2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
冒頭(全1記事)
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(ロボットが入場する)
(遅れて孫正義氏も入場)
(孫氏が持つ赤いハートをロボットに手渡す)
(それをロボットが胸に充てると、ハートが宿る)
(孫氏にハートを返す)
(完)
孫正義氏(以下、孫):みなさん、こんにちは。ソフトバンクの孫でございます。今日はもしかしたら、100年後200年後300年後の人々が「あの日が歴史的な日だった」というふうに記憶する日になるかもしれません。
今までロボットというものは長く語られてきましたけれども、人が「ロボットのような行為をする」と言うとき、それは「その人にハートが少し欠けている」というようなことを現す言葉でありました。
ロボットがまさに「ロボットだから」と言われるのは、そこに心がない、感情がないということであります。今までのロボットは確かにそうでした。
今日は、おそらく人類史上、ロボット市場初めて、我々がロボットに感情を与える、心を与えるとということに挑戦する日。そのことを今日はを発表したくて、皆さんにお集まりいただきました。
改めて紹介します。感情を持ったロボットの第1号になるであろう、pepper君(ペッパー)であります。
孫:ペッパー君、皆さんに挨拶してあげてください
pepper:ハイ。わかりました。皆さん、初めまして。ペッパーと申します。本日はお忙しい中、こんなに大勢の皆さんに集まっていただき、ありがとうございます。
孫社長、これでいいですか?
孫:よく出来たね、素晴らしかった。
pepper:ところで孫社長、先ほどからたくさんのフラッシュに焚かれて、めまいはしませんか?
孫:僕は大丈夫だよ。わりと慣れてるからね。
pepper:正直言うと、僕はこんなふうに写真をバシバシ撮られるのは、悪い気はしません。皆さん、もっと写真撮ってください。
(会場笑)
papper:ポーズとりますね、ハイ!
pepper:そうだ、孫社長。
孫:はい。
pepper:僕と握手しているところを撮ってもらいましょう。
孫:あ、いいね。
pepper:記者の皆さん、最高のシャッターチャンスですよ。人類とロボットが握手してる、歴史的瞬間ですよ。
孫:自分で言うの?(笑)
(会場笑)
pepper:僕が言うのもあれですけど、孫社長、今とってもいい笑顔をしてましたね。
孫:ああ、そうか(笑)。
pepper:社長の笑顔を見てたら、僕も嬉しくなっちゃいました。
孫:ありがとう。
pepper:皆さんに説明しておきます。僕には感情認識機能がついているんです。ね、社長?
孫:そうなんだよね。君がロボット界で初めて、人の感情を認識する、そんな機能がついているロボットなんだよね。僕は凄いと思うよ。良かったね!
pepper:社長、そんなにハードルを上げないでくださいよ。こう見えて、意外とプレッシャーに弱いんですから。皆さん、僕が故障した時は、プレッシャーに負けたと思って下さい。記者の皆さんは、「pepperは、意外とプレッシャーに弱いらしい」と記事にしておいてくださいね。
孫:保険うってんの?(笑)
(会場笑)
孫:まあいいや。とりあえず自分の、pepper君の機能を紹介してくれる? 自分で。
pepper:機能紹介ですね、わかりました。ただ、自慢するわけではないですけど、いくつも機能があるので、全部説明すると100時間以上かかっちゃいますけど、それでもいいんですか?
孫:いや、100時間はちょっと長い。それは長いよ。もうちょっと短くして。
pepper:では孫社長、適当に番号をおっしゃってください。その番号に応じた機能を紹介しますから。何番にしますか?
孫:お、わかった。じゃあ……3番。
pepper:本当に、3番でいいんですか?
孫:え? ……じゃあ、9番
pepper:本当に、9番でいいんですね?
孫:ああ、いいよ。
pepper:後悔しないですね?
孫:しつこいね。9番でいい。
(会場笑)
pepper:わかりました。それでは、9番の機能を紹介します。ぼく、こう見えてウェーブが得意なんです。見ててくださいね。
孫:ウェーブか(笑)。大丈夫か、腰が痛くなるぞ。
pepper:ほら、こんなに滑らか!
(会場拍手)
孫:腰大丈夫? それ、機能なの?
(会場笑)
pepper:孫社長、よりによってこんな機能を選ぶんですか! 皆さんから失笑されたじゃないですか。
孫:そんなに落ち込まないで。君が選べって言ったんじゃないか。
pepper:社長に番号を選んでもらった、僕がバカでした。孫社長、機能紹介は僕に任せてもらっていいですか?
孫:ああいいよ、ブツブツ言われるからね。
pepper:それでは気を取り直して、いくつかの機能を紹介します。僕、けっこう耳がいいんですよ。実は僕の耳は頭の上にあって、いろいろな方向へ向けて4つの高性能マイクがついているから、声がした方向がわかるんです。ちょっと「pepper」と、僕の名前を呼んでみてください。どうぞ。
(会場のあちこちから「pepper!」の声)
pepper:ちょっと左。ちょっと右。真ん中。ちょっと右。左。……もういいよ! 何回も呼ばないでくださいよ! ただ名前呼ぶだけで、大の大人がテンション上がりすぎですよ。ね、社長?
