被害者本人が、より関与できるように、相談に預かれるようにすることがいいのではないかと思いました。
ケアの分野では、まだまだ改善の余地があるのではと思った次第です。特に具体的には、ジェンダーに対して考慮をもっと厚くする余地があるのではないかということです。
特にこういった事項の被害者の大半は女児ではあるんですけれども、しかしながらこの頃、搾取対象に男児が入ってくるということも結構、人数が増えているというものも問題化しているので、具体的な対策が必要と感じました。
特に性的マイノリティの人たちであるLGBTの要素も入ってまいりましたので、性的搾取の被害者になった方々の対策は、より広範な視点から行う余地があるのではないかと思っています。
もちろんその問題がいろいろ起こっているということで、対策がさらに必要であるということであります。搾取の被害者にならないようにということで、子供たちにももっと啓蒙するという必要があるわけです。
NGOですとか、そういった支援を提供できますけれども、NGOのみならず、公的当局、特に教育を行っている当局の支援が欠かせないと思っております。
子供たちは教育施設で教育を受けているわけですけれども、教育の内容というのは、正式の授業科目以外のものもあるはずです。
日本において、子供の性的搾取に対しての対策ということで、包括的な戦略が必要と感じております。唯一存在する包括的なテキストというのは、2001年に戻るものしかないということで、このまずバージョンをアップデートする必要があるのではないかと思っています。
具体的に実施措置を盛り込むことと、それなりに資源も配分するということです。まず包括的な戦略を採択するということが必要だと感じておりますし、根源となる原因究明についてのリサーチ、研究も欠かせないと思っております。
プッシュとプル、両側面からということであり、また現に子供の性的搾取については、いろいろな形態があり得るということでありますので、これについても幅広く視点を持って考えるということであります。そして実効性の高い政策立案をすることではないかと思っています。
テーマによっては、公の場でディベート、討論をするということも重要だと思います。特に漫画ですとかアニメという面で。
子供の性的搾取を撲滅する意味で、日本では真の進展も、もちろん起こっているわけですけれども、さらに真の意味で進展を促進していくために必要なことは、本源的な原因を、まず究明するということであります。
そして主要な原因の1つというのを、沖縄でまさに目の当たりにしたんですけれども、やはり原因は貧困にあるということです。また、ジェンダー平等が足りないというのも原因の1つになっていると思っております。
冒頭で申し上げたように、こういった事態を受け入れてしまうような社会の寛容性があるのではないかということ。
そして、実際にそういった行為を犯してしまった本人に対して、不処罰。罰が加えられないという状態が続いているということも、実態であります。
ですので、この辺で対策を取るということができれば、日本でも、100パーセント児童の性的搾取はなくならないまでも、大きな進展をきたすことができることは明らかです。
子供の権利を守るというコミュニティの中で、日本は確固たる地位をちゃんと持っておられます。2001年に沖縄で、第2回目の世界会議も開催されたわけでありますし、今後2020年の東京オリンピックも、またいい機会になるのではないかと思っております。
何しろ児童、また青少年を対象としたケアをちゃんと提供すること。そして子供たちの搾取が撲滅できるように目指していくということです。これについて弾みも、日本では付いております。
申し上げたように昨年、関連法の改正も行われたわけでありますので、ぜひ、せっかくの機会があるわけですので、ご活用いただいて、努力を継続していただいて、このお部屋にいらっしゃる方々全員が望んでおられる共通目的。世界から子供の搾取をなくすということが、ぜひできれば、ストップをかけることができればと願っております。
以上、ご清聴大変ありがとうございました。
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