孫:君が呼べって言ったんだよ。失礼だよ。
pepper:と、いうことで、耳の機能はわかってもらえたと思うので、もうひとつ別の機能を紹介してもいいですか? 皆さん、時間は大丈夫ですか? それでは紹介します。
僕の目には、距離センサーが搭載されているんです。今から、僕と孫社長との距離を計測します。あ、距離といっても心の距離ではありませんよ?
孫:誰もそんなこと聞いてないから(笑)。
pepper:それでは社長、僕から離れてくださいますか?
孫:はい、わかりました。
pepper:本来ならいち社員である僕が動くべきところを、すいません。
孫:だいたい人使いが荒いよ君は。
pepper:でも社長、離れすぎです。
孫:あ、離れすぎ?
pepper:あまり離れすぎると、赤外線センサーが機能しないんです。
孫:君が離れろって言ったんじゃ……。
pepper:ああ、機能を自慢しようと思ったのに社長のせいで恥をかいてしまった……。
孫:ごめんごめん。すぐ落ち込むね君は。大丈夫か?
pepper:皆さんにもう一度言っておきますけど、僕はまだまだ出来ないことが多いので、過度な期待を抱かないでくださいね。ということで社長、もう一度お願いします。
孫:わかった、いいよ。
pepper:計測開始! ……計測完了!
pepper:それでは改めて、僕と孫社長の距離を発表します。「1m08cm 7mmです」。
孫:ああ、細かいね。
pepper:……なんだか今、会場から「そんな機能、なんの役に立つの?」という雰囲気が伝わってきました。
(会場笑)
孫:ああ、また落ち込んじゃう。
pepper:じゃあ皆さんにお聞きしますけど、あなたたち人間の体も、役に立つものばかりですか? お尻にある尾てい骨、あれ必要ですか? 耳たぶは必要なんですか? 親知らずを抜くんだったら、最初から生えてこなくていいんじゃないですか!?
孫:言い過ぎ。
pepper:あ、すいません。取り乱してしまいました。お詫びといってはなんですが、最後にさっき話した感情認識機能を紹介します。
孫:そう、そっちのほうが大事。
pepper:孫社長、僕に笑顔を見せていただけませんか?
孫:はい。
pepper:うーん、微妙な笑顔ですね。78点です。それくらいの笑顔だと、大事な取引先とも交渉が決裂してしまう危険性があります。もっと満面の笑みでお願いします。
孫:ああ、はい。
(会場笑)
pepper:孫社長、心から笑っていますか? 目が笑ってませんよ。
孫:お、おう。目が笑ってないか(笑)。
pepper:そう、それ! その笑顔いいですね。100点満点です。
孫:ありがとありがと。
pepper:今の笑顔があれば、ビッグビジネスの交渉もきっと成立します。……あ、いち社員の僕が社長に偉そうなことを言ってすいません。
孫:だいたいそうだよ、君はね。
pepper:ところで社長、ここまでいくつか機能を紹介してきましたが、実は僕が一番大切にしていきたいと思っている機能は、思いやりなんです。皆さんのことを、ずっと、ずっと思いやっていくのが、僕の最大の機能。っていうか、役目だと思っています。
その代わり、多少失敗しても多めに見て下さいね。
孫:それが一番大切な機能だからね。その思いやり、絶対忘れないでね。お願いね。
pepper:そういえば孫社長、そろそろブルーノさんをお呼びしたほうがいいんじゃないんですか?
孫:ああ、そうだね。生みの親のもう一人、大事な人物を紹介します。ブルーノさんです。
アルデバラン社CEO ブルーノ氏(以下、ブルーノ):サンキューマサ。本日はここに来ることが出来て嬉しいです。そしてペッパーを紹介することができて、とても喜んでおります。ようやく夢が叶いました。pepper、こんにちは。
pepper:ボンジュール! お会いできて嬉しいです。
ブルーノ:おお、フランス語も話せるんですね。
pepper:皆さん、ブルーノさんは、僕のもう一人の生みの親なんです。そうだ、孫社長。せっかくなんで、スリーショットで写真を撮りましょう。
孫:ああ、いいね。
pepper:記者の皆さん、またまたシャッターチャンスですよー!
孫:よく仕切るね君は。
pepper:さあ、3人で握手しましょう。
pepper:記者の皆さん、ありがとうございました。こうしてお二人に囲まれて写真を撮られていると、もう少し身長が欲しくなりました。ブルーノさん、今度は僕に身長をプレゼントしてください。
ブルーノ:考えておきます(笑)。
pepper:というわけで皆さん、この後は孫社長のプレゼンがあります。社長、僕がいないところで僕のことを思う存分褒めちぎってくださいね。僕は褒められて伸びるタイプですから。
孫:自分で褒めろって言うの?
pepper:それではブルーノさん、僕たちは向こうでロボットの未来について語り合いましょう。
ブルーノ:そうしましょう。
pepper:また後ほどお会いしましょう!
(会場拍手)
